四半期報告書-第72期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/10 15:17
【資料】
PDFをみる
【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間の売上高は、201,203百万円(前年同期比4.7%増)と前年同期を上回りました。海外事業は、北米で2019年11月から連結範囲に加わったWarnock Food Products, Inc.(以下、Warnock社)が貢献したことに加え、中華圏におけるスナック菓子とシリアル食品の販売が拡大しました。国内事業においては、インバウンドおよび国内旅行者の減少により、土産用のスナック菓子の販売が減少しました。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、保存性の高い食品としてシリアル食品の需要が増加しました。また、2020年4月の株式会社ポテトかいつか(以下、ポテトかいつか)の買収が貢献し、結果として国内売上高は増収となりました。
営業利益は、21,841百万円(前年同期比0.2%減)となり、営業利益率は10.9%(前年同期比0.5ポイント悪化)となりました。海外事業の増収効果等が増益に貢献したものの、国内は高付加価値の土産用商品の売上減少が利益にマイナスに影響したため、前年同期並みとなりました。経常利益は、為替差損392百万円を計上し、21,401百万円(前年同期比1.7%減)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、海外合弁会社の利益拡大に伴う非支配株主に帰属する四半期純利益の増加等により、14,048百万円(前年同期比4.3%減)となりました。
2020年3月期
第3四半期
2021年3月期
第3四半期
伸び率(%)現地通貨
ベースの
伸び率
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内売上高158,71282.6161,03880.0+1.5+1.5
海外売上高33,39217.440,16420.0+20.3+23.7
合計192,104100.0201,203100.0+4.7+5.3

事業別の売上高は以下のとおりです。
売上高2020年3月期
第3四半期
2021年3月期
第3四半期
金額
(百万円)
金額
(百万円)
伸び率
(%)
食品製造販売事業190,662200,008+4.9
国内食品製造販売事業157,270159,843+1.6
国内スナック菓子137,598132,028△4.0
国内シリアル食品18,61421,621+16.1
国内その他食品(甘しょ・馬鈴しょ)1,0566,193+486.1
海外食品製造販売事業33,39240,164+20.3
海外スナック菓子28,30934,635+22.3
海外シリアル食品5,0825,529+8.8
その他事業1,4411,195△17.1
合計192,104201,203+4.7


① 食品製造販売事業
(国内食品製造販売事業)
・国内スナック菓子
国内スナック菓子の売上高は、前年同期比で減収となりました。
国内スナック菓子の製品別売上高は以下のとおりです。
売上高2020年3月期
第3四半期
2021年3月期
第3四半期
金額
(百万円)
金額
(百万円)
伸び率
(%)
ポテト系スナック100,75296,776△3.9
ポテトチップス63,66665,385+2.7
じゃがりこ28,11225,585△9.0
Jagabee/じゃがポックル8,9735,804△35.3
小麦系スナック16,31115,933△2.3
かっぱえびせん7,5777,222△4.7
サッポロポテト等8,7338,710△0.3
コーン系・豆系スナック13,14213,242+0.8
その他スナック7,3936,076△17.8
国内スナック菓子 計137,598132,028△4.0

* 前期まで「その他スナック」に含まれていた一部の豆系スナックを、当期から「コーン系・豆系スナック」に含め、前期の数値も組み替えて表記しています。
・ポテト系スナックの売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、前年同期に比べ減収となりました。
-ポテトチップスは、前年同期に比べ増収となりました。第1四半期においては急激な需要の高まりに対応できず、一部商品の供給調整および休売を実施しましたが、第2四半期以降は販売再開とともに消費者の巣ごもり需要を取り込み、「堅あげポテト」を中心に好調に推移しました。
-じゃがりこは、外出先やオフィスでの需要減少に伴う販売低調が継続し、前年同期に比べ減収となりました。
-Jagabee/じゃがポックルは、前年同期に比べ大幅に減収となりました。土産用商品の「じゃがポックル」は、第3四半期においてGo Toトラベルキャンペーンの効果等によって一時的に回復に向かったものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い再び需要が下降しました。
・小麦系スナックの売上高は、「かっぱえびせん」等の商品の売上が減少し、前年同期に比べ減収となりました。
・コーン系・豆系スナックの売上高は、第1四半期において巣ごもり需要の影響を受け、「マイクポップコーン」等の一部コーン系スナックが伸長し、前年同期に比べ増収となりました。
・その他スナックの売上高は、その他の土産用商品等の売上減少により、前年同期に比べ減収となりました。
・国内シリアル食品
国内シリアル食品の売上高は、国内消費向け、中華圏の小売店舗向けともに伸長し、前年同期に比べ増収となりました。国内消費向けは、「フルグラ」定番品が、新型コロナウイルス感染症の影響による輸入原材料の調達遅延に伴って一時的に休売した影響により、前年同期並みとなりましたが、代替品として一定期間販売した「フルグラあっさりテイスト」が売上に貢献しました。また、健康や機能性を訴求した「フルグラ糖質オフ」、「グラノーラプラスプロテインin」等の需要が好調に推移しました。
・国内その他食品(甘しょ・馬鈴しょ)
国内その他食品(甘しょ・馬鈴しょ)の売上高は、当期首から甘しょ事業を営むポテトかいつかが連結範囲に加わったことにより、前年同期に比べ大幅に増収となりました。甘しょ事業においては、主に焼き芋に適した糖度の高い品種のさつまいもの卸売が伸長しています。
(海外食品製造販売事業)
海外食品製造販売事業の売上高は、海外スナック菓子、海外シリアル食品ともに売上が伸長し、前年同期比で増収となりました。
海外食品製造販売事業の地域別売上高は以下のとおりです。
売上高2020年3月期
第3四半期
2021年3月期
第3四半期
金額
(百万円)
金額
(百万円)
伸び率(%)
北米7,11010,854+52.7
中華圏9,67111,761+21.6
英国4,5014,860+8.0
インドネシア3,3932,977△12.3
上記以外8,7159,711+11.4
海外食品製造販売事業 計33,39240,164+20.3

