有価証券報告書-第18期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、個人消費や設備投資が底堅く推移している他、輸出については“トランプ関税”の影響を受けつつも概ね横ばい圏で推移しております。宿泊・飲食等のサービス消費につきましては、個人消費の底堅さに加え、インバウンド需要の寄与もあり、増加基調が継続しております。また、物価は、ガソリン減税や電気・ガス代補助金の継続が押し下げ要因として寄与している一方で、原油価格の上振れリスクが期末に顕在化しております。今後の日本経済については、物価動向や金利、為替の変動に加え、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇や国際情勢の不確実性がリスク要因となっており、先行きは不透明な状況にあります。
このような環境下、当社グループは『中期経営計画 2024-2026』において、①成長戦略、②構造改革、③サステナビリティ経営に取り組んでおり、その骨子は以下のとおりです。
・ 「既存事業の成長」に加え、「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」に取り組み、
成長の加速、収益の拡大や事業規模・領域の拡大を図ります。
・ 「組織再編・事業集約」「不採算・低収益・重複事業のてこ入れ」「DX、ICT技術活用による省力化、効率化」に取り組み、経営効率と地域社会の持続的な発展とのバランスを重視した改革を実施します。
・ 「人的資本経営の実施」「環境経営の展開」「地域活性化への貢献」に取り組みます。
当連結会計年度における運輸業等営業費及び売上原価は、流通事業を中心に増収に伴う影響等から、前連結会計年度に比べ2.8%増の74,420,453千円、販売費及び一般管理費は、売上・稼働が回復した運輸事業や観光事業で人件費が増加したこと等により3.8%増の29,087,540千円となりました。
この結果、当連結会計年度の連結営業収益は107,422,042千円(前連結会計年度(以下、「前年同期」という。)比3,585,825千円、3.5%増)、連結営業利益は3,914,047千円(前年同期比501,626千円、14.7%増)、連結経常利益は3,558,208千円(前年同期比497,801千円、16.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,998,978千円(前年同期比△293,493千円、12.8%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(流通事業)
流通事業は、長野県内で食品スーパー「デリシア」52店舗(「デリシアミールズ」4店舗を含む)と業務商品主体の「業務スーパー及びユーパレット」9店舗を運営しており、合計で61店舗を展開しております。うち「デリシア」については、10月に「デリシア川中島店」(長野市川中島町)を新規オープンし店舗数増となっております。これらに加え、マルチチャネル戦略として、移動スーパー「とくし丸」40台やネットスーパー19拠点、セルフ型無人決済店舗を1店舗展開しており、顧客基盤とマーケット及びチャネルの拡大を推進しております。
また、総菜商品の品揃えを強化した新フォーマットの「デリシアミールズ」を既存店舗の業態変更(3店舗)や新規出店(1店舗)により、2023年度以降4店舗展開しております。当連結会計年度は、商品価格の見直しによる単価の上昇等が寄与した他、10月にオープンした新店舗も一定の効果を上げ、前年同期比で増収となりました。競合対抗上、仕入原価の上昇を全て価格転嫁することは困難なため、売上総利益を圧迫しましたが、人件費等のコスト増はカバーできました。
(運輸事業)
運輸事業は、観光客の利用比率が高く、業績は天候等に左右されやすい特性があります。当連結会計年度は比較的天候に恵まれ、業績は堅調に推移いたしました。
バス事業は、グリーンシーズン(4月~11月)の上高地やスノーシーズンの白馬、また、戸隠等の長野県内観光地への輸送を担う観光系路線を中心に、国内外からの需要取り込みや一部路線での運賃改定(2025年4月)により、前年同期比で増収となりました。
タクシー事業は、上高地及び白馬での観光利用の取り込みや乗合部門の堅調推移に加え、10月に開業した軽井沢営業所も一定の効果を上げ、前年同期比で増収となりました。
鉄道事業は、国内外観光客等の利用に加え、イベント・物品販売収入も好調で前年同期比で増収となりました。
(観光事業)
ホテル・旅館事業は松本市内5施設、諏訪市内1施設の全6施設において宿泊を中心に、国内外の旺盛な観光需要を着実に取り込み、前年同期比で増収となりました。
サービスエリア事業は、国内外の立ち寄り客増加や価格改定等による客単価上昇が寄与し、前年同期比で増収となりました。
旅行事業は、出張・団体旅行等の法人需要及びツアー募集が堅調に推移し、イベント輸送へのアプローチも強化し、ツアー募集も堅調に推移し、前年同期比で増収となりました。
(不動産事業)
別荘地管理事業等が堅調でしたが、原価や経費の増加のカバーには至りませんでした。
(その他のサービス事業)
保険事業は、前年同期比で増収となりましたが、人件費やその他経費の増加が利益を下押ししました。
b.財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は14,332,162千円となり、前連結会計年度末に比べ351,678千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が1,111,477千円増加、売掛金が312,081千円増加、商品及び製品が147,769千円増加、有価証券が1,996,486千円減少したこと等によるものであります。固定資産は45,849,991千円となり、前連結会計年度末に比べ2,186,928千円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が2,208,500千円増加したこと等によるものであります。
