有価証券報告書-第61期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の分析
① 連結経営成績の概況
当第4四半期の売上収益は、前年同期比4.0%増の6,131億円となりました。そのうち、188億円(税抜)は経済産業省中小企業庁より受託した家賃支援給付金事務事業(家賃給付受託事業)に係るものであり、その影響を除いた前年同期比は0.8%増となりました。当第4四半期においても、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と各国の拡大防止策による影響が、引き続き多岐にわたりました。米国のように規制が緩和された国もありましたが、日本では緊急事態宣言が再度発出され、欧州の各都市では度重なるロックダウンが見られる等、経済活動が抑制された地域も多くありました。
当第4四半期のHRテクノロジー事業と人材派遣事業は増収、メディア&ソリューション事業は減収となりました。為替によるプラス影響49億円を控除した売上収益は前年同期比3.1%増となりました。当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比5.4%減の2兆2,693億円となりました。そのうち、790億円(税抜)は家賃給付受託事業に係るものであり、その影響を除いた前連結会計年度比は8.7%減となりました。為替によるマイナス影響38億円を控除した売上収益は前連結会計年度比5.3%減となりました。
当第4四半期の営業利益は、195億円(前年同期は営業損失62億円)となりました。なお、前第4四半期におけるのれん及び無形資産の減損損失の影響を控除した営業利益は247億円であり、この金額と当第4四半期における営業利益を比較した場合、前年同期比21.2%の減少となりました。当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比21.0%減の1,628億円となりました。
当第4四半期の税引前四半期利益は、216億円(前年同期は税引前四半期損失35億円)となりました。当第4四半期の四半期利益は、前年同期比2.6%増の139億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比3.5%増の138億円となりました。当連結会計年度の税引前利益は前連結会計年度比25.5%減の1,685億円、当期利益は前連結会計年度比27.3%減の1,316億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比27.0%減の1,313億円となりました。
当第4四半期の調整後EBITDAは、前年同期比44.4%減の307億円、調整後EBITDAマージンは5.0%となりました。これは主に、各事業において来期以降の成長を見据えて、広告宣伝費等の投資を強化したことによるものです。当連結会計年度の調整後EBITDAは、前連結会計年度比25.7%減の2,416億円、調整後EBITDAマージンは10.6%となりました。
当第4四半期の調整後EPSは、前年同期比61.0%減の6.78円、配当算定基準とする当第4四半期利益は、前年同期比70.5%減の73億円となりました。当連結会計年度の調整後EPSは、前連結会計年度比31.8%減の82.56円、配当算定基準とする利益は、前連結会計年度比34.0%減の1,217億円となりました。
当第4四半期及び当連結会計年度の研究開発費は、各々221億円及び744億円となりました。主な内訳は、新プロダクトの開発や新しいテクノロジーを活用した既存プロダクトの改善に係るエンジニア及びテクノロジー開発担当者の人件費であり、その大半はHRテクノロジー事業に関連します。
(単位:十億円)
(注) 2021年3月期第4四半期及び当連結会計年度の売上収益には家賃給付受託事業に係る受託料がそれぞれ、188億円、790億円含まれます。
重要な会計方針、見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。
連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については主に「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。重要な見積り及び仮定については主に「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の判断、会計上の見積り及び仮定」に記載しています。なお、のれんの減損テストで用いた主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11 のれん及び無形資産」に記載しています。
また、見積り及び仮定は、過去の実績や、合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいています。しかし、これらの見積り及び仮定には不確実性が存在するため、翌期以降の連結財務諸表において認識する金額と異なる場合があります。
主な経営施策
・新型コロナウイルス感染症の拡大に対する当社グループの取組み
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、引き続き従業員とその家族、個人ユーザー、企業クライアント及び外部協力パートナー等、当社のステークホルダーの安全確保や感染拡大防止を最優先に考えながら、事業活動に取り組んでいます。また、各事業において、多様なステークホルダーの皆様に対する様々な支援・取組みを行っています。
・自己株式取得の終了
当社は、2020年11月30日開催の取締役会において、当社のキャピタル・アロケーションの方針に則り、今後の投資余力、市場環境及び財務状況の見通し等を勘案し、自己株式取得の実施を決議後、2021年2月26日に取得を終了しました。2021年2月26日時点の累計取得自己株式数は15,157,100株、累計取得価額は68,576,962,887円でした。
② セグメント業績の概況
HRテクノロジー事業
当第4四半期の売上収益は、前年同期比23.3%増の1,311億円となり、米ドルベース売上収益(注1)の前年同期比は、26.8%増となりました。売上収益の増加は、主に米国において中小企業クライアントの採用活動が大きく回復し、有料求人広告利用に対する需要が増加したことによるものです。
当第4四半期中は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための様々な規制が米国や欧州の多くの国で緩和され、経済状況の改善に伴い採用活動や求職活動が回復しました。事業の再開や拡大、及び新たな事業が創出されることで、既存クライアントと新規クライアント双方、特に米国の中小企業クライアントの採用需要が増加しました。
しかし、感染症に係る懸念や育児サポートの減少、各国政府による金銭的支援等を背景に、復職や転職を控える人々が多く、当第4四半期におけるIndeed及びGlassdoor上の個人ユーザーの求職活動は低調に推移しました。低調な求職活動と強い採用需要の乖離が、当第4四半期の売上収益の増加に大きく影響しました。
当第4四半期の調整後EBITDA)は、前年同期比107.2%増の173億円となりました。これは主に、売上収益の増加によるものです。前年同期と比較すると商品開発やテクノロジーへの投資を戦略的に増加させた一方で、マーケティング費をはじめとする販売管理費は柔軟なコスト管理を行いました。当第4四半期の調整後EBITDAマージンは13.3%となり、前第4四半期の7.9%から上昇しました。
売上収益の回復に伴い、第3四半期よりもマーケティング投資を増やし、求職活動及び採用プロセスの効率化や、採用に係るコストや時間を大幅に削減するというHRテクノロジー事業の目指す姿に向けた商品開発を行うために、引き続きエンジニアや技術部門の採用を行いました。
