四半期報告書-第60期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当第3四半期の末日現在において当社グループが判断したものです。
経営成績等の分析
ⅰ 連結経営成績の概況
(当第3四半期及び当第3四半期累計)
(単位:十億円)
(注1)「全社/消去」調整後の数値を記載しているため、各セグメントの金額合計と一致していません。
(注2)調整後EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)±その他の営業収益・費用
(注3)当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」という。)を適用しており、これに伴い経営指標をEBITDA(注4)からIFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。なお、IFRS第16号の適用に当たっては、適用による累計的影響を適用開始日に認識する方法を採用しており、2019年3月期の調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン欄には、従来のEBITDA及びEBITDAマージンの数値を記載しています。
(注4)EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費±その他の営業収益・費用
(注5)調整後EBITDAマージン:調整後EBITDA/売上収益
(注6)調整後EPS:調整後当期利益(注7)/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)
(注7)調整後当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益±調整項目(注8)(非支配持分帰属分を除く)
±調整項目の一部に係る税金相当額
(注8)調整項目:企業結合に伴い生じた無形資産の償却額±非経常的な損益
(注9)四半期においては、「当期」を「四半期」、「期末」を「四半期末」に読み替えて計算
(注10)当第3四半期累計については、外貨売上収益×(当期採用平均為替レート-前期採用平均為替レート)
(注11)HRテクノロジー事業については、月次の平均為替レートを適用
(注12)当第3四半期については、当第3四半期累計と第2四半期累計の為替影響額の差額
(連結経営成績の概況)
当第3四半期における売上収益は6,085億円(前年同期比3.6%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業が増収となり、特にHRテクノロジー事業の成長が寄与したことによるものです。なお、当第3四半期売上収益に対する為替影響額は155億円のマイナス寄与となり、その影響を控除した売上収益は前年同期比6.3%増となりました。この結果、当第3四半期累計の売上収益は1兆8,097億円(前年同期累計比4.6%増)となり、為替影響額を控除した当第3四半期累計の売上収益は前年同期累計比6.9%増となりました。
当第3四半期における営業利益は696億円(前年同期比6.1%増)となり、当第3四半期累計の営業利益は2,122億円(前年同期累計比10.5%増)となりました。
当第3四半期における税引前四半期利益は718億円(前年同期比0.9%減)となりました。これは主に持分法適用会社である51job, Inc.において同社が発行した転換社債が2020年3月期第1四半期に権利行使されたため、前年同期において持分法による投資損益に計上されていた当該転換社債に係る利益が、当第3四半期に発生しなかったことによるものです。当第3四半期累計の税引前四半期利益は2,297億円(前年同期累計比14.0%増)となりました。
当第3四半期における四半期利益は527億円(前年同期比1.9%減)、当第3四半期累計は1,676億円(前年同期累計比14.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は523億円(前年同期比1.9%減)、当第3四半期累計は1,665億円(前年同期累計比14.0%増)となりました。
当第3四半期における調整後EBITDA(注1)は921億円(前年同期比8.5%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業が増益となったことによるものです。この結果、当第3四半期累計の調整後EBITDAは2,698億円(前年同期累計比12.4%増)となりました。
当第3四半期における調整後EPSは35.69円(前年同期比12.3%増)、当第3四半期累計は103.65円(前年同期累計比14.6%増)、配当算定基準とする当第3四半期利益(注2)は537億円(前年同期比9.0%増)、当第3四半期累計は1,595億円(前年同期累計比15.4%増)となりました。
(注1)当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号を適用し、会計方針を変更しています。IFRS第16号の適用により、原則として全てのリース契約について、借手はリース期間にわたり原資産を使用する権利及びリース料を支払う義務を、それぞれ使用権資産及びリース負債として認識します。旧基準であるIAS第17号ではオペレーティング・リースに係るリース料を賃借料として費用計上していましたが、IFRS第16号では使用権資産の減価償却費とリース負債に係る利息費用を費用計上します。結果として、IFRS第16号の適用に伴い、賃借料が減少する一方で使用権資産の減価償却費が増加し、EBITDAは増加します。そのため当社では、これまでの経営指標との比較可能性を考慮して、2020年3月期第1四半期より経営指標をEBITDAから、IFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。
(注2)親会社の所有者に帰属する四半期利益±非経常的な損益等
(当第3四半期における経営施策)
・自己株式取得の終了
当社は、2019年8月28日開催の取締役会において、当社のキャピタル・アロケーションの方針に則り、今後の投資余力、市場環境及び財務状況の見通し等を勘案し、自己株式取得の実施を決議後、2019年11月29日に取得を終了しました。本自己株式取得の実施に際しては、同日に決議した当社普通株式の売出しに伴う株式需給への影響を勘案するとともに、株主還元の向上を図る目的を実現するものと考えています。2019年11月29日時点の累計取得自己株式数は22,259,600株、累計取得価額は79,999,688,129円でした。
本件の詳細については以下をご参照ください。
:2019年12月2日付「自己株式の取得結果及び取得終了に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)」
https://recruit-holdings.co.jp/ir/ir_news/20191202_01.html
ⅱ セグメント業績の概況
① HRテクノロジー事業
(業績の概況)
当報告セグメントは、「Indeed」及び「Glassdoor」と、それらに関連する事業で構成されています。Indeed及びGlassdoorは共に、求人情報の検索をはじめ、履歴書の開示、企業情報やそのレビュー等、求職活動を支援する一連の機能を提供しています。企業クライアントに対しては、IndeedとGlassdoorはそれぞれ、求人広告の掲載や採用のための企業ブランディング等を通して採用活動を支援します。Indeedは、クリック型や成功報酬型課金の求人広告及び、「Indeed」にオンライン登録された多数の履歴書を含む採用候補者の募集と適性を審査する機能等、多岐に亘る採用ソリューションを通して効率的な採用活動を支援します。
当第3四半期における売上収益は1,095億円(前年同期比28.6%増)となり、米ドルベース売上(注1)の前年同期比は、33.5%増となりました。売上収益の増加は主に、米国と日本の堅調な経済環境及び逼迫した労働市場を背景に、有料求人広告利用が増加したことによるものです。また、IndeedとGlassdoorにおいて、採用候補者の適性審査機能や企業ブランディング等の採用ソリューション事業(注2)へ注力したことが寄与しています。当第3四半期累計の売上収益は3,185億円(前年同期累計比34.5%増)となりました。
当第3四半期のセグメント利益(セグメント調整後EBITDA)は191億円(前年同期比45.9%増)となりました。これは主に、売上収益の成長によるものです。当第3四半期のセグメント利益マージンは17.5%となり、前第3四半期の15.4%から増加しました。これは主に、新規の個人ユーザー及び企業クライアントの獲得に向けた営業体制の拡充及びマーケティング活動への投資を継続する一方で、これらの費用の増加率が売上収益の増加スピードより低かったことによるものです。また、売上成長を促進するため、個人ユーザーと企業クライアント双方へのサービス拡充を図るプロダクトの強化等に引き続き重点的に投資を行っており、このような投資のタイミングが四半期のセグメント利益額の増減に影響します。当第3四半期累計セグメント調整後EBITDAは628億円(前年同期累計比70.5%増)、セグメント調整後EBITDAマージンは19.7%となりました。
当第3四半期における、IndeedとGlassdoorの月間ユニークビジター数は、それぞれ約2億5,000万人、約6,000万人(注3)です。当第3四半期末の従業員数はそれぞれ約9,800人、約1,000人です。
