有価証券報告書-第60期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/24 16:41
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要、ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費などに足踏みが見られたものの、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復が続きました。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国経済の先行き懸念などによる海外経済の下振れリスクに加え、物価上昇、アメリカの政策動向および中東地域をめぐる情勢などの影響により、先行きについては依然として不透明な状況が続きました。
当社グループが属する情報サービス産業につきましては、本年4月に総務省が発表した2025年2月のサービス産業動態統計調査(速報)によれば、売上高合計は前年同月比12.2%増と35ヵ月連続で前年を上回りました。また、当社グループの売上高の半分を占める「受注開発ソフトウェア業」も前年同月比18.3%増と前年を上回りました。
このような事業環境のもと、当社グループは、2023年3月期より5ヵ年中期経営計画「Vision2026」をスタートし、「基盤事業の質的転換」「プライムビジネス※の拡大」「新領域へのチャレンジ」の3つの基本方針のもと、事業拡大と高収益化の実現に向けて取り組んでおります。
5ヵ年中期経営計画「Vision2026」の3年目となる当連結会計年度は、「基盤事業の質的転換」に向けてプロダクトやクラウドサービスなどの活用拡大や、2021年に資本業務提携を締結した3社(株式会社JR東日本情報システム、兼松エレクトロニクス株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社)との連携を一層推進したほか、請負案件の拡大、不採算案件の抑制に引き続き取り組みました。さらに医療ソリューション事業の強化に向けて、グループ子会社内の同事業を当社に集約し、グループの総合力を活かした提供体制を構築するとともに、主力の病理検査システム「Medlas-BR」を大幅に機能強化し提供開始しました。
「プライムビジネスの拡大」に向けては、SAP、Biz∫、IFSといったERPパッケージを活用した基幹システム刷新の提案活動を積極的に推進したほか、ERPソリューションのさらなる競争力強化を図るため、Biz∫を活用した自社開発テンプレートのバージョンアップや拡充に取り組みました。また、顧客のクラウド移行ニーズに応えるとともに、システム開発からインフラ構築まで一貫したソリューションの提供拡大を目指し、インフラ構築体制を強化しました。さらに、DX実現に取り組む企業の課題解決を支援するため、DX推進コンサルティングやデジタル化ソリューションの提供を積極的に展開しました。
「新領域へのチャレンジ」に向けては、農業ICT領域において農業分野に特化した生成AIの開発プロジェクトに参画したほか、サイバーセキュリティ領域において、エンジニアの育成やセキュリティ脆弱性診断の提供に取り組みました。また、デジタル金融領域への取り組みの一環として、ブロックチェーン技術を活用したサイバーレジリエンスサービス「デジタルシェルター」の共同開発に参画するなど、新領域での事業創出を推進しました。
※ 当社グループでは、お客さまと直接契約を結びサービスやソリューションを提供する事業を「プライムビジネス」と称しております。
