有価証券報告書-第56期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/23 16:57
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要、ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けて、経済活動の停滞や個人消費の低迷が続くなど厳しい状況となりました。昨年5月下旬の緊急事態宣言解除後は、各種政策の効果等により持ち直しの動きが見られたものの、感染の再拡大により本年1月には2回目の緊急事態宣言が発出されるなど先行きが不透明な状況が続きました。
当社が属する情報サービス産業につきましては、本年4月に経済産業省が発表した2021年2月の特定サービス産業動態統計(確報)によれば、売上高合計は前年同月比4.1%減と前年を下回ったほか、売上高の半分を占める「受注ソフトウェア」も前年同月比5.6%減と前年を下回りました。
このような事業環境のなか、当社グループは、「基盤事業※の拡大と収益向上」「新規事業の創出・育成」「社員の成長と活躍を推進」を主要方針として取り組みを進めました。基盤事業においては、顧客のデジタルトランスフォーメーション実現や基幹システム刷新に向けた大型請負案件の需要に対応するため、IT基盤構築本部を設置するなど組織体制を強化するとともに、事業部・グループ間の連携強化により開発体制を構築し受注獲得に取り組みました。また、「プロジェクト採算管理・役務購買統合テンプレート for Biz∫」を開発し販売開始するなど、基幹業務ソリューション提供に向けた取り組みを行いました。一方で、新型コロナウイルス感染症により事業活動に影響を受けた一部既存顧客から受注の延期・規模縮小等が発生したものの、既存顧客の深耕や既存案件の拡大により受注拡大に努めたほか、販売費及び一般管理費の抑制に取り組みました。また、新事業の育成に向けた取り組みを継続するとともに、社員の成長と活躍を支援するための働き方改革や健康経営に取り組みました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けては、テレワークやリモート会議などを推進するとともに、リモート環境においても社員が活躍し働きやすいよう、業務ルールの見直しや環境整備を進めました。
※ 当社グループの売上高の大部分を占めるシステム開発事業とSI事業を基盤事業と位置付けております。
当社グループの当連結会計年度の受注高は18,498百万円(前期比1,086百万円減、5.5%減)、売上高は18,627百万円(同199百万円増、1.1%増)、営業利益は635百万円(同201百万円増、46.4%増)、経常利益は755百万円(同214百万円増、39.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は685百万円(同338百万円増、97.4%増)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度からセグメント区分の変更を行っており、前期比較については、変更後の区分方法に組み替えたものによっております。詳細は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表等」の「セグメント情報等」の「1.報告セグメントの概要 (2)報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
① システム開発事業
受注高は11,597百万円(前期比1,026百万円減、8.1%減)、売上高は11,811百万円(同261百万円増、2.3%増)、営業利益は642百万円(同238百万円増、58.9%増)となりました。