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(単位:十億円)
(注1)当報告セグメントの現地決算数値であり、当社連結決算数値に含まれる数値とは異なります
(注2)IndeedとGlassdoorが提供する機能は各国によって異なります
(注3)出所:当第3四半期におけるGoogle Analytics serviceに基づく社内データ
(注4)前第3四半期及び前第3四半期累計はEBITDA及びEBITDAマージン、当第3四半期及び当第3四半期累計は調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン
② メディア&ソリューション事業
(業績の概況)
当報告セグメントは、販促領域及び人材領域の2つの事業領域で構成されています。
販促領域は各分野で当事業セグメントが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディアへの広告を通して企業クライアントの集客を支援しています。代表的なオンラインプラットフォームとして、住宅の売買や賃貸等に関する「SUUMO」、結婚に関する「ゼクシィ」、主に国内旅行に関する「じゃらん」、飲食店情報に関する「HotPepperグルメ」、ヘアサロン等美容サロンに関する「HotPepper Beauty」等があります。更に、「Air BusinessTools」(注)等を中心にSaaS(Software as a Service)事業を展開し、クラウドを活用して主に中小企業クライアントの予約・顧客・販売管理、決済、従業員管理、その他の事業運営等をサポートしています。また、販促領域は各分野で当事業セグメントが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディアからの情報を通して、個人ユーザーに日常生活におけるより多くの選択肢を提供しています。
近年では、「Air BusinessTools」の展開により、SaaS事業の拡大を進めています。当事業セグメントは、従来より、例えば美容分野において、広告サービスと予約・顧客管理を一体化したSaaS機能「SALON BOARD」を展開すること等により、中小企業等の生産性及び効率性促進のための包括的なツールを提供していますが、今後更に加速させていきます。
人材領域は当事業セグメントが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディアを通じて、企業クライアントの採用活動及び個人ユーザーの求職活動を支援するサービスを提供しています。具体的には、「リクナビ」、「リクナビNEXT」、「タウンワーク」等、様々な雇用形態に合わせた求人広告サイトや「リクルートエージェント」等の人材紹介事業を中心とした事業を運営しています。
当第3四半期における売上収益は1,848億円(前年同期比3.7%増)となりました。これは主に、販促領域の住宅分野、旅行分野及び美容分野が増収になったことによるものです。人材領域の国内人材募集分野においては、国内の労働市場逼迫が継続しているものの、経営環境が厳しさを増している製造業等の一部業界では採用に慎重な姿勢を見せる企業クライアントもおり、減収となりました。当第3四半期累計の売上収益は5,630億円(前年同期累計比6.7%増)となりました。
当第3四半期におけるセグメント利益(セグメント調整後EBITDA)は505億円(前年同期比3.8%増)となりました。これは販促領域の売上収益増加によるものです。セグメント利益マージンは27.4%となりました。この結果、当第3四半期累計のセグメント利益は1,486億円(前年同期累計比6.1%増)、セグメント利益マージンは26.4%となりました。
(注)「Airシリーズ」から名称変更
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(単位:十億円)
(注1)前第2四半期及び第1四半期に当分野に属する子会社を譲渡しており、その影響を控除した際の前年同期比は3.8%減、前年同期累計比は2.6%増(注2)
(注2)前年実績から、譲渡した子会社の前年実績の数値を除いて算出
(注3)前第3四半期及び前第3四半期累計はEBITDA及びEBITDAマージン、当第3四半期及び当第3四半期累計は調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン
(注4)当第3四半期及び当第3四半期累計における販促及び人材領域に含まれる子会社の一部のセグメント利益はIFRS第16号の適用影響を調整しておらず、当該調整金額は全社/消去に含めていますが、その影響は軽微です。
(注1)キャンセル前予約受付ベース、各連結会計年度期首からの累計数値
(注2)「スタディサプリ」の小学生、中学生及び高校生向け講座並びに「スタディサプリEnglish」の有料会員数の合算値
③ 人材派遣事業
(業績の概況)
当報告セグメントは、複数の業界にて人材派遣事業やそれに係るサービスを提供しており、国内派遣及び海外派遣の2つの事業領域で構成されています。
国内、海外共にマーケット特性に応じて組織をユニット単位に区分し、権限移譲により、各ユニットがマーケットに最適な戦略を実行することによって、利益の最大化を目指すユニット経営を推進しています。
当第3四半期における売上収益は3,203億円(前年同期比3.3%減)となりました。国内派遣領域においては、人手不足が継続する環境を受けて売上収益が伸長しました。海外派遣領域においては、為替影響が売上収益に対して112億円のマイナス寄与となったことや、主に欧州における不透明な経済環境の影響により減収となりました。為替によるマイナス影響を控除した場合のセグメント売上収益は前年同期比で0.1%増となりました。当第3四半期累計売上収益は9,504億円(前年同期累計比3.6%減)となり、為替によるマイナス影響を控除した場合の売上収益は前年同期累計比0.4%減となりました。
当第3四半期におけるセグメント利益(セグメント調整後EBITDA)は241億円(前年同期比3.9%減)となりました。当第3四半期におけるセグメント利益マージンは7.5%となり、前第3四半期の7.6%から横這いとなりました。国内派遣領域においては、主に増収による増益となり、セグメント利益マージンは9.3%(前第3四半期は9.5%)となりました。海外派遣領域においては、減益となりましたが、セグメント利益マージンは6.0%(前第3四半期は6.1%)と前年同期比で横這いとなりました。これは主に、コスト管理の強化によるものです。
当第3四半期累計セグメント利益は650億円(前第3四半期累計比6.1%減)となり、当第3四半期累計利益マージンは6.8%(前第3四半期累計は7.0%)となりました。欧州を中心とする不透明な経済環境の中、海外派遣領域をはじめ当セグメントでは、引き続きユニット経営の強化による生産性改善を通してセグメント利益マージンの確保に注力します。
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(単位:十億円)
(注1)為替影響額を控除した際の海外派遣領域の当第3四半期売上収益は前年同期比2.8%減、前年同期累計比は3.2%減
(注2)前第3四半期及び前第3四半期累計はEBITDA及びEBITDAマージン、当第3四半期及び当第3四半期累計は調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン
ⅲ 資本の財源及び資金の流動性
(財務方針)
当社グループは、借入による資金調達を有効に活用しつつ、国内格付機関による格付を意識した財務の健全性を維持することを財務方針としています。更に、資本効率の目安として、投資案件については厳格な基準を設けるとともに、ROEで15%の水準を目安に設定しています。株主還元については、安定的かつ継続的な配当を行うことを基本として位置づけ、業績の動向と将来の成長投資に必要となる内部留保の充実や財務基盤の確立を総合的に勘案した利益還元を行うことを基本方針としています。連結配当性向は、親会社の所有者に帰属する当期利益から非経常的な損益等の影響を控除した上で30%程度を目安としています。なお、自己株式の取得については、市場環境及び財務状況の見通し等を踏まえ、実施の是非について検討します。
(資金使途)
運転資金、法人税の支払い、各事業セグメントにおけるM&A及び資産取得等による外部資源の獲得や設備投資、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得等に資金を充当しています。
(資金調達)
当社グループの運転資金及び投資資金については、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としていますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。外部資金調達のうち、原則として短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせ、中長期の運転資金については、金融機関からの借入、社債又はその組み合わせにより調達することとしています。なお、当社は、機動的な資金調達を可能とするため、2,000億円(当第3四半期末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