この結果、資産合計は60,182,153千円となり、前連結会計年度末に比べ1,835,249千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は18,758,007千円となり、前連結会計年度末に比べ1,034,945千円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が1,529,789千円減少、未払法人税等が484,239千円増加したこと等によるものであります。固定負債は25,795,778千円となり、前連結会計年度末に比べ1,760,021千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が1,820,486千円増加したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は44,553,785千円となり、前連結会計年度末に比べ725,075千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は15,628,368千円となり、前連結会計年度末に比べ1,110,174千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,998,978千円、剰余金の配当413,286千円及び自己株式の取得523,530千円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は26.0%(前連結会計年度末は24.9%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益が3,196,872千円(前年同期比12.0%増)と増加したものの、長期借入れによる収入、有形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたこと等から、前連結会計年度末と比べ835,009千円減少し、当連結会計年度末には5,316,784千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は6,263,778千円(前年同期比150.2%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,196,872千円に減価償却費3,150,907千円、売上債権の増加額311,500千円等の項目を加減した結果によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は5,382,330千円(前年同期比175.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,913,530千円、投資有価証券の取得による支出205,362千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は1,716,456千円(前連結会計年度は181,535千円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入8,000,000千円により資金が増加する一方で、長期借入金の返済による支出7,709,302千円、リース債務の返済による支出537,096千円、長期未払金の返済による支出533,240千円等により資金が減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」における各事業の区分の業績に関連づけて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績に関する認識及び分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態に関する認識及び分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、長期経営方針として「ALPICO VISION 2035」を掲げ、ビジョンの実現に向けた具体的経営計画を「中期経営計画 2024-2026」として策定しております。
長期ビジョンでは、2035年のありたい姿を「『楽しさ・ときめき』を創出し、付加価値を高めることで、持続的な地域の発展に貢献している企業グループ」としております。
「中期経営計画 2024-2026」の取組骨子は以下のとおりです。
・ 成長戦略として「既存事業の成長」に加え、「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」に取り組み、成長の加速、収益の拡大や事業規模・領域の拡大を図ります。
・ 構造改革に向け、「組織再編・事業集約」「不採算・低収益・重複事業のてこ入れ」「DX、ICT技術活用による省力化、効率化」に取り組み、経営効率と地域社会の持続的な発展とのバランスを重視した改革を実施します。
・ サステナビリティ経営を実践するため、「人的資本経営の実施」「環境経営の展開」「地域活性化への貢献」に取り組みます。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、従来から認識していた、労働人口の減少、消費行動の変化、原材料価格や物価の動向、技術革新の加速等に加えて、感染症の流行や気候変動及び自然災害も大きな要因として認識しております。
これらの事業環境に対応すべく、長野県内における各事業シェアの拡大、保有・運営する施設と商品及びサービスの質の向上、新規事業開発、経営資源の効率活用や経営基盤の強化に取り組んでおります。