当社グループの当連結会計年度の受注高は21,619百万円(前年同期比648百万円増、3.1%増)、売上高は21,101百万円(同589百万円増、2.9%増)、営業利益は921百万円(同47百万円増、5.4%増)となり、営業外収益として持分法による投資利益262百万円を計上したことなどにより、経常利益は1,224百万円(同134百万円増、12.3%増)、特別利益として関係会社株式売却益237百万円、特別損失として投資有価証券評価損53百万円、減損損失81百万円などの計上に加え、法人税等調整額△228百万円を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は1,031百万円(同302百万円増、41.4%増)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
① システム開発事業
受注高は14,567百万円(前年同期比1,211百万円増、9.1%増)、売上高は13,822百万円(同12百万円増、0.1%増)、営業利益は663百万円(同41百万円減、5.9%減)となりました。
当連結会計年度におけるシステム開発事業は、安定的な収益獲得を実現すべく、当社および地方子会社に分散していた医療ソリューション事業を当社に集約するなど体制の強化に取り組むとともに、今後更なる拡大が見込まれるIoTやクラウド等のDX関連の技術力強化やローコード開発ツール、ノーコード開発ツールなどの活用により業務の効率化、低コスト化を図るなど、積極的に事業を推進してまいりました。
この結果、受注高および売上高につきましては、公共系での保守フェーズへの移行に伴う案件規模の縮小 や前期において病院向けの大型案件があった医療系での反動減があったものの、官庁系、運輸系、IoT系での案件獲得などにより前期比で増加となりました。営業利益につきましては、公共系、運輸系などで前期にあった高収益案件の終了による反動減などが影響し、前期比で減少となりました。
② SI事業
受注高は5,306百万円(前年同期比606百万円減、10.3%減)、売上高は5,410百万円(同252百万円増、4.9%増)、営業利益は260百万円(同32百万円増、14.3%増)となりました。
当連結会計年度におけるSI事業は、インフラ構築から基幹システム、周辺システム導入までをトータルで構築し、お客さまに対しより高い価値のサービスを提供すべく組織体制の見直しを行うとともに、社員個々人のスキルの更なる向上を目指し教育投資や資格取得等を強力にサポートするなど、積極的に事業を推進してまいりました。
この結果、受注高につきましては、前期において大型案件の獲得があった基幹システム系、インフラ系での反動減などが影響し前期比で減少となったものの、売上高につきましては、前期に受注した大型案件の開発が順調に進捗し前期比で増加いたしました。営業利益につきましては、売上高の増加に加え、前期まで発生していた不採算案件が収束し利益率が改善したことなどにより、前期比で増加いたしました。
③ その他事業
受注高は1,745百万円(前年同期比42百万円増、2.5%増)、売上高は1,867百万円(同324百万円増、21.0%増)、営業利益は14百万円(前年同期は33百万円の損失)となりました。
当連結会計年度におけるその他事業は、事業拡大による継続的な成長を実現すべく、提案力やコンサルティング力を強化するとともにAI技術を積極的に活用し、新たなサービスやソリューションの創出に取り組むなど、積極的に事業を推進してまいりました。
この結果、受注高および売上高につきましては、サポートサービス系、販売系、新事業系が堅調に推移し前期比で増加いたしました。損益面につきましては、売上高の大幅な増加などにより、前期までの損失計上から改善し利益計上となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
生産高(千円)前年同期比(%)
システム開発事業9,464,986△0.2
SI事業3,216,3418.0
その他事業1,263,11615.6
合計13,944,4452.8