また、当社グループは、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と当座貸越契約を締結しています。なお、当第3四半期末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。
(格付)
当社グループは、格付機関である㈱格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)、ムーディーズ・ジャパン㈱(以下、「ムーディーズ」という。)及びS&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(以下、「S&P」という。)から長期格付を取得しています。当第3四半期末における格付の状況は、以下のとおりです。
・R&I:AA-
・ムーディーズ:A3
・S&P:A
(キャッシュマネジメント)
当社グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、かつ経済合理性が認められることを前提として、主にキャッシュマネジメントシステムを通じたグループファイナンスにより、当社グループ内での資金貸借の実施を外部借入よりも優先しています。
(資金運用)
当社グループの資金運用は、投機目的で行わず、元本が保証され、安全かつ確実で効率の高い金融商品のみで行うこととしています。
(連結財政状態の概況)
(単位:十億円)
① 資産
流動資産は前年度末比150億円(1.9%)減少しました。これは主に、営業債権及びその他の債権が167億円減少したことによるものです。
非流動資産は前年度末比2,556億円(27.2%)増加しました。これは主に、IFRS第16号の適用に伴い使用権資産が2,344億円増加したことによるものです。
② 負債
流動負債は前年度末比74億円(1.5%)減少しました。これは主に、IFRS第16号の適用に伴いリース負債が368億円増加した一方、営業債務及びその他の債務が84億円、未払法人所得税が159億円、その他の流動負債が197億円減少したことによるものです。
非流動負債は前年度末比2,196億円(78.7%)増加しました。これは主に、IFRS第16号の適用に伴いリース負債が2,140億円増加したことによるものです。
③ 資本
資本は前年度末比284億円(2.9%)増加しました。これは主に、自己株式の取得により資本が802億円減少した一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益を計上したこと等により利益剰余金が1,186億円増加したことによるものです。
(連結キャッシュ・フローの概況)
(単位:十億円)
当第3四半期の現金及び現金同等物の残高は、投資活動及び財務活動による支出が営業活動による収入を上回ったため、前年度末比102億円減少し、3,926億円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期利益2,297億円から、加算項目の主なものとして、減価償却費及び償却費842億円、減算項目の主なものとして、法人所得税の支払額648億円を計上したことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
主に、無形資産の取得による支出375億円を計上したことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
主に、自己株式の取得による支出802億円及び配当金の支払額491億円を計上したことによるものです。
経営方針
ⅰ 会社の経営の基本方針
当社グループには、「私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。」との基本理念と、「Follow Your Heart」というビジョン(目指す世界観)、「まだ、ここにない、出会い。より速く、シンプルに、もっと近くに。」というミッション(果たす役割)、「新しい価値の創造」・「個の尊重」・「社会への貢献」というバリューズ(大切にする価値観)があります。
ⅱ 目標とする経営指標
当社グループは、長期的な利益成長の実現に向け、M&Aをはじめとした成長に向けた各種投資を機動的かつ積極的に実行していきます。その上で、投資と利益成長の適切なバランス及び株式価値の向上を重視しており、主な重要経営指標を調整後EBITDA(注1)及び調整後EPS(注2)として、企業価値の最大化を図っていきます。当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号を適用し、会計方針を変更しています。IFRS第16号の適用により、原則として全てのリース契約について、借手はリース期間にわたり原資産を使用する権利及びリース料を支払う義務を、それぞれ使用権資産及びリース負債として認識します。旧基準であるIAS第17号ではオペレーティング・リースに係るリース料を賃借料として費用計上していましたが、IFRS第16号では使用権資産の減価償却費とリース負債に係る利息費用を費用計上します。結果として、IFRS第16号の適用に伴い、賃借料が減少する一方で使用権資産の減価償却費が増加し、EBITDAは増加します。そのため当社では、これまでの経営指標との比較可能性を考慮して、2020年3月期第1四半期より経営指標をEBITDAから、IFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。
(注1)調整後EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)±その他の営業収益・費用
(注2)調整後EPS(調整後1株当たり当期利益):調整後当期利益(注3)/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)
(注3)調整後当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益±調整項目(注4)(非支配持分帰属分を除く)±調整項目の一部に係る税金相当額
(注4)調整項目:企業結合に伴い生じた無形資産の償却額±非経常的な損益
ⅲ 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題、経営戦略
当社グループでは、急速に変化するインターネット事業環境等に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取り組むことが重要と捉えています。このために当社グループは、「HRテクノロジー」、「メディア&ソリューション」及び「人材派遣」の3つの戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下、「SBU」という。)単位で事業価値の拡大に取り組んでいます。3つのSBUごとに統括会社を設置する経営体制により、各事業が自律自転する組織体制を構築すると同時に、当社が持株会社としての機能の集中と強化を図り、適切なグループガバナンス体制やモニタリング体制等を整備することで、更なる企業価値の向上を実現します。
当社グループは、ユーザー(個人等)やクライアント(企業等)の不満や不便といった「不」の解消と向き合い、双方に対して最適なマッチングソリューションを提供しています。日々のマッチング業務を通じて蓄積された膨大なデータとテクノロジーを活用することで、マッチングの更なる効率性向上に注力し、ユーザーに対して最適な選択肢を提供し、中小企業を中心とするクライアントに対して更なる業務効率化を支援します。特に、2018年グローバル市場規模を1,500億米ドル以上(注1)と推定する人材マッチング市場において、長期的にテクノロジーを駆使してイノベーションを促進し、革新と創造を進めながら、グローバルリーダーとなることを目指します。オンライン求人広告及び採用ツール市場はグローバルで150億米ドル程度(注2)と推定しており、50億米ドルを超える規模のオフライン求人広告市場(注3)がオンライン求人広告市場に流入を続けながら成長すると考えています。当社グループは、同市場において、Indeed及びGlassdoorを中心とするHRテクノロジー事業を主軸として、オンライン求人広告及び採用ツール市場でのシェアの拡大と、オフライン求人広告市場からオンライン求人広告市場への移行を促進させることで、オンライン求人広告事業の持続的な成長を目指します。また、人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場はグローバルで540億米ドル程度(注4)の市場規模であると推定しています。当社グループは、属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルが占有する同市場において、テクノロジーを活用した「Indeed Hire」を導入し、現状の業界水準対比で非常に効率的かつ費用対効果の高い形でサービスを提供することで、同市場での成長を目指します。更に、人材派遣市場は、グローバルで800億米ドル程度(注5)と推定しています。当社グループは、同市場において人材派遣事業を展開し安定的な収益を上げていますが、中長期的には、テクノロジーを活用して人材派遣事業の効率化につながるサービスを提供し、既存の事業の枠組みを超えた事業展開の可能性を模索していきます。
事業別の経営戦略は、以下のとおりです。
HRテクノロジー事業においては、オンライン求人情報専門検索を中心とする人材採用プラットフォーム「Indeed」とオンライン求人広告及び企業情報サイト「Glassdoor」の既存事業である求人広告領域において、グローバルでの更なる拡大を進めます。更に、採用プロセスの効率化に資する様々な新規事業の開発及びM&Aを行い、将来の成長を加速させていきます。
