訂正有価証券報告書-第32期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に緩やかな回復基調で推移してきましたが、米中貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題が世界経済に与える影響に加え、年度の後半からは世界的な新型コロナウイルス感染拡大等もあり、極めて不透明な状況が続いております。
国内の情報サービス業界では、クラウドコンピューティングに代表されるサービス化の流れが一層加速する中、AI(人工知能)等の最新のテクノロジーの活用やクラウドサービス間での連携強化等、付加価値向上に向けた取り組みが進んでおります。当社グループの関連する人事労務領域においては、政府が推進する働き方改革やテレワークへの取り組みなどを背景に、企業の生産性向上や業務効率化を目的としたシステムの投資意欲が引き続き高い状態にあります。
このような状況の中、当社グループは、顧客の業務効率化並びに付加価値創造を支援し、顧客満足度をより一層高めるべく努めてまいりました。当社の主力製品である「社労夢(Shalom)シリーズ」は、社会保険、労働保険等に関する業務支援システムとして、既に2,500を超える社労士事務所に幅広く導入いただいております。また近年は、一般法人企業向け製品である「Company Edition」シリーズに関しても、電子申請義務化の流れの中で業種を問わず、システム構築の引き合いが強まっております。CuBe事業においては「CuBeクラウド」の機能強化を行い、販売ルートを開拓するためのマーケティング活動を強化する等、業容拡大を図りました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、1,196,267千円(前期比34.9%増)となりました。主な内訳は、現金及び預金749,960千円及び売掛金420,149千円となっております。
また、固定資産の残高は1,038,471千円(前期比1.9%減)となりました。主な内訳は、ソフトウエア476,781千円、のれん252,602千円、ソフトウエア仮勘定29,507千円となっております。
以上の結果、総資産は2,234,739千円(前期比14.9%増)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、599,588千円(前期比34.1%増)となりました。主な内訳は、1年内返済予定の長期借入金166,644千円、未払消費税等94,545千円、未払金91,235千円となっております。
また、固定負債の残高は330,595千円(前期比0.8%減)となりました。内訳は、長期借入金330,595千円となっております。
以上の結果、負債合計は930,183千円(前期比19.2%増)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における株主資本は、1,270,251千円(前期比13.7%増)となりました。主な内訳は、資本金219,110千円及び資本剰余金197,457千円、利益剰余金854,151千円となっております。
以上の結果、純資産は1,304,555千円(前期比12.0%増)となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における経営成績は売上高2,380,616千円(前期比14.7%増)、売上原価1,184,313千円(前期比31.2%増)、売上高に対する売上原価の比率49.7%(前期比6.3ポイント増加)、売上総利益1,196,303千円(前期比2.0%増)、営業利益314,443千円(前期比0.9%減)、売上高に対する営業利益の比率13.2%(前期比2.1ポイント減少)、経常利益312,631千円(前期比2.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益197,123千円(前期比75.9%増)となりました。また、当社グループが重要な経営指標と考える自己資本利益率(ROE)は、連結ベースで16.5%(前期比6.2ポイント増)、当社単体では18.7%(前期比2.1ポイント増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し423,062千円増加し、722,818千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、814,299千円となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益300,119千円、減価償却費271,888千円、未払消費税等の増加額133,683千円、主な減少要因は、受注損失引当金の減少10,367千円、仕入債務の減少9,232千円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、330,425千円となりました。主な増加要因は、敷金及び保証金の回収による収入11,044千円、主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出182,286千円、敷金及び保証金の差入による支出139,857千円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、60,811千円となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入200,000千円、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出186,412千円、配当金の支払額43,421千円などであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
| CuBe事業 | 510,536 | △8.2% | 197,234 | △28.1% |
