有価証券報告書-第19期(2023/04/01-2024/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の状況及び分析・検討
当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。
資産の部合計は、前連結会計年度末比2,595,497百万円増※の298,689,150百万円となりました。
主な要因は、銀行業等における有価証券11,974,024百万円の増、銀行業及び生命保険業等におけるその他資産1,058,830百万円の増、銀行業等における貸出金919,507百万円の増の一方、現金預け金10,735,704百万円の減、銀行業におけるコールローン450,000百万円の減、銀行業及び生命保険業における買現先勘定383,402百万円の減によるものであります。
負債の部合計は、前連結会計年度末比1,953,134百万円増※の282,950,619百万円となりました。
主な要因は、銀行業及び生命保険業における売現先勘定5,890,316百万円の増、銀行業における債券賃借取引受入担保金431,926百万円の増、銀行業等における借用金362,130百万円の増の一方、生命保険業における責任準備金3,005,427百万円の減、銀行業における貯金1,547,818百万円の減、銀行業における退職給付信託の設定等による退職給付に係る負債158,477百万円の減によるものであります。
純資産の部合計は、前連結会計年度末比642,362百万円増※の15,738,530百万円となりました。
主な要因は、銀行業及び生命保険業等におけるその他有価証券評価差額金698,496百万円の増、非支配株主持分452,185百万円の増の一方、銀行業等における繰延ヘッジ損益398,083百万円の減、自己株式99,923百万円の減によるものであります。
各事業セグメント別の資産の状況は以下のとおりであります。
① 郵便・物流事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比144,348百万円減※の1,958,795百万円となりました。
主な要因は、無形固定資産が21,868百万円増加した一方、現金預け金が153,537百万円、有形固定資産が24,995百万円減少したことによるものであります。
② 郵便局窓口事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比21,328百万円減※の2,563,772百万円となりました。
主な要因は、その他資産が35,693百万円増加した一方、現金預け金が48,628百万円、有形固定資産が10,542百万円減少したことによるものであります。
③ 国際物流事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比22,395百万円増※の374,938百万円となりました。
主な要因は、有価証券が8,301百万円、現金預け金が2,378百万円減少した一方、有形固定資産が20,234百万円、その他資産が11,128百万円増加したことによるものであります。
④ 銀行業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比4,325,856百万円増の233,906,263百万円となりました。
主な要因は、有価証券が13,689,219百万円、貸出金が1,244,026百万円増加した一方、現金預け金が10,498,827百万円減少したことによるものであります。
⑤ 生命保険業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比1,831,488百万円減の60,855,899百万円となりました。
主な要因は、金銭の信託が1,499,094百万円増加した一方、有価証券が2,147,681百万円、買現先勘定が337,571百万円、貸出金が324,518百万円減少したことによるものであります。
※「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、前連結会計年度の連結財務諸表を組替えております。また、当社グループの報告セグメントの区分として従来「国際物流事業」に含まれていたJPロジスティクスグループ株式会社及びJPロジスティクス株式会社の営む事業を「郵便・物流事業」に変更しております。前期末比については、上記組替後の数値により記載しております。
(2) 経営成績の状況及び分析・検討
当連結会計年度、当社グループは、2021年5月に発表した中期経営計画「JP ビジョン2025」(2021年度~2025年度)で掲げたお客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現を目指し、ユニバーサルサービスを含むコアビジネスの充実強化に加え、DXの推進、不動産事業の拡大や、新規ビジネス等の推進に取り組んでまいりました。
2023年6月には、ヤマトグループとの協業について基本合意を行い、ヤマト運輸株式会社と日本郵便の経営資源を有効活用することで、顧客の利便性向上に資する輸送サービスの構築と事業成長を図るとともに、物流業界のいわゆる「2024年問題」や環境問題など、物流業界が抱える社会課題の解決を目指すため、協業の第一弾として、2023年10月から「クロネコゆうパケット」の取扱いを開始し、第二弾として、2024年2月から「クロネコゆうメール」の取扱いを開始しました。
グループ一体でのDXの推進については、2023年10月には、初期リリースとして郵便局のサービスのうち利用頻度の高い「送る」「受け取る」の機能を中心としたグループプラットフォームアプリ「郵便局アプリ」のサービス提供を開始しました。
また、かんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題を受け、グループガバナンス及びコンプライアンスの強化並びに営業推進態勢の見直し等の再発防止策を講じ、適切な業務運営への取組に努めてまいりました。
なお、2024年3月末より、アフラック・インコーポレーテッドに対して持分法を適用することとし、2024年度から同社の利益の一部を当社グループの連結業績に反映いたします。
加えて、昨今の事業環境の急激な変化等を踏まえ、「成長ステージへの転換」に向け、「JP ビジョン2025」における今後の戦略の見直しを行うとともに、2025年度の主要目標等も見直し、その結果を2024年5月に「JP ビジョン2025+」として策定しております。
当社におきましては、持株会社として、当社グループの企業価値向上を目指し、グループ各社の収益拡大や経営効率化等を着実に推進するとともに、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保、郵便局ネットワークの維持・活用による安定的なサービスの提供等という目的が達成できるよう、グループ運営に取り組みました。
また、グループ各社のコンプライアンス・プログラムの策定・推進の状況、各社の内部監査態勢・監査状況の把握に努めたほか、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託するとともに、病院事業の経営改善に取り組みました。
さらに、グループ各社が提供するサービスの公益性・公共性の確保や、持続可能な社会の実現・未来の創造に貢献するため、サステナビリティ経営の推進に関する取組や災害復興支援に、グループ全体で取り組んでおります。
2024年1月に発生した令和6年能登半島地震では、郵便局舎に被害があったほか、被災地域における郵便局窓口の営業休止、郵便物の配達停止やゆうパックの引受停止等の影響がありました。日本郵便において作成した復旧マスタープランに基づいて順次業務を再開しており、引き続き業務の正常化を目指してまいります。
このような取組を行った結果、当連結会計年度における連結経常収益は11,982,152百万円(前期比843,581百万円増※)、連結経常利益は668,316百万円(前期比10,653百万円増※)、連結経常利益に、特別損益や契約者配当準備金繰入額等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、268,685百万円(前期比162,359百万円減※)となりました。
※「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っており、増減については組替後の数値により記載しております。
各事業セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
① 郵便・物流事業
郵便・物流事業につきましては、差出・受取利便性の向上等、お客さまのニーズに応える商品・サービスの提供や楽天グループ株式会社及び佐川急便株式会社をはじめとする他企業との連携強化等、荷物分野の収益拡大に取り組んでまいりました。また、当年度にヤマトグループとの協業を開始し、同グループがお預かりした小型薄物荷物及びメール便を、日本郵便の配送網でお届けする取組を開始しております。さらに、デジタル技術を活用した業務効率化、業務量に応じたコストコントロールの取組の深化等を通じ、生産性の向上に努めてまいりました。
また、物流業界において物価や人件費等の上昇により費用負担が増していることを踏まえ、将来にわたって、安定的かつ高品質の物流サービスを展開するため、2023年10月にゆうパック基本運賃などの改定を実施しました。
上記の取組を推進してきたところではありますが、消費行動のリアル回帰やインフレ等による家計消費の弱まり等の影響で荷物に関する需要が伸び悩みました。
郵便事業においても、デジタル化の進展等に伴う郵便物数の減少傾向の継続に加え、物流業界同様、物価や人件費等の上昇等の影響により営業費用が増加し、厳しい状況が継続しました。
その結果、当年度の総取扱物数は、郵便物が135億7,769万通(前期比6.0%減)、ゆうパックが10億966万個(前期比3.0%増)、ゆうメールが28億7,348万個(前期比7.7%減)となりました。
このような取組を行った結果、当連結会計年度の郵便・物流事業におきましては、ゆうパックはゆうパケットの取扱数量が増加した一方、郵便、ゆうメール及び年賀はがきの減少等により経常収益は1,980,509百万円(前期比79,889百万円減※)、経常費用は引き続きコストコントロールの取組等を進めているものの、人件費や集配運送委託費の増加により増加し、経常損失は64,969百万円(前期は35,454百万円の経常利益※)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における郵便・物流事業の営業収益は1,975,570百万円(前期比80,866百万円減※)、営業損失は68,623百万円(前期は33,007百万円の営業利益※)となりました。
※「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、前連結会計年度の連結財務諸表を組替えております。また、当社グループの報告セグメントの区分として従来「国際物流事業」に含まれていたJPロジスティクスグループ株式会社及びJPロジスティクス株式会社の営む事業を「郵便・物流事業」に変更しております。前期比については、上記組替後の数値により記載しております。
引受郵便物等の状況
(注) 1.第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物の概要/特徴は、以下のとおりであります。
2.年賀は、年賀郵便物(年賀特別郵便(取扱期間12月15日~12月28日)及び12月29日~1月7日に差し出された年賀はがきで消印を省略したもの)の物数であります。
3.選挙は、公職選挙法に基づき、公職の候補者又は候補者届出政党から選挙運動のために差し出された通常はがきの物数であります。別掲で示しております。
4.特殊は、速達、書留、特定記録、本人限定受取等の特殊取扱(オプションサービス)を行った郵便物の物数の合計であります。交付記録郵便物用特定封筒(レターパックプラス)及び電子郵便(レタックス、Webゆうびん、e内容証明)を含んでおります。
5.ゆうパックは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。
6.ゆうパケットは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。小型の荷物をお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。
7.ゆうメールは、一般貨物法制の規制を受けて行っている1kgまでの荷物の愛称であります。主に冊子とした印刷物やCD・DVDなどをお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。
② 郵便局窓口事業
郵便局窓口事業につきましては、2019年度に判明したかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題を受け、これらの構造的要因等を踏まえた業務改善計画を策定し、計画の実行を経営の最重要課題と位置づけ、再発防止策を講じてきました。2023年12月、監督官庁から、業務改善命令に基づく報告については、以後、提出を要しないこととし、改善状況の進捗については通常の監督・モニタリングにおいて継続的に確認していくこととする旨の通知を受けました。これを受け、今後は当社グループの経営陣がリーダーシップを発揮して、継続的な効果確認と適時適切な見直しを図っていくこととし、当社グループの各関係部署で把握した実態の共有及び必要な見直しの議論を継続的に行う体制を構築しました。なお、再発防止に向けた施策の浸透・定着のための取組を継続しつつ、2024年1月から満70歳以上のお客さまへの勧奨を再開しました。また、同月より一時払終身保険の販売を開始し、「お客さま本位の営業活動」を徹底しつつ、お客さまのニーズにあわせたご提案活動を行うことにより、ご利用の拡大に取り組んでまいりました。
このほか、地方公共団体事務受託の推進や地域金融機関との連携等により、地域やお客さまのニーズに応じた多種多様な商品・サービスの展開を進めてきたほか、窓口業務運営のデジタル化を推進し、生産性の向上に努めてまいりました。
また、不動産事業については、引き続き、JPタワー(商業施設名:KITTE)をはじめとする事務所、商業施設、住宅、保育施設等の賃貸事業を行ってきたほか、当年度、新たにJPタワー大阪や麻布台ヒルズ森JPタワーが竣工し、住宅の分譲や商業施設の開業等、事業の強化・拡充に取り組んでまいりました。
不動産事業における主なプロジェクトの概要は以下のとおりであります。
(注) 2024年3月31日時点
このような取組を行った結果、当連結会計年度の郵便局窓口事業におきましては、不動産販売収入の計上に伴う不動産事業収益の増収により、経常収益は1,113,912百万円(前期比38,149百万円増)、経常費用は不動産販売原価の計上等により増加し、経常利益は73,490百万円(前期比23,023百万円増)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における郵便局窓口事業の営業収益は1,112,929百万円(前期比38,888百万円増)、営業利益は72,962百万円(前期比23,650百万円増)となりました。
郵便局数
③ 国際物流事業
国際物流事業につきましては、日本郵便の子会社であるToll Holdings Pty Limited(以下「トール社」といいます。)の経営改善の取組を継続しており、豪州事業の収益性向上等の施策を推進するとともに、アジア域内で特に成長が見込まれる国や業種を重視した事業展開を進めるなど、アジアを中心としたビジネスモデルへの転換を進めており、当年度においても引き続き、コスト削減施策の徹底等に取り組んでまいりました。