メディア&ソリューション事業においては、当社グループは、全国的に営業部門を有し、企業クライアントとの密接なコミュニケーションにより、特に中小企業等へのサービス提供において強固なポジションを築いており、今後は、既存事業の磨きこみに加え、中小企業等のバックオフィス機能に付加価値のあるSaaS機能を提供する事業機会があると考えています。各事業分野の市場におけるポジションと既存の企業クライアントをベースとし、当事業セグメントが提供するそれぞれのオンラインプラットフォームを「Air BusinessTools」(注)としてより一体化し、既存広告事業とのシナジー効果を高めることで、SaaS事業の成長を加速させたいと考えています。これらの取組みを通じ、当社グループの創業以来の取組みである、中小企業等の生産性向上に貢献していきます。
人材派遣事業においては、国内派遣領域では人手不足が継続する市場環境の下で、安定成長を目指します。海外派遣領域では、引き続き海外子会社に事業運営ノウハウを導入しながら、調整後EBITDAマージンの継続的な改善に取り組みます。
(注)「Airシリーズ」から名称変更
なお、当社ホームページにおいて、2019年8月26日付の「当社孫会社への個人情報保護委員会からの勧告等について」及び2019年9月6日付の「当社孫会社への東京労働局からの指導について」にてお知らせしましたとおり、当社の子会社であり、メディア&ソリューション事業の統括会社である㈱リクルートの子会社㈱リクルートキャリアが提供していた「リクナビDMPフォロー」サービス(2019年8月4日付で廃止)に関して、個人情報保護委員会より勧告と指導を、東京労働局より指導を受けました。その後、㈱リクルートと㈱リクルートキャリアは同年12月4日に個人情報保護委員会より、同年12月11日に東京労働局より上記事案に関する追加的な勧告・指導を受けました。当社グループとして一連の事態を真摯に受け止め、再発防止・ガバナンス強化に全力で取り組みます。
経営成績等の分析
ⅰ 連結経営成績の概況
(当第3四半期及び当第3四半期累計)
(単位:十億円)
| 前第3四半期 | 当第3四半期 | 増減 | 増減率 (%) | 前第3四半期 累計 | 当第3四半期 累計 | 増減 | 増減率 (%) | |||
| 連結経営成績 | ||||||||||
| 売上収益(注1) | 587.0 | 608.5 | 21.4 | 3.6 | 1,730.4 | 1,809.7 | 79.2 | 4.6 | ||
| HRテクノロジー | 85.1 | 109.5 | 24.3 | 28.6 | 236.9 | 318.5 | 81.6 | 34.5 | ||
| メディア&ソリューション | 178.2 | 184.8 | 6.5 | 3.7 | 527.6 | 563.0 | 35.3 | 6.7 | ||
| 人材派遣 | 331.1 | 320.3 | △10.7 | △3.3 | 986.1 | 950.4 | △35.6 | △3.6 | ||
| 営業利益 | 65.6 | 69.6 | 3.9 | 6.1 | 192.1 | 212.2 | 20.0 | 10.5 | ||
| 税引前四半期利益 | 72.4 | 71.8 | △0.6 | △0.9 | 201.5 | 229.7 | 28.1 | 14.0 | ||
| 四半期利益 | 53.7 | 52.7 | △1.0 | △1.9 | 146.9 | 167.6 | 20.7 | 14.1 | ||
| 親会社の所有者に帰属する四半期利益 | 53.3 | 52.3 | △1.0 | △1.9 | 146.0 | 166.5 | 20.4 | 14.0 | ||
| 経営指標 | ||||||||||
| 調整後EBITDA(注1、2、3) | 84.8 | 92.1 | 7.2 | 8.5 | 240.1 | 269.8 | 29.7 | 12.4 | ||
| HRテクノロジー | 13.1 | 19.1 | 6.0 | 45.9 | 36.8 | 62.8 | 26.0 | 70.5 | ||
| メディア&ソリューション | 48.6 | 50.5 | 1.8 | 3.8 | 140.1 | 148.6 | 8.5 | 6.1 | ||
| 人材派遣 | 25.1 | 24.1 | △0.9 | △3.9 | 69.2 | 65.0 | △4.1 | △6.1 | ||
| 調整後EPS(単位:円)(注6) | 31.79 | 35.69 | 3.90 | 12.3 | 90.43 | 103.65 | 13.23 | 14.6 | ||
| 調整後EBITDAマージン(単位:%)(注3、5) | 14.5 | 15.1 | 0.7pt | - | 13.9 | 14.9 | 1.0pt | - | ||
| HRテクノロジー | 15.4 | 17.5 | 2.1pt | - | 15.6 | 19.7 | 4.2pt | - | ||
| メディア&ソリューション | 27.3 | 27.4 | 0.0pt | - | 26.6 | 26.4 | △0.2pt | - | ||
| 人材派遣 | 7.6 | 7.5 | △0.1pt | - | 7.0 | 6.8 | △0.2pt | - | ||
| 期中平均為替レート(単位:円) | ||||||||||
| 米ドル | - | - | - | - | 111.14 | 108.65 | △2.49 | △2.2 | ||
| ユーロ | - | - | - | - | 129.47 | 121.04 | △8.43 | △6.5 | ||
| 豪ドル | - | - | - | - | 81.72 | 74.91 | △6.81 | △8.3 | ||
| 売上収益に対する為替影響額(注10、11、12) | ||||||||||
| 連結 | △6.3 | △15.5 | - | - | △5.6 | △40.3 | - | - | ||
| 人材派遣:海外 | △6.1 | △11.2 | - | - | △4.8 | △32.0 | - | - | ||
(注1)「全社/消去」調整後の数値を記載しているため、各セグメントの金額合計と一致していません。
(注2)調整後EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)±その他の営業収益・費用
(注3)当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」という。)を適用しており、これに伴い経営指標をEBITDA(注4)からIFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。なお、IFRS第16号の適用に当たっては、適用による累計的影響を適用開始日に認識する方法を採用しており、2019年3月期の調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン欄には、従来のEBITDA及びEBITDAマージンの数値を記載しています。
(注4)EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費±その他の営業収益・費用
(注5)調整後EBITDAマージン:調整後EBITDA/売上収益
(注6)調整後EPS:調整後当期利益(注7)/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)
(注7)調整後当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益±調整項目(注8)(非支配持分帰属分を除く)
±調整項目の一部に係る税金相当額
(注8)調整項目:企業結合に伴い生じた無形資産の償却額±非経常的な損益
(注9)四半期においては、「当期」を「四半期」、「期末」を「四半期末」に読み替えて計算
(注10)当第3四半期累計については、外貨売上収益×(当期採用平均為替レート-前期採用平均為替レート)
(注11)HRテクノロジー事業については、月次の平均為替レートを適用
(注12)当第3四半期については、当第3四半期累計と第2四半期累計の為替影響額の差額
(連結経営成績の概況)
当第3四半期における売上収益は6,085億円(前年同期比3.6%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業が増収となり、特にHRテクノロジー事業の成長が寄与したことによるものです。なお、当第3四半期売上収益に対する為替影響額は155億円のマイナス寄与となり、その影響を控除した売上収益は前年同期比6.3%増となりました。この結果、当第3四半期累計の売上収益は1兆8,097億円(前年同期累計比4.6%増)となり、為替影響額を控除した当第3四半期累計の売上収益は前年同期累計比6.9%増となりました。
当第3四半期における営業利益は696億円(前年同期比6.1%増)となり、当第3四半期累計の営業利益は2,122億円(前年同期累計比10.5%増)となりました。
当第3四半期における税引前四半期利益は718億円(前年同期比0.9%減)となりました。これは主に持分法適用会社である51job, Inc.において同社が発行した転換社債が2020年3月期第1四半期に権利行使されたため、前年同期において持分法による投資損益に計上されていた当該転換社債に係る利益が、当第3四半期に発生しなかったことによるものです。当第3四半期累計の税引前四半期利益は2,297億円(前年同期累計比14.0%増)となりました。