当連結会計年度におけるシステム開発事業は、新型コロナウイルス感染症が未だ収束の兆しが見えず不確実性が継続する中、当社グループの基盤事業として安定的な収益獲得を実現すべく、事業部門を越えた体制構築、長期大型案件の獲得・遂行など、積極的に取り組みを進めてまいりました。
この結果、受注高につきましては、前期に大型案件の獲得があった運輸系が反動減となったものの、官庁系での既存案件の拡大や、公共系、宇宙系の案件獲得など、堅調に推移した事業領域もありました。しかしながら、一部の子会社において新型コロナウイルス感染症の影響を払拭しきれず、結果としてシステム開発事業全体の受注高は前期比で減少となりました。売上高につきましては、一部案件においてリリース時期が延期されるなどの影響があったものの、前述の官庁系の既存案件拡大に加え、運輸系において前期に受注した大型案件の開発が進んだことなどにより、前期比で増加いたしました。営業利益につきましては、売上高の増加に加え、販売費及び一般管理費の削減に努めた結果、前期比で大幅な増益となりました。
② SI事業
受注高は4,996百万円(前期比392百万円減、7.3%減)、売上高は4,819百万円(同405百万円減、7.8%減)、営業利益は7百万円(同122百万円減、94.0%減)となりました。
当連結会計年度におけるSI事業は、事業特性として新型コロナウイルス感染症による影響が少なくない状況下ではありましたが、既存案件の着実な遂行や生産性の向上に加え、新規技術領域への進出、事業領域の拡大など、積極的に取り組みを進めてまいりました。
この結果、受注高につきましては、基幹系システム刷新の大型案件、ERP系の新規案件などの獲得ができたものの、一方で流通系案件、ホテル向け案件などでは受注規模の縮小が生じており、SI事業全体では前期比で減少となりました。売上高につきましては、前述の流通系案件、ホテル向け案件の縮小に加え、前期にあったERP系の大型案件が収束したことなどにより、前期比で減少となりました。損益面につきましては、売上高の減少に加え、不採算案件の発生などが影響し、前期比で減益となりました。
③ その他事業
受注高は1,904百万円(前期比332百万円増、21.1%増)、売上高は1,996百万円(同343百万円増、20.8%増)、営業損失は2百万円(前期は85百万円の損失)となりました。
当連結会計年度におけるその他事業は、受注・売上高につきましては、サポートサービス系において既存顧客の深耕による案件獲得に加え、新事業が堅調に推移したことなどにより、前期比で大幅な増加となりました。損益面につきましては、サポートサービス系において収益性が低下したものの、売上高の増加や販売費及び一般管理費の削減に努めたことなどにより、前期比で損失が縮小いたしました。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、卸・小売業やホテル業など、当社グループの一部の顧客においても、案件規模の縮小や受注の延期などが発生しておりますが、当社グループのビジネスモデルが顧客からの個別受注によるシステム開発が主であることから、影響の比較的小さい官庁系・公共系などの営業活動を強化したことに加え、影響が深刻化する前に受注した大型案件の開発が順調に進捗したことなどにより、当社グループの業績に与える影響は軽微な状況となっております。
(生産、受注及び販売の状況)
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日
生産高(千円)前年同期比(%)
システム開発事業8,647,9921.2
SI事業2,964,936△11.9
その他事業1,448,98821.0
合計13,061,917△0.4