このような取組を行った結果、当連結会計年度の国際物流事業におきましては、フォワーディング事業の貨物単価下落等による減収により、経常収益は450,023百万円(前期比89,892百万円減※)となったものの、経常費用はフォワーディング事業の減収見合いの費用減のほか、ロジスティクス事業のコスト削減等により減少し、経常利益は1,713百万円(前期は797百万円の経常損失※)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における国際物流事業の営業収益は448,814百万円(前期比90,383百万円減※)、営業利益(EBIT)は9,582百万円(前期比894百万円減※)となりました。
※「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、前連結会計年度の連結財務諸表を組替えております。また、当社グループの報告セグメントの区分として従来「国際物流事業」に含まれていたJPロジスティクスグループ株式会社及びJPロジスティクス株式会社の営む事業を「郵便・物流事業」に変更しております。前期比については、上記組替後の数値により記載しております。
④ 銀行業
ゆうちょ銀行では、中期経営計画(2021年度~2025年度)で策定した5つの重点戦略(「リアルとデジタルの相互補完による新しいリテールビジネスへの変革」、「デジタル技術を活用した業務改革・生産性向上」、「多様な枠組みによる地域への資金循環と地域リレーション機能の強化」、「ストレス耐性を意識した市場運用・リスク管理の深化」、「一層信頼される銀行となるための経営基盤の強化」)に基づき、持続的な企業価値向上に向けた取組を進めてまいりました。
具体的には、「リテールビジネス」、「マーケットビジネス」及び「Σビジネス」というゆうちょ銀行独自の強みを活かした3つの成長エンジンを通じて、各種取組を進めるとともに、コンプライアンス態勢の強化等、これら3つの成長エンジンを支える経営基盤を強化してまいりました。
第1の成長エンジン「リテールビジネス」では、リアルとデジタルの相互補完を通じたお客さま本位のビジネス展開に努めました。
デジタルサービスでは、「すべてのお客さまが利用しやすいデジタルサービスを拡充する」という基本方針のもと、通帳アプリに各種払込みやATMでの入出金機能を追加するなど、さらなる利便性向上を図りました。通帳アプリは2020年2月のリリース以降、順調に利用が拡大しており、登録口座数は2024年2月に1,000万口座を突破し、中期経営計画で掲げた目標を2年前倒しで達成しました。加えて、多様化するお客さまのニーズに応えるため、通帳アプリを通じて広告コンテンツの配信を開始しました。
また、スマートフォン上で口座開設や暗証番号の再登録が行える「ゆうちょ手続きアプリ」をリリースしたほか、ゆうちょ銀行の直営店で口座開設等の各種取引をお客さまご自身で行えるセルフ型営業店端末「Madotab」の機能を追加するなど、デジタル技術の活用を通じ、お客さまの利便性を向上しつつ、窓口業務の効率化を進めました。
資産形成サポートビジネスでは、新しいNISA制度の開始を踏まえ、商品ラインアップの拡充や各種キャンペーンを展開しつつ、ゆうちょ銀行の直営店や全国の郵便局でNISAのご案内を行うなど、お客さまの資産形成ニーズにお応えする取組を進めました。
第2の成長エンジン「マーケットビジネス」では、リスク対比リターンの向上に向けた、国際分散投資等を推進しました。
海外金利の上昇や円安の進行など、市場環境が大きく変動するなか、適切にリスクをコントロールしながら、投資適格領域の外国社債等への投資を中心にリスク性資産残高を拡大しました。リスク性資産のうち、プライベートエクイティファンド等の戦略投資領域については、優良案件への選別的な投資に努め、残高を積み上げました。
また、日本銀行の金融政策修正を受けた国内金利上昇局面を捉え、日本銀行への預け金から日本国債への投資シフトを開始し、円金利資産に係るポートフォリオの再構築を進めました。
一方で、ポートフォリオ運営を支えるモニタリング態勢の充実等、リスク管理の取組も強化し、十分な財務健全性を確保しております。
「Σビジネス」は、全国の中堅・中小企業への資本性資金の供給に加え、ゆうちょ銀行の店舗ネットワーク等の強みを活かし、投資先企業の商品・サービスの紹介・媒介(マーケティング支援)や、新たなビジネスの原石となる投資先候補企業の発掘(ソーシング)を行う、新しい法人ビジネスです。このΣビジネスを、リテールビジネス、マーケットビジネスに続く「第3の成長エンジン」として本格稼働させるべく、2022年10月から2年間をパイロット期間と定め、様々な取組を推進しています。
当連結会計年度において、中堅・中小企業への資本性資金の供給については、観光産業を軸とした街おこしに強みを持つ、株式会社PROSPER及び株式会社Plan・Do・Seeが設立した「PROSPER 日本企業成長支援ファンド」への出資、ゆうちょ銀行子会社のJPインベストメント株式会社を通じて組成された、地域の事業承継投資を行う「JPインベストメント・シグマ地域事業承継1号ファンド」への出資を行いました。マーケティング支援については、株式会社TTデジタル・プラットフォームとの協業により地方自治体向けに「プレミアム付きデジタル商品券」の導入提案、株式会社Rehab for JAPANとの協業により同社が手掛けるオンラインリハビリサービス等に係る地域の介護事業所や自治体等への導入提案を開始しました。ソーシングについては、地域の情報を活用した、新たなビジネス機会創出に向け、事業者情報のデータ収集、蓄積、活用のための専用システム開発を決定しました。
このような取組を行った結果、当連結会計年度の銀行業におきましては、外国為替売買損益の減少によりその他業務収益が減少した一方、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の増加等によりその他経常収益は増加し、経常収益は2,651,686百万円(前期比587,571百万円増)、経常費用は外貨調達コストの増加等により増加したものの、経常利益は496,038百万円(前期比40,501百万円増)となりました。
ゆうちょ銀行における損益の概要などの詳細な状況については、下記「(参考1) 銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況」「(参考2) 自己資本比率の状況」「(参考3) 資産の査定」に記載のとおりであります。
(参考1) 銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況
(a) 損益の概要
当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比3,136億円減少の7,289億円となりました。このうち、資金利益は、外貨調達コストの増加を主因に、前事業年度比695億円の減少となりました。外貨調達コストの増加は、世界的な高インフレを背景とした米欧中央銀行の金融引き締めにより、海外短期金利が上昇し、国内外の金利差が拡大していることによるものです。役務取引等利益は、前事業年度比51億円の増加となりました。その他業務利益は、外国為替売買損益の減少を主因に、前事業年度比2,492億円の減少となりました。
経費は、前事業年度比25億円増加の9,262億円となりました。
業務純益は、前事業年度比3,162億円減少の△1,972億円となりました。
臨時損益は、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の増加等により、前事業年度比3,628億円増加の6,921億円となりました。
経常利益は、前事業年度比465億円増加の4,948億円となりました。
この結果、当期純利益は3,543億円、前事業年度比296億円の増益となりました。
(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております。
(参考) 与信関係費用
(注) 1.金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。
2.金額が損失又は費用には△を付しております。
(b) 国内・国際別の資金利益等
ゆうちょ銀行は、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。
当事業年度は、国内業務部門においては、資金利益は2,446億円、役務取引等利益は1,523億円、その他業務利益は40億円となりました。
国際業務部門においては、資金利益は4,708億円に減少、役務取引等利益は△7億円、その他業務利益は△1,421億円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は7,155億円、役務取引等利益は1,515億円、その他業務利益は△1,381億円となりました。
イ.国内業務部門
ロ.国際業務部門
ハ.合計
(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度10,863百万円、当事業年度16,945百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借に係る利息)等は下表のとおりであります。
(c) 国内・国際別資金運用/調達の状況
当事業年度の資金運用勘定の平均残高は221兆8,598億円、利回りは0.62%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は211兆7,989億円、利回りは0.32%となりました。
国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は212兆2,673億円、利回りは0.12%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は206兆3,798億円、利回りは0.01%となりました。
国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は81兆6,059億円、利回りは1.37%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は77兆4,325億円、利回りは0.84%となりました。
イ.国内業務部門
(注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。
2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,751,073百万円、当事業年度2,340,262百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,751,073百万円、当事業年度2,340,262百万円)及び利息(前事業年度△2,532百万円、当事業年度△7,722百万円)を控除しております。
3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。
4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ハ.合計」においても同様であります。
ロ.国際業務部門
(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,357,381百万円、当事業年度2,926,795百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,357,381百万円、当事業年度2,926,795百万円)及び利息(前事業年度13,396百万円、当事業年度24,667百万円)を控除しております。
ハ.合計
(注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度5,108,455百万円、当事業年度5,267,058百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度5,108,455百万円、当事業年度5,267,058百万円)及び利息(前事業年度10,863百万円、当事業年度16,945百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借の平均残高及び資金貸借に係る利息)は下表のとおりであります。
(d) 役務取引等利益の状況
当事業年度の役務取引等利益は、前事業年度比51億円増加の1,515億円となりました。
(参考) 投資信託・ゆうちょファンドラップの取扱状況
(e) 預金残高の状況
当事業年度末の貯金残高は前事業年度末比2兆1,485億円減少の192兆8,029億円となりました。
○ 預金の種類別残高(末残・構成比)
○ 預金の種類別残高(平残・構成比)
(注) 1.通常貯金等=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は郵政管理・支援機構からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
4.上記の通常貯金、定期性預金は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項 ③ 郵政民営化法 (f) ゆうちょ銀行における預入限度額」に記載の郵政民営化法における預入限度額規制上の区分とは異なります。
(f) 資産運用の状況(末残・構成比)
当事業年度末の運用資産のうち、国債は43.8兆円、その他の証券は86.6兆円となりました。
(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。
(g) 評価損益の状況(末残)
当事業年度末の評価損益(その他目的)は、内外金利の上昇等に伴い、ヘッジ考慮後で、前事業年度末から915億円悪化し、1,224億円(税効果前)となりました。
(注) 「有価証券」には、有価証券のほか、現金預け金中の譲渡性預け金、買入金銭債権を含んでおります。
(h) 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)
(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末157,418百万円、当事業年度末118,384百万円であります。
(参考2) 自己資本比率の状況
ゆうちょ銀行の自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、ゆうちょ銀行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
単体自己資本比率(国内基準)
(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
(参考3) 資産の査定
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、ゆうちょ銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
(a) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
(b) 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
(c) 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
(d) 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(a)から(c)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
⑤ 生命保険業
かんぽ生命保険では、2019年度に判明したかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題を受け、これらの構造的要因等を踏まえた業務改善計画を策定し、計画の実行を経営の最重要課題と位置づけ、再発防止策を講じてきました。2023年12月、監督官庁から、業務改善命令に基づく報告については、以後、提出を要しないこととし、改善状況の進捗については通常の監督・モニタリングにおいて継続的に確認していくこととする旨の通知を受けました。これを受け、今後は当社グループの経営陣がリーダーシップを発揮して、継続的な効果確認と適時適切な見直しを図っていくこととし、当社グループの各関係部署で把握した実態の共有及び必要な見直しの議論を継続的に行う体制を構築しました。
