有価証券報告書-第32期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)
経営成績等の状況の概要
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2019年10月の消費税率引き上げや、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により消費が低迷するなか、緊急事態宣言解除後の経済活動再開や海外経済の底入れに伴い、個人消費や輸出を中心に持ち直し基調へ転じたものの、新型コロナウイルス感染収束の見通しが立たないこともあり、総じて回復の足取りは重く、先行きに対する不透明感が一層強まっており、依然として予断を許さない状況が継続しております。
このような経営環境のもと、当社グループの主たる顧客層である学生の動向におきましては、大学(大学院を含む)の学生数は291.6万人と前年より3千人減少(文部科学省「令和2年度学校基本調査(速報値)」)し、近年における学生数の上昇傾向から一転、減少へ転じることとなりましたが、概ね前年度と同水準で推移していると考えられるため、市場環境につきましては、前年度の状況を維持しているものと考えております。
しかし一方では、コロナ禍における学生のライフスタイルの変化やその動向、また、教育機関の動向につきましても引き続き注視し、実体経済の見極めを慎重に行っていく必要があります。
このような環境の中で、当社グループにおきましては、2017年12月に公表した中期経営計画の最終年度を迎え、高付加価値を備えた競争力のある新規物件開発や大手デベロッパーとの連携の推進、事業会社のM&Aを通じた総合力強化、人員の増強に加え基幹システムの刷新による業務効率の向上等、様々な成長施策の実践を図ることで当初の計画数値を超過達成するに至りました。
以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は48,058百万円(前年同期比12.6%増)、経常利益は4,248百万円(同27.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,761百万円(同19.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概況は次のとおりです。
① 不動産賃貸管理事業
物件管理戸数は順調に増加いたしました。(前期比6,420戸増 72,484戸 ※4月末現在)一方、借上・自社所有物件の入居率については高水準を維持したものの0.1ポイントの減少となりました。(前期99.9% 当期99.8% ※4月末現在)
入居率の低下に伴う直接的な影響は限定的であり、学生マンションの家賃収入をはじめ、各種不動産賃貸関連サービスにおける売上高は順調に推移いたしました。
費用面では、人員数の増加による人件費負担の増加、来春に向けた積極的な広告活動に伴う広告費の増加に加え、自社所有物件の増加に伴う減価償却費の増加、食事付き学生マンションの増加に伴う厨房設備関連費用の増加がありました。
当セグメントに係る新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、全国200室を対象とした学生支援プラン、首都圏エリア100室を対象とした追加の特別支援プランを実施いたしましたが、当連結会計年度での経営成績への大きな影響はありません。
以上の結果、売上高44,932百万円(前期比12.8%増)、セグメント利益5,464百万円(同23.1%増)となりました。
② 高齢者住宅事業
2019年10月にオープンした『グランメゾン迎賓館大津大将軍』は、事業開始直後の状況ではあったものの、当初計画していた稼働率を上回る状況で推移したため、通常、先行的に多くなるオープン直後の原価負担を補うこととなり、比較的良好な運営環境で事業収益に貢献いたしました。また、その他の既存施設においても、営業力強化や損益改善施策等、各種取り組みも奏効し、当セグメント全体の事業収益は順調に推移いたしました。
当セグメントに係る新型コロナウイルス感染症拡大の影響について、当連結会計年度での経営成績への大きな影響はありません。入居者ストレス軽減のためのオンライン面会等、感染防止を徹底した各種取り組みを引き続き実践しております。
以上の結果、売上高2,714百万円(前期比17.0%増)、セグメント利益306百万円(同99.4%増)となりました。
③ その他
当事業区分の事業方針である主力事業の後方支援を担う位置づけから、引き続き学生向けの企業説明会や就職セミナー情報の提供を通じた各種学生支援サービスの提供と、外国人留学生向けの日本語学校の運営による教育事業等を進めてまいりました。
当セグメントにおいては、2020年7月に㈱スタイルガーデンを子会社化、同年8月に㈱Mewcketを子会社化いたしました。これら学生支援に強みを持つ企業のグループ化を通じて、既存事業との相乗効果を実現し、グループ全体の長期的な発展に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響について、学生支援サービス事業では合同企業説明会において企業側の出展取りやめや、主催者側での開催中止などもあり、収益機会の鈍化などがあったものの、足もとでは地域制限のないWEB合説の開催等を通じて収益の挽回に努めております。
日本語学校事業では留学生への入国制限等の影響を受け、受け入れ時期の遅れがあったものの、制限緩和もあり、順次受入れを再開しております。しかしながら、当事業の当初計画は未達となり、また、前期水準への回復にも至らず、セグメント損失を計上いたしました。
当セグメントにおける学生支援策としまして、2020年6月1日より、京都市内の学生を対象に当社グループが運営するサイクルショップで取り扱う自転車の無償レンタルを実施いたしましたが、経営成績への大きな影響はありません。