*1 中華圏:中国、香港
*2 その他地域:韓国、タイ、シンガポール、豪州
・北米の売上高は、主に2019年11月からWarnock社が連結範囲に加わったことにより、前年同期に比べ大幅に増収となりました。Warnock社の製造するプライベートブランド商品は好調に推移しました。既存事業においては、豆系スナック菓子「Harvest Snaps」の大手顧客でのプロモーション実施により、売上が伸長しました。また、エスニック食品売り場向けの「かっぱえびせん」やポテトチップス等のスナック菓子の売上が伸長しました。
・中華圏の売上高は、前年同期に比べ増収となりました。ポテトチップス等の販売アイテムの拡大と、「じゃがポックル」の国内からの輸出強化等により、スナック菓子の売上が伸長しました。シリアル食品「フルグラ」は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けてEコマースの需要が高まっていること等から、売上が伸長しました。
・英国の売上高は、Seabrookブランドのポテトチップスのマルチパックの需要が増加したことに加え、新商品の発売により、前年同期に比べ増収となりました。
・インドネシアの売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大によるスナック菓子市場の低迷継続により、ポテトチップスの売上が減少し、前年同期に比べ減収となりました。
・その他地域の売上高は、主に豪州において、「Harvest Snaps」の販売地域の拡大と「Jagabee」の販売開始により、前年同期に比べ増収となりました。

(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産は、前連結会計年度末に比べ14,827百万円増加し、229,795百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が減少したものの、受取手形及び売掛金、のれん、有形固定資産およびたな卸資産が増加したことによるものです。
現金及び預金が減少した主な要因は、ポテトかいつかの株式取得によるものであり、のれんは同社の買収により増加しました。受取手形及び売掛金の増加は、12月末日が銀行休業日だったことにより回収が翌月にずれ込んだことによるものです。有形固定資産の増加は、主に「ポテトデラックス」の製造ラインの取得等国内既存事業の拡充を目的としたものです。また、たな卸資産の増加は、国産馬鈴しょおよび甘しょが収穫期を迎え、原料仕入高が増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ6,915百万円増加し、52,249百万円となりました。この主な要因は、ポテトかいつかが新たに連結範囲に加わったことに伴い、短期借入金および長期借入金が増加したことによるものです。一方、未払法人税等の減少は、法人税の確定申告納付および中間納付によるものです。
純資産は、主に利益剰余金が増加したことから、前連結会計年度末に比べ7,912百万円増加し、177,545百万円となりました。
この結果、自己資本比率は74.1%となり、前連結会計年度末に比べ1.8ポイント低下しました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13,493百万円減少し、42,249百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ10,423百万円収入が減少し、3,388百万円の純収入となりました。この主な要因は、売上債権の回収額が銀行休業日による入金のずれにより増加した前年同期に比べ、減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が減少したものの、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が生じたことや、有形固定資産の取得による支出の増加により前年同期と比べ10,636百万円支出が増加し、14,509百万円の純支出となりました。連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出はポテトかいつかの買収によるものであり、有価証券の取得による支出の減少は、主にその資金を充当したことによるものです。
有形固定資産の取得による支出の主な内訳は、「ポテトデラックス」および「カルビッツ フルグラ」の製造ライン新設等国内既存事業の拡充を目的としたものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に配当金の支払いによる支出が増加したことにより、前年同期と比べ1,329百万円支出が増加し、2,512百万円の純支出となりました。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は2,034百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。