また、お客さまの多様な保障ニーズに対応した保険サービスを提供するため、専門性と幅広さを兼ね備えた新しいかんぽ営業体制を構築し、当社グループ一体での総合的なコンサルティングサービスを提供しております。リテール領域では、2022年度に導入したお客さま担当制の下、コンサルタントや郵便局がお客さま一人ひとりの担当者又は担当局として責任をもち、お客さまに寄り添った質の高い細やかなアフターフォローに取り組んでおります。法人営業領域では、法人営業部門ビジョン「社員一人ひとりがお客さまや地域社会とともに進化することに挑戦し続けます」に基づき、引き続き、メインマーケットである中小企業の経営者に寄り添い、より質の高いサービスをご意向に合わせてご提供することにより、お客さまとの真の信頼関係の構築・拡大に取り組んでおります。
上記の新しいかんぽ営業体制に基づく取組に加えて、「事業基盤の強化」と「お客さま体験価値(CX)の向上」に向けて取り組んでおります。
「事業基盤の強化」については、「保険サービスの充実」、「資産運用の深化・高度化」等に取り組んでおります。「保険サービスの充実」に向けた具体的な取組としては、人生100年時代における、あらゆる世代のお客さまの保障ニーズにお応えするため、2023年4月に、万が一の保障とあわせて教育資金を確実に準備できる学資保険「はじめのかんぽ」について、戻り率※の改善を主な目的として商品改定を実施したことに加えて、2024年1月に、中高年齢層のお客さまの一生涯の死亡保障ニーズの他、自身が亡くなった際の葬儀費用や遺族の生活資金等を速やかに確保しておきたいというニーズにお応えできるよう、一時払終身保険の販売を開始しました。「資産運用の深化・高度化」については、保険金等の確実なお支払いのためALMを基本としつつ、低金利環境下における安定的な利差益の確保を目指し、リスク許容度の範囲で、収益追求資産への投資を継続しております。また、海外金利の上昇と為替に係るヘッジコストの上昇を踏まえて、外国債券の残高を減らしつつ、オルタナティブ投資については、段階的な残高の積み上げを継続しております。これらの資産運用の取組は、統合的リスク管理(ERM)の枠組みのもとで行っており、財務の健全性の確保やリスク対比リターンの向上を図っております。このほか、サステナブル投資については、「Well-being向上」、「地域と社会の発展」、「環境保護への貢献」を重点取組テーマとし、かんぽ生命らしい“あたたかさ”の感じられる投資に取り組んでおります。
「お客さま体験価値(CX)の向上」については、お客さまに「かんぽ生命に入っていてよかった」と感動いただくために、お客さまの利便性向上のための「請求手続きのデジタル化」と「リアルとデジタルを織り交ぜたお客さまへのアフターフォロー」に取り組んでおります。まず、「請求手続きのデジタル化」の具体的な取組として、2023年5月より、ご契約者さま等に向けたWebサービス(マイページ)において、貸付請求を利用できる保険契約の対象範囲を拡大したことに加えて、同年9月にも、ご契約者さまのご家族もご契約内容を閲覧できる機能等を追加しております。次に「リアルとデジタルを織り交ぜたお客さまへのアフターフォロー」の具体的な取組として、2023年5月より、マイページからの請求時に専門スタッフ(カスタマーセンタースタッフ)がチャットでお客さまのご不明点に回答する「リアルタイムサポート」のサポート対象に貸付請求を追加したことに加えて、2024年2月より、各種請求や手続きを実施したお客さま情報等をかんぽ生命保険の本社からそのお客さまを担当するコンサルタントへ適時に連携・通知する取組を、かんぽ生命保険の全ての支店を対象に実施しております。
このような取組を行った結果、当連結会計年度の生命保険業におきましては、保有契約は減少したものの、2024年1月から一時払終身保険の販売を開始したこと等による保険料等収入の増加等により、経常収益は6,744,227百万円(前期比364,665百万円増)となりました。また、新型コロナウイルス感染症に係る保険金支払の減少により基礎利益が増加したことに加え、当該保険金支払の減少等により危険準備金の繰入額は増加したもののキャピタル損益の大幅な改善により、経常利益は160,915百万円(前期比43,022百万円増)となりました。
※ 戻り率とは、払い込みいただく保険料総額に対する、受け取れる学資金の割合のことです。
かんぽ生命保険における保険引受及び資産運用の状況などの詳細な状況については、下記「(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況」に記載のとおりであります。
(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況
(下表(a)イ.~ニ.の個人保険及び個人年金保険には、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(a) 保険引受及び資産運用の状況
イ.保有契約高明細表
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
ロ.新契約高明細表
(注) 1.件数は、新契約件数に転換後契約件数を加えた数値であります。なお、転換後契約とは、既契約の転換によって成立した契約であります。
2.個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
ハ.保有契約年換算保険料明細表
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
ニ.新契約年換算保険料明細表
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
3.新契約年換算保険料は、新契約に係る年換算保険料に、既契約の転換による転換前後の年換算保険料の純増加分を加えた数値であります。
(参考)かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(a) 保有契約高
(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。
(b) 保有契約年換算保険料
(注) かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記ハ.に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、かんぽ生命保険が算出した金額であります。
ホ.一般勘定資産の構成
(注)1.機構貸付とは、郵政管理・支援機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。
2.不動産については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
ヘ.一般勘定資産の資産別運用利回り
(注)1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。
3.海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。
(b) 基礎利益
基礎利益は、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であります。
かんぽ生命保険の当事業年度における基礎利益は、2,240億円となりました。
(経常利益等の明細(基礎利益))
(参考) その他項目の内訳
(単位:百万円)
(c) かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率
生命保険会社は将来の保険金等の支払いに備えて責任準備金を積み立てており、通常予測できる範囲のリスクについては責任準備金の範囲内で対応できます。
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つであります。
この比率が200%を下回った場合は、当局によって早期是正措置がとられます。逆にこの比率が200%以上であれば、健全性の一つの基準を満たしていることになります。
当連結会計年度末におけるかんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,023.2%と高い健全性を維持しております。
(注) 保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
(d) かんぽ生命保険のEV
イ.EVの概要
ⅰ EVについて
エンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。この価値は、修正純資産及び保有契約価値で構成されるものであります。
修正純資産は株主に帰属すると考えられる純資産(時価)であり、必要資本とフリー・サープラスで構成されるものであります。
保有契約価値は、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益の評価日時点の現在価値であり、必要資本を維持するための費用等を控除したものであります。
生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。
ⅱ EEVについて
EVの開示に関する一貫性と透明性の改善を図る目的で、2004年5月にヨーロッパの主要保険会社のCFO(最高財務責任者)の集まりである、CFOフォーラムが、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(以下「EEV」といいます。)原則及び指針(ガイダンス)を制定いたしました。
2016年5月には、CFOフォーラムによってEEV原則の改正が公表され、EVに2016年1月から施行された欧州ソルベンシーⅡ等の計算で用いた計算手法及び前提の使用が許容されるようになりました。
ⅲ EEVの計算手法
今回のEEVの計算には、市場整合的手法を用いております。この手法は、資産又は負債から発生するキャッシュ・フローを市場で取引されている金融商品と整合的に評価するものであります。
ロ.簡易生命保険契約について
かんぽ生命保険は、郵政民営化法に基づき、2007年10月1日に発足しました。また、2007年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、郵政管理・支援機構に承継されるとともに、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてについて、かんぽ生命保険が受再しております。
かんぽ生命保険は、郵政管理・支援機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及び郵政管理・支援機構が簡易生命保険契約に対して既に約款で約束している確定配当所要額と再保険損益(確定配当所要額及び法人税等を除いたこの区分における利益)の8割の合計額を、郵政管理・支援機構へ再保険配当として支払うことを定めております。EEVの計算においては、この郵政管理・支援機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。
このように郵政管理・支援機構への再保険配当の原資に、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益が含まれることから、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金は修正純資産には含めておらず、将来において戻入する前提で保有契約価値に含めて計算しております。
ハ.EEVの計算結果
かんぽ生命保険のEEVは以下のとおりであります。
ⅰ 修正純資産
修正純資産は、資産の市場価値のうち、契約者に対する負債及びその他の負債の価値を超過する部分であり、株主に帰属すると考えられる価値であります。株主配当及び国内金利上昇に伴う国内債券の含み損益の減少を主な理由として、当事業年度末における修正純資産は前事業年度末から減少しております。修正純資産の内訳は以下のとおりであります。
(注) 1.計算対象に子会社を含めているため、かんぽ生命保険の連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有するかんぽ生命保険の株式の帳簿価額を加えております。
2.簡易生命保険契約に係る部分を除いております。
3.保険契約に係らない有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
当事業年度末の修正純資産を計算する際に除いた保険契約に係る部分は以下のとおりであります。
(注) 1.かんぽ生命保険の連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有するかんぽ生命保険の株式の帳簿価額を加えております。
2.保険契約に係る部分(②)は、簡易生命保険契約に係る部分を計上しております。「ロ.簡易生命保険契約について」をご参照ください。
3.有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
ⅱ 保有契約価値
保有契約価値は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。「ニ.前事業年度末EEVからの変動要因」に記載のとおり、前提条件(経済前提)と実績の差異を主な理由として、当事業年度末における保有契約価値は前事業年度末から増加しております。保有契約価値の内訳は以下のとおりであります。
将来利益の計算において保険契約に係る資産は簿価評価しております。また、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金が将来において戻入する前提で、その戻入による利益を含めて計算しております。「ロ.簡易生命保険契約について」をご参照ください。
ⅲ 新契約価値
新契約価値は、当期間に獲得した新契約(更新特則による加入契約を含む。条件付解約による加入契約及び転換契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値を表したものであります。
当事業年度の新契約価値は前事業年度から増加しております。新契約価値の内訳は以下のとおりであります。
なお、新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(注) 将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レートで割り引いております。
ニ.前事業年度末EEVからの変動要因
ⅰ 前事業年度末EEVの調整
かんぽ生命保険は当事業年度において356億円の株主配当金を支払っており、修正純資産がその分減少しております。
ⅱ 当事業年度新契約価値
新契約価値は、当事業年度に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。
ⅲ 期待収益(リスク・フリー・レート分)
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク・フリー・レートで割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。これには、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用のうち当事業年度分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産からリスク・フリー・レート(△0.115%)分に相当する収益が発生しております。
ⅳ 期待収益(超過収益分)
EEVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。
ⅴ 保有契約価値からの移管
当事業年度に実現が期待されていた利益が、保有契約価値から修正純資産に移管されます。これには、前事業年度末の保有契約から期待される当事業年度の利益と、当事業年度に獲得した新契約からの、契約獲得に係る費用を含めた当事業年度の損益が含まれております。