その結果、売上高411百万円(前期比17.6%減)、セグメント損失106百万円(前期はセグメント損失5百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べて694百万円増加し、9,298百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、資金の増加は5,003百万円(前年同期3,449百万円 資金の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益4,166百万円、非資金項目である減価償却費883百万円及び法人税等の支払額1,142百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は5,542百万円(前年同期4,295百万円 資金の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出4,691百万円及び敷金及び保証金の差入による支出559百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、資金の増加は1,232百万円(前年同期1,349百万円 資金の増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入2,529百万円、長期借入金の返済による支出797百万円及び配当金の支払額263百万円によるものです。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
該当事項はありません。
② 受注実績
該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、実際の業績等は異なることがあります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。また、これらの連結財務諸表の作成にあたって、一部見積り数値を利用しておりますが、これらの見積り数値の妥当性については、継続的に評価を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性のため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(固定資産の減損処理)
減損損失は、減損の兆候が見られる資産グループについて減損損失の認識を判定し、当該資産グループから得られる将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上することとしています。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断していますが、経営環境の変化や地価の変動等、前提とした条件や仮定に変更が生じ回収可能価額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の回収可能性は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかにより判断しています。
当該見積り及び仮定について、外部環境の変化等により見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
また、当連結会計年度における会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
なお、セグメントごとの同感染症に係る業績見通しへの影響は以下のとおりです。
不動産賃貸管理事業では2020年10月期(2020年4月時点)の当社グループの管理物件のうち借上物件及び自社所有物件の入居率では99.8%と高水準を維持していましたが、翌連結会計年度では入居者である学生の動向や大学等教育機関の動向を考慮の上、全国各エリアにおける一定の入居率の低下を想定し、各種不動産関連サービスに係る業績見通しを行っております。
高齢者住宅事業では各高齢者施設で感染者が発生していない現状を踏まえ、稼働率の低下等、業績への影響は比較的少ないとの前提のもと、翌連結会計年度の業績見通しを行っております。
その他では、日本語学校事業について、当連結会計年度における入国制限等による外国人留学生の受け入れ鈍化の影響が今後1年程度は継続する前提のもと、翌連結会計年度の業績見通しを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては前述の「(1)経営成績の状況」をご参照ください。
2020年を最終年度とする前中期経営計画の経営数値目標に対する実績との比較分析は以下のとおりとなっております。
経営数値目標では、いずれの連結会計年度においても当初計画を超過達成となりました。これは主力の不動産賃貸管理事業における重要KPIのうち、年間契約決定件数は計画には至らなかったものの、物件管理戸数が想定を上回るペースで推移したことに起因するものと考えております。また、経営数値目標に直接影響の及ぶ自社物件開発に係る設備投資の進捗の遅れを補うかたちで、事業会社のM&Aを通じて物件管理戸数が伸びたことも奏功したと考えております。
(当初計画)
(実績及び達成率)
(重要KPI)
(注)1.管理戸数は4月末現在の不動産賃貸管理事業に係る数値
2.契約決定件数は11月~10月決定数値
(設備投資計画の進捗状況)
(注)自社物件及びソフトウエアの実績累計は連結貸借対照表計上額を集計
b. 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は40,245百万円となり、前連結会計年度末の34,578百万円から5,667百万円の増加(前期比16.4%増)となりました。
(流動資産)
流動資産につきましては、10,840百万円となり、前連結会計年度末の10,074百万円から765百万円の増加(前期比7.6%増)となりました。これは、主として現金及び預金が694百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産につきましては、29,405百万円となり、前連結会計年度末の24,503百万円から4,901百万円の増加(前期比20.0%増)となりました。これは、主として有形固定資産が3,873百万円及び敷金及び保証金が466百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債につきましては、8,360百万円となり、前連結会計年度末の6,999百万円から1,360百万円の増加(前期比19.4%増)となりました。これは、主として未払法人税等が412百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債につきましては、14,649百万円となり、前連結会計年度末の12,785百万円から1,864百万円の増加(前期比14.6%増)となりました。これは、主として長期借入金が1,683百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、17,235百万円となり、前連結会計年度末の14,793百万円から2,442百万円の増加(前期比16.5%増)となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払いにより利益剰余金が2,498百万円増加したこと、また、自己株式の取得により自己株式が249百万円増加したことによるものであります。
c. キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(5)資本の財源及び資金の流動性
健全な財政状態を維持しつつ、事業活動に必要な資金を安定的に確保すべく、営業活動によるキャッシュ・フローの創出に努めるとともに、当社グループの成長戦略推進に不可欠となる新規物件開発等に係る設備投資などの長期的な資金需要については、自己資金及び金融機関からの借入金でまかなうことを基本方針としております。当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は12,704百万円となっており、また、現金及び現金同等物の残高は9,298百万円となっております。
なお、設備投資の概要及び重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況」をご参照ください。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、2019年10月の消費税率引き上げや、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により消費が低迷するなか、緊急事態宣言解除後の経済活動再開や海外経済の底入れに伴い、個人消費や輸出を中心に持ち直し基調へ転じたものの、新型コロナウイルス感染収束の見通しが立たないこともあり、総じて回復の足取りは重く、先行きに対する不透明感が一層強まっており、依然として予断を許さない状況が継続しております。
このような経営環境のもと、当社グループの主たる顧客層である学生の動向におきましては、大学(大学院を含む)の学生数は291.6万人と前年より3千人減少(文部科学省「令和2年度学校基本調査(速報値)」)し、近年における学生数の上昇傾向から一転、減少へ転じることとなりましたが、概ね前年度と同水準で推移していると考えられるため、市場環境につきましては、前年度の状況を維持しているものと考えております。
しかし一方では、コロナ禍における学生のライフスタイルの変化やその動向、また、教育機関の動向につきましても引き続き注視し、実体経済の見極めを慎重に行っていく必要があります。
このような環境の中で、当社グループにおきましては、2017年12月に公表した中期経営計画の最終年度を迎え、高付加価値を備えた競争力のある新規物件開発や大手デベロッパーとの連携の推進、事業会社のM&Aを通じた総合力強化、人員の増強に加え基幹システムの刷新による業務効率の向上等、様々な成長施策の実践を図ることで当初の計画数値を超過達成するに至りました。
以上の結果、当連結会計年度の連結売上高は48,058百万円(前年同期比12.6%増)、経常利益は4,248百万円(同27.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,761百万円(同19.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概況は次のとおりです。
① 不動産賃貸管理事業
物件管理戸数は順調に増加いたしました。(前期比6,420戸増 72,484戸 ※4月末現在)一方、借上・自社所有物件の入居率については高水準を維持したものの0.1ポイントの減少となりました。(前期99.9% 当期99.8% ※4月末現在)
入居率の低下に伴う直接的な影響は限定的であり、学生マンションの家賃収入をはじめ、各種不動産賃貸関連サービスにおける売上高は順調に推移いたしました。
費用面では、人員数の増加による人件費負担の増加、来春に向けた積極的な広告活動に伴う広告費の増加に加え、自社所有物件の増加に伴う減価償却費の増加、食事付き学生マンションの増加に伴う厨房設備関連費用の増加がありました。
当セグメントに係る新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、全国200室を対象とした学生支援プラン、首都圏エリア100室を対象とした追加の特別支援プランを実施いたしましたが、当連結会計年度での経営成績への大きな影響はありません。
以上の結果、売上高44,932百万円(前期比12.8%増)、セグメント利益5,464百万円(同23.1%増)となりました。
② 高齢者住宅事業
2019年10月にオープンした『グランメゾン迎賓館大津大将軍』は、事業開始直後の状況ではあったものの、当初計画していた稼働率を上回る状況で推移したため、通常、先行的に多くなるオープン直後の原価負担を補うこととなり、比較的良好な運営環境で事業収益に貢献いたしました。また、その他の既存施設においても、営業力強化や損益改善施策等、各種取り組みも奏効し、当セグメント全体の事業収益は順調に推移いたしました。
当セグメントに係る新型コロナウイルス感染症拡大の影響について、当連結会計年度での経営成績への大きな影響はありません。入居者ストレス軽減のためのオンライン面会等、感染防止を徹底した各種取り組みを引き続き実践しております。
以上の結果、売上高2,714百万円(前期比17.0%増)、セグメント利益306百万円(同99.4%増)となりました。
③ その他
当事業区分の事業方針である主力事業の後方支援を担う位置づけから、引き続き学生向けの企業説明会や就職セミナー情報の提供を通じた各種学生支援サービスの提供と、外国人留学生向けの日本語学校の運営による教育事業等を進めてまいりました。