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比0.4%減の4,232億円となり、米ドルベース売上収益(注1)は前連結会計年度比2.2%増となりました。調整後EBITDAは前連結会計年度比6.3%減の667億円、調整後EBITDAマージンは15.8%となりました。
(単位:十億円)
(注1) 当セグメントの現地決算数値であり、当社連結決算数値に含まれる数値とは異なります。
(注2) IndeedとGlassdoorが提供する機能は各国によって異なります。
メディア&ソリューション事業
当第4四半期における売上収益は、前年同期比7.0%減の1,793億円となりました。家賃給付受託事業の売上収益188億円を除く既存事業の当第4四半期の売上収益は、前年同期比は16.8%減となりました。当第4四半期は、2021年1月7日から3月21日まで日本国内の一部都府県を対象に発出された緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染症の感染者数増加等の影響を受けて減収となりました。
当第4四半期における調整後EBITDAは、販促領域及び人材領域は減収に加えて、来期以降の成長を見据えた戦略的且つ積極的なマーケティング投資を行ったため大幅な減益となりました。また、2021年4月1日の組織再編に係る費用増加や新型コロナウイルス感染症拡大の影響等による貸倒引当金額の増額により、前年同期比78.8%減の72億円、調整後EBITDAマージンは4.1%となりました。
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比11.1%減の6,720億円、家賃給付受託事業を除く売上収益は前連結会計年度比21.6%減の5,929億円となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは前連結会計年度比41.6%減の1,067億円、調整後EBITDAマージンは15.9%となりました。
(単位:十億円)
(注) メディア&ソリューション事業及び販促領域の2021年3月期第4四半期及び当連結会計年度の売上収益には家賃給付受託事業に係る受託料がそれぞれ、188億円、790億円含まれます。
販促
当第4四半期における販促領域の売上収益は、前年同期比7.1%増の1,210億円となりました。家賃給付受託事業を除く既存事業の売上収益は主に日本国内の一部都府県を対象に発出された緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染症の感染者数増加等の影響を受けて、第3四半期より減少し、前年同期比9.7%減、1,021億円となりました。
住宅分野では、引き続き新築戸建てや中古物件、賃貸物件の広告需要が堅調なことから前年同期比7.2%の増収となりました。美容分野では、主に新規企業クライアントの獲得が寄与し前年同期比10.6%の増収となりました。美容分野のHotPepper Beautyネット予約件数は、当第4四半期は前年同期比9.0%増の3,094万件、当連結会計年度は前連結会計年度比1.5%減の11,285万件となりました。
結婚分野では挙式を控える傾向が継続し、企業クライアントが引き続き広告宣伝費を削減した結果、前年同期比38.2%の減収となりました。また、旅行分野では、2021年1月から3月まで発出された緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染者数の増加等の影響を受けて、宿泊者数及び宿泊単価が前年同期を大幅に下回った結果、前年同期比29.1%の減収となりました。
飲食分野では、国内の11都府県における緊急事態宣言を受けた営業時間短縮に加えて、引き続き外食機会減少やテーブル数の間引き対応等による業績影響を受けた企業クライアントが多く、広告出稿数の減少等により前年同期比61.3%の減収となりました。HotPepperグルメのネット予約人数は、前年同期比29.0%減の1,416万人、当連結会計年度では前連結会計年度比29.5%減の6,551万人となりました。
決済サービスを提供するAirペイは、新型コロナウイルス感染症拡大を背景に非接触決済への需要が更に高まったことから、アカウント数(注)が引き続き増加し、2021年3月末時点で前連結会計年度末比41.7%増の21.0万となりました。このうち、Air ビジネスツールズの他ソリューションを併用しているアカウント数は、13.5万となりました。また、スタディサプリは学校のICT活用推進やコロナ禍におけるオンライン教育サービスへの需要が継続した結果、2021年3月末時点の有料会員数が前連結会計年度末比97.4%増の157万人となりました。Air ビジネスツールズ及びスタディサプリの売上収益並びに家賃給付受託事業に係る収益188億円は、その他分野に含まれます。
当第4四半期の調整後EBITDAは前年同期比31.3%減の127億円となりました。家賃給付受託事業を除く既存事業の減収による減益に加えて、来期以降の成長に向けてマーケティング投資を積極的に行った結果、調整後EBITDAマージンは10.6%となりました。
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比4.0%増の4,560億円、家賃給付受託事業を除く売上収益は前連結会計年度比14.0%減の3,769億円となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは前連結会計年度比16.9%減の964億円、調整後EBITDAマージンは21.1%となりました。
(注) 登録アカウント数は、当該サービス登録加盟店舗数及び事業所数を指し、アクティブ及びノンアクティブアカウントを含みます。
(単位:十億円)
(注) 販促領域及びその他分野の2021年3月期第4四半期及び当連結会計年度の売上収益には家賃給付受託事業に係る受託料がそれぞれ、188億円、790億円含まれます。
人材
当第4四半期における人材領域の売上収益は、前年同期比26.5%減の582億円となりました。売上収益及び前年同期比減収率は第3四半期から改善したものの減収となりました。
アルバイトやパート向け求人広告サービスは、1月に発出された緊急事態宣言による飲食店の営業時間短縮要請等の影響を受けて、飲食業を中心にアルバイト・パートの採用需要が減少したため、当第4四半期は減収となりました。
人材紹介サービスは、当社が紹介した候補者の入社時点に売上収益が計上される成果報酬型サービスです。第1四半期に落ち込んだ企業クライアントの採用需要は、7月以降回復基調が継続するものの、前年同期水準に満たないことから、第4四半期も引き続き前年同期比減収となりました。
当第4四半期の調整後EBITDAは前年同期比75.2%減の46億円と、大幅な減収に伴う減益となりました。調整後EBITDAマージンは、来期以降の成長に向けて積極的なマーケティング投資を行った結果、8.0%となりました。
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比31.9%減の2,140億円、調整後EBITDAは前連結会計年度比55.9%減の368億円、調整後EBITDAマージンは17.2%となりました。
(単位:十億円)
人材派遣事業
当第4四半期の売上収益は、前年同期比3.9%増の3,093億円となりました。為替によるプラス影響84億円を控除した場合の売上収益は、前年同期比1.1%増となりました。当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比4.0%減の11,988億円となり、為替によるプラス影響71億円を控除した当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比4.5%減となりました。