これらは保有契約価値から修正純資産への振替えであり、EEVの金額には影響しません。
ⅵ 前提条件(非経済前提)と実績の差異
前事業年度末の保有契約価値の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、当事業年度の実績の差額であります。
ⅶ 前提条件(非経済前提)の変更
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、翌事業年度以降の収支が変化することによる影響であります。
ⅷ 前提条件(経済前提)と実績の差異
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、前事業年度末EEV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、当事業年度の実績及び翌事業年度以降の見積りの変更を含んでおります。主に国内株価上昇による保有国内株式の含み益の増加により、EEVは2,762億円増加しました。
ホ.感応度(センシティビティ)
前提条件を変更した場合のEEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
感応度1から4について、修正純資産の増減額は以下のとおりであります。また、感応度5から11については、保有契約価値のみの増減額となります。
(注) 参考値として、保有契約に係る資産の含み損益も加えた増減額(税引後に換算)を示しております。なお、EEVの計算にあたって、保険契約に係る部分の資産の含み損益については、修正純資産ではなく、保有契約価値の計算に含めて評価しております。
新契約価値の感応度
ⅰ 感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇
(ⅰ)リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。金利の変動により時価が変動する債券・貸付金等を再評価するとともに、将来の運用利回りや割引率を変動させて保有契約価値を再計算しております。
(ⅱ)リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
ⅱ 感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下
(ⅰ)リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。なお、50bp低下によりリスク・フリー・レートが0%を下回る場合は0%としております。ただし、50bp低下前のリスク・フリー・レートが0%を下回る場合はその値をそのまま使用しております。
(ⅱ)リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
ⅲ 感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし)
(ⅰ)リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。なお、感応度2と異なり、リスク・フリー・レートの正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。
(ⅱ)リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
ⅳ 感応度4:株式・不動産価値10%下落
株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。
ⅴ 感応度5:事業費率(維持費)10%減少
事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。
ⅵ 感応度6:解約失効率10%減少
解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ⅶ 感応度7:保険事故発生率(死亡保険)5%低下
死亡保険について、保険事故発生率(死亡率・罹患率)が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ⅷ 感応度8:保険事故発生率(年金保険)5%低下
年金保険について、保険事故発生率が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ⅸ 感応度9:必要資本を法定最低水準に変更
必要資本を法定最低水準(ソルベンシー・マージン比率200%水準)に変更した場合の影響を表しております。
ⅹ 感応度10:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、株式オプションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
ⅺ 感応度11:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、金利スワップションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
ヘ.注意事項
EEVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。
これらの理由により、本EEV開示は、EEV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。
ト.その他の特記事項
かんぽ生命保険では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、EEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
⑥ その他
各報告セグメントにおける事業のほか、グループシェアード事業 については、業務集約による効率化効果が大きいと考えられる業務をグループ横断的に集約し、一括してBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)やDXを行い、効率化・生産性向上を図る取組を進めております。2023年2月には当社の子会社である日本郵政コーポレートサービス株式会社が日本郵便から共通事務集約センターの業務の一部を受託し、その後も2024年2月に日本郵便から会計センターの業務を受託するなど対象業務を順次拡大しているところです。
病院事業については、地域医療機関との連携や救急患者の受入の強化等による増収対策、業務の効率化等による経費削減等、病院の経営改善を進めているところであります。今後も引き続き上記増収対策や経費削減等の経営改善に取り組みます。
投資事業については、当社の子会社である日本郵政キャピタル株式会社において、当社グループの新規事業の種の探索や既存事業とのシナジーの創出のため、ネットワーク、ブランド力等を活用して成長が期待できる企業への出資(当連結会計年度10件約56億円(2022年度11社総額40億円、設立(2017年11月)からの累計約80社総額約391億円))を行い、出資先企業と当社グループとの連携を進めました。また、2024年3月には日本郵政キャピタル株式会社において「日本郵政キャピタル1号投資事業有限責任組合」を組成しました。今後も、投資先の価値や将来の成長性を見極めながら、出資等に取り組みます。
不動産事業については、当社の子会社である日本郵政不動産株式会社において、「五反田JPビルディング(2023年12月竣工)」や「JPタワー大阪(2024年3月竣工)」等の開発計画の推進、グループ外不動産の取得等、不動産投資(当連結会計年度529.7億円)を行うとともに、「ホテルメルパルク」の賃貸・管理事業を行いました※。また、建物管理・運営を担う同社の子会社であるJPビルマネジメント株式会社においては、「五反田JPビルディング」及び「JPタワー大阪」の建物管理等を新たに受託しております。今後も、建築資材調達費の高騰等の不動産関連市場の動向等を引き続き注視し、不動産事業を慎重に進めてまいります。
※「ホテルメルパルク」は、2023年12月末に横浜、大阪の2か所について営業を終了したため、2024年3月31日現在、営業している施設は、名古屋、広島、熊本の3か所であります。
(3) キャッシュ・フローの状況及び分析・検討
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は当期首から10,677,466百万円減少し、59,504,011百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動においては、銀行業における資金の運用や調達、生命保険業における保険料の収入や保険金の支払等の結果、2,359,045百万円の支出(前期比5,795,174百万円の支出減)となりました。
主な要因として、責任準備金の減少3,005,427百万円があげられます。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動においては、銀行業及び生命保険業における有価証券の売却、償還による収入等及び有価証券の取得による支出等の結果、7,718,612百万円の支出(前期は9,352,146百万円の収入)となりました。
主な要因として、有価証券の取得による支出44,988,211百万円や有価証券の償還による収入28,411,241百万円、有価証券の売却による収入7,868,266百万円があげられます。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動においては、自己株式の取得等の結果、606,258百万円の支出(前期は552,634百万円の収入)となりました。
主な要因として、自己株式の取得による支出299,999百万円、配当金の支払による減少255,684百万円があげられます。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
中期経営計画において実現を目指すこととしている、成長ステージへの「転換」に向けた取組の中で、グループの成長に資する投資として、物流分野の能力増強投資や、賃貸事業等への不動産投資等を計画しております。
上記の他に、当社グループ・グループ各社の企業価値向上に資する幅広い分野での資本提携やM&Aも実施いたします。なお、それらの実行にあたっては、投資判断基準等に照らして慎重に検討し、適切と判断したものを実施することとしております。
また、株主還元については、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の一つとして位置づけ、経営成績に応じた株主への利益還元を継続して安定的に行うことを基本方針としており、中期経営計画においては、引き続き1株当たり年間配当を安定的に実施することとしております。加えて、相当規模の自己株式取得の継続により、更なる株主還元の充実と資本効率の向上を図ります。
それらの財源は、営業活動で得られたキャッシュ・フローのほか、金融2社株式を売却した場合の売却手取金及び銀行借入・社債発行等による有利子負債調達を想定しております。また、当社及び一部の連結子会社においてキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を一元管理することで、資金効率の向上を図っております。なお、当社は株式会社日本格付研究所(JCR)から格付を取得しており、当連結会計年度末現在における長期発行体格付はAA+(安定的)となっております。
資本コストに関しては、ゆうちょ銀行株式の持分割合減少により低下したROEを回復させ、早期に株主資本コストを上回るROEを達成し、中長期的に更なる向上を目指します。
なお、現在予定している設備の新設計画としては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備等の新設等」の記載をご参照ください。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。
当社グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に以下の重要な会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。
① 金融商品の時価評価
当社グループの有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、公表された相場価格に基づいて算定しておりますが、公表された相場価格がない場合には合理的な見積りに基づいて算定された価額によっております。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積額は変動する可能性があります。
金融商品の時価の算定方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)に、金融商品のうち有価証券の時価評価に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 有価証券の減損
当社グループの金銭の信託で運用する有価証券を含め売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価又は実質価額が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。株式市場の悪化等、将来の金融市場の状況によっては、多額の減損損失を計上する可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、原則として内部管理上独立した業績報告が行われる単位を基礎として、資産のグルーピングを行っております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。なお、資産グループの回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い価額としております。正味売却価額は第三者により合理的に算定された評価額等により、使用価値は将来キャッシュ・フローに基づき合理的に算定しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件が変更された場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
④ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積っております。
当連結会計年度における保険子会社の新契約実績は増加しているものの、中期経営計画において想定していた水準まで達しておりませんが、当該課税所得の見積りにおいては、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。なお、保険子会社において計上した繰延税金資産の回収可能性については、当該経営計画を基礎とした前提の下、複数のストレスシナリオを考慮して判断しております。
以上のとおり、繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社グループを取り巻く経営環境に大きな変化があった場合等、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
⑤ 責任準備金の積立方法
当社グループは、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。
責任準備金の計算に使用される予定死亡率、予定利率及び予定事業費率などの基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。
なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑥ 退職給付債務及び退職給付費用
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率など将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。
このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)に、退職給付債務の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(5) 連結自己資本比率の状況
銀行持株会社としての当社の連結自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
(6) 目標とする経営指標の達成状況
当社グループにおいては、主要な経営目標として1株当たり当期純利益を採用しており、2024年3月期においては当初業績予想69.37円に対し1株当たり当期純利益80.26円となりました。2024年3月期の経営成績の状況及び分析・検討については、上記「(2) 経営成績の状況及び分析・検討」に示しております。
(7) 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、銀行業及び生命保険業を中心とした広範囲な事業を営んでおり、生産、受注といった区分による表示が困難であることから、「生産、受注及び販売の状況」については、上記「(2) 経営成績の状況及び分析・検討」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の状況及び分析・検討
当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。
資産の部合計は、前連結会計年度末比2,595,497百万円増※の298,689,150百万円となりました。
主な要因は、銀行業等における有価証券11,974,024百万円の増、銀行業及び生命保険業等におけるその他資産1,058,830百万円の増、銀行業等における貸出金919,507百万円の増の一方、現金預け金10,735,704百万円の減、銀行業におけるコールローン450,000百万円の減、銀行業及び生命保険業における買現先勘定383,402百万円の減によるものであります。
負債の部合計は、前連結会計年度末比1,953,134百万円増※の282,950,619百万円となりました。
主な要因は、銀行業及び生命保険業における売現先勘定5,890,316百万円の増、銀行業における債券賃借取引受入担保金431,926百万円の増、銀行業等における借用金362,130百万円の増の一方、生命保険業における責任準備金3,005,427百万円の減、銀行業における貯金1,547,818百万円の減、銀行業における退職給付信託の設定等による退職給付に係る負債158,477百万円の減によるものであります。
純資産の部合計は、前連結会計年度末比642,362百万円増※の15,738,530百万円となりました。
主な要因は、銀行業及び生命保険業等におけるその他有価証券評価差額金698,496百万円の増、非支配株主持分452,185百万円の増の一方、銀行業等における繰延ヘッジ損益398,083百万円の減、自己株式99,923百万円の減によるものであります。
各事業セグメント別の資産の状況は以下のとおりであります。
① 郵便・物流事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比144,348百万円減※の1,958,795百万円となりました。
主な要因は、無形固定資産が21,868百万円増加した一方、現金預け金が153,537百万円、有形固定資産が24,995百万円減少したことによるものであります。
② 郵便局窓口事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比21,328百万円減※の2,563,772百万円となりました。
主な要因は、その他資産が35,693百万円増加した一方、現金預け金が48,628百万円、有形固定資産が10,542百万円減少したことによるものであります。
③ 国際物流事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比22,395百万円増※の374,938百万円となりました。
主な要因は、有価証券が8,301百万円、現金預け金が2,378百万円減少した一方、有形固定資産が20,234百万円、その他資産が11,128百万円増加したことによるものであります。
④ 銀行業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比4,325,856百万円増の233,906,263百万円となりました。
主な要因は、有価証券が13,689,219百万円、貸出金が1,244,026百万円増加した一方、現金預け金が10,498,827百万円減少したことによるものであります。
⑤ 生命保険業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比1,831,488百万円減の60,855,899百万円となりました。
主な要因は、金銭の信託が1,499,094百万円増加した一方、有価証券が2,147,681百万円、買現先勘定が337,571百万円、貸出金が324,518百万円減少したことによるものであります。
※「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、前連結会計年度の連結財務諸表を組替えております。また、当社グループの報告セグメントの区分として従来「国際物流事業」に含まれていたJPロジスティクスグループ株式会社及びJPロジスティクス株式会社の営む事業を「郵便・物流事業」に変更しております。前期末比については、上記組替後の数値により記載しております。
(2) 経営成績の状況及び分析・検討
当連結会計年度、当社グループは、2021年5月に発表した中期経営計画「JP ビジョン2025」(2021年度~2025年度)で掲げたお客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現を目指し、ユニバーサルサービスを含むコアビジネスの充実強化に加え、DXの推進、不動産事業の拡大や、新規ビジネス等の推進に取り組んでまいりました。
2023年6月には、ヤマトグループとの協業について基本合意を行い、ヤマト運輸株式会社と日本郵便の経営資源を有効活用することで、顧客の利便性向上に資する輸送サービスの構築と事業成長を図るとともに、物流業界のいわゆる「2024年問題」や環境問題など、物流業界が抱える社会課題の解決を目指すため、協業の第一弾として、2023年10月から「クロネコゆうパケット」の取扱いを開始し、第二弾として、2024年2月から「クロネコゆうメール」の取扱いを開始しました。
グループ一体でのDXの推進については、2023年10月には、初期リリースとして郵便局のサービスのうち利用頻度の高い「送る」「受け取る」の機能を中心としたグループプラットフォームアプリ「郵便局アプリ」のサービス提供を開始しました。
また、かんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題を受け、グループガバナンス及びコンプライアンスの強化並びに営業推進態勢の見直し等の再発防止策を講じ、適切な業務運営への取組に努めてまいりました。
なお、2024年3月末より、アフラック・インコーポレーテッドに対して持分法を適用することとし、2024年度から同社の利益の一部を当社グループの連結業績に反映いたします。
加えて、昨今の事業環境の急激な変化等を踏まえ、「成長ステージへの転換」に向け、「JP ビジョン2025」における今後の戦略の見直しを行うとともに、2025年度の主要目標等も見直し、その結果を2024年5月に「JP ビジョン2025+」として策定しております。
当社におきましては、持株会社として、当社グループの企業価値向上を目指し、グループ各社の収益拡大や経営効率化等を着実に推進するとともに、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保、郵便局ネットワークの維持・活用による安定的なサービスの提供等という目的が達成できるよう、グループ運営に取り組みました。
また、グループ各社のコンプライアンス・プログラムの策定・推進の状況、各社の内部監査態勢・監査状況の把握に努めたほか、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託するとともに、病院事業の経営改善に取り組みました。
さらに、グループ各社が提供するサービスの公益性・公共性の確保や、持続可能な社会の実現・未来の創造に貢献するため、サステナビリティ経営の推進に関する取組や災害復興支援に、グループ全体で取り組んでおります。
2024年1月に発生した令和6年能登半島地震では、郵便局舎に被害があったほか、被災地域における郵便局窓口の営業休止、郵便物の配達停止やゆうパックの引受停止等の影響がありました。日本郵便において作成した復旧マスタープランに基づいて順次業務を再開しており、引き続き業務の正常化を目指してまいります。
このような取組を行った結果、当連結会計年度における連結経常収益は11,982,152百万円(前期比843,581百万円増※)、連結経常利益は668,316百万円(前期比10,653百万円増※)、連結経常利益に、特別損益や契約者配当準備金繰入額等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、268,685百万円(前期比162,359百万円減※)となりました。
※「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、前連結会計年度の連結財務諸表の組替えを行っており、増減については組替後の数値により記載しております。
各事業セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
① 郵便・物流事業
郵便・物流事業につきましては、差出・受取利便性の向上等、お客さまのニーズに応える商品・サービスの提供や楽天グループ株式会社及び佐川急便株式会社をはじめとする他企業との連携強化等、荷物分野の収益拡大に取り組んでまいりました。また、当年度にヤマトグループとの協業を開始し、同グループがお預かりした小型薄物荷物及びメール便を、日本郵便の配送網でお届けする取組を開始しております。さらに、デジタル技術を活用した業務効率化、業務量に応じたコストコントロールの取組の深化等を通じ、生産性の向上に努めてまいりました。
また、物流業界において物価や人件費等の上昇により費用負担が増していることを踏まえ、将来にわたって、安定的かつ高品質の物流サービスを展開するため、2023年10月にゆうパック基本運賃などの改定を実施しました。
上記の取組を推進してきたところではありますが、消費行動のリアル回帰やインフレ等による家計消費の弱まり等の影響で荷物に関する需要が伸び悩みました。
郵便事業においても、デジタル化の進展等に伴う郵便物数の減少傾向の継続に加え、物流業界同様、物価や人件費等の上昇等の影響により営業費用が増加し、厳しい状況が継続しました。
その結果、当年度の総取扱物数は、郵便物が135億7,769万通(前期比6.0%減)、ゆうパックが10億966万個(前期比3.0%増)、ゆうメールが28億7,348万個(前期比7.7%減)となりました。
このような取組を行った結果、当連結会計年度の郵便・物流事業におきましては、ゆうパックはゆうパケットの取扱数量が増加した一方、郵便、ゆうメール及び年賀はがきの減少等により経常収益は1,980,509百万円(前期比79,889百万円減※)、経常費用は引き続きコストコントロールの取組等を進めているものの、人件費や集配運送委託費の増加により増加し、経常損失は64,969百万円(前期は35,454百万円の経常利益※)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における郵便・物流事業の営業収益は1,975,570百万円(前期比80,866百万円減※)、営業損失は68,623百万円(前期は33,007百万円の営業利益※)となりました。
※「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、前連結会計年度の連結財務諸表を組替えております。また、当社グループの報告セグメントの区分として従来「国際物流事業」に含まれていたJPロジスティクスグループ株式会社及びJPロジスティクス株式会社の営む事業を「郵便・物流事業」に変更しております。前期比については、上記組替後の数値により記載しております。
引受郵便物等の状況
区分 | 前事業年度 | 当事業年度 | |||
物数(千通・千個) | 対前期比(%) | 物数(千通・千個) | 対前期比(%) | ||
総数 | 18,538,319 | △3.4 | 17,460,836 | △5.8 | |
郵便物 | 14,445,101 | △2.8 | 13,577,689 | △6.0 | |
内国 | 14,423,155 | △2.8 | 13,554,657 | △6.0 | |
普通 | 13,870,967 | △3.2 | 13,029,436 | △6.1 | |
第一種 | 7,532,007 | △1.9 | 7,084,854 | △5.9 | |
第二種 | 4,936,378 | △2.2 | 4,776,053 | △3.2 | |
第三種 | 163,434 | △5.8 | 152,020 | △7.0 | |
第四種 | 15,261 | △8.3 | 13,301 | △12.8 | |
年賀 | 1,170,803 | △14.4 | 970,486 | △17.1 | |
選挙 | 53,084 | 12.3 | 32,721 | △38.4 | |
特殊 | 552,188 | 9.7 | 525,220 | △4.9 | |
国際(差立) | 21,946 | △11.3 | 23,032 | 5.0 | |
通常 | 11,877 | △10.9 | 13,141 | 10.6 | |
小包 | 2,062 | △27.6 | 2,294 | 11.3 | |
国際スピード郵便 | 8,007 | △6.6 | 7,598 | △5.1 | |
荷物 | 4,093,218 | △5.6 | 3,883,147 | △5.1 | |
ゆうパック (含 ゆうパケット) | 980,317 | △0.8 | 1,009,665 | 3.0 | |
(再掲)ゆうパケット | 425,943 | 1.4 | 462,644 | 8.6 | |
ゆうメール | 3,112,902 | △7.0 | 2,873,482 | △7.7 |
(注) 1.第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物の概要/特徴は、以下のとおりであります。
種類 | 概要/特徴 |
第一種郵便物 | お客さまがよく利用される「手紙」(封書)のことであります。一定の重量及び大きさの定形郵便物とそれ以外の定形外郵便物に分かれます。また、郵便書簡(ミニレター)、特定封筒(レターパックライト)及び小型特定封筒(スマートレター)も含んでおります。 |
第二種郵便物 | お客さまがよく利用される「はがき」のことであります。通常はがき及び往復はがきの2種類があります。年賀郵便物の取扱期間(12月15日~1月7日)以外に差し出された年賀はがきを含んでおります。 |
第三種郵便物 | 新聞、雑誌など年4回以上定期的に発行する刊行物で、日本郵便の承認を受けたものを内容とするものであります。 |
第四種郵便物 | 公共の福祉の増進を目的として、郵便料金を低料又は無料としているものであります。通信教育用郵便物、点字郵便物、特定録音物等郵便物、植物種子等郵便物、学術刊行物郵便物があります。 |
2.年賀は、年賀郵便物(年賀特別郵便(取扱期間12月15日~12月28日)及び12月29日~1月7日に差し出された年賀はがきで消印を省略したもの)の物数であります。
3.選挙は、公職選挙法に基づき、公職の候補者又は候補者届出政党から選挙運動のために差し出された通常はがきの物数であります。別掲で示しております。
4.特殊は、速達、書留、特定記録、本人限定受取等の特殊取扱(オプションサービス)を行った郵便物の物数の合計であります。交付記録郵便物用特定封筒(レターパックプラス)及び電子郵便(レタックス、Webゆうびん、e内容証明)を含んでおります。