当第3四半期における四半期利益は527億円(前年同期比1.9%減)、当第3四半期累計は1,676億円(前年同期累計比14.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は523億円(前年同期比1.9%減)、当第3四半期累計は1,665億円(前年同期累計比14.0%増)となりました。
当第3四半期における調整後EBITDA(注1)は921億円(前年同期比8.5%増)となりました。これは主に、HRテクノロジー事業及びメディア&ソリューション事業が増益となったことによるものです。この結果、当第3四半期累計の調整後EBITDAは2,698億円(前年同期累計比12.4%増)となりました。
当第3四半期における調整後EPSは35.69円(前年同期比12.3%増)、当第3四半期累計は103.65円(前年同期累計比14.6%増)、配当算定基準とする当第3四半期利益(注2)は537億円(前年同期比9.0%増)、当第3四半期累計は1,595億円(前年同期累計比15.4%増)となりました。
(注1)当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号を適用し、会計方針を変更しています。IFRS第16号の適用により、原則として全てのリース契約について、借手はリース期間にわたり原資産を使用する権利及びリース料を支払う義務を、それぞれ使用権資産及びリース負債として認識します。旧基準であるIAS第17号ではオペレーティング・リースに係るリース料を賃借料として費用計上していましたが、IFRS第16号では使用権資産の減価償却費とリース負債に係る利息費用を費用計上します。結果として、IFRS第16号の適用に伴い、賃借料が減少する一方で使用権資産の減価償却費が増加し、EBITDAは増加します。そのため当社では、これまでの経営指標との比較可能性を考慮して、2020年3月期第1四半期より経営指標をEBITDAから、IFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。
(注2)親会社の所有者に帰属する四半期利益±非経常的な損益等
(当第3四半期における経営施策)
・自己株式取得の終了
当社は、2019年8月28日開催の取締役会において、当社のキャピタル・アロケーションの方針に則り、今後の投資余力、市場環境及び財務状況の見通し等を勘案し、自己株式取得の実施を決議後、2019年11月29日に取得を終了しました。本自己株式取得の実施に際しては、同日に決議した当社普通株式の売出しに伴う株式需給への影響を勘案するとともに、株主還元の向上を図る目的を実現するものと考えています。2019年11月29日時点の累計取得自己株式数は22,259,600株、累計取得価額は79,999,688,129円でした。
本件の詳細については以下をご参照ください。
:2019年12月2日付「自己株式の取得結果及び取得終了に関するお知らせ(会社法第165条第2項の規定による定款の定めに基づく自己株式の取得)」
https://recruit-holdings.co.jp/ir/ir_news/20191202_01.html
ⅱ セグメント業績の概況
① HRテクノロジー事業
(業績の概況)
当報告セグメントは、「Indeed」及び「Glassdoor」と、それらに関連する事業で構成されています。Indeed及びGlassdoorは共に、求人情報の検索をはじめ、履歴書の開示、企業情報やそのレビュー等、求職活動を支援する一連の機能を提供しています。企業クライアントに対しては、IndeedとGlassdoorはそれぞれ、求人広告の掲載や採用のための企業ブランディング等を通して採用活動を支援します。Indeedは、クリック型や成功報酬型課金の求人広告及び、「Indeed」にオンライン登録された多数の履歴書を含む採用候補者の募集と適性を審査する機能等、多岐に亘る採用ソリューションを通して効率的な採用活動を支援します。
当第3四半期における売上収益は1,095億円(前年同期比28.6%増)となり、米ドルベース売上(注1)の前年同期比は、33.5%増となりました。売上収益の増加は主に、米国と日本の堅調な経済環境及び逼迫した労働市場を背景に、有料求人広告利用が増加したことによるものです。また、IndeedとGlassdoorにおいて、採用候補者の適性審査機能や企業ブランディング等の採用ソリューション事業(注2)へ注力したことが寄与しています。当第3四半期累計の売上収益は3,185億円(前年同期累計比34.5%増)となりました。
当第3四半期のセグメント利益(セグメント調整後EBITDA)は191億円(前年同期比45.9%増)となりました。これは主に、売上収益の成長によるものです。当第3四半期のセグメント利益マージンは17.5%となり、前第3四半期の15.4%から増加しました。これは主に、新規の個人ユーザー及び企業クライアントの獲得に向けた営業体制の拡充及びマーケティング活動への投資を継続する一方で、これらの費用の増加率が売上収益の増加スピードより低かったことによるものです。また、売上成長を促進するため、個人ユーザーと企業クライアント双方へのサービス拡充を図るプロダクトの強化等に引き続き重点的に投資を行っており、このような投資のタイミングが四半期のセグメント利益額の増減に影響します。当第3四半期累計セグメント調整後EBITDAは628億円(前年同期累計比70.5%増)、セグメント調整後EBITDAマージンは19.7%となりました。
当第3四半期における、IndeedとGlassdoorの月間ユニークビジター数は、それぞれ約2億5,000万人、約6,000万人(注3)です。当第3四半期末の従業員数はそれぞれ約9,800人、約1,000人です。
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(単位:十億円)
| 前第3四半期 | 当第3四半期 | 増減 | 増減率 (%) | 前第3四半期 累計 | 当第3四半期 累計 | 増減 | 増減率 (%) | |
| 売上収益 | 85.1 | 109.5 | 24.3 | 28.6 | 236.9 | 318.5 | 81.6 | 34.5 |
| セグメント利益 (セグメント調整後EBITDA) (注4) | 13.1 | 19.1 | 6.0 | 45.9 | 36.8 | 62.8 | 26.0 | 70.5 |
| セグメント利益マージン (セグメント調整後EBITDAマージン) (単位:%)(注4) | 15.4 | 17.5 | 2.1pt | - | 15.6 | 19.7 | 4.2pt | - |
| 参考:米ドルベース売上 (単位:百万米ドル)(注1) | 754 | 1,007 | 252 | 33.5 | 2,128 | 2,932 | 804 | 37.8 |
(注1)当報告セグメントの現地決算数値であり、当社連結決算数値に含まれる数値とは異なります
(注2)IndeedとGlassdoorが提供する機能は各国によって異なります
(注3)出所:当第3四半期におけるGoogle Analytics serviceに基づく社内データ
(注4)前第3四半期及び前第3四半期累計はEBITDA及びEBITDAマージン、当第3四半期及び当第3四半期累計は調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン
② メディア&ソリューション事業
(業績の概況)
当報告セグメントは、販促領域及び人材領域の2つの事業領域で構成されています。
販促領域は各分野で当事業セグメントが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディアへの広告を通して企業クライアントの集客を支援しています。代表的なオンラインプラットフォームとして、住宅の売買や賃貸等に関する「SUUMO」、結婚に関する「ゼクシィ」、主に国内旅行に関する「じゃらん」、飲食店情報に関する「HotPepperグルメ」、ヘアサロン等美容サロンに関する「HotPepper Beauty」等があります。更に、「Air BusinessTools」(注)等を中心にSaaS(Software as a Service)事業を展開し、クラウドを活用して主に中小企業クライアントの予約・顧客・販売管理、決済、従業員管理、その他の事業運営等をサポートしています。また、販促領域は各分野で当事業セグメントが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディアからの情報を通して、個人ユーザーに日常生活におけるより多くの選択肢を提供しています。
近年では、「Air BusinessTools」の展開により、SaaS事業の拡大を進めています。当事業セグメントは、従来より、例えば美容分野において、広告サービスと予約・顧客管理を一体化したSaaS機能「SALON BOARD」を展開すること等により、中小企業等の生産性及び効率性促進のための包括的なツールを提供していますが、今後更に加速させていきます。
人材領域は当事業セグメントが有するオンラインプラットフォーム及び紙メディアを通じて、企業クライアントの採用活動及び個人ユーザーの求職活動を支援するサービスを提供しています。具体的には、「リクナビ」、「リクナビNEXT」、「タウンワーク」等、様々な雇用形態に合わせた求人広告サイトや「リクルートエージェント」等の人材紹介事業を中心とした事業を運営しています。
