有価証券報告書-第33期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界規模で拡大する新型コロナウイルス感染症に伴い、外出自粛や休業要請、緊急事態宣言の発出などの影響により、個人消費や企業活動が著しく制限され、急速に景気が悪化しました。一部で持ち直しの動きがみられたものの、再び緊急事態宣言が発出されるなど新型コロナウイルス感染症の終息の見通しは立っておらず、経済活動の抑制傾向は長期化することが懸念されています。
国内の情報サービス業界では、ビジネスや生活を柔軟に変化させるDX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した働き方改革への取り組みなどを背景に、生産性向上や業務効率化を目的とした企業のシステム投資需要は引き続き高い状態にあるものの、先行き不透明な景況感の中で投資判断には慎重な動きも見られました。
このような状況の中、当社グループは、顧客の業務効率化並びに付加価値創造を支援し、顧客満足度をより一層高めるべく努めてまいりました。当社の主力製品である「社労夢(Shalom)シリーズ」は、社会保険、労働保険等に関する業務支援システムとして、既に2,500を超える社労士事務所に幅広く導入いただいております。また、一般法人企業向け製品である「CompanyEdition」シリーズ、年末調整支援ツールである「eNEN」、2020年7月に新たにリリースした「Cloud Pocket」に関しても、マーケティング活動を強化し販売拡大を図りました。CuBe事業においては「GooooN」の機能強化を行い、販売ルートを拡大するためのマーケティング活動を強化する等、業容拡大を図りました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、1,172,924千円(前期比2.0%減)となりました。主な内訳は、現金及び預金644,492千円及び売掛金467,416千円となっております。
また、固定資産の残高は1,069,021千円(前期比2.9%増)となりました。主な内訳は、ソフトウエア397,537千円、のれん213,740千円、差入保証金161,362千円、建物135,248千円となっております。
以上の結果、総資産は2,241,946千円(前期比0.3%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、586,685千円(前期比2.2%減)となりました。主な内訳は、1年内返済予定の長期借入金233,304千円、未払金98,889千円、賞与引当金64,113千円となっております。
また、固定負債の残高は252,851千円(前期比23.5%減)となりました。内訳は、長期借入金252,851千円となっております。
以上の結果、負債合計は839,536千円(前期比9.7%減)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における株主資本は、1,364,852千円(前期比7.4%増)となりました。主な内訳は、資本金219,110千円及び資本剰余金197,457千円、利益剰余金948,784千円となっております。
以上の結果、純資産は1,402,410千円(前期比7.5%増)となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における業績は売上高2,439,074千円(前期比2.5%増)、売上原価1,238,421千円(前期比4.6%増)、売上高に対する売上原価の比率50.8%(前期比1.0ポイント増加)、売上総利益1,200,652千円(前期比0.4%増)、営業利益219,543千円(前期比30.2%減)、売上高に対する営業利益の比率9.0%(前期比4.2ポイント減少)、経常利益218,938千円(前期比30.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益138,053千円(前期比30.0%減)となりました。また、当社グループが重要な経営指標と考える自己資本利益率(ROE)は、連結ベースで10.5%(前期比6.0ポイント減少)、当社単体では10.3%(前期比8.4ポイント減少)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し105,469千円減少し、617,349千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、340,184千円となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益217,033千円、減価償却費323,506千円、のれん償却額38,861千円、主な減少要因は、法人税等の支払額105,355千円、未払消費税等の減少82,704千円、売上債権の増加47,267千円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、381,116千円となりました。主な増加要因は、敷金及び保証金の回収による収入19,527千円、主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出205,379千円、有形固定資産の取得による支出195,275千円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、64,536千円となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入200,000千円、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出211,084千円、配当金の支払額43,420千円などであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
| CuBe事業 | 593,744 | 16.3% | 270,142 | 37.0% |