5.ゆうパックは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。
6.ゆうパケットは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。小型の荷物をお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。
7.ゆうメールは、一般貨物法制の規制を受けて行っている1kgまでの荷物の愛称であります。主に冊子とした印刷物やCD・DVDなどをお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。
② 郵便局窓口事業
郵便局窓口事業につきましては、2019年度に判明したかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題を受け、これらの構造的要因等を踏まえた業務改善計画を策定し、計画の実行を経営の最重要課題と位置づけ、再発防止策を講じてきました。2023年12月、監督官庁から、業務改善命令に基づく報告については、以後、提出を要しないこととし、改善状況の進捗については通常の監督・モニタリングにおいて継続的に確認していくこととする旨の通知を受けました。これを受け、今後は当社グループの経営陣がリーダーシップを発揮して、継続的な効果確認と適時適切な見直しを図っていくこととし、当社グループの各関係部署で把握した実態の共有及び必要な見直しの議論を継続的に行う体制を構築しました。なお、再発防止に向けた施策の浸透・定着のための取組を継続しつつ、2024年1月から満70歳以上のお客さまへの勧奨を再開しました。また、同月より一時払終身保険の販売を開始し、「お客さま本位の営業活動」を徹底しつつ、お客さまのニーズにあわせたご提案活動を行うことにより、ご利用の拡大に取り組んでまいりました。
このほか、地方公共団体事務受託の推進や地域金融機関との連携等により、地域やお客さまのニーズに応じた多種多様な商品・サービスの展開を進めてきたほか、窓口業務運営のデジタル化を推進し、生産性の向上に努めてまいりました。
また、不動産事業については、引き続き、JPタワー(商業施設名:KITTE)をはじめとする事務所、商業施設、住宅、保育施設等の賃貸事業を行ってきたほか、当年度、新たにJPタワー大阪や麻布台ヒルズ森JPタワーが竣工し、住宅の分譲や商業施設の開業等、事業の強化・拡充に取り組んでまいりました。
不動産事業における主なプロジェクトの概要は以下のとおりであります。
名称 | 土地面積 (千㎡) | 延床面積 (千㎡) | 簿価 (百万円) | 持分シェア | ||
土地等 | 建物他 | |||||
JPタワー | 約11 | 約212 | 281,775 | 227,783 | 53,991 | 共同事業 メジャーシェア |
JPタワー大阪 | 約12 | 約227 | 91,224 | 17,534 | 73,689 | 共同事業 メジャーシェア |
JPタワー名古屋 | 約12 | 約180 | 37,562 | 10,945 | 26,616 | 共同事業 メジャーシェア |
KITTE博多 | 約5 | 約64 | 18,752 | 7,385 | 11,366 | 単独事業 |
大宮JPビルディング | 約6 | 約45 | 9,354 | 3,903 | 5,451 | 単独事業 |
広島JPビルディング | 約4 | 約44 | 18,900 | 3,244 | 15,656 | 単独事業 |
麻布台ヒルズ森JPタワー | 約24 | 約461 | 144,304 | 65,347 | 78,956 | 共同事業 マイナーシェア |
(注) 2024年3月31日時点
このような取組を行った結果、当連結会計年度の郵便局窓口事業におきましては、不動産販売収入の計上に伴う不動産事業収益の増収により、経常収益は1,113,912百万円(前期比38,149百万円増)、経常費用は不動産販売原価の計上等により増加し、経常利益は73,490百万円(前期比23,023百万円増)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における郵便局窓口事業の営業収益は1,112,929百万円(前期比38,888百万円増)、営業利益は72,962百万円(前期比23,650百万円増)となりました。
郵便局数
支社名 | 営業中の郵便局(局) | |||||||
前事業年度末 | 当事業年度末 | |||||||
直営の郵便局 | 簡易 郵便局 | 計 | 直営の郵便局 | 簡易 郵便局 | 計 | |||
郵便局 | 分室 | 郵便局 | 分室 | |||||
北海道 | 1,206 | 1 | 252 | 1,459 | 1,204 | 1 | 241 | 1,446 |
東北 | 1,898 | 0 | 560 | 2,458 | 1,898 | 0 | 547 | 2,445 |
関東 | 2,395 | 0 | 152 | 2,547 | 2,393 | 0 | 154 | 2,547 |
東京 | 1,471 | 0 | 5 | 1,476 | 1,466 | 0 | 5 | 1,471 |
南関東 | 950 | 0 | 70 | 1,020 | 951 | 0 | 70 | 1,021 |
信越 | 975 | 0 | 307 | 1,282 | 972 | 0 | 297 | 1,269 |
北陸 | 666 | 0 | 156 | 822 | 640 | 0 | 140 | 780 |
東海 | 2,049 | 1 | 277 | 2,327 | 2,049 | 1 | 273 | 2,323 |
近畿 | 3,090 | 4 | 312 | 3,406 | 3,092 | 4 | 305 | 3,401 |
中国 | 1,749 | 1 | 426 | 2,176 | 1,748 | 1 | 411 | 2,160 |
四国 | 930 | 0 | 193 | 1,123 | 928 | 0 | 189 | 1,117 |
九州 | 2,496 | 0 | 857 | 3,353 | 2,497 | 0 | 837 | 3,334 |
沖縄 | 174 | 0 | 22 | 196 | 176 | 0 | 22 | 198 |
全国計 | 20,049 | 7 | 3,589 | 23,645 | 20,014 | 7 | 3,491 | 23,512 |
③ 国際物流事業
国際物流事業につきましては、日本郵便の子会社であるToll Holdings Pty Limited(以下「トール社」といいます。)の経営改善の取組を継続しており、豪州事業の収益性向上等の施策を推進するとともに、アジア域内で特に成長が見込まれる国や業種を重視した事業展開を進めるなど、アジアを中心としたビジネスモデルへの転換を進めており、当年度においても引き続き、コスト削減施策の徹底等に取り組んでまいりました。
このような取組を行った結果、当連結会計年度の国際物流事業におきましては、フォワーディング事業の貨物単価下落等による減収により、経常収益は450,023百万円(前期比89,892百万円減※)となったものの、経常費用はフォワーディング事業の減収見合いの費用減のほか、ロジスティクス事業のコスト削減等により減少し、経常利益は1,713百万円(前期は797百万円の経常損失※)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における国際物流事業の営業収益は448,814百万円(前期比90,383百万円減※)、営業利益(EBIT)は9,582百万円(前期比894百万円減※)となりました。
※「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおり、前連結会計年度の連結財務諸表を組替えております。また、当社グループの報告セグメントの区分として従来「国際物流事業」に含まれていたJPロジスティクスグループ株式会社及びJPロジスティクス株式会社の営む事業を「郵便・物流事業」に変更しております。前期比については、上記組替後の数値により記載しております。
④ 銀行業
ゆうちょ銀行では、中期経営計画(2021年度~2025年度)で策定した5つの重点戦略(「リアルとデジタルの相互補完による新しいリテールビジネスへの変革」、「デジタル技術を活用した業務改革・生産性向上」、「多様な枠組みによる地域への資金循環と地域リレーション機能の強化」、「ストレス耐性を意識した市場運用・リスク管理の深化」、「一層信頼される銀行となるための経営基盤の強化」)に基づき、持続的な企業価値向上に向けた取組を進めてまいりました。
具体的には、「リテールビジネス」、「マーケットビジネス」及び「Σビジネス」というゆうちょ銀行独自の強みを活かした3つの成長エンジンを通じて、各種取組を進めるとともに、コンプライアンス態勢の強化等、これら3つの成長エンジンを支える経営基盤を強化してまいりました。
第1の成長エンジン「リテールビジネス」では、リアルとデジタルの相互補完を通じたお客さま本位のビジネス展開に努めました。
デジタルサービスでは、「すべてのお客さまが利用しやすいデジタルサービスを拡充する」という基本方針のもと、通帳アプリに各種払込みやATMでの入出金機能を追加するなど、さらなる利便性向上を図りました。通帳アプリは2020年2月のリリース以降、順調に利用が拡大しており、登録口座数は2024年2月に1,000万口座を突破し、中期経営計画で掲げた目標を2年前倒しで達成しました。加えて、多様化するお客さまのニーズに応えるため、通帳アプリを通じて広告コンテンツの配信を開始しました。
また、スマートフォン上で口座開設や暗証番号の再登録が行える「ゆうちょ手続きアプリ」をリリースしたほか、ゆうちょ銀行の直営店で口座開設等の各種取引をお客さまご自身で行えるセルフ型営業店端末「Madotab」の機能を追加するなど、デジタル技術の活用を通じ、お客さまの利便性を向上しつつ、窓口業務の効率化を進めました。
資産形成サポートビジネスでは、新しいNISA制度の開始を踏まえ、商品ラインアップの拡充や各種キャンペーンを展開しつつ、ゆうちょ銀行の直営店や全国の郵便局でNISAのご案内を行うなど、お客さまの資産形成ニーズにお応えする取組を進めました。
第2の成長エンジン「マーケットビジネス」では、リスク対比リターンの向上に向けた、国際分散投資等を推進しました。
海外金利の上昇や円安の進行など、市場環境が大きく変動するなか、適切にリスクをコントロールしながら、投資適格領域の外国社債等への投資を中心にリスク性資産残高を拡大しました。リスク性資産のうち、プライベートエクイティファンド等の戦略投資領域については、優良案件への選別的な投資に努め、残高を積み上げました。
また、日本銀行の金融政策修正を受けた国内金利上昇局面を捉え、日本銀行への預け金から日本国債への投資シフトを開始し、円金利資産に係るポートフォリオの再構築を進めました。
一方で、ポートフォリオ運営を支えるモニタリング態勢の充実等、リスク管理の取組も強化し、十分な財務健全性を確保しております。
「Σビジネス」は、全国の中堅・中小企業への資本性資金の供給に加え、ゆうちょ銀行の店舗ネットワーク等の強みを活かし、投資先企業の商品・サービスの紹介・媒介(マーケティング支援)や、新たなビジネスの原石となる投資先候補企業の発掘(ソーシング)を行う、新しい法人ビジネスです。このΣビジネスを、リテールビジネス、マーケットビジネスに続く「第3の成長エンジン」として本格稼働させるべく、2022年10月から2年間をパイロット期間と定め、様々な取組を推進しています。
当連結会計年度において、中堅・中小企業への資本性資金の供給については、観光産業を軸とした街おこしに強みを持つ、株式会社PROSPER及び株式会社Plan・Do・Seeが設立した「PROSPER 日本企業成長支援ファンド」への出資、ゆうちょ銀行子会社のJPインベストメント株式会社を通じて組成された、地域の事業承継投資を行う「JPインベストメント・シグマ地域事業承継1号ファンド」への出資を行いました。マーケティング支援については、株式会社TTデジタル・プラットフォームとの協業により地方自治体向けに「プレミアム付きデジタル商品券」の導入提案、株式会社Rehab for JAPANとの協業により同社が手掛けるオンラインリハビリサービス等に係る地域の介護事業所や自治体等への導入提案を開始しました。ソーシングについては、地域の情報を活用した、新たなビジネス機会創出に向け、事業者情報のデータ収集、蓄積、活用のための専用システム開発を決定しました。
このような取組を行った結果、当連結会計年度の銀行業におきましては、外国為替売買損益の減少によりその他業務収益が減少した一方、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の増加等によりその他経常収益は増加し、経常収益は2,651,686百万円(前期比587,571百万円増)、経常費用は外貨調達コストの増加等により増加したものの、経常利益は496,038百万円(前期比40,501百万円増)となりました。
ゆうちょ銀行における損益の概要などの詳細な状況については、下記「(参考1) 銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況」「(参考2) 自己資本比率の状況」「(参考3) 資産の査定」に記載のとおりであります。
(参考1) 銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況
(a) 損益の概要
当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比3,136億円減少の7,289億円となりました。このうち、資金利益は、外貨調達コストの増加を主因に、前事業年度比695億円の減少となりました。外貨調達コストの増加は、世界的な高インフレを背景とした米欧中央銀行の金融引き締めにより、海外短期金利が上昇し、国内外の金利差が拡大していることによるものです。役務取引等利益は、前事業年度比51億円の増加となりました。その他業務利益は、外国為替売買損益の減少を主因に、前事業年度比2,492億円の減少となりました。
経費は、前事業年度比25億円増加の9,262億円となりました。
業務純益は、前事業年度比3,162億円減少の△1,972億円となりました。
臨時損益は、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の増加等により、前事業年度比3,628億円増加の6,921億円となりました。
経常利益は、前事業年度比465億円増加の4,948億円となりました。
この結果、当期純利益は3,543億円、前事業年度比296億円の増益となりました。
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
業務粗利益 | 1,042,610 | 728,933 | △313,676 |
資金利益 | 785,114 | 715,544 | △69,570 |
役務取引等利益 | 146,354 | 151,529 | 5,175 |
その他業務利益 | 111,140 | △138,140 | △249,280 |
うち外国為替売買損益 | 199,045 | △120,470 | △319,516 |
うち国債等債券損益 | △88,083 | △15,676 | 72,406 |
経費(除く臨時処理分) | △923,664 | △926,221 | △2,556 |
人件費 | △115,285 | △112,680 | 2,605 |
物件費 | △772,942 | △778,688 | △5,746 |
税金 | △35,436 | △34,852 | 584 |
業務純益(一般貸倒引当金繰入前) | 118,945 | △197,287 | △316,233 |
一般貸倒引当金繰入額 | - | △9 | △9 |
業務純益 | 118,945 | △197,296 | △316,242 |
臨時損益 | 329,297 | 692,116 | 362,819 |