国内派遣は、前年同期に対して営業日数が2日多かったことや、2020年4月1日からの同一労働同一賃金の法制化に伴い請求単価は上昇したことが売上収益にプラスに作用しました。一方、経済動向が不透明な状況が継続する中、新規派遣需要の低迷が継続し、当第4四半期の派遣スタッフ数が前年同期と比較して減少したことから、売上収益は前年同期比0.8%減の1,425億円となりました。当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比0.4%増の5,699億円となりました。
海外派遣は、各国における新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための規制により引き続き企業クライアントの事業運営に制約が生じましたが、特に欧州においてEコマースに関連する物流業や、コロナ禍における医療分野での人材需要の高まりが継続したことが売上収益の回復に寄与しました。また、為替変動がプラスに影響したこともあり、売上収益は前年同期比8.3%増の1,668億円となりました。為替によるプラス影響84億円を控除した場合の売上収益は2.9%増となりました。当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比7.6%減の6,288億円となり、為替によるプラス影響71億円を控除した当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比8.6%減となりました。
当第4四半期の人材派遣事業の調整後EBITDAは前年同期比44.2%減の90億円となりました。調整後EBITDAマージンは2.9%となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは、前連結会計年度比6.2%減の762億円、調整後EBITDAマージンは6.4%となりました。
国内派遣の調整後EBITDAは、前年同期比63.0%減の37億円となりました。これは主に、派遣スタッフの募集費や企業クライアントへのマーケティング費用、来期以降のリモートワーク環境改善等のための費用を投下したことによるものです。調整後EBITDAマージンは2.7%となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは、前連結会計年度比3.4%増の487億円、調整後EBITDAマージンは8.6%となりました。
海外派遣の調整後EBITDAは、来期以降の成長を見据え、人員強化のための投資を行ったことから、前年同期比12.0%減の52億円となりました。調整後EBITDAマージンは3.1%となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは、前連結会計年度比19.6%減の274億円、調整後EBITDAマージンは4.4%となりました。
(単位:十億円)
当連結会計年度の人材派遣事業の地域別売上収益(注)は以下のとおりです。 (単位:十億円)
(注) 北米、欧州、豪州については海外派遣領域の売上収益を各子会社の所在地で分解した数値
各セグメントに帰属する地域別のれん金額
当連結会計年度末の各セグメントに帰属するのれんの帳簿価額は以下のとおりです。 (単位:十億円)
③ 資本の財源及び資金の流動性
基本方針
当社は、企業価値向上に繋がる戦略的投資への機動的な対応と円滑な事業活動に必要な流動性の確保のため、資金調達が必要な際には適切な格付及び財務の健全性を維持しつつ、グローバルな金融市場からの負債による資金調達を活用することを基本方針としています。
自己資本は、適切な資本効率を維持しつつ、成長投資の機会等に対して機動的に対応できる財務基盤を整えること及び事業活動や資産のリスクと比較して十分な水準を維持します。
資金使途
運転資金、法人税の支払い、各セグメントにおけるM&A及び資産取得等による外部資源の獲得や設備投資、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得等に資金を充当しています。
資金調達
運転資金及び投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としていますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。
外部資金調達を行う運転資金のうち、原則として、短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせにより調達することとしています。中長期の運転資金については、金融機関からの借入、社債又はその組み合わせにより調達することとしています。なお、当社は、機動的な資金調達を可能とするため、2,000億円(当連結会計年度末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
また、当社は、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と当座貸越契約を締結しています。なお、当連結会計年度末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、当社は2020年4月30日に総額3,999億円のコミットメントライン契約を締結しましたが、当連結会計年度末において、当該コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。また、当該コミットメントライン契約締結後、当社の流動性の状況等の見直しを進めた結果、2021年3月31日をもって当該コミットメントライン契約を解約し、2021年4月1日より有効となる新たな総額2,000億円のコミットメントライン契約を締結しました。これらにより、当社は事業環境の大きな変化の際にも十分な流動性が確保できると考えています。
当連結会計年度末の有利子負債の帳簿価額・期日別残高は以下のとおりであり、期日別残高は利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しています。
格付
当社は、格付機関である㈱格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・ジャパン㈱及びS&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱から長期格付を取得しており、当連結会計年度末における格付は、それぞれAA-、A3、Aでした。
キャッシュマネジメント
当社は、当社グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、且つ経済合理性が認められることを前提として、主にキャッシュマネジメントシステムを通じた当社グループ内での資金貸借の実施を外部借入よりも優先しています。
当社は、当社及び財務統括子会社に全ての通貨のキャッシュマネジメントを集約することで、当社グループが保有する現金及び現金同等物の機動性を確保しています。
当社グループは、事業環境の悪化や成長投資機会に機動的且つ柔軟に対応できる十分な資金を有しています。当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の金額は5,010億円、ネットキャッシュ(注1)の金額は3,882億円です。
(注1) ネットキャッシュ = 現金及び現金同等物 - 有利子負債(注2)
(注2) 有利子負債には、社債及び借入金を含み、リース負債を含みません。
資金運用
資金運用は、投機目的で行わず、元本が保証され、安全且つ確実で効率の高い金融商品のみで行うこととしています。
④ 連結財政状態の概況
当第4四半期末時点における現金及び現金同等物の金額は5,010億円、社債及び借入金を含み、リース負債を含まない有利子負債の金額は1,127億円、この差額のネットキャッシュは3,882億円です。ネットキャッシュの金額は、前連結会計年度末比1,037億円増加しました。