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
システム開発事業11,597,833△8.13,075,166△6.5
SI事業4,996,153△7.31,534,41313.0
その他事業1,904,47121.1258,991△26.2
合計18,498,458△5.54,868,571△2.6

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日
販売高(千円)前年同期比(%)
システム開発事業11,811,6542.3
SI事業4,819,498△7.8
その他事業1,996,61520.8
合計18,627,7671.1

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
自 2019年4月1日
至 2020年3月31日
当連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
NECソリューションイノベータ㈱3,188,25017.32,405,19512.9
日本電気㈱2,169,86611.82,061,56211.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。
① 流動資産
流動資産残高は、7,074百万円(前連結会計年度末比797百万円増、12.7%増)となりました。主な変動要因は、現金及び預金の減少、受取手形及び売掛金の増加であります。
② 固定資産
固定資産残高は、3,236百万円(前連結会計年度末比244百万円増、8.2%増)となりました。主な変動要因は、投資有価証券の増加であります。
③ 流動負債
流動負債残高は、4,148百万円(前連結会計年度末比1,448百万円増、53.6%増)となりました。主な変動要因は、短期借入金の増加、1年内返済予定の長期借入金の減少であります。
④ 固定負債
固定負債残高は、113百万円(前連結会計年度末比125百万円減、52.4%減)となりました。主な変動要因は、長期借入金の減少、繰延税金負債の減少であります。
⑤ 純資産
純資産残高は、6,048百万円(前連結会計年度末比281百万円減、4.5%減)となりました。主な変動要因は、利益剰余金の増加、自己株式の増加であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,095百万円(前連結会計年度末比122百万円減、10.1%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益の計上(755百万円)、仕入債務の増加(166百万円)などがあったものの、持分法による投資利益の計上(111百万円)、売上債権の増加(938百万円)、法人税等の支払い(120百万円)などにより、193百万円の減少(前期は723百万円の増加)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金は、無形固定資産の取得による支出(66百万円)などにより、82百万円の減少(前期は51百万円の減少)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金は、長期借入金の返済による支出(226百万円)、自己株式の取得による支出(1,017百万円)、配当金の支払い(101百万円)があったものの、短期借入金の純増(1,500百万円)により、153百万円の増加(前期は628百万円の減少)となりました。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループは、事業運営上必要な資金を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金および設備資金につきましては、自己資金または取引金融機関からの借入により調達しております。このうち、借入による資金調達につきましては、短期の運転資金の調達は短期借入金を基本とし、大規模な設備投資や長期の運転資金の調達は長期借入金を基本としております。
当社グループは、運転資金の効率的かつ安定的な調達を行うため、取引銀行との間でコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結するとともに、約定弁済付きの長期借入契約を締結しております。これら契約に基づく当連結会計年度末における極度額および借入金残高は、次のとおりであります。なお、コミットメントライン契約および一部の長期借入契約には、財務制限条項が付されております。
項目極度額借入金残高
コミットメントライン契約
および当座貸越契約
4,000,000千円1,500,000千円
長期借入金
(うち、1年内返済予定の長期借入金)
93,344千円
(93,344千円)

当連結会計年度におきましては、上記の基本方針および契約に基づき、長期借入金の返済に伴う減少を、短期借入金による調達により補っております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しておりますが、グループの事業内容なども踏まえ会計方針を定めております。
連結財務諸表の作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これら見積りについて、現在入手可能な情報や過去の実績などを勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、主なものは次に記載にとおりであります。なお、そのうち特に重要なものにつきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表等」の「重要な会計上の見積り」をご参照ください。
また、新型コロナウイルス感染症が会計上の見積りに与える影響につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表等」の「追加情報」に記載の「新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについて」をご参照ください。
① 収益及び費用
受注制作のソフトウェア開発に係る収益および費用の計上基準については、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる契約については進行基準(進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の契約については完成基準を適用しております。
② 貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率法により、貸倒懸念債権および破産更生債権等については財務内容評価法により計上しております。
③ 受注損失引当金
受注案件の損失に備えるため、当連結会計年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについて、翌連結会計年度以降に発生が見込まれる損失額を計上しております。
④ 賞与引当金
従業員に対する賞与支給に備えるため、将来の支給見込み額のうち当連結会計年度において負担すべき金額を計上しております。
⑤ 投資有価証券
取引関係等の維持・強化のため、特定の取引先に対する投資を行っております。当連結会計年度末における評価については、時価のあるものは、決算末日の市場価格等に基づき、また時価のないものは、投資先の資産状況、経営状況などを勘案し、必要と判断した場合には減損処理を行っております。投資先の資産状況、経営状況がさらに悪化した場合には、追加の減損処理が必要となる可能性があります。
⑥ 無形固定資産
無形固定資産のうち子会社の株式取得により発生したのれんについては、20年間で均等償却しております。当該子会社の将来における収益によっては、減損処理が必要となる可能性があります。
また、市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売数量に基づく償却額と見込有効期間(3年)に基づく均等配分額とを比較し、いずれか大きい額を償却しております。販売が見込数量に達しない場合は、見込販売数量の見直しによる償却額の見直しが必要となる可能性があります。
⑦ 繰延税金資産
企業会計上の収益・費用と、課税所得計算上の益金・損金の認識時点が異なることから、会計上の資産・負債と課税上の資産・負債の額に一時的な差異が生じる場合において、一定期間内における回収可能性に基づき連結貸借対照表上に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積りが減少した場合は、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

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