当第3四半期における売上収益は1,848億円(前年同期比3.7%増)となりました。これは主に、販促領域の住宅分野、旅行分野及び美容分野が増収になったことによるものです。人材領域の国内人材募集分野においては、国内の労働市場逼迫が継続しているものの、経営環境が厳しさを増している製造業等の一部業界では採用に慎重な姿勢を見せる企業クライアントもおり、減収となりました。当第3四半期累計の売上収益は5,630億円(前年同期累計比6.7%増)となりました。
当第3四半期におけるセグメント利益(セグメント調整後EBITDA)は505億円(前年同期比3.8%増)となりました。これは販促領域の売上収益増加によるものです。セグメント利益マージンは27.4%となりました。この結果、当第3四半期累計のセグメント利益は1,486億円(前年同期累計比6.1%増)、セグメント利益マージンは26.4%となりました。
(注)「Airシリーズ」から名称変更
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(単位:十億円)
| 前第3四半期 | 当第3四半期 | 増減 | 増減率 (%) | 前第3四半期 累計 | 当第3四半期 累計 | 増減 | 増減率 (%) | |||
| 売上収益(合計) | 178.2 | 184.8 | 6.5 | 3.7 | 527.6 | 563.0 | 35.3 | 6.7 | ||
| 販促領域 | 100.7 | 109.1 | 8.3 | 8.3 | 295.2 | 325.5 | 30.2 | 10.3 | ||
| 住宅分野 | 26.5 | 28.4 | 1.8 | 7.0 | 76.0 | 82.7 | 6.7 | 8.8 | ||
| 結婚分野 | 14.1 | 13.3 | △0.8 | △5.7 | 41.9 | 39.8 | △2.1 | △5.1 | ||
| 旅行分野 | 15.0 | 17.7 | 2.6 | 17.8 | 46.7 | 56.5 | 9.8 | 21.1 | ||
| 飲食分野 | 10.2 | 10.4 | 0.1 | 1.9 | 28.7 | 29.3 | 0.5 | 2.0 | ||
| 美容分野 | 18.3 | 20.7 | 2.4 | 13.2 | 53.3 | 60.4 | 7.0 | 13.2 | ||
| その他 | 16.3 | 18.4 | 2.0 | 12.4 | 48.3 | 56.5 | 8.1 | 16.8 | ||
| 人材領域 | 76.7 | 74.6 | △2.1 | △2.8 | 230.2 | 234.9 | 4.7 | 2.1 | ||
| 国内人材募集分野 (注1) | 69.0 | 65.8 | △3.1 | △4.6 | 205.7 | 207.8 | 2.0 | 1.0 | ||
| その他 | 7.7 | 8.7 | 1.0 | 13.2 | 24.4 | 27.1 | 2.6 | 10.9 | ||
| 全社/消去(メディア&ソリューション事業) | 0.7 | 1.0 | 0.3 | 42.5 | 2.2 | 2.5 | 0.2 | 13.5 | ||
| セグメント利益 (セグメント調整後EBITDA)(合計)(注3) | 48.6 | 50.5 | 1.8 | 3.8 | 140.1 | 148.6 | 8.5 | 6.1 | ||
| 販促領域(注3、4) | 33.1 | 35.2 | 2.0 | 6.3 | 90.9 | 97.3 | 6.4 | 7.1 | ||
| 人材領域(注3、4) | 19.7 | 19.7 | △0.0 | △0.3 | 61.3 | 64.6 | 3.3 | 5.4 | ||
| 全社/消去(メディア&ソリューション事業) (注3、4) | △4.2 | △4.4 | △0.1 | - | △12.1 | △13.3 | △1.2 | - | ||
| セグメント利益マージン (セグメント調整後EBITDAマージン) (単位:%)(合計)(注3) | 27.3 | 27.4 | 0.0pt | - | 26.6 | 26.4 | △0.2pt | - | ||
| 販促領域(注3、4) | 32.9 | 32.3 | △0.6pt | - | 30.8 | 29.9 | △0.9pt | - | ||
| 人材領域(注3、4) | 25.8 | 26.4 | 0.7pt | - | 26.6 | 27.5 | 0.9pt | - | ||
(注1)前第2四半期及び第1四半期に当分野に属する子会社を譲渡しており、その影響を控除した際の前年同期比は3.8%減、前年同期累計比は2.6%増(注2)
(注2)前年実績から、譲渡した子会社の前年実績の数値を除いて算出
(注3)前第3四半期及び前第3四半期累計はEBITDA及びEBITDAマージン、当第3四半期及び当第3四半期累計は調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン
(注4)当第3四半期及び当第3四半期累計における販促及び人材領域に含まれる子会社の一部のセグメント利益はIFRS第16号の適用影響を調整しておらず、当該調整金額は全社/消去に含めていますが、その影響は軽微です。
| 2019年 3月期 | 2020年 3月期 | ||||||||
| (単位) | Q1末 | Q2末 | Q3末 | Q4末 | Q1末 | Q2末 | Q3末 | ||
| 事業データ | |||||||||
| 「HotPepperグルメ」 ネット予約人数累計(注1) | 万人 | 1,905 | 3,718 | 6,577 | 8,850 | 2,181 | 4,240 | 7,295 | |
| 「HotPepper Beauty」 ネット予約件数累計(注1) | 万件 | 2,272 | 4,719 | 7,163 | 9,699 | 2,782 | 5,727 | 8,615 | |
| 「Airレジ」登録アカウント数 | 万 | 34.9 | 36.4 | 38.1 | 40.2 | 42.2 | 44.9 | 46.9 | |
| 「スタディサプリ」有料会員数 (注2) | 万人 | 55.9 | 58.6 | 59.8 | 61.4 | 74.1 | 75.9 | 76.4 | |
(注1)キャンセル前予約受付ベース、各連結会計年度期首からの累計数値
(注2)「スタディサプリ」の小学生、中学生及び高校生向け講座並びに「スタディサプリEnglish」の有料会員数の合算値
③ 人材派遣事業
(業績の概況)
当報告セグメントは、複数の業界にて人材派遣事業やそれに係るサービスを提供しており、国内派遣及び海外派遣の2つの事業領域で構成されています。
国内、海外共にマーケット特性に応じて組織をユニット単位に区分し、権限移譲により、各ユニットがマーケットに最適な戦略を実行することによって、利益の最大化を目指すユニット経営を推進しています。
当第3四半期における売上収益は3,203億円(前年同期比3.3%減)となりました。国内派遣領域においては、人手不足が継続する環境を受けて売上収益が伸長しました。海外派遣領域においては、為替影響が売上収益に対して112億円のマイナス寄与となったことや、主に欧州における不透明な経済環境の影響により減収となりました。為替によるマイナス影響を控除した場合のセグメント売上収益は前年同期比で0.1%増となりました。当第3四半期累計売上収益は9,504億円(前年同期累計比3.6%減)となり、為替によるマイナス影響を控除した場合の売上収益は前年同期累計比0.4%減となりました。
当第3四半期におけるセグメント利益(セグメント調整後EBITDA)は241億円(前年同期比3.9%減)となりました。当第3四半期におけるセグメント利益マージンは7.5%となり、前第3四半期の7.6%から横這いとなりました。国内派遣領域においては、主に増収による増益となり、セグメント利益マージンは9.3%(前第3四半期は9.5%)となりました。海外派遣領域においては、減益となりましたが、セグメント利益マージンは6.0%(前第3四半期は6.1%)と前年同期比で横這いとなりました。これは主に、コスト管理の強化によるものです。
当第3四半期累計セグメント利益は650億円(前第3四半期累計比6.1%減)となり、当第3四半期累計利益マージンは6.8%(前第3四半期累計は7.0%)となりました。欧州を中心とする不透明な経済環境の中、海外派遣領域をはじめ当セグメントでは、引き続きユニット経営の強化による生産性改善を通してセグメント利益マージンの確保に注力します。
当報告セグメントの業績及び関連データ等は以下のとおりです。
(単位:十億円)
| 前第3四半期 | 当第3四半期 | 増減 | 増減率(%) | 前第3四半期 累計 | 当第3四半期 累計 | 増減 | 増減率 (%) | ||
| 売上収益(合計) | 331.1 | 320.3 | △10.7 | △3.3 | 986.1 | 950.4 | △35.6 | △3.6 | |
| 国内派遣領域 | 140.8 | 146.5 | 5.7 | 4.1 | 409.0 | 424.1 | 15.0 | 3.7 | |
| 海外派遣領域(注1) | 190.3 | 173.7 | △16.5 | △8.7 | 577.0 | 526.3 | △50.6 | △8.8 | |
| セグメント利益 (セグメント調整後EBITDA)(合計)(注2) | 25.1 | 24.1 | △0.9 | △3.9 | 69.2 | 65.0 | △4.1 | △6.1 | |