うち株式等関係損益 | 74,993 | △288,298 | △363,291 |
うち金銭の信託運用損益 | 246,820 | 996,850 | 750,030 |
経常利益 | 448,242 | 494,819 | 46,576 |
特別損益 | △1,188 | △1,903 | △715 |
固定資産処分損益 | △312 | △1,692 | △1,379 |
減損損失 | △875 | △210 | 664 |
税引前当期純利益 | 447,054 | 492,916 | 45,861 |
法人税、住民税及び事業税 | △145,782 | △144,901 | 880 |
法人税等調整額 | 23,334 | 6,288 | △17,045 |
法人税等合計 | △122,447 | △138,612 | △16,165 |
当期純利益 | 324,607 | 354,303 | 29,696 |
(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております。
(参考) 与信関係費用
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
与信関係費用 | 12 | △7 | △19 |
一般貸倒引当金繰入額 | 12 | △7 | △19 |
貸出金償却 | - | - | - |
個別貸倒引当金繰入額 | - | - | - |
償却債権取立益 | - | - | - |
(注) 1.金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。
2.金額が損失又は費用には△を付しております。
(b) 国内・国際別の資金利益等
ゆうちょ銀行は、海外店や海外に本店を有する子会社(以下「海外子会社」)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。
当事業年度は、国内業務部門においては、資金利益は2,446億円、役務取引等利益は1,523億円、その他業務利益は40億円となりました。
国際業務部門においては、資金利益は4,708億円に減少、役務取引等利益は△7億円、その他業務利益は△1,421億円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は7,155億円、役務取引等利益は1,515億円、その他業務利益は△1,381億円となりました。
イ.国内業務部門
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
資金利益 | 276,171 | 244,663 | △31,508 |
資金運用収益 | 307,787 | 272,051 | △35,736 |
うち国債利息 | 235,493 | 190,288 | △45,204 |
資金調達費用 | 31,615 | 27,387 | △4,228 |
役務取引等利益 | 146,904 | 152,303 | 5,398 |
役務取引等収益 | 174,503 | 180,757 | 6,254 |
役務取引等費用 | 27,598 | 28,454 | 856 |
その他業務利益 | △18,109 | 4,008 | 22,118 |
その他業務収益 | 54,455 | 5,194 | △49,260 |
その他業務費用 | 72,564 | 1,185 | △71,379 |
ロ.国際業務部門
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
資金利益 | 508,942 | 470,880 | △38,062 |
資金運用収益 | 925,669 | 1,123,504 | 197,835 |
うち外国証券利息 | 917,648 | 1,113,437 | 195,788 |
資金調達費用 | 416,726 | 652,624 | 235,897 |
役務取引等利益 | △550 | △773 | △223 |
役務取引等収益 | 331 | 326 | △4 |
役務取引等費用 | 881 | 1,100 | 218 |
その他業務利益 | 129,250 | △142,148 | △271,399 |
その他業務収益 | 236,472 | 13 | △236,458 |
その他業務費用 | 107,221 | 142,162 | 34,940 |
ハ.合計
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
資金利益 | 785,114 | 715,544 | △69,570 |
資金運用収益 | 1,232,408 | 1,396,938 | 164,529 |
資金調達費用 | 447,294 | 681,394 | 234,100 |
役務取引等利益 | 146,354 | 151,529 | 5,175 |
役務取引等収益 | 174,834 | 181,084 | 6,249 |
役務取引等費用 | 28,480 | 29,554 | 1,074 |
その他業務利益 | 111,140 | △138,140 | △249,280 |
その他業務収益 | 290,927 | 4,833 | △286,093 |
その他業務費用 | 179,786 | 142,974 | △36,812 |
(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度10,863百万円、当事業年度16,945百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借に係る利息)等は下表のとおりであります。
前事業年度 (百万円) | 当事業年度 (百万円) | |
国内業務部門・資金運用収益 | 1,047 | △1,382 |
国際業務部門・資金調達費用 | 1,047 | △1,382 |
国内業務部門・その他業務収益 | - | 374 |
国際業務部門・その他業務費用 | - | 374 |
(c) 国内・国際別資金運用/調達の状況
当事業年度の資金運用勘定の平均残高は221兆8,598億円、利回りは0.62%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は211兆7,989億円、利回りは0.32%となりました。
国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は212兆2,673億円、利回りは0.12%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は206兆3,798億円、利回りは0.01%となりました。
国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は81兆6,059億円、利回りは1.37%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は77兆4,325億円、利回りは0.84%となりました。
イ.国内業務部門
種類 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | ||||
平均残高 | 利息 | 利回り | 平均残高 | 利息 | 利回り | 利回り | |
(百万円) | (百万円) | (%) (A) | (百万円) | (百万円) | (%) (B) | (%) (B)-(A) | |
資金運用勘定 | 210,210,806 | 307,787 | 0.14 | 212,267,371 | 272,051 | 0.12 | △0.01 |
うち貸出金 | 5,179,919 | 9,589 | 0.18 | 5,884,730 | 9,516 | 0.16 | △0.02 |
うち有価証券 | 63,733,361 | 272,085 | 0.42 | 60,455,794 | 230,430 | 0.38 | △0.04 |
うち預け金等 | 63,294,696 | 27,549 | 0.04 | 62,868,714 | 34,730 | 0.05 | 0.01 |
資金調達勘定 | 204,217,396 | 31,615 | 0.01 | 206,379,881 | 27,387 | 0.01 | △0.00 |
うち貯金 | 194,561,694 | 12,963 | 0.00 | 194,808,662 | 10,487 | 0.00 | △0.00 |
うち債券貸借取引受入担保金 | 5,142 | 5 | 0.09 | 24,978 | 25 | 0.10 | 0.00 |
(注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。
2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,751,073百万円、当事業年度2,340,262百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,751,073百万円、当事業年度2,340,262百万円)及び利息(前事業年度△2,532百万円、当事業年度△7,722百万円)を控除しております。
3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。
4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ハ.合計」においても同様であります。
ロ.国際業務部門
種類 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | ||||
平均残高 | 利息 | 利回り | 平均残高 | 利息 | 利回り | 利回り | |
(百万円) | (百万円) | (%) (A) | (百万円) | (百万円) | (%) (B) | (%) (B)-(A) | |
資金運用勘定 | 76,608,908 | 925,669 | 1.20 | 81,605,987 | 1,123,504 | 1.37 | 0.16 |
うち貸出金 | 30,250 | 161 | 0.53 | 28,463 | 159 | 0.56 | 0.02 |
うち有価証券 | 76,363,251 | 917,648 | 1.20 | 81,379,103 | 1,113,437 | 1.36 | 0.16 |
うち預け金等 | - | - | - | - | - | - | - |
資金調達勘定 | 73,333,363 | 416,726 | 0.56 | 77,432,518 | 652,624 | 0.84 | 0.27 |
うち債券貸借取引受入担保金 | 1,786,878 | 52,173 | 2.91 | 2,230,406 | 125,179 | 5.61 | 2.69 |
(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,357,381百万円、当事業年度2,926,795百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,357,381百万円、当事業年度2,926,795百万円)及び利息(前事業年度13,396百万円、当事業年度24,667百万円)を控除しております。
ハ.合計
種類 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | ||||
平均残高 | 利息 | 利回り | 平均残高 | 利息 | 利回り | 利回り | |
(百万円) | (百万円) | (%) (A) | (百万円) | (百万円) | (%) (B) | (%) (B)-(A) | |
資金運用勘定 | 219,606,759 | 1,232,408 | 0.56 | 221,859,893 | 1,396,938 | 0.62 | 0.06 |
うち貸出金 | 5,210,170 | 9,750 | 0.18 | 5,913,193 | 9,676 | 0.16 | △0.02 |
うち有価証券 | 140,096,612 | 1,189,734 | 0.84 | 141,834,897 | 1,343,868 | 0.94 | 0.09 |
うち預け金等 | 63,294,696 | 27,549 | 0.04 | 62,868,714 | 34,730 | 0.05 | 0.01 |
資金調達勘定 | 210,337,804 | 447,294 | 0.21 | 211,798,933 | 681,394 | 0.32 | 0.10 |
うち貯金 | 194,561,694 | 12,963 | 0.00 | 194,808,662 | 10,487 | 0.00 | △0.00 |
うち債券貸借取引受入担保金 | 1,792,020 | 52,179 | 2.91 | 2,255,384 | 125,204 | 5.55 | 2.63 |
(注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度5,108,455百万円、当事業年度5,267,058百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度5,108,455百万円、当事業年度5,267,058百万円)及び利息(前事業年度10,863百万円、当事業年度16,945百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借の平均残高及び資金貸借に係る利息)は下表のとおりであります。
前事業年度 | 当事業年度 | |||
平均残高 (百万円) | 利息 (百万円) | 平均残高 (百万円) | 利息 (百万円) | |
国内業務部門・資金運用勘定 | 67,212,955 | 1,047 | 72,013,466 | △1,382 |
国際業務部門・資金調達勘定 | 67,212,955 | 1,047 | 72,013,466 | △1,382 |
(d) 役務取引等利益の状況
当事業年度の役務取引等利益は、前事業年度比51億円増加の1,515億円となりました。
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
役務取引等利益 | 146,354 | 151,529 | 5,175 |
為替・決済関連手数料 | 91,121 | 89,217 | △1,904 |
ATM関連手数料 | 32,890 | 37,322 | 4,431 |
投資信託関連手数料 | 11,892 | 12,215 | 323 |
その他 | 10,449 | 12,774 | 2,324 |
(参考) 投資信託・ゆうちょファンドラップの取扱状況
前事業年度 (百万円)(A) | 当事業年度 (百万円)(B) | 増減(百万円) (B)-(A) | |
販売金額 | 247,341 | 435,771 | 188,430 |
残高 | 2,405,123 | 2,766,336 | 361,212 |
(e) 預金残高の状況
当事業年度末の貯金残高は前事業年度末比2兆1,485億円減少の192兆8,029億円となりました。
○ 預金の種類別残高(末残・構成比)
種類 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | ||
金額(百万円) (A) | 構成比(%) | 金額(百万円) (B) | 構成比(%) | 金額(百万円) (B)-(A) | |
預金合計 | 194,951,503 | 100.00 | 192,802,939 | 100.00 | △2,148,563 |
流動性預金 | 119,611,343 | 61.35 | 124,314,467 | 64.47 | 4,703,124 |
振替貯金 | 12,710,600 | 6.51 | 12,694,358 | 6.58 | △16,241 |
通常貯金等 | 106,132,120 | 54.44 | 110,801,852 | 57.46 | 4,669,731 |