ここ数年の具体的な取組として、流通事業におきましては、マルチチャネル化による顧客・マーケットの拡大、深耕を進めており、移動販売「とくし丸」を40台運行、ネットスーパーを19拠点で展開、セルフ型無人決済店舗を1店舗展開しております。また、既存店舗を業態変更し総菜商品の品揃えを強化した新カテゴリーの「デリシアミールズ」を既存店舗の業態変更(3店舗)や新規出店(1店舗)により、2023年度以降4店舗オープンし、新コンセプト店舗を展開しております。運輸事業におきましては、2022年4月にアルピコタクシー株式会社を株式交換によりアルピコ交通株式会社の子会社とし経営の効率化を図っております。観光事業におきましては、2022年4月に中核会社の東洋観光事業株式会社を、ホテル・旅館の運営を担うアルピコホテルズ株式会社と、主に蓼科地区での別荘・ゴルフ場運営等を担うアルピコリゾート&ライフ株式会社との2社に分社化しそれぞれの専門性を十分発揮できる体制といたしました。
このような諸施策の実行に加えて、当社グループは以下の事業戦略を確実に実施してまいります。
・「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」による成長の加速
・柔軟で適応力のある組織を築(つく)るため各種取り組みの展開
・持続的な価値創造の最重要基盤である人材への投資を強化
・地域に根差す企業グループとして、持続可能な社会実現に貢献
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、流通事業における仕入原価及び物流費、運輸事業における車両維持管理費、その他各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては流通事業における店舗への更新投資、運輸事業における車両更新投資、観光事業におけるホテル・旅館等に対する設備投資等があります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入により資金調達を行い、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により効率的に資金を運用しております。また、運転資金及び設備資金につきましては、当社において一元管理しております。
当社グループの主要な事業資産に対しては、各事業を取り巻く事業環境を考慮したバランスのとれた投資を行うことで、回収効率を高め、当社グループの全体の有利子負債の削減を図っております。設備投資に当たってはリースも活用し資金繰りの平準化や効率化にも配意しております。
また、資金調達コストの低減に努める一方、過度の金利変動リスクに晒されないよう、借入の一部について金利スワップ等の手段を活用しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、個人消費や設備投資が底堅く推移している他、輸出については“トランプ関税”の影響を受けつつも概ね横ばい圏で推移しております。宿泊・飲食等のサービス消費につきましては、個人消費の底堅さに加え、インバウンド需要の寄与もあり、増加基調が継続しております。また、物価は、ガソリン減税や電気・ガス代補助金の継続が押し下げ要因として寄与している一方で、原油価格の上振れリスクが期末に顕在化しております。今後の日本経済については、物価動向や金利、為替の変動に加え、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇や国際情勢の不確実性がリスク要因となっており、先行きは不透明な状況にあります。
このような環境下、当社グループは『中期経営計画 2024-2026』において、①成長戦略、②構造改革、③サステナビリティ経営に取り組んでおり、その骨子は以下のとおりです。
・ 「既存事業の成長」に加え、「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」に取り組み、
成長の加速、収益の拡大や事業規模・領域の拡大を図ります。
・ 「組織再編・事業集約」「不採算・低収益・重複事業のてこ入れ」「DX、ICT技術活用による省力化、効率化」に取り組み、経営効率と地域社会の持続的な発展とのバランスを重視した改革を実施します。
・ 「人的資本経営の実施」「環境経営の展開」「地域活性化への貢献」に取り組みます。
当連結会計年度における運輸業等営業費及び売上原価は、流通事業を中心に増収に伴う影響等から、前連結会計年度に比べ2.8%増の74,420,453千円、販売費及び一般管理費は、売上・稼働が回復した運輸事業や観光事業で人件費が増加したこと等により3.8%増の29,087,540千円となりました。
この結果、当連結会計年度の連結営業収益は107,422,042千円(前連結会計年度(以下、「前年同期」という。)比3,585,825千円、3.5%増)、連結営業利益は3,914,047千円(前年同期比501,626千円、14.7%増)、連結経常利益は3,558,208千円(前年同期比497,801千円、16.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,998,978千円(前年同期比△293,493千円、12.8%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 営業収益 | 営業利益 | ||||
| 当期(千円) | 前期との 差額(千円) | 前年同期比(%) | 当期(千円) | 前期との 差額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 流通事業 | 78,737,659 | 1,998,612 | 2.6 | 1,730,616 | 110,769 | 6.8 |
| 運輸事業 | 14,219,379 | 917,726 | 6.9 | 2,087,319 | 496,886 | 31.2 |
| 観光事業 | 12,711,572 | 648,966 | 5.4 | 627,597 | 127,953 | 25.6 |
| 不動産事業 | 1,428,141 | 31,388 | 2.2 | 124,927 | △35,364 | △22.1 |