| 国内派遣領域(注2) | 13.4 | 13.6 | 0.2 | 1.9 | 36.3 | 36.9 | 0.5 | 1.4 | |
| 海外派遣領域(注2) | 11.6 | 10.4 | △1.2 | △10.6 | 32.8 | 28.1 | △4.7 | △14.3 | |
| セグメント利益マージン (セグメント調整後EBITDAマージン) (単位:%)(合計)(注2) | 7.6 | 7.5 | △0.1pt | - | 7.0 | 6.8 | △0.2pt | - | |
| 国内派遣領域(注2) | 9.5 | 9.3 | △0.2pt | - | 8.9 | 8.7 | △0.2pt | - | |
| 海外派遣領域(注2) | 6.1 | 6.0 | △0.1pt | - | 5.7 | 5.4 | △0.3pt | - | |
(注1)為替影響額を控除した際の海外派遣領域の当第3四半期売上収益は前年同期比2.8%減、前年同期累計比は3.2%減
(注2)前第3四半期及び前第3四半期累計はEBITDA及びEBITDAマージン、当第3四半期及び当第3四半期累計は調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン
ⅲ 資本の財源及び資金の流動性
(財務方針)
当社グループは、借入による資金調達を有効に活用しつつ、国内格付機関による格付を意識した財務の健全性を維持することを財務方針としています。更に、資本効率の目安として、投資案件については厳格な基準を設けるとともに、ROEで15%の水準を目安に設定しています。株主還元については、安定的かつ継続的な配当を行うことを基本として位置づけ、業績の動向と将来の成長投資に必要となる内部留保の充実や財務基盤の確立を総合的に勘案した利益還元を行うことを基本方針としています。連結配当性向は、親会社の所有者に帰属する当期利益から非経常的な損益等の影響を控除した上で30%程度を目安としています。なお、自己株式の取得については、市場環境及び財務状況の見通し等を踏まえ、実施の是非について検討します。
(資金使途)
運転資金、法人税の支払い、各事業セグメントにおけるM&A及び資産取得等による外部資源の獲得や設備投資、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得等に資金を充当しています。
(資金調達)
当社グループの運転資金及び投資資金については、まず営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としていますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。外部資金調達のうち、原則として短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせ、中長期の運転資金については、金融機関からの借入、社債又はその組み合わせにより調達することとしています。なお、当社は、機動的な資金調達を可能とするため、2,000億円(当第3四半期末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
また、当社グループは、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と当座貸越契約を締結しています。なお、当第3四半期末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。
(格付)
当社グループは、格付機関である㈱格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)、ムーディーズ・ジャパン㈱(以下、「ムーディーズ」という。)及びS&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱(以下、「S&P」という。)から長期格付を取得しています。当第3四半期末における格付の状況は、以下のとおりです。
・R&I:AA-
・ムーディーズ:A3
・S&P:A
(キャッシュマネジメント)
当社グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、かつ経済合理性が認められることを前提として、主にキャッシュマネジメントシステムを通じたグループファイナンスにより、当社グループ内での資金貸借の実施を外部借入よりも優先しています。
(資金運用)
当社グループの資金運用は、投機目的で行わず、元本が保証され、安全かつ確実で効率の高い金融商品のみで行うこととしています。
(連結財政状態の概況)
(単位:十億円)
| 前年度 (2019年3月31日) | 当第3四半期 (2019年12月31日) | 増減 | ||
| 資産合計 | 1,748.9 | 1,989.5 | 240.6 | |
| 流動資産合計 | 809.0 | 793.9 | △15.0 | |
| 非流動資産合計 | 939.9 | 1,195.6 | 255.6 | |
| 負債合計 | 776.7 | 988.9 | 212.1 | |
| 流動負債合計 | 497.5 | 490.1 | △7.4 | |
| 非流動負債合計 | 279.1 | 498.7 | 219.6 | |
| 資本合計 | 972.2 | 1,000.6 | 28.4 | |
| 親会社の所有者に帰属する持分合計 | 965.7 | 993.0 | 27.2 | |
| 非支配持分 | 6.4 | 7.6 | 1.1 | |
① 資産
流動資産は前年度末比150億円(1.9%)減少しました。これは主に、営業債権及びその他の債権が167億円減少したことによるものです。
非流動資産は前年度末比2,556億円(27.2%)増加しました。これは主に、IFRS第16号の適用に伴い使用権資産が2,344億円増加したことによるものです。
② 負債
流動負債は前年度末比74億円(1.5%)減少しました。これは主に、IFRS第16号の適用に伴いリース負債が368億円増加した一方、営業債務及びその他の債務が84億円、未払法人所得税が159億円、その他の流動負債が197億円減少したことによるものです。
非流動負債は前年度末比2,196億円(78.7%)増加しました。これは主に、IFRS第16号の適用に伴いリース負債が2,140億円増加したことによるものです。
③ 資本
資本は前年度末比284億円(2.9%)増加しました。これは主に、自己株式の取得により資本が802億円減少した一方、親会社の所有者に帰属する四半期利益を計上したこと等により利益剰余金が1,186億円増加したことによるものです。
(連結キャッシュ・フローの概況)
(単位:十億円)
| 前第3四半期 累計 | 当第3四半期 累計 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 195.7 | 227.0 | 31.3 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △180.8 | △69.8 | 110.9 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △55.6 | △165.4 | △109.8 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 5.2 | △2.0 | △7.2 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △35.4 | △10.2 | 25.2 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 389.8 | 402.9 | 13.0 |
| 現金及び現金同等物の四半期末残高 | 354.3 | 392.6 | 38.3 |
当第3四半期の現金及び現金同等物の残高は、投資活動及び財務活動による支出が営業活動による収入を上回ったため、前年度末比102億円減少し、3,926億円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
税引前四半期利益2,297億円から、加算項目の主なものとして、減価償却費及び償却費842億円、減算項目の主なものとして、法人所得税の支払額648億円を計上したことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
主に、無形資産の取得による支出375億円を計上したことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
主に、自己株式の取得による支出802億円及び配当金の支払額491億円を計上したことによるものです。
経営方針
ⅰ 会社の経営の基本方針
当社グループには、「私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。」との基本理念と、「Follow Your Heart」というビジョン(目指す世界観)、「まだ、ここにない、出会い。より速く、シンプルに、もっと近くに。」というミッション(果たす役割)、「新しい価値の創造」・「個の尊重」・「社会への貢献」というバリューズ(大切にする価値観)があります。
ⅱ 目標とする経営指標