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
システム開発事業14,567,6759.14,381,28320.5
SI事業5,306,046△10.31,831,419△5.4
その他事業1,745,9162.5301,241△28.8
合計21,619,6383.16,513,9448.6

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
販売高(千円)前年同期比(%)
システム開発事業13,822,8530.1
SI事業5,410,7504.9
その他事業1,867,59321.0
合計21,101,1962.9

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
自 2023年4月1日
至 2024年3月31日
当連結会計年度
自 2024年4月1日
至 2025年3月31日
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
日本電気㈱2,214,35710.82,208,21010.5


(2) 財政状態
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。
① 流動資産
流動資産残高は、8,558百万円(前連結会計年度末比459百万円増、5.7%増)となりました。主な変動要因は、現金及び預金の減少、電子記録債権の増加、契約資産の増加であります。
② 固定資産
固定資産残高は、2,220百万円(前連結会計年度末比2,205百万円減、49.8%減)となりました。主な変動要因は、投資有価証券の減少、差入保証金の増加、繰延税金資産の増加であります。
③ 流動負債
流動負債残高は、2,854百万円(前連結会計年度末比463百万円減、14.0%減)となりました。主な変動要因は、未払金の減少、未払法人税等の減少、未払消費税等の減少であります。
④ 固定負債
固定負債残高は、355百万円(前連結会計年度末比212百万円減、37.4%減)となりました。主な変動要因は、退職給付に係る負債の減少であります。
⑤ 純資産
純資産残高は、7,569百万円(前連結会計年度末比1,070百万円減、12.4%減)となりました。主な変動要因は、利益剰余金の減少、自己株式の減少、退職給付に係る調整累計額の減少であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,863百万円(前連結会計年度末比101百万円減、5.1%減)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益の計上(1,326百万円)、減価償却費の計上(214百万円)などがあったものの、退職給付に係る負債の減少(192百万円)、持分法による投資利益の計上(262百万円)、関係会社株式売却益の計上(237百万円)、売上債権の増加(482百万円)、未払消費税等の減少(108百万円)などにより、333百万円の減少(前期は1,183百万円の増加)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金は、有形固定資産の取得による支出(246百万円)、差入保証金の差入による支出(515百万円)などがあったものの、関係会社株式の売却による収入(1,318百万円)などにより、398百万円の増加(前期は157百万円の減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金は、配当金の支払い(166百万円)により、166百万円の減少(前期は99百万円の減少)となりました。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金および設備資金につきましては、自己資金または取引金融機関からの借入により調達しております。このうち、借入による資金調達につきましては、短期の運転資金の調達は短期借入金を基本とし、大規模な設備投資や長期の運転資金の調達は長期借入金を基本としております。
当社グループは、運転資金の効率的かつ安定的な調達を行うため、取引銀行との間でコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結しております。これら契約に基づく当連結会計年度末における極度額および借入金残高は、次のとおりであります。なお、コミットメントライン契約には、財務制限条項が付されております。
項目極度額借入金残高
コミットメントライン契約
および当座貸越契約
3,300,000千円─千円

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、グループの事業内容なども踏まえ会計方針を定めております。
連結財務諸表の作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これら見積りについて、現在入手可能な情報や過去の実績などを勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、主なものは次に記載のとおりであります。なお、そのうち特に重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
① 収益及び費用
受注制作のソフトウェア開発に係る収益は、履行義務の充足に係る進捗度に基づき認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積り方法は、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。なお、進捗度を合理的に見積もることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれるものについては、原価回収基準により収益を認識しております。また、契約の開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる期間がごく短い案件については、完全に履行義務を充足した時点で収益を認識しております。
サポートサービス等の役務提供に係る収益は、履行義務の充足に係る進捗度に基づき認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積り方法は、顧客との契約等に基づくアウトプット法で算出しております。なお、進捗度を合理的に見積もることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれるものについては、原価回収基準により収益を認識しております。
② 貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率法により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については財務内容評価法により計上しております。
③ 受注損失引当金
受注案件の損失に備えるため、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについて、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を計上しております。
④ 賞与引当金
従業員に対する賞与支給に備えるため、将来の支給見込み額のうち当連結会計年度において負担すべき金額を計上しております。
⑤ 投資有価証券
取引関係等の維持・強化のため、特定の取引先に対する投資を行っております。当連結会計年度末における市場価格のない株式等の評価については、投資先の資産状況、経営状況などを勘案し、必要と判断した場合には減損処理を行っております。投資先の資産状況、経営状況がさらに悪化した場合には、追加の減損処理が必要となる可能性があります。
⑥ 無形固定資産
無形固定資産のうち子会社の株式取得および企業結合により発生したのれんについては、のれんの効果の及ぶ期間(10年から20年)にわたり均等償却しております。当該子会社の将来における収益によっては、減損処理が必要となる可能性があります。
また、市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売数量に基づく償却額と見込有効期間(3年)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を償却しております。販売が見込数量に達しない場合は、見込販売数量の見直しによる償却額の見直しが必要となる可能性があります。
⑦ 繰延税金資産
企業会計上の収益・費用と課税所得計算上の益金・損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債と課税上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき連結貸借対照表上に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積りが減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

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