| その他のサービス事業 | 625,606 | 6,727 | 1.1 | 45,988 | △23,920 | △34.2 |
(流通事業)
流通事業は、長野県内で食品スーパー「デリシア」52店舗(「デリシアミールズ」4店舗を含む)と業務商品主体の「業務スーパー及びユーパレット」9店舗を運営しており、合計で61店舗を展開しております。うち「デリシア」については、10月に「デリシア川中島店」(長野市川中島町)を新規オープンし店舗数増となっております。これらに加え、マルチチャネル戦略として、移動スーパー「とくし丸」40台やネットスーパー19拠点、セルフ型無人決済店舗を1店舗展開しており、顧客基盤とマーケット及びチャネルの拡大を推進しております。
また、総菜商品の品揃えを強化した新フォーマットの「デリシアミールズ」を既存店舗の業態変更(3店舗)や新規出店(1店舗)により、2023年度以降4店舗展開しております。当連結会計年度は、商品価格の見直しによる単価の上昇等が寄与した他、10月にオープンした新店舗も一定の効果を上げ、前年同期比で増収となりました。競合対抗上、仕入原価の上昇を全て価格転嫁することは困難なため、売上総利益を圧迫しましたが、人件費等のコスト増はカバーできました。
(運輸事業)
運輸事業は、観光客の利用比率が高く、業績は天候等に左右されやすい特性があります。当連結会計年度は比較的天候に恵まれ、業績は堅調に推移いたしました。
バス事業は、グリーンシーズン(4月~11月)の上高地やスノーシーズンの白馬、また、戸隠等の長野県内観光地への輸送を担う観光系路線を中心に、国内外からの需要取り込みや一部路線での運賃改定(2025年4月)により、前年同期比で増収となりました。
タクシー事業は、上高地及び白馬での観光利用の取り込みや乗合部門の堅調推移に加え、10月に開業した軽井沢営業所も一定の効果を上げ、前年同期比で増収となりました。
鉄道事業は、国内外観光客等の利用に加え、イベント・物品販売収入も好調で前年同期比で増収となりました。
(観光事業)
ホテル・旅館事業は松本市内5施設、諏訪市内1施設の全6施設において宿泊を中心に、国内外の旺盛な観光需要を着実に取り込み、前年同期比で増収となりました。
サービスエリア事業は、国内外の立ち寄り客増加や価格改定等による客単価上昇が寄与し、前年同期比で増収となりました。
旅行事業は、出張・団体旅行等の法人需要及びツアー募集が堅調に推移し、イベント輸送へのアプローチも強化し、ツアー募集も堅調に推移し、前年同期比で増収となりました。
(不動産事業)
別荘地管理事業等が堅調でしたが、原価や経費の増加のカバーには至りませんでした。
(その他のサービス事業)
保険事業は、前年同期比で増収となりましたが、人件費やその他経費の増加が利益を下押ししました。
b.財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は14,332,162千円となり、前連結会計年度末に比べ351,678千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が1,111,477千円増加、売掛金が312,081千円増加、商品及び製品が147,769千円増加、有価証券が1,996,486千円減少したこと等によるものであります。固定資産は45,849,991千円となり、前連結会計年度末に比べ2,186,928千円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が2,208,500千円増加したこと等によるものであります。
この結果、資産合計は60,182,153千円となり、前連結会計年度末に比べ1,835,249千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は18,758,007千円となり、前連結会計年度末に比べ1,034,945千円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が1,529,789千円減少、未払法人税等が484,239千円増加したこと等によるものであります。固定負債は25,795,778千円となり、前連結会計年度末に比べ1,760,021千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が1,820,486千円増加したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は44,553,785千円となり、前連結会計年度末に比べ725,075千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は15,628,368千円となり、前連結会計年度末に比べ1,110,174千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,998,978千円、剰余金の配当413,286千円及び自己株式の取得523,530千円等によるものであります。
この結果、自己資本比率は26.0%(前連結会計年度末は24.9%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益が3,196,872千円(前年同期比12.0%増)と増加したものの、長期借入れによる収入、有形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたこと等から、前連結会計年度末と比べ835,009千円減少し、当連結会計年度末には5,316,784千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は6,263,778千円(前年同期比150.2%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,196,872千円に減価償却費3,150,907千円、売上債権の増加額311,500千円等の項目を加減した結果によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は5,382,330千円(前年同期比175.