| 合計 | 510,536 | △8.2% | 197,234 | △28.1% |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.社労夢事業では、受注から販売までの期間が短期間であり、期中の受注高と販売高がほぼ同一となるため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 販売区分の名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |||
| 販売高(千円) | 前期比(%) | 販売高(千円) | 前期比(%) | ||
| 社労夢事業 | 1,508,829 | 15.2 | 1,771,842 | 17.4 | |
| クラウドサービス | 1,398,611 | 16.2 | 1,658,019 | 18.5 | |
| システム商品販売 | 106,440 | 4.3 | 113,285 | 6.4 | |
| その他サービス | 3,777 | 3.7 | 537 | △85.8 | |
| CuBe事業 | 566,520 | △2.1 | 608,774 | 7.5 | |
| 合計 | 2,075,349 | 10.0 | 2,380,616 | 14.7 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
(社労夢事業)
社労夢事業においては、働き方改革やテレワーク推進のための業務効率化の必要性を背景に、主要顧客である社会保険労務士市場のみでなく、一般法人市場においてもシステム導入意欲が高まっております。一方で、競合による新規参入が散見され、競争の激化が予想されます。
当連結会計年度においては、中小企業向け新製品「DirectHR」のリリース及び「社労夢(Shalom)」製品に関するサービス名称並びにロゴデザインの変更、WEBサイトのフルリニューアルを行った他、「社労夢(Shalom)V5.0」、「ネットde顧問(V3.0)」、「マイナボックス(MYNABOX)」のフルリニューアルを行いました。各種法令改正への対応等も引き続き行ってまいりました。
また、連結子会社である株式会社ビジネスネットコーポレーションから、開発部松山開発センターにおけるシステム開発事業を会社分割により承継(2020年1月1日効力発生)し、年末調整業務全体の効率化をサポートするクラウドサービスである「年末調整CuBeクラウド」を2020年3月31日付で事業譲受により譲り受けました。
この結果、クラウドサービス売上高は、1,658,019千円(前期比18.5%増)となりました。これは、主力サービスである社労夢製品のユーザー数が順調に増加したことに伴う月額利用料の積み上がりに加え、一般法人企業の利用数が増加したことにより、ASPサービス売上高が1,453,979千円(前期比18.4%増)となったこと、及び一般法人企業への新規導入が進んだことに伴いシステム構築サービス売上高が204,040千円(前期比19.5%増)となったことによります。
また、システム商品販売売上高は、昨年同様に推移し113,285千円(前期比6.4%増)となり、その他サービス売上高は537千円(前期比85.8%減)となりました。
一方で、新製品のリリースに伴い減価償却費が増加したこと等により、前期に比べ売上原価が増加しました。
以上の結果、社労夢事業の売上高は1,771,842千円(前期比17.4%増)となり、売上総利益1,015,800千円(前期比1.7%増)、営業利益364,165千円(前期比4.7%減)となりました。当社グループで重要な経営指標としている売上高に対する営業利益の比率は20.6%(前期比4.8ポイント減少)となりました。
(CuBe事業)
CuBe事業では、大手企業の人事総務部門向けに業務プロセスの効率化を目的として個社毎にカスタマイズしたフロントシステムの受託開発と、大手企業向け受託開発を通じて蓄積したノウハウを活かし、中小企業での利便性を実現したクラウドサービスの提供を行っております。
フロントシステムの受託開発については、既存顧客からの改修案件のニーズを的確に把握し受注件数の獲得に努めました。また、前期に利益率を下げる原因となった開発コストの管理を徹底し、利益率を改善しました。一方、クラウドサービスにおいては、「GooooN」の販売強化、「年末調整CuBeクラウド」の法令改正対応など機能強化を進めユーザー獲得に努めました。
以上の結果、CuBe事業の売上高は608,774千円(前期比7.5%増)、売上総利益180,502千円(前期比4.1%増)、営業損失は49,721千円(前期は64,821千円の営業損失)となりました。なお、CuBe事業の営業損失については、のれん償却額38,861千円を反映しております。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資産の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価や販売費及び一般管理費に計上される対価や納税資金等であります。設備投資資金には、サーバー増設等の大規模な設備投資があります。また、株主還元については、財務の健全性に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております。
運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金及び金融機関からの借入を基本としております。
当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業キャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は507百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は722百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。