流動資産は、主に現金及び現金同等物が増加したことにより、前連結会計年度末比975億円(11.8%)増加しました。非流動資産は前連結会計年度末比1,001億円(8.6%)増加しました。これは、投資有価証券が追加取得や評価益の計上により612億円増加したことに加え、使用権資産がオフィス契約の更新等により254億円増加したためです。
負債合計は、主に使用権資産の増加に伴いリース負債が332億円、営業債務が248億円増加したことにより、前連結会計年度末比921億円(9.2%)増加しました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末比1,031億円(10.4%)増加しました。これは主に、2020年12月7日から2021年2月26日までに実施した685億円の自己株式取得による資本の減少や、配当により利益剰余金が403億円減少した一方、親会社の所有者に帰属する当期利益及びその他の包括利益を2,086億円計上したことによるものです。
当第4四半期末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、2021年5月17日時点において、2021年3月31日に締結した総額2,000億円のコミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。
なお、当社は2,000億円(当第4四半期末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
(単位:十億円)
⑤ 連結キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、営業活動による収入が、投資活動及び財務活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末比797億円増加し、5,010億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末比167億円減の2,865億円となりました。これは主に前連結会計年度の減益に伴い当連結会計年度の支払い費用が減少したものの、当連結会計年度の税引前利益が576億円減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末比486億円支出が減少し、△403億円となりました。主な支出項目はソフトウエア等無形資産の取得です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に自己株式の取得による支出を計上したものの、前連結会計年度末比200億円支出が減少し、△1,727億円となりました。
(単位:十億円)
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、省略しています。
② 販売実績
本項目「(1) 経営成績等の分析」に記載のとおりです。
(1) 経営成績等の分析
① 連結経営成績の概況
当第4四半期の売上収益は、前年同期比4.0%増の6,131億円となりました。そのうち、188億円(税抜)は経済産業省中小企業庁より受託した家賃支援給付金事務事業(家賃給付受託事業)に係るものであり、その影響を除いた前年同期比は0.8%増となりました。当第4四半期においても、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大と各国の拡大防止策による影響が、引き続き多岐にわたりました。米国のように規制が緩和された国もありましたが、日本では緊急事態宣言が再度発出され、欧州の各都市では度重なるロックダウンが見られる等、経済活動が抑制された地域も多くありました。
当第4四半期のHRテクノロジー事業と人材派遣事業は増収、メディア&ソリューション事業は減収となりました。為替によるプラス影響49億円を控除した売上収益は前年同期比3.1%増となりました。当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比5.4%減の2兆2,693億円となりました。そのうち、790億円(税抜)は家賃給付受託事業に係るものであり、その影響を除いた前連結会計年度比は8.7%減となりました。為替によるマイナス影響38億円を控除した売上収益は前連結会計年度比5.3%減となりました。
当第4四半期の営業利益は、195億円(前年同期は営業損失62億円)となりました。なお、前第4四半期におけるのれん及び無形資産の減損損失の影響を控除した営業利益は247億円であり、この金額と当第4四半期における営業利益を比較した場合、前年同期比21.2%の減少となりました。当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比21.0%減の1,628億円となりました。
当第4四半期の税引前四半期利益は、216億円(前年同期は税引前四半期損失35億円)となりました。当第4四半期の四半期利益は、前年同期比2.6%増の139億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期比3.5%増の138億円となりました。当連結会計年度の税引前利益は前連結会計年度比25.5%減の1,685億円、当期利益は前連結会計年度比27.3%減の1,316億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度比27.0%減の1,313億円となりました。
当第4四半期の調整後EBITDAは、前年同期比44.4%減の307億円、調整後EBITDAマージンは5.0%となりました。これは主に、各事業において来期以降の成長を見据えて、広告宣伝費等の投資を強化したことによるものです。当連結会計年度の調整後EBITDAは、前連結会計年度比25.7%減の2,416億円、調整後EBITDAマージンは10.6%となりました。
当第4四半期の調整後EPSは、前年同期比61.0%減の6.78円、配当算定基準とする当第4四半期利益は、前年同期比70.5%減の73億円となりました。当連結会計年度の調整後EPSは、前連結会計年度比31.8%減の82.56円、配当算定基準とする利益は、前連結会計年度比34.0%減の1,217億円となりました。
当第4四半期及び当連結会計年度の研究開発費は、各々221億円及び744億円となりました。主な内訳は、新プロダクトの開発や新しいテクノロジーを活用した既存プロダクトの改善に係るエンジニア及びテクノロジー開発担当者の人件費であり、その大半はHRテクノロジー事業に関連します。
(単位:十億円)
| 前第4四半期 | 当第4四半期 | 増減率 | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減率 | |||
| 連結経営成績 | ||||||||
| 売上収益 | 589.7 | 613.1 | 4.0% | 2,399.4 | 2,269.3 | △5.4% | ||
| 営業利益 | △6.2 | 19.5 | - | 206.0 | 162.8 | △21.0% | ||
| 税引前当期利益 | △3.5 | 21.6 | - | 226.1 | 168.5 | △25.5% | ||
| 当期利益 | 13.5 | 13.9 | 2.6% | 181.2 | 131.6 | △27.3% | ||
| 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 13.3 | 13.8 | 3.5% | 179.8 | 131.3 | △27.0% | ||
| 経営指標 | ||||||||
| 調整後EBITDA | 55.2 | 30.7 | △44.4% | 325.1 | 241.6 | △25.7% | ||
| 調整後EBITDAマージン | 9.4% | 5.0% | - | 13.6% | 10.6% | - | ||
| 調整後EPS | 17.38円 | 6.78円 | △61.0% | 121.03円 | 82.56円 | △31.8% | ||