当セグメントにおいては、2020年7月に㈱スタイルガーデンを子会社化、同年8月に㈱Mewcketを子会社化いたしました。これら学生支援に強みを持つ企業のグループ化を通じて、既存事業との相乗効果を実現し、グループ全体の長期的な発展に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響について、学生支援サービス事業では合同企業説明会において企業側の出展取りやめや、主催者側での開催中止などもあり、収益機会の鈍化などがあったものの、足もとでは地域制限のないWEB合説の開催等を通じて収益の挽回に努めております。
日本語学校事業では留学生への入国制限等の影響を受け、受け入れ時期の遅れがあったものの、制限緩和もあり、順次受入れを再開しております。しかしながら、当事業の当初計画は未達となり、また、前期水準への回復にも至らず、セグメント損失を計上いたしました。
当セグメントにおける学生支援策としまして、2020年6月1日より、京都市内の学生を対象に当社グループが運営するサイクルショップで取り扱う自転車の無償レンタルを実施いたしましたが、経営成績への大きな影響はありません。
その結果、売上高411百万円(前期比17.6%減)、セグメント損失106百万円(前期はセグメント損失5百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べて694百万円増加し、9,298百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、資金の増加は5,003百万円(前年同期3,449百万円 資金の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益4,166百万円、非資金項目である減価償却費883百万円及び法人税等の支払額1,142百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は5,542百万円(前年同期4,295百万円 資金の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出4,691百万円及び敷金及び保証金の差入による支出559百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、資金の増加は1,232百万円(前年同期1,349百万円 資金の増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入2,529百万円、長期借入金の返済による支出797百万円及び配当金の支払額263百万円によるものです。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
該当事項はありません。
② 受注実績
該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年11月1日 至 2020年10月31日) | 前年同期比(%) |
不動産賃貸管理事業(千円) | 44,932,997 | 112.8 |
高齢者住宅事業(千円) | 2,714,125 | 117.0 |
報告セグメント計(千円) | 47,647,123 | 113.0 |
その他(千円) | 411,158 | 82.4 |
合計(千円) | 48,058,282 | 112.6 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づき分析した内容であります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、実際の業績等は異なることがあります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。また、これらの連結財務諸表の作成にあたって、一部見積り数値を利用しておりますが、これらの見積り数値の妥当性については、継続的に評価を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性のため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(固定資産の減損処理)
減損損失は、減損の兆候が見られる資産グループについて減損損失の認識を判定し、当該資産グループから得られる将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上することとしています。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断していますが、経営環境の変化や地価の変動等、前提とした条件や仮定に変更が生じ回収可能価額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の回収可能性は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかにより判断しています。
当該見積り及び仮定について、外部環境の変化等により見直しが必要となった場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
また、当連結会計年度における会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
なお、セグメントごとの同感染症に係る業績見通しへの影響は以下のとおりです。
不動産賃貸管理事業では2020年10月期(2020年4月時点)の当社グループの管理物件のうち借上物件及び自社所有物件の入居率では99.8%と高水準を維持していましたが、翌連結会計年度では入居者である学生の動向や大学等教育機関の動向を考慮の上、全国各エリアにおける一定の入居率の低下を想定し、各種不動産関連サービスに係る業績見通しを行っております。
高齢者住宅事業では各高齢者施設で感染者が発生していない現状を踏まえ、稼働率の低下等、業績への影響は比較的少ないとの前提のもと、翌連結会計年度の業績見通しを行っております。
その他では、日本語学校事業について、当連結会計年度における入国制限等による外国人留学生の受け入れ鈍化の影響が今後1年程度は継続する前提のもと、翌連結会計年度の業績見通しを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては前述の「(1)経営成績の状況」をご参照ください。
2020年を最終年度とする前中期経営計画の経営数値目標に対する実績との比較分析は以下のとおりとなっております。
