四半期報告書-第29期第3四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/08/07 15:59
【資料】
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【項目】
31項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2019年10月1日~2020年6月30日)における我が国経済は、2020年6月に発表された日銀短観では大企業・製造業の景況感が引き続き悪化傾向を示しており、米中貿易摩擦や英国のEU離脱等を背景とした海外経済の不確実性に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行、それに伴う景気減速の影響により先行き不透明な状況が続いております。そのような中、2020年5月の有効求人倍率は1.20倍と伸び率は大幅に下落しており、前述の景気の不透明さを受けて一部の求人企業においては採用活動を縮小・中止する傾向が急激に高まりました。
このような状況において、当社グループの売上高は、メディア情報事業、新卒紹介事業において売上高が計画を大幅に下回りました。これは一部の求人企業において採用活動が中止または縮小されたことに伴い取引社数が減少したことと、当社グループが主催する4月以降のイベント等の中止に伴い、売上高が減少したことによるものであります。一方、新卒メディア事業では予定していたイベントをオンライン化し、IT派遣事業では派遣スタッフを在宅勤務へ切り替えたことにより、新型コロナウイルス感染症の影響を最小限に抑えることができ、売上高は計画を上回りました。しかしながら、メディア情報事業、新卒紹介事業の売上高減少を補いきれず、売上高は計画を下回る結果となりました。
支出面については売上高の減少に伴い広告宣伝費の削減、自社採用の縮小を始めとした各種コスト削減を進めるとともに、全社的なコスト抑制に取り組みました。
しかしながら、売上高の減少を補いきれず残念ながら経常損失を計上する結果となり、当第3四半期連結会計期間(2020年4月1日~2020年6月30日)における売上高は2,548,124千円(前年同四半期17.3%減)、経常損失156,499千円(前年同四半期は経常利益226,563千円)となり、2011年3月の東日本大震災の影響を受けた2011年9月期第3四半期以来、四半期単体で9年ぶりに経常損失を計上する結果となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は、8,634,832千円(前年同四半期比3.7%減)、損益については、営業利益182,665千円(前年同四半期比70.9%減)、経常利益202,469千円(前年同四半期比68.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益125,123千円(前年同四半期比74.4%減)となりました。
<事業の種類別の業績>当社グループは人材サービス事業の単一セグメントでありセグメント情報の記載を省略しているため、事業の種類別に記載しております。
①メディア情報事業
メディア情報事業は、Web求人広告・適職フェア等の商品・サービスを展開しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、売上高は計画を大幅に下回る結果となりました。求人広告は先行投資型のビジネスモデルのため、最も新型コロナウイルス感染症の影響を受け、マーケット別の売上高は「エンジニア」マーケット前年同期比9.2%減、「営業」マーケット同19.3%減、「女性」マーケット同26.7%減となりました。なお、集客面においては、広告宣伝費は削減しているもののスマートフォンアプリやAIを搭載した求人提案機能の改修・強化により『type』『女の転職type』ともに登録者ならびに応募者獲得は順調に推移しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるメディア情報事業の売上高は、2,882,739千円(前年同四半期比21.0%減)となりました。
②人材紹介事業
人材紹介事業は、ご登録頂いた求職者の方に最適な求人案件をご紹介する登録型人材紹介を運営しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、求人企業の採用抑制による求人案件のクローズ、求人企業の採用基準の厳格化などの影響から成約件数は鈍化しましたが、売上高は計画通りの結果となりました。登録者獲得につきましては、各種経路からの登録獲得を強化したものの、引き続き競合他社との競争が激化しており、新規登録者はやや鈍化いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における人材紹介事業の売上高は、1,985,192千円(前年同四半期比2.6%減)となりました。
③新卒メディア事業
新卒メディア事業は、新卒者を対象とする就職イベント・情報誌等の商品・サービスを展開しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、売上高は計画を上回り好調に推移いたしました。これは、現時点において求人企業における2022年卒業予定の学生の採用人数に大きな変更がなかったこと、また、東京・関西でのイベントのオンライン化や、集客面が好調に推移したことで拡販強化につながり、取引社数が増加したことによるものです。
また、求人企業の個社別の採用ニーズに合わせた個別セミナーの販売も引き続き順調に推移いたしました。集客面におきましては、イベントをオンラインで複数回開催いたしましたが、いずれも好調に推移いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における新卒メディア事業の売上高は、340,111千円(前年同四半期比18.4%増)となりました。
④新卒紹介事業
新卒紹介事業は、ご登録頂いた学生の方に最適な新卒採用案件をご紹介する登録型新卒紹介を運営しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、求人企業の2021年度卒業予定の学生の採用人数の減少に加え、採用活動のスケジュールは全体的に後ろ倒しになっております。そのため、成約件数が計画よりも下回り、売上高は計画を大幅に下回る結果となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における新卒紹介事業の売上高は、76,986千円(前年同四半期比22.4%減)となりました。
⑤IT派遣事業
IT派遣事業は、当社にご登録頂いた登録者の中から、求人企業の採用ニーズに最適な人材を派遣する一般労働者派遣を運営しております。
当第3四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、強みとする「エンジニア」マーケットを中心に案件獲得を強化したものの、案件の減少により派遣スタッフの新規稼働人数が減少し、派遣スタッフの稼働人数は純減いたしました。しかしながら、派遣スタッフを在宅勤務に切り替えることができたことにより売上高の減少を抑えることができ、それに加えて4月より施行された「同一労働同一賃金」で派遣社員の時給が底上げされ、売上高は計画を上回りました。一方、登録者獲得については引き続き各登録経路を強化したことにより、新規登録者は順調に推移いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるIT派遣事業の売上高は、3,374,419千円(前年同四半期比15.8%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は4,229,515千円となり、前連結会計年度末に比べ567,950千円減少いたしました。これは主にその他が119,061千円増加、売掛金が388,750千円減少、現金及び預金が302,819千円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は1,502,536千円となり、前連結会計年度末に比べ209,007千円増加いたしました。これは主に無形固定資産が206,219千円増加、投資その他の資産が21,215千円増加、有形固定資産が18,427千円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は1,401,515千円となり、前連結会計年度末に比べ183,689千円減少いたしました。これは主にその他が87,906千円増加、未払法人税等が165,626千円減少、賞与引当金が94,664千円減少、買掛金が11,305千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は178,067千円となり、前連結会計年度末に比べ2,675千円減少いたしました。これは主に退職給付に係る負債が12,271千円増加し、長期借入金が14,994千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は4,152,469千円となり、前連結会計年度末に比べ172,578千円減少いたしました。これは主に利益剰余金が178,629千円減少したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。