(注) 2021年3月期第4四半期及び当連結会計年度の売上収益には家賃給付受託事業に係る受託料がそれぞれ、188億円、790億円含まれます。
重要な会計方針、見積り及び仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。
連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については主に「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。重要な見積り及び仮定については主に「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4 重要な会計上の判断、会計上の見積り及び仮定」に記載しています。なお、のれんの減損テストで用いた主要な仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 11 のれん及び無形資産」に記載しています。
また、見積り及び仮定は、過去の実績や、合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいています。しかし、これらの見積り及び仮定には不確実性が存在するため、翌期以降の連結財務諸表において認識する金額と異なる場合があります。
主な経営施策
・新型コロナウイルス感染症の拡大に対する当社グループの取組み
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、引き続き従業員とその家族、個人ユーザー、企業クライアント及び外部協力パートナー等、当社のステークホルダーの安全確保や感染拡大防止を最優先に考えながら、事業活動に取り組んでいます。また、各事業において、多様なステークホルダーの皆様に対する様々な支援・取組みを行っています。
・自己株式取得の終了
当社は、2020年11月30日開催の取締役会において、当社のキャピタル・アロケーションの方針に則り、今後の投資余力、市場環境及び財務状況の見通し等を勘案し、自己株式取得の実施を決議後、2021年2月26日に取得を終了しました。2021年2月26日時点の累計取得自己株式数は15,157,100株、累計取得価額は68,576,962,887円でした。
② セグメント業績の概況
HRテクノロジー事業
当第4四半期の売上収益は、前年同期比23.3%増の1,311億円となり、米ドルベース売上収益(注1)の前年同期比は、26.8%増となりました。売上収益の増加は、主に米国において中小企業クライアントの採用活動が大きく回復し、有料求人広告利用に対する需要が増加したことによるものです。
当第4四半期中は、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための様々な規制が米国や欧州の多くの国で緩和され、経済状況の改善に伴い採用活動や求職活動が回復しました。事業の再開や拡大、及び新たな事業が創出されることで、既存クライアントと新規クライアント双方、特に米国の中小企業クライアントの採用需要が増加しました。
しかし、感染症に係る懸念や育児サポートの減少、各国政府による金銭的支援等を背景に、復職や転職を控える人々が多く、当第4四半期におけるIndeed及びGlassdoor上の個人ユーザーの求職活動は低調に推移しました。低調な求職活動と強い採用需要の乖離が、当第4四半期の売上収益の増加に大きく影響しました。
当第4四半期の調整後EBITDA)は、前年同期比107.2%増の173億円となりました。これは主に、売上収益の増加によるものです。前年同期と比較すると商品開発やテクノロジーへの投資を戦略的に増加させた一方で、マーケティング費をはじめとする販売管理費は柔軟なコスト管理を行いました。当第4四半期の調整後EBITDAマージンは13.3%となり、前第4四半期の7.9%から上昇しました。
売上収益の回復に伴い、第3四半期よりもマーケティング投資を増やし、求職活動及び採用プロセスの効率化や、採用に係るコストや時間を大幅に削減するというHRテクノロジー事業の目指す姿に向けた商品開発を行うために、引き続きエンジニアや技術部門の採用を行いました。
当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比0.4%減の4,232億円となり、米ドルベース売上収益(注1)は前連結会計年度比2.2%増となりました。調整後EBITDAは前連結会計年度比6.3%減の667億円、調整後EBITDAマージンは15.8%となりました。
(単位:十億円)
| 前第4四半期 | 当第4四半期 | 増減率 | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減率 | |
| 売上収益 | 106.3 | 131.1 | 23.3% | 424.9 | 423.2 | △0.4% |
| 調整後EBITDA | 8.3 | 17.3 | 107.2% | 71.2 | 66.7 | △6.3% |
| 調整後EBITDAマージン | 7.9% | 13.3% | - | 16.8% | 15.8% | - |
| 米ドルベース売上収益 (百万米ドル)(注1) | $974 | $1,235 | 26.8% | $3,907 | $3,993 | 2.2% |
(注1) 当セグメントの現地決算数値であり、当社連結決算数値に含まれる数値とは異なります。
(注2) IndeedとGlassdoorが提供する機能は各国によって異なります。
メディア&ソリューション事業
当第4四半期における売上収益は、前年同期比7.0%減の1,793億円となりました。家賃給付受託事業の売上収益188億円を除く既存事業の当第4四半期の売上収益は、前年同期比は16.8%減となりました。当第4四半期は、2021年1月7日から3月21日まで日本国内の一部都府県を対象に発出された緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染症の感染者数増加等の影響を受けて減収となりました。
当第4四半期における調整後EBITDAは、販促領域及び人材領域は減収に加えて、来期以降の成長を見据えた戦略的且つ積極的なマーケティング投資を行ったため大幅な減益となりました。また、2021年4月1日の組織再編に係る費用増加や新型コロナウイルス感染症拡大の影響等による貸倒引当金額の増額により、前年同期比78.8%減の72億円、調整後EBITDAマージンは4.1%となりました。
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比11.1%減の6,720億円、家賃給付受託事業を除く売上収益は前連結会計年度比21.6%減の5,929億円となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは前連結会計年度比41.6%減の1,067億円、調整後EBITDAマージンは15.9%となりました。
(単位:十億円)
| 前第4四半期 | 当第4四半期 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |||
| 売上収益 | ||||||||
| 販促 | 113.0 | 121.0 | 7.1% | 438.5 | 456.0 | 4.0% | ||
| 人材 | 79.1 | 58.2 | △26.5% | 314.1 | 214.0 | △31.9% | ||
| 全社/消去 | 0.6 | 0.0 | △89.4% | 3.1 | 1.9 | △39.0% | ||
| 合計 | 192.8 | 179.3 | △7.0% | 755.9 | 672.0 | △11.1% | ||
| 調整後EBITDA | ||||||||
| 販促 | 18.6 | 12.7 | △31.3% | 115.9 | 96.4 | △16.9% | ||
| 人材 | 18.8 | 4.6 | △75.2% | 83.4 | 36.8 | △55.9% | ||