経営数値目標では、いずれの連結会計年度においても当初計画を超過達成となりました。これは主力の不動産賃貸管理事業における重要KPIのうち、年間契約決定件数は計画には至らなかったものの、物件管理戸数が想定を上回るペースで推移したことに起因するものと考えております。また、経営数値目標に直接影響の及ぶ自社物件開発に係る設備投資の進捗の遅れを補うかたちで、事業会社のM&Aを通じて物件管理戸数が伸びたことも奏功したと考えております。
(当初計画)
2018年10月期 (千円) | 2019年10月期 (千円) | 2020年10月期 (千円) | |
売上高 | 38,328,879 | 41,074,922 | 43,584,900 |
営業利益 | 2,868,317 | 3,070,444 | 3,492,097 |
経常利益 | 2,779,455 | 2,956,096 | 3,357,471 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 1,702,668 | 1,846,062 | 2,086,027 |
(実績及び達成率)
2018年10月期 (千円) | 達成率 (%) | 2019年10月期 (千円) | 達成率 (%) | 2020年10月期 (千円) | 達成率 (%) | |
売上高 | 38,940,140 | 101.6 | 42,667,695 | 103.9 | 48,058,282 | 110.3 |
営業利益 | 2,958,212 | 103.1 | 3,425,253 | 111.6 | 4,338,343 | 124.2 |
経常利益 | 2,890,833 | 104.0 | 3,345,341 | 113.2 | 4,248,712 | 126.5 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 2,078,791 | 122.1 | 2,307,744 | 125.0 | 2,761,826 | 132.4 |
(重要KPI)
中期経営計画 | 2018年10月期 (実績) | 進捗率 (%) | 2019年10月期 (実績) | 進捗率 (%) | 2020年10月期 (実績) | 進捗率 (%) | |
管理戸数 (戸) | 70,000 | 62,183 | 88.8 | 66,064 | 94.4 | 72,484 | 103.5 |
契約決定件数 (件) | 25,000 | 20,963 | 83.9 | 22,216 | 88.9 | 24,391 | 97.6 |
(注)1.管理戸数は4月末現在の不動産賃貸管理事業に係る数値
2.契約決定件数は11月~10月決定数値
(設備投資計画の進捗状況)
中期経営計画 (千円) | 2018年10月期 (実績累計) (千円) | 進捗率 (%) | 2019年10月期 (実績累計) (千円) | 進捗率 (%) | 2020年10月期 (実績累計) (千円) | 進捗率 (%) | |
自社物件 | 11,400,000 | 2,412,516 | 21.2 | 5,337,776 | 46.8 | 8,265,998 | 72.5 |
ソフトウエア | 500,000 | 230,371 | 46.1 | 292,703 | 58.5 | 378,692 | 75.7 |
(注)自社物件及びソフトウエアの実績累計は連結貸借対照表計上額を集計
b. 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は40,245百万円となり、前連結会計年度末の34,578百万円から5,667百万円の増加(前期比16.4%増)となりました。
(流動資産)
流動資産につきましては、10,840百万円となり、前連結会計年度末の10,074百万円から765百万円の増加(前期比7.6%増)となりました。これは、主として現金及び預金が694百万円増加したことによるものであります。
(固定資産)
固定資産につきましては、29,405百万円となり、前連結会計年度末の24,503百万円から4,901百万円の増加(前期比20.0%増)となりました。これは、主として有形固定資産が3,873百万円及び敷金及び保証金が466百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(流動負債)
流動負債につきましては、8,360百万円となり、前連結会計年度末の6,999百万円から1,360百万円の増加(前期比19.4%増)となりました。これは、主として未払法人税等が412百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
固定負債につきましては、14,649百万円となり、前連結会計年度末の12,785百万円から1,864百万円の増加(前期比14.6%増)となりました。これは、主として長期借入金が1,683百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、17,235百万円となり、前連結会計年度末の14,793百万円から2,442百万円の増加(前期比16.5%増)となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払いにより利益剰余金が2,498百万円増加したこと、また、自己株式の取得により自己株式が249百万円増加したことによるものであります。
c. キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(5)資本の財源及び資金の流動性
健全な財政状態を維持しつつ、事業活動に必要な資金を安定的に確保すべく、営業活動によるキャッシュ・フローの創出に努めるとともに、当社グループの成長戦略推進に不可欠となる新規物件開発等に係る設備投資などの長期的な資金需要については、自己資金及び金融機関からの借入金でまかなうことを基本方針としております。当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は12,704百万円となっており、また、現金及び現金同等物の残高は9,298百万円となっております。
なお、設備投資の概要及び重要な設備の新設の計画については、「第3 設備の状況」をご参照ください。