| 合計 | 593,744 | 16.3% | 270,142 | 37.0% |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.社労夢事業では、受注から販売までの期間が短期間であり、期中の受注高と販売高がほぼ同一となるため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 販売区分の名称 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 販売高(千円) | 前期比(%) | 販売高(千円) | 前期比(%) | ||
| 社労夢事業 | 1,771,842 | 17.4 | 1,897,373 | 7.1 | |
| クラウドサービス | 1,658,019 | 18.5 | 1,787,781 | 7.8 | |
| システム商品販売 | 113,285 | 6.4 | 102,991 | △9.1 | |
| その他サービス | 537 | △85.8 | 6,601 | 1,129.2 | |
| CuBe事業 | 608,774 | 7.5 | 541,700 | △11.0 | |
| 合計 | 2,380,616 | 14.7 | 2,439,074 | 2.5 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
(社労夢事業)
社労夢事業においては、働き方改革やテレワーク推進のための業務効率化の必要性を背景に、主要顧客である社会保険労務士市場のみでなく、一般法人市場においてもシステム導入意欲が高まっております。一方で、競合による新規参入が散見され、価格面も含め競争の激化が予想されます。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大の中、毎年出展し多くの企業の引き合いにつながっている人材関連ソリューションの専門イベント「Human Capital2020」が中止になった他、当社主催のセミナーや操作説明会もリアル開催の中止を余儀なくされるなど、対面営業に制限がかかる事となりました。また社会保険労務士市場、一般法人市場共に、決裁権限者や人事担当者の繁忙による商談や導入作業の遅れが発生しました。
このような状況の中、当社はまず、社員の安全確保のため、一部テレワークや時差通勤を導入するなど感染拡大の防止に十分注意する一方、全社員に対する特別手当を支給するなどの対応をいたしました。また営業面においては、社労夢製品のフォローアップ説明会や各種セミナーをオンラインで開催し、お客様とのコミュニケーションを電話やオンラインを活用したものに切り替えるなどの施策を実施すると共に、Webサイトを活用したプロモーション活動の強化なども進めました。また、中小企業向け製品「DirectHR」や2020年7月に新たにリリースした「Cloud Pocket」、株式会社ビジネスネットコーポレーションより事業譲受により引き継いだ「eNEN(旧:年末調整CuBeクラウド)」の機能強化を図りました。
この結果、クラウドサービス売上高は、1,787,373千円(前期比7.1%増)となりました。主力サービスである社労夢製品のユーザー数が増加したことに伴う月額利用料の積み上がりに加え、一般法人企業の利用数が増加したことにより、ASPサービス売上高が1,639,541千円(前期比12.6%増)となりました。一方で、営業活動が制限された影響を受け、社労夢ハウスプランの受注及び一般法人企業の新規導入が伸び悩んだことにより、システム構築サービス売上高は148,995千円(前期比27.0%減)となりました。システム商品販売売上高についても、テレワーク移行の影響を受け102,991千円(前期比9.1%減)となりました。
前連結会計年度においては、開発体制の強化による労務費の増加やソフトウエア償却費の増加により売上原価が増加しました。また、東京オフィス移転によるオフィス賃料等のコストが増加することにより、販売管理費が増加しました。
以上の結果、社労夢事業の売上高は1,929,979千円(前期比8.2%増)となり、売上総利益は1,005,654千円(前期比0.5%減)、営業利益は221,597千円(前期比38.2%減)となりました。当社グループで重要な経営指標としている売上高に対する営業利益の比率は11.5%(前期比8.6ポイント減少)となりました。
(CuBe事業)
CuBe事業では、大手企業の人事総務部門向けに業務プロセスの効率化を目的として個社毎にカスタマイズしたフロントシステムの受託開発と、大手企業向け受託開発を通じて蓄積したノウハウを活かし、中小企業での利便性を実現したクラウドサービスの提供を行っております。
前連結会計年度において、「年末調整CuBeクラウド(現:eNEN)」を株式会社ビジネスネットコーポレーションから親会社である株式会社エムケイシステムへ事業譲渡しました。
期初からの新型コロナウイルス感染拡大に伴い、商談及び導入作業の遅れが発生し、売上が前年同期を下回ったものの、開発体制を整備し効率化を図ることにより、利益率が大幅に改善することとなりました。
以上の結果、CuBe事業の売上高は550,459千円(前期比12.4%減)、売上総利益は194,983千円(前期比3.9%増)、営業損失は5,788千円(前期は46,263千円の営業損失)となりました。なお、CuBe事業の営業損失については、のれん償却額38,861千円を反映しております。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資産の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価や販売費及び一般管理費に計上される対価や納税資金等であります。設備投資資金には、サーバー増設等の大規模な設備投資があります。また、株主還元については、財務の健全性に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております。
運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金及び金融機関からの借入を基本としております。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業キャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は486百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は617百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。