| 全社/消去 | △3.1 | △10.1 | - | △16.5 | △26.4 | - | ||
| 合計 | 34.2 | 7.2 | △78.8% | 182.9 | 106.7 | △41.6% | ||
| 調整後EBITDAマージン | ||||||||
| 販促 | 16.5% | 10.6% | - | 26.4% | 21.1% | - | ||
| 人材 | 23.7% | 8.0% | - | 26.6% | 17.2% | - | ||
| メディア&ソリューション | 17.8% | 4.1% | - | 24.2% | 15.9% | - | ||
(注) メディア&ソリューション事業及び販促領域の2021年3月期第4四半期及び当連結会計年度の売上収益には家賃給付受託事業に係る受託料がそれぞれ、188億円、790億円含まれます。
販促
当第4四半期における販促領域の売上収益は、前年同期比7.1%増の1,210億円となりました。家賃給付受託事業を除く既存事業の売上収益は主に日本国内の一部都府県を対象に発出された緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染症の感染者数増加等の影響を受けて、第3四半期より減少し、前年同期比9.7%減、1,021億円となりました。
住宅分野では、引き続き新築戸建てや中古物件、賃貸物件の広告需要が堅調なことから前年同期比7.2%の増収となりました。美容分野では、主に新規企業クライアントの獲得が寄与し前年同期比10.6%の増収となりました。美容分野のHotPepper Beautyネット予約件数は、当第4四半期は前年同期比9.0%増の3,094万件、当連結会計年度は前連結会計年度比1.5%減の11,285万件となりました。
結婚分野では挙式を控える傾向が継続し、企業クライアントが引き続き広告宣伝費を削減した結果、前年同期比38.2%の減収となりました。また、旅行分野では、2021年1月から3月まで発出された緊急事態宣言や新型コロナウイルス感染者数の増加等の影響を受けて、宿泊者数及び宿泊単価が前年同期を大幅に下回った結果、前年同期比29.1%の減収となりました。
飲食分野では、国内の11都府県における緊急事態宣言を受けた営業時間短縮に加えて、引き続き外食機会減少やテーブル数の間引き対応等による業績影響を受けた企業クライアントが多く、広告出稿数の減少等により前年同期比61.3%の減収となりました。HotPepperグルメのネット予約人数は、前年同期比29.0%減の1,416万人、当連結会計年度では前連結会計年度比29.5%減の6,551万人となりました。
決済サービスを提供するAirペイは、新型コロナウイルス感染症拡大を背景に非接触決済への需要が更に高まったことから、アカウント数(注)が引き続き増加し、2021年3月末時点で前連結会計年度末比41.7%増の21.0万となりました。このうち、Air ビジネスツールズの他ソリューションを併用しているアカウント数は、13.5万となりました。また、スタディサプリは学校のICT活用推進やコロナ禍におけるオンライン教育サービスへの需要が継続した結果、2021年3月末時点の有料会員数が前連結会計年度末比97.4%増の157万人となりました。Air ビジネスツールズ及びスタディサプリの売上収益並びに家賃給付受託事業に係る収益188億円は、その他分野に含まれます。
当第4四半期の調整後EBITDAは前年同期比31.3%減の127億円となりました。家賃給付受託事業を除く既存事業の減収による減益に加えて、来期以降の成長に向けてマーケティング投資を積極的に行った結果、調整後EBITDAマージンは10.6%となりました。
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比4.0%増の4,560億円、家賃給付受託事業を除く売上収益は前連結会計年度比14.0%減の3,769億円となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは前連結会計年度比16.9%減の964億円、調整後EBITDAマージンは21.1%となりました。
(注) 登録アカウント数は、当該サービス登録加盟店舗数及び事業所数を指し、アクティブ及びノンアクティブアカウントを含みます。
(単位:十億円)
| 販促 | 前第4四半期 | 当第4四半期 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | ||
| 売上収益 | ||||||||
| 住宅 | 30.6 | 32.8 | 7.2% | 113.3 | 116.9 | 3.2% | ||
| 美容 | 21.1 | 23.4 | 10.6% | 81.6 | 82.9 | 1.6% | ||
| 結婚 | 12.2 | 7.5 | △38.2% | 52.0 | 29.9 | △42.4% | ||
| 旅行 | 16.8 | 11.9 | △29.1% | 73.4 | 53.8 | △26.6% | ||
| 飲食 | 9.8 | 3.8 | △61.3% | 39.2 | 14.1 | △64.0% | ||
| その他 | 22.3 | 41.4 | 85.5% | 78.9 | 158.1 | 100.4% | ||
| 合計 | 113.0 | 121.0 | 7.1% | 438.5 | 456.0 | 4.0% | ||
| 調整後EBITDA | 18.6 | 12.7 | △31.3% | 115.9 | 96.4 | △16.9% | ||
| 調整後EBITDAマージン | 16.5% | 10.6% | - | 26.4% | 21.1% | - | ||
(注) 販促領域及びその他分野の2021年3月期第4四半期及び当連結会計年度の売上収益には家賃給付受託事業に係る受託料がそれぞれ、188億円、790億円含まれます。
人材
当第4四半期における人材領域の売上収益は、前年同期比26.5%減の582億円となりました。売上収益及び前年同期比減収率は第3四半期から改善したものの減収となりました。
アルバイトやパート向け求人広告サービスは、1月に発出された緊急事態宣言による飲食店の営業時間短縮要請等の影響を受けて、飲食業を中心にアルバイト・パートの採用需要が減少したため、当第4四半期は減収となりました。
人材紹介サービスは、当社が紹介した候補者の入社時点に売上収益が計上される成果報酬型サービスです。第1四半期に落ち込んだ企業クライアントの採用需要は、7月以降回復基調が継続するものの、前年同期水準に満たないことから、第4四半期も引き続き前年同期比減収となりました。
当第4四半期の調整後EBITDAは前年同期比75.2%減の46億円と、大幅な減収に伴う減益となりました。調整後EBITDAマージンは、来期以降の成長に向けて積極的なマーケティング投資を行った結果、8.0%となりました。
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比31.9%減の2,140億円、調整後EBITDAは前連結会計年度比55.9%減の368億円、調整後EBITDAマージンは17.2%となりました。
(単位:十億円)
| 人材 | 前第4四半期 | 当第4四半期 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | ||
| 売上収益 | ||||||||
| 国内人材募集 | 70.0 | 50.3 | △28.1% | 277.8 | 186.5 | △32.9% | ||
| その他 | 9.1 | 7.8 | △13.7% | 36.2 | 27.4 | △24.3% | ||
| 合計 | 79.1 | 58.2 | △26.5% | 314.1 | 214.0 | △31.9% | ||
| 調整後EBITDA | 18.8 | 4.6 | △75.2% | 83.4 | 36.8 | △55.9% | ||