当社グループは、長期的な利益成長の実現に向け、M&Aをはじめとした成長に向けた各種投資を機動的かつ積極的に実行していきます。その上で、投資と利益成長の適切なバランス及び株式価値の向上を重視しており、主な重要経営指標を調整後EBITDA(注1)及び調整後EPS(注2)として、企業価値の最大化を図っていきます。当社グループは、2020年3月期第1四半期よりIFRS第16号を適用し、会計方針を変更しています。IFRS第16号の適用により、原則として全てのリース契約について、借手はリース期間にわたり原資産を使用する権利及びリース料を支払う義務を、それぞれ使用権資産及びリース負債として認識します。旧基準であるIAS第17号ではオペレーティング・リースに係るリース料を賃借料として費用計上していましたが、IFRS第16号では使用権資産の減価償却費とリース負債に係る利息費用を費用計上します。結果として、IFRS第16号の適用に伴い、賃借料が減少する一方で使用権資産の減価償却費が増加し、EBITDAは増加します。そのため当社では、これまでの経営指標との比較可能性を考慮して、2020年3月期第1四半期より経営指標をEBITDAから、IFRS第16号の主な影響を除いた調整後EBITDAへと変更しています。
(注1)調整後EBITDA:営業利益+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)±その他の営業収益・費用
(注2)調整後EPS(調整後1株当たり当期利益):調整後当期利益(注3)/(期末発行済株式総数-期末自己株式数)
(注3)調整後当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益±調整項目(注4)(非支配持分帰属分を除く)±調整項目の一部に係る税金相当額
(注4)調整項目:企業結合に伴い生じた無形資産の償却額±非経常的な損益
ⅲ 当社グループを取り巻く経営環境と対処すべき課題、経営戦略
当社グループでは、急速に変化するインターネット事業環境等に対応し、グローバル市場におけるニーズやビジネス機会をいち早く捉え、迅速な意思決定の下で、企業価値及び株主価値の最大化に取り組むことが重要と捉えています。このために当社グループは、「HRテクノロジー」、「メディア&ソリューション」及び「人材派遣」の3つの戦略ビジネスユニット(Strategic Business Unit、以下、「SBU」という。)単位で事業価値の拡大に取り組んでいます。3つのSBUごとに統括会社を設置する経営体制により、各事業が自律自転する組織体制を構築すると同時に、当社が持株会社としての機能の集中と強化を図り、適切なグループガバナンス体制やモニタリング体制等を整備することで、更なる企業価値の向上を実現します。
当社グループは、ユーザー(個人等)やクライアント(企業等)の不満や不便といった「不」の解消と向き合い、双方に対して最適なマッチングソリューションを提供しています。日々のマッチング業務を通じて蓄積された膨大なデータとテクノロジーを活用することで、マッチングの更なる効率性向上に注力し、ユーザーに対して最適な選択肢を提供し、中小企業を中心とするクライアントに対して更なる業務効率化を支援します。特に、2018年グローバル市場規模を1,500億米ドル以上(注1)と推定する人材マッチング市場において、長期的にテクノロジーを駆使してイノベーションを促進し、革新と創造を進めながら、グローバルリーダーとなることを目指します。オンライン求人広告及び採用ツール市場はグローバルで150億米ドル程度(注2)と推定しており、50億米ドルを超える規模のオフライン求人広告市場(注3)がオンライン求人広告市場に流入を続けながら成長すると考えています。当社グループは、同市場において、Indeed及びGlassdoorを中心とするHRテクノロジー事業を主軸として、オンライン求人広告及び採用ツール市場でのシェアの拡大と、オフライン求人広告市場からオンライン求人広告市場への移行を促進させることで、オンライン求人広告事業の持続的な成長を目指します。また、人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場はグローバルで540億米ドル程度(注4)の市場規模であると推定しています。当社グループは、属人的な関係に基づく伝統的なビジネスモデルが占有する同市場において、テクノロジーを活用した「Indeed Hire」を導入し、現状の業界水準対比で非常に効率的かつ費用対効果の高い形でサービスを提供することで、同市場での成長を目指します。更に、人材派遣市場は、グローバルで800億米ドル程度(注5)と推定しています。当社グループは、同市場において人材派遣事業を展開し安定的な収益を上げていますが、中長期的には、テクノロジーを活用して人材派遣事業の効率化につながるサービスを提供し、既存の事業の枠組みを超えた事業展開の可能性を模索していきます。
| (注1) | 本項に記載する、求人広告及び採用ツール市場、人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場及び人材派遣市場それぞれの市場規模に関する当社グループによる推計値の単純合計額 |
| (注2) | 2018年における当社グループがHRテクノロジー事業のサービスを提供している国のオンライン求人広告におけるHRテクノロジー事業の売上及び主要な競合他社の売上総額についての外部調査機関のレポートの数値を当社グループの推計に基づき一部保守的に修正した金額にLinkedInのタレントソリューション事業の売上金額について同社の公表資料から当社グループの推計に基づき保守的に修正した値を合算した額 |
| (注3) | オンライン求人広告及び採用ツール市場の150億米ドル((注2)をご参照ください。)に、2018年における広告市場全体におけるオンライン広告及びオフライン広告(但し、テレビ、映画及びラジオ広告等を除く。)の比率(外部調査機関のレポートに基づく。)を乗じた額 |
| (注4) | Staffing Industry Analysts(SIA),Global Staffing Industry Market Estimates and Forecast: May 2019 Updateに基づく2018年の人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場の売上金額 |
| (注5) | SIA, Global Staffing Industry Market Estimates and Forecast: May 2019 Updateに基づく2018年の人材派遣市場の売上金額4,360億米ドルに、2018年におけるグローバル人材派遣上場企業の売上金額上位3社の売上総利益率の加重平均18.3%を適用して算出した額 |
| (注6) | 本項に記載する求人広告及び採用ツール市場、人材紹介及びエグゼクティブサーチ市場及び人材派遣市場の市場規模については、(注1)から(注5)に記載のとおり外部の統計資料や公表資料を基礎として当社グループが推計したものであり、その正確性にはかかる統計資料や推計に固有の限界があるため、実際の市場規模はかかる推計値と大きく異なる可能性があります。 |
事業別の経営戦略は、以下のとおりです。
HRテクノロジー事業においては、オンライン求人情報専門検索を中心とする人材採用プラットフォーム「Indeed」とオンライン求人広告及び企業情報サイト「Glassdoor」の既存事業である求人広告領域において、グローバルでの更なる拡大を進めます。更に、採用プロセスの効率化に資する様々な新規事業の開発及びM&Aを行い、将来の成長を加速させていきます。
メディア&ソリューション事業においては、当社グループは、全国的に営業部門を有し、企業クライアントとの密接なコミュニケーションにより、特に中小企業等へのサービス提供において強固なポジションを築いており、今後は、既存事業の磨きこみに加え、中小企業等のバックオフィス機能に付加価値のあるSaaS機能を提供する事業機会があると考えています。各事業分野の市場におけるポジションと既存の企業クライアントをベースとし、当事業セグメントが提供するそれぞれのオンラインプラットフォームを「Air BusinessTools」(注)としてより一体化し、既存広告事業とのシナジー効果を高めることで、SaaS事業の成長を加速させたいと考えています。これらの取組みを通じ、当社グループの創業以来の取組みである、中小企業等の生産性向上に貢献していきます。
人材派遣事業においては、国内派遣領域では人手不足が継続する市場環境の下で、安定成長を目指します。海外派遣領域では、引き続き海外子会社に事業運営ノウハウを導入しながら、調整後EBITDAマージンの継続的な改善に取り組みます。
(注)「Airシリーズ」から名称変更
なお、当社ホームページにおいて、2019年8月26日付の「当社孫会社への個人情報保護委員会からの勧告等について」及び2019年9月6日付の「当社孫会社への東京労働局からの指導について」にてお知らせしましたとおり、当社の子会社であり、メディア&ソリューション事業の統括会社である㈱リクルートの子会社㈱リクルートキャリアが提供していた「リクナビDMPフォロー」サービス(2019年8月4日付で廃止)に関して、個人情報保護委員会より勧告と指導を、東京労働局より指導を受けました。その後、㈱リクルートと㈱リクルートキャリアは同年12月4日に個人情報保護委員会より、同年12月11日に東京労働局より上記事案に関する追加的な勧告・指導を受けました。当社グループとして一連の事態を真摯に受け止め、再発防止・ガバナンス強化に全力で取り組みます。