有価証券報告書-第22期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/18 13:18
【資料】
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【項目】
91項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営環境
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、企業の収益改善や設備投資を受けて概ね緩やかな回復基調が続きました。また当社グループ事業に関連する消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の市場規模及び外食産業市場規模は堅調に拡大を続けております。
② 経営成績及び財政状態の状況
当社グループの経営成績は、以下のとおりです。
売上収益は54,832百万円(前年同期比17.2%増)となりました。これは主として、『食べログ』の飲食店販促事業、『食べログ』『価格.com』の広告事業、並びに『求人ボックス』及び連結子会社㈱カカクコム・インシュアランスの各事業における売上収益の増加によるものであります。営業利益は25,070百万円(前年同期比9.6%増)となりました。これは主として、売上収益が増加した一方で『食べログ』に係る広告宣伝費が増加したことによるものであります。税引前利益は24,839百万円(前年同期比8.8%増)となりました。これは主として、営業利益が増加した一方で持分法による投資損失を計上したことによるものであります。親会社の所有者に帰属する当期利益は16,697百万円(前年同期比6.4%増)となりました。これは主として、税引前利益が増加した一方で一時的な税額を計上したことによるものであります。
セグメントごとの業績(内部取引消去後)は次のとおりです。
当連結会計年度のインターネット・メディア事業の売上収益は53,112百万円(前年同期比16.6%増)、セグメント利益は24,503百万円(前年同期比8.8%増)となりました。当連結会計年度のファイナンス事業の売上収益は1,720百万円(前年同期比41.1%増)、セグメント利益は561百万円(前年同期比61.2%増)となりました。
当社グループの財政状態は、以下のとおりです。
資産合計は51,242百万円となり、前連結会計年度末と比較し8,471百万円増加いたしました。これは主に現金及び現金同等物が5,393百万円、営業債権及びその他の債権が1,065百万円、非流動資産のその他金融資産が584百万円増加したことによるものであります。
負債合計は10,301百万円となり、前連結会計年度末と比較し1,439百万円増加いたしました。これは主に営業債務及びその他の債務が659百万円、その他の流動負債が381百万円増加したことによるものであります。
資本合計は40,941百万円となり、前連結会計年度末と比較し7,033百万円増加いたしました。これは主に親会社の所有者に帰属する当期利益16,697百万円を計上したことにより利益剰余金が増加した一方で、自己株式の取得及び処分2,707百万円、剰余金の配当7,135百万円を計上したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ5,393百万円増加し、26,422百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は18,291百万円(前年同期は16,000百万円の収入)となりました。
これは、主として税引前利益24,839百万円を計上した一方で、法人所得税の支払額が8,180百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は3,163百万円(前年同期は8,415百万円の支出)となりました。
これは、主として投資有価証券の取得による支出が1,376百万円、サーバーで使用するソフトウェアの購入等の無形資産の取得による支出が1,272百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は9,734百万円(前年同期は17,447百万円の支出)となりました。
これは、主として自己株式の取得による支出が3,000百万円、配当金の支払額が7,133百万円あったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当社グループの業務には生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
インターネット・メディア事業53,112116.6
ファイナンス事業1,720141.1
合計54,832117.2

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満のため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 経営成績及び財政状態の状況
経営成績の状況につきましては「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、様々な領域でインターネットサービスを提供しております。現在、自社の事業領域において優位性を確保していると認識しておりますが、当該事業はいずれも他社による新規参入の可能性があります。これに対し、ユーザーのニーズを的確に捉え事業領域の拡大やサービスの拡充を行ってまいります。
また安全にインターネットサービスを提供するため、システムのセキュリティ・開発・保守運営体制は極めて重要であると考えております。これに対し、環境の変化に対応したセキュリティの維持、システム開発及び保守運営体制の整備を進めてまいります。
④ 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フロー)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては「第2 事業の状況 3. 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(資金需要)
当社グループの主な資金需要は運転資金及び設備資金であります。運転資金の主なものは、営業活動における人件費や販売代理店に支払う販売手数料、またサービス利用者増加を目的とした広告宣伝費によるものであります。設備資金の主なものは、サーバー及びネットワークの設備投資によるものであります。
(財務政策)
当社グループの事業拡大に必要な資金は営業キャッシュ・フローから獲得した資金を充当しております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等について
当社グループは、継続的な事業拡大と経営の効率性維持のため親会社所有者帰属持分当期利益率40%を目安とすることを重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における親会社所有者帰属持分当期利益率は45.1%となりました。引き続き、指標を維持できるよう取り組んでまいります。