| 調整後EBITDAマージン | 23.7% | 8.0% | - | 26.6% | 17.2% | - | ||
人材派遣事業
当第4四半期の売上収益は、前年同期比3.9%増の3,093億円となりました。為替によるプラス影響84億円を控除した場合の売上収益は、前年同期比1.1%増となりました。当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比4.0%減の11,988億円となり、為替によるプラス影響71億円を控除した当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比4.5%減となりました。
国内派遣は、前年同期に対して営業日数が2日多かったことや、2020年4月1日からの同一労働同一賃金の法制化に伴い請求単価は上昇したことが売上収益にプラスに作用しました。一方、経済動向が不透明な状況が継続する中、新規派遣需要の低迷が継続し、当第4四半期の派遣スタッフ数が前年同期と比較して減少したことから、売上収益は前年同期比0.8%減の1,425億円となりました。当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比0.4%増の5,699億円となりました。
海外派遣は、各国における新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための規制により引き続き企業クライアントの事業運営に制約が生じましたが、特に欧州においてEコマースに関連する物流業や、コロナ禍における医療分野での人材需要の高まりが継続したことが売上収益の回復に寄与しました。また、為替変動がプラスに影響したこともあり、売上収益は前年同期比8.3%増の1,668億円となりました。為替によるプラス影響84億円を控除した場合の売上収益は2.9%増となりました。当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比7.6%減の6,288億円となり、為替によるプラス影響71億円を控除した当連結会計年度の売上収益は前連結会計年度比8.6%減となりました。
当第4四半期の人材派遣事業の調整後EBITDAは前年同期比44.2%減の90億円となりました。調整後EBITDAマージンは2.9%となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは、前連結会計年度比6.2%減の762億円、調整後EBITDAマージンは6.4%となりました。
国内派遣の調整後EBITDAは、前年同期比63.0%減の37億円となりました。これは主に、派遣スタッフの募集費や企業クライアントへのマーケティング費用、来期以降のリモートワーク環境改善等のための費用を投下したことによるものです。調整後EBITDAマージンは2.7%となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは、前連結会計年度比3.4%増の487億円、調整後EBITDAマージンは8.6%となりました。
海外派遣の調整後EBITDAは、来期以降の成長を見据え、人員強化のための投資を行ったことから、前年同期比12.0%減の52億円となりました。調整後EBITDAマージンは3.1%となりました。当連結会計年度の調整後EBITDAは、前連結会計年度比19.6%減の274億円、調整後EBITDAマージンは4.4%となりました。
(単位:十億円)
| 前第4四半期 | 当第4四半期 | 増減率 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | ||
| 売上収益 | |||||||
| 国内派遣 | 143.6 | 142.5 | △0.8% | 567.8 | 569.9 | 0.4% | |
| 海外派遣 | 154.0 | 166.8 | 8.3% | 680.3 | 628.8 | △7.6% | |
| 合計 | 297.7 | 309.3 | 3.9% | 1,248.1 | 1,198.8 | △4.0% | |
| 調整後EBITDA | |||||||
| 国内派遣 | 10.2 | 3.7 | △63.0% | 47.1 | 48.7 | 3.4% | |
| 海外派遣 | 5.9 | 5.2 | △12.0% | 34.1 | 27.4 | △19.6% | |
| 合計 | 16.2 | 9.0 | △44.2% | 81.2 | 76.2 | △6.2% | |
| 調整後EBITDAマージン | |||||||
| 国内派遣 | 7.1% | 2.7% | - | 8.3% | 8.6% | - | |
| 海外派遣 | 3.9% | 3.1% | - | 5.0% | 4.4% | - | |
| 人材派遣 | 5.4% | 2.9% | - | 6.5% | 6.4% | - | |
当連結会計年度の人材派遣事業の地域別売上収益(注)は以下のとおりです。 (単位:十億円)
| 日本 | 北米 | 欧州 | 豪州 | |
| 売上収益 | 569.9 | 167.4 | 321.8 | 139.5 |
(注) 北米、欧州、豪州については海外派遣領域の売上収益を各子会社の所在地で分解した数値
各セグメントに帰属する地域別のれん金額
当連結会計年度末の各セグメントに帰属するのれんの帳簿価額は以下のとおりです。 (単位:十億円)
| のれん | ||
| HRテクノロジー | 201.5 | |
| メディア&ソリューション | - | |
| 日本 | - | |
| 海外 | - | |
| 人材派遣 | 197.7 | |
| 日本 | 27.5 | |
| 北米 | 14.1 | |
| 欧州 | 149.0 | |
| 豪州 | 7.0 | |
| 合計 | 399.3 | |
③ 資本の財源及び資金の流動性
基本方針
当社は、企業価値向上に繋がる戦略的投資への機動的な対応と円滑な事業活動に必要な流動性の確保のため、資金調達が必要な際には適切な格付及び財務の健全性を維持しつつ、グローバルな金融市場からの負債による資金調達を活用することを基本方針としています。
自己資本は、適切な資本効率を維持しつつ、成長投資の機会等に対して機動的に対応できる財務基盤を整えること及び事業活動や資産のリスクと比較して十分な水準を維持します。
資金使途
運転資金、法人税の支払い、各セグメントにおけるM&A及び資産取得等による外部資源の獲得や設備投資、借入の返済及び利息の支払い、配当金の支払い、自己株式の取得等に資金を充当しています。
資金調達
運転資金及び投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本としていますが、資金需要及び金利動向等の調達環境並びに既存の有利子負債の返済及び償還時期等を考慮の上、調達規模及び調達手段を適宜判断して外部資金調達を実施する場合があります。
外部資金調達を行う運転資金のうち、原則として、短期の運転資金については、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー又はその組み合わせにより調達することとしています。中長期の運転資金については、金融機関からの借入、社債又はその組み合わせにより調達することとしています。なお、当社は、機動的な資金調達を可能とするため、2,000億円(当連結会計年度末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
また、当社は、流動性を確保し、運転資金の効率的な調達を行うため金融機関4社と当座貸越契約を締結しています。なお、当連結会計年度末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、当社は2020年4月30日に総額3,999億円のコミットメントライン契約を締結しましたが、当連結会計年度末において、当該コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。また、当該コミットメントライン契約締結後、当社の流動性の状況等の見直しを進めた結果、2021年3月31日をもって当該コミットメントライン契約を解約し、2021年4月1日より有効となる新たな総額2,000億円のコミットメントライン契約を締結しました。これらにより、当社は事業環境の大きな変化の際にも十分な流動性が確保できると考えています。