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,913,530千円、投資有価証券の取得による支出205,362千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は1,716,456千円(前連結会計年度は181,535千円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入8,000,000千円により資金が増加する一方で、長期借入金の返済による支出7,709,302千円、リース債務の返済による支出537,096千円、長期未払金の返済による支出533,240千円等により資金が減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」における各事業の区分の業績に関連づけて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績に関する認識及び分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態に関する認識及び分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、長期経営方針として「ALPICO VISION 2035」を掲げ、ビジョンの実現に向けた具体的経営計画を「中期経営計画 2024-2026」として策定しております。
長期ビジョンでは、2035年のありたい姿を「『楽しさ・ときめき』を創出し、付加価値を高めることで、持続的な地域の発展に貢献している企業グループ」としております。
「中期経営計画 2024-2026」の取組骨子は以下のとおりです。
・ 成長戦略として「既存事業の成長」に加え、「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」に取り組み、成長の加速、収益の拡大や事業規模・領域の拡大を図ります。
・ 構造改革に向け、「組織再編・事業集約」「不採算・低収益・重複事業のてこ入れ」「DX、ICT技術活用による省力化、効率化」に取り組み、経営効率と地域社会の持続的な発展とのバランスを重視した改革を実施します。
・ サステナビリティ経営を実践するため、「人的資本経営の実施」「環境経営の展開」「地域活性化への貢献」に取り組みます。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、従来から認識していた、労働人口の減少、消費行動の変化、原材料価格や物価の動向、技術革新の加速等に加えて、感染症の流行や気候変動及び自然災害も大きな要因として認識しております。
これらの事業環境に対応すべく、長野県内における各事業シェアの拡大、保有・運営する施設と商品及びサービスの質の向上、新規事業開発、経営資源の効率活用や経営基盤の強化に取り組んでおります。
ここ数年の具体的な取組として、流通事業におきましては、マルチチャネル化による顧客・マーケットの拡大、深耕を進めており、移動販売「とくし丸」を40台運行、ネットスーパーを19拠点で展開、セルフ型無人決済店舗を1店舗展開しております。また、既存店舗を業態変更し総菜商品の品揃えを強化した新カテゴリーの「デリシアミールズ」を既存店舗の業態変更(3店舗)や新規出店(1店舗)により、2023年度以降4店舗オープンし、新コンセプト店舗を展開しております。運輸事業におきましては、2022年4月にアルピコタクシー株式会社を株式交換によりアルピコ交通株式会社の子会社とし経営の効率化を図っております。観光事業におきましては、2022年4月に中核会社の東洋観光事業株式会社を、ホテル・旅館の運営を担うアルピコホテルズ株式会社と、主に蓼科地区での別荘・ゴルフ場運営等を担うアルピコリゾート&ライフ株式会社との2社に分社化しそれぞれの専門性を十分発揮できる体制といたしました。
このような諸施策の実行に加えて、当社グループは以下の事業戦略を確実に実施してまいります。
・「M&Aの推進」「事業エリアの深耕・拡大」「新規事業の創出」による成長の加速
・柔軟で適応力のある組織を築(つく)るため各種取り組みの展開
・持続的な価値創造の最重要基盤である人材への投資を強化
・地域に根差す企業グループとして、持続可能な社会実現に貢献
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、流通事業における仕入原価及び物流費、運輸事業における車両維持管理費、その他各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては流通事業における店舗への更新投資、運輸事業における車両更新投資、観光事業におけるホテル・旅館等に対する設備投資等があります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入により資金調達を行い、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により効率的に資金を運用しております。また、運転資金及び設備資金につきましては、当社において一元管理しております。
当社グループの主要な事業資産に対しては、各事業を取り巻く事業環境を考慮したバランスのとれた投資を行うことで、回収効率を高め、当社グループの全体の有利子負債の削減を図っております。設備投資に当たってはリースも活用し資金繰りの平準化や効率化にも配意しております。
また、資金調達コストの低減に努める一方、過度の金利変動リスクに晒されないよう、借入の一部について金利スワップ等の手段を活用しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。