半期報告書-第34期(2024/10/01-2025/09/30)
(1)業績の状況
当中間会計期間(2024年10月1日~2025年3月31日)における我が国経済において、大企業・製造業の景況感は改善傾向を示し、コロナ禍からの経済活動正常化やインバウンド需要の回復に向けた動きが進んでいる一方で、エネルギー価格の高騰による物価上昇、急激な円安の進行等により依然として先行き不透明な状況が続いています。2025年2月の有効求人倍率は1.24倍と伸び率は前回調査からやや低下し、当社を取り巻く求人環境は前期と比較して大きな変化は見られないものの、「エンジニア」領域において依然として採用基準の高止まりなどの同様の傾向が続いております。
このような状況において、当中間会計期間における当社の業績は、売上高・利益ともに業績予想をやや上回る結果となりました。なお、売上高はメディア情報事業、人材紹介事業、新卒メディア事業は業績予想をやや下回って進捗したものの、新卒紹介事業、IT派遣事業の売上高は業績予想を上回って進捗いたしました。また、利益面では、関西での女性フェアの開催、IT派遣事業の無期雇用領域における採用強化、その他広告宣伝費や人件費などを強化した一方で、全社的にコストを抑制したことで、業績予想をやや上回る結果となりました。
以上の結果、当中間会計期間における売上高は、9,052,151千円(前年同期比3.5%増)、利益については、営業利益630,519千円(前年同期比8.2%減)、経常利益640,044千円(前年同期比7.0%減)、中間純利益437,175千円(前年同期比6.7%減)となりました。
<事業の種類別の業績>当社は人材サービス事業の単一セグメントでありセグメント情報の記載を省略しているため、事業の種類別に記載しております。
①メディア情報事業
メディア情報事業は、Web求人広告・適職フェア等の商品・サービスを展開しております。
当中間会計期間においては、依然として「エンジニア」領域の売上高の伸びは落ち着きを見せ、新規開拓を強化するための商談数を増加し、引き続き販売価格の上昇や女性エンジニアの取り込み、関西エリアの拡販等を進めました。なお、職種別の売上高は、「エンジニア」領域前年同期比11.0%減、「営業」領域同10.4%増、「女性」領域同4.9%増となりました。
以上の結果、当中間会計期間におけるメディア情報事業の売上高は2,984,385千円(前年同期0.6%減)、事業別経常利益は324,293千円(前年同期比7.4%減)となりました。
②人材紹介事業
人材紹介事業は、ご登録いただいた求職者の方に最適な求人案件をご紹介する登録型人材紹介を運営しております。営業・IT・販売・サービス等幅広い業種・職種をターゲットする一般領域と専門職や管理職をターゲットとするミドル領域に分かれて事業運営を行っております。
当中間会計期間においては、一般領域では、「エンジニア」領域における採用基準の高止まりの影響を受けたことから、新規顧客の案件開拓及びITエンジニアを中心とした求職者の登録獲得、面談などの接点数を強化し、歩留まりの向上に向けた施策を実施しました。一方で、成約から入社に至るまでに期間を要する案件の割合が増加し、一部の売上高は第3四半期に計上される見込みです。
ミドル領域では、新規の案件開拓を進めるとともに、高度なスキルや経験を持つ登録者の獲得に注力いたしました。
以上の結果、当中間会計期間における人材紹介事業の売上高は1,460,714千円(前年同期比10.2%減)、事業別経常利益は72,313千円(前年同期比41.8%減)となりました。
③新卒メディア事業
新卒メディア事業は、新卒者を対象とする就職イベント・情報誌等の商品・サービスを展開しております。
当中間会計期間においては、一部の求人企業における採用人数の縮小や企業の集客状況が好調に推移していることから個別セミナーのニーズが縮小したものの、新規顧客の獲得を強化したことで、2027年度卒業予定の学生を対象としたイベントの拡販は堅調に推移いたしました。
以上の結果、当中間会計期間における新卒メディア事業の売上高は400,564千円(前年同期比5.0%減)、事業別経常利益は120,983千円(前年同期比17.4%減)となりました。
④新卒紹介事業
新卒紹介事業は、ご登録いただいた学生の方に最適な新卒採用案件をご紹介する登録型新卒紹介を運営しております。
当中間会計期間においては、就職活動の早期化に伴って学生の登録数を増加させるとともに、求人案件の開拓を強化したことで大手企業の成約数増加につながりました。
以上の結果、当中間会計期間における新卒紹介事業の売上高は111,050千円(前年同期比44.1%増)、事業別経常利益は△2,279千円(前年実績△45,440千円)となりました。
⑤IT派遣事業
IT派遣事業は、当社にご登録いただいた登録者の中から、求人企業の採用ニーズに最適な人材を派遣する一般労働者派遣を運営しております。なお、有期雇用派遣と無期雇用派遣に分かれて事業運営を行っております。
当中間会計期間においては、有期雇用派遣ではITエンジニアの登録者の獲得を強化するとともに、新規顧客の案件開拓と派遣スタッフに対する求人案件の提案数の増加を図りました。また、派遣スタッフに対するフォロー体制を強化したことで、案件終了件数の抑制にもつながり、稼働人数は順調に増加しました。
無期雇用派遣では、採用決定したエンジニアが順調に稼働しており、またエンジニアの中途採用については、早期の黒字化に向けてエンジニアの中途採用を当初より強化するとともに、エンジニアの退職率も抑制することに成功しました。引き続きエンジニアの採用を強化するとともに、求人案件の開拓を強化することで、稼働人数の増加を目指して参ります。
以上の結果、当中間会計期間におけるIT派遣事業の売上高は4,095,437千円(前年同期比13.1%増)、事業別経常利益は124,733千円(前年同期比10.3%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当中間会計期間末における流動資産の残高は4,523,907千円となり、前事業年度末に比べ255,910千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が117,900千円増加、売掛金が78,558千円増加、その他が68,793千円増加したことによるものであります。
(固定資産)
当中間会計期間末における固定資産の残高は2,166,221千円となり、前事業年度末に比べ72,193千円減少いたしました。これは主に有形固定資産が18,803千円減少、無形固定資産が87,651千円減少、投資その他の資産が34,261千円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当中間会計期間末における流動負債の残高は2,436,612千円となり、前事業年度末に比べ141,099千円増加いたしました。これは主に未払費用が31,282千円増加、契約負債が10,227千円減少、未払消費税等が150,899千円増加、未払法人税等が42,906千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当中間会計期間末における固定負債の残高は288,691千円となり、前事業年度末に比べ17,244千円増加いたしました。これは主に退職給付引当金が17,212千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産の残高は3,964,824千円となり、前事業年度末に比べ25,372千円増加いたしました。これは主にその他資本剰余金が16,865千円増加し、利益剰余金が33,337千円減少し、自己株式が41,844千円減少したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,730,208千円となりました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間の営業活動の結果得られた資金は、759,222千円(前年同期比397,880千円の収入増)でありました。これは、税引前中間純利益を639,873千円計上し、減価償却費が258,975千円、未払消費税等の増減額が150,899千円、法人税等の支払額が241,977千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間の投資活動の結果使用した資金は、171,561千円(前年同期比224,274千円の支出減)でありました。これは、無形固定資産の取得による支出が170,788千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間の財務活動の結果使用した資金は、469,759千円(前年同期比31,599千円の支出増)でありました。これは、配当金の支払額が469,759千円あったことによるものであります。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間会計期間において、当社の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について重要な変更はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当中間会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(7)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。