当連結会計年度末の有利子負債の帳簿価額・期日別残高は以下のとおりであり、期日別残高は利息支払額を含んだ割引前のキャッシュ・フローを記載しています。
| (単位:百万円) | ||||
| 帳簿価額 | 期日別残高 | |||
| 1年内 | 1年超5年内 | 5年超 | ||
| 社債 | 49,955 | 30,071 | 20,088 | - |
| 借入金 | 62,825 | 24,946 | 37,216 | 1,222 |
| 合計 | 112,780 | 55,017 | 57,304 | 1,222 |
格付
当社は、格付機関である㈱格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・ジャパン㈱及びS&Pグローバル・レーティング・ジャパン㈱から長期格付を取得しており、当連結会計年度末における格付は、それぞれAA-、A3、Aでした。
キャッシュマネジメント
当社は、当社グループ全体の資金効率を最大化するため、法制度上許容され、且つ経済合理性が認められることを前提として、主にキャッシュマネジメントシステムを通じた当社グループ内での資金貸借の実施を外部借入よりも優先しています。
当社は、当社及び財務統括子会社に全ての通貨のキャッシュマネジメントを集約することで、当社グループが保有する現金及び現金同等物の機動性を確保しています。
当社グループは、事業環境の悪化や成長投資機会に機動的且つ柔軟に対応できる十分な資金を有しています。当連結会計年度末時点において、現金及び現金同等物の金額は5,010億円、ネットキャッシュ(注1)の金額は3,882億円です。
(注1) ネットキャッシュ = 現金及び現金同等物 - 有利子負債(注2)
(注2) 有利子負債には、社債及び借入金を含み、リース負債を含みません。
資金運用
資金運用は、投機目的で行わず、元本が保証され、安全且つ確実で効率の高い金融商品のみで行うこととしています。
④ 連結財政状態の概況
当第4四半期末時点における現金及び現金同等物の金額は5,010億円、社債及び借入金を含み、リース負債を含まない有利子負債の金額は1,127億円、この差額のネットキャッシュは3,882億円です。ネットキャッシュの金額は、前連結会計年度末比1,037億円増加しました。
流動資産は、主に現金及び現金同等物が増加したことにより、前連結会計年度末比975億円(11.8%)増加しました。非流動資産は前連結会計年度末比1,001億円(8.6%)増加しました。これは、投資有価証券が追加取得や評価益の計上により612億円増加したことに加え、使用権資産がオフィス契約の更新等により254億円増加したためです。
負債合計は、主に使用権資産の増加に伴いリース負債が332億円、営業債務が248億円増加したことにより、前連結会計年度末比921億円(9.2%)増加しました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末比1,031億円(10.4%)増加しました。これは主に、2020年12月7日から2021年2月26日までに実施した685億円の自己株式取得による資本の減少や、配当により利益剰余金が403億円減少した一方、親会社の所有者に帰属する当期利益及びその他の包括利益を2,086億円計上したことによるものです。
当第4四半期末における当座貸越極度額の合計は1,130億円であり、当該契約に基づく借入実行残高はありません。加えて、2021年5月17日時点において、2021年3月31日に締結した総額2,000億円のコミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。
なお、当社は2,000億円(当第4四半期末における未使用枠2,000億円)を上限とする社債の発行登録を行っています。
(単位:十億円)
| 前連結会計年度(2020年3月31日) | 当連結会計年度(2021年3月31日) | 増減 | 増減率(%) | ||
| 流動資産合計 | 829.9 | 927.5 | 97.5 | 11.8% | |
| 非流動資産合計 | 1,168.9 | 1,269.0 | 100.1 | 8.6% | |
| 資産合計 | 1,998.9 | 2,196.6 | 197.6 | 9.9% | |
| 流動負債合計 | 511.7 | 603.1 | 91.4 | 17.9% | |
| 非流動負債合計 | 491.4 | 492.1 | 0.7 | 0.1% | |
| 負債合計 | 1,003.1 | 1,095.3 | 92.1 | 9.2% | |
| 親会社の所有者に帰属する持分合計 | 988.4 | 1,091.5 | 103.1 | 10.4% | |
| 非支配持分 | 7.2 | 9.7 | 2.4 | 33.2% | |
| 資本合計 | 995.7 | 1,101.2 | 105.5 | 10.6% | |
⑤ 連結キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、営業活動による収入が、投資活動及び財務活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末比797億円増加し、5,010億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末比167億円減の2,865億円となりました。これは主に前連結会計年度の減益に伴い当連結会計年度の支払い費用が減少したものの、当連結会計年度の税引前利益が576億円減少したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末比486億円支出が減少し、△403億円となりました。主な支出項目はソフトウエア等無形資産の取得です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に自己株式の取得による支出を計上したものの、前連結会計年度末比200億円支出が減少し、△1,727億円となりました。
(単位:十億円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 303.3 | 286.5 | △16.7 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △88.9 | △40.3 | 48.6 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △192.7 | △172.7 | 20.0 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △3.2 | 6.2 | 9.5 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 18.3 | 79.7 | 61.4 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 402.9 | 421.2 | 18.3 |
| 現金及び現金同等物の四半期末残高 | 421.2 | 501.0 | 79.7 |
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績及び受注実績
当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、省略しています。
② 販売実績
本項目「(1) 経営成績等の分析」に記載のとおりです。