貯蓄貯金 | 768,622 | 0.39 | 818,257 | 0.42 | 49,634 |
定期性預金 | 75,217,326 | 38.58 | 68,379,585 | 35.46 | △6,837,740 |
定期貯金 | 3,307,143 | 1.69 | 3,581,797 | 1.85 | 274,653 |
定額貯金 | 71,910,183 | 36.88 | 64,797,788 | 33.60 | △7,112,394 |
その他の預金 | 122,833 | 0.06 | 108,885 | 0.05 | △13,947 |
譲渡性預金 | - | - | - | - | - |
総合計 | 194,951,503 | 100.00 | 192,802,939 | 100.00 | △2,148,563 |
○ 預金の種類別残高(平残・構成比)
種類 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | ||
金額(百万円) (A) | 構成比(%) | 金額(百万円) (B) | 構成比(%) | 金額(百万円) (B)-(A) | |
預金合計 | 194,561,694 | 100.00 | 194,808,662 | 100.00 | 246,968 |
流動性預金 | 116,105,780 | 59.67 | 122,762,765 | 63.01 | 6,656,985 |
振替貯金 | 11,263,216 | 5.78 | 12,868,212 | 6.60 | 1,604,995 |
通常貯金等 | 104,110,687 | 53.51 | 109,099,526 | 56.00 | 4,988,839 |
貯蓄貯金 | 731,876 | 0.37 | 795,026 | 0.40 | 63,150 |
定期性預金 | 78,238,475 | 40.21 | 71,824,090 | 36.86 | △6,414,385 |
定期貯金 | 3,869,594 | 1.98 | 3,215,891 | 1.65 | △653,702 |
定額貯金 | 74,368,881 | 38.22 | 68,608,198 | 35.21 | △5,760,682 |
その他の預金 | 217,438 | 0.11 | 221,806 | 0.11 | 4,368 |
譲渡性預金 | - | - | - | - | - |
総合計 | 194,561,694 | 100.00 | 194,808,662 | 100.00 | 246,968 |
(注) 1.通常貯金等=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は郵政管理・支援機構からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
4.上記の通常貯金、定期性預金は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項 ③ 郵政民営化法 (f) ゆうちょ銀行における預入限度額」に記載の郵政民営化法における預入限度額規制上の区分とは異なります。
(f) 資産運用の状況(末残・構成比)
当事業年度末の運用資産のうち、国債は43.8兆円、その他の証券は86.6兆円となりました。
種類 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | ||
金額(百万円) (A) | 構成比(%) | 金額(百万円) (B) | 構成比(%) | 金額(百万円) (B)-(A) | |
預け金等 | 68,283,567 | 30.16 | 57,872,310 | 25.04 | △10,411,256 |
コールローン | 2,460,000 | 1.08 | 2,010,000 | 0.86 | △450,000 |
買現先勘定 | 9,788,452 | 4.32 | 9,742,621 | 4.21 | △45,830 |
債券貸借取引支払保証金 | 250,241 | 0.11 | - | - | △250,241 |
金銭の信託 | 6,564,738 | 2.89 | 6,163,585 | 2.66 | △401,152 |
うち国内株式 | 1,857,660 | 0.82 | 1,127,552 | 0.48 | △730,108 |
うち国内債券 | 1,270,609 | 0.56 | 1,210,849 | 0.52 | △59,759 |
有価証券 | 132,769,420 | 58.64 | 146,459,322 | 63.38 | 13,689,902 |
国債 | 38,114,711 | 16.83 | 43,862,083 | 18.98 | 5,747,371 |
地方債 | 5,640,868 | 2.49 | 5,634,828 | 2.43 | △6,039 |
短期社債 | 1,400,895 | 0.61 | 891,924 | 0.38 | △508,971 |
社債 | 9,233,579 | 4.07 | 9,443,422 | 4.08 | 209,843 |
株式 | 22,078 | 0.00 | 22,177 | 0.00 | 99 |
その他の証券 | 78,357,286 | 34.61 | 86,604,885 | 37.48 | 8,247,599 |
うち外国債券 | 26,139,010 | 11.54 | 29,326,788 | 12.69 | 3,187,778 |
うち投資信託 | 52,110,200 | 23.01 | 57,156,052 | 24.73 | 5,045,851 |
貸出金 | 5,604,366 | 2.47 | 6,848,393 | 2.96 | 1,244,026 |
その他 | 659,674 | 0.29 | 1,961,809 | 0.84 | 1,302,135 |
合計 | 226,380,460 | 100.00 | 231,058,043 | 100.00 | 4,677,583 |
(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。
(g) 評価損益の状況(末残)
当事業年度末の評価損益(その他目的)は、内外金利の上昇等に伴い、ヘッジ考慮後で、前事業年度末から915億円悪化し、1,224億円(税効果前)となりました。
前事業年度(A) | 当事業年度(B) | 増減(B)-(A) | |||||
貸借対照表 計上額 /想定元本 | 評価損益 /ネット繰延 損益 | 貸借対照表 計上額 /想定元本 | 評価損益 /ネット繰延 損益 | 貸借対照表 計上額 /想定元本 | 評価損益 /ネット繰延 損益 | ||
(百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | ||
その他目的 | 112,766,018 | 1,117,315 | 115,528,082 | 1,947,527 | 2,762,064 | 830,211 | |
有価証券 | ① | 106,201,280 | 1,216,159 | 109,364,497 | 3,458,961 | 3,163,217 | 2,242,802 |
国債 | 23,072,127 | △423,816 | 23,312,956 | △881,501 | 240,828 | △457,684 | |
外国債券 | 22,365,282 | 1,476,129 | 22,408,537 | 3,393,049 | 43,254 | 1,916,920 | |
投資信託 | 52,110,200 | 184,011 | 57,156,052 | 988,130 | 5,045,851 | 804,118 | |
その他 | 8,653,668 | △20,165 | 6,486,951 | △40,717 | △2,166,717 | △20,552 | |
時価ヘッジ効果額 | ② | ― | △1,306,052 | ― | △2,256,228 | ― | △950,176 |
金銭の信託 | ③ | 6,564,738 | 1,207,209 | 6,163,585 | 744,794 | △401,152 | △462,414 |
国内株式 | 1,857,660 | 1,104,910 | 1,127,552 | 732,729 | △730,108 | △372,181 | |
その他 | 4,707,077 | 102,299 | 5,036,033 | 12,065 | 328,955 | △90,233 | |
デリバティブ取引 (繰延ヘッジ適用分) | ④ | 18,078,012 | △903,304 | 17,353,097 | △1,825,051 | △724,915 | △921,747 |
評価損益合計 ①+②+③+④ | ― | 214,011 | ― | 122,475 | ― | △91,536 |
(注) 「有価証券」には、有価証券のほか、現金預け金中の譲渡性預け金、買入金銭債権を含んでおります。
前事業年度(A) | 当事業年度(B) | 増減(B)-(A) | ||||
貸借対照表 計上額 | 評価損益 | 貸借対照表 計上額 | 評価損益 | 貸借対照表 計上額 | 評価損益 | |
(百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | (百万円) | |
満期保有目的の債券 | 27,053,673 | △305,320 | 37,540,157 | △509,890 | 10,486,483 | △204,570 |
(h) 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)
業種別 | 前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | ||
金額(百万円) (A) | 構成比(%) | 金額(百万円) (B) | 構成比(%) | 金額(百万円) (B)-(A) | |
国内(除く特別国際金融取引勘定分) | 5,571,866 | 100.00 | 6,828,393 | 100.00 | 1,256,526 |
農業、林業、漁業、鉱業 | - | - | - | - | - |
製造業 | 114,676 | 2.05 | 144,420 | 2.11 | 29,744 |
電気・ガス等、情報通信業、運輸業 | 98,563 | 1.76 | 79,832 | 1.16 | △18,731 |
卸売業、小売業 | 38,585 | 0.69 | 54,001 | 0.79 | 15,416 |
金融・保険業 | 477,763 | 8.57 | 415,182 | 6.08 | △62,581 |
建設業、不動産業 | 113,654 | 2.03 | 121,101 | 1.77 | 7,446 |
各種サービス業、物品賃貸業 | 74,825 | 1.34 | 72,422 | 1.06 | △2,402 |
国、地方公共団体 | 4,573,378 | 82.07 | 5,868,195 | 85.93 | 1,294,817 |
その他 | 80,419 | 1.44 | 73,236 | 1.07 | △7,182 |
国際及び特別国際金融取引勘定分 | 32,500 | 100.00 | 20,000 | 100.00 | △12,500 |
政府等 | - | - | - | - | - |
その他 | 32,500 | 100.00 | 20,000 | 100.00 | △12,500 |
合計 | 5,604,366 | ― | 6,848,393 | ― | 1,244,026 |
(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末157,418百万円、当事業年度末118,384百万円であります。
(参考2) 自己資本比率の状況
ゆうちょ銀行の自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、ゆうちょ銀行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%) | |
2024年3月31日 | |
1.連結自己資本比率(2/3) | 15.01 |
2.連結における自己資本の額 | 93,259 |
3.リスク・アセット等の額 | 621,190 |
4.連結総所要自己資本額 | 24,847 |
(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%) | |
2024年3月31日 | |
1.単体自己資本比率(2/3) | 15.00 |
2.単体における自己資本の額 | 93,217 |
3.リスク・アセット等の額 | 621,041 |
4.単体総所要自己資本額 | 24,841 |
(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
(参考3) 資産の査定
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、ゆうちょ銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
(a) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
(b) 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
(c) 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
(d) 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(a)から(c)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
債権の区分 | 2023年3月31日 | 2024年3月31日 |
金額(億円) | 金額(億円) | |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | - | - |
危険債権 | 0 | 0 |
要管理債権 | - | - |
正常債権 | 57,318 | 70,326 |
⑤ 生命保険業
かんぽ生命保険では、2019年度に判明したかんぽ生命保険商品の募集品質に係る問題を受け、これらの構造的要因等を踏まえた業務改善計画を策定し、計画の実行を経営の最重要課題と位置づけ、再発防止策を講じてきました。2023年12月、監督官庁から、業務改善命令に基づく報告については、以後、提出を要しないこととし、改善状況の進捗については通常の監督・モニタリングにおいて継続的に確認していくこととする旨の通知を受けました。これを受け、今後は当社グループの経営陣がリーダーシップを発揮して、継続的な効果確認と適時適切な見直しを図っていくこととし、当社グループの各関係部署で把握した実態の共有及び必要な見直しの議論を継続的に行う体制を構築しました。
また、お客さまの多様な保障ニーズに対応した保険サービスを提供するため、専門性と幅広さを兼ね備えた新しいかんぽ営業体制を構築し、当社グループ一体での総合的なコンサルティングサービスを提供しております。リテール領域では、2022年度に導入したお客さま担当制の下、コンサルタントや郵便局がお客さま一人ひとりの担当者又は担当局として責任をもち、お客さまに寄り添った質の高い細やかなアフターフォローに取り組んでおります。法人営業領域では、法人営業部門ビジョン「社員一人ひとりがお客さまや地域社会とともに進化することに挑戦し続けます」に基づき、引き続き、メインマーケットである中小企業の経営者に寄り添い、より質の高いサービスをご意向に合わせてご提供することにより、お客さまとの真の信頼関係の構築・拡大に取り組んでおります。
上記の新しいかんぽ営業体制に基づく取組に加えて、「事業基盤の強化」と「お客さま体験価値(CX)の向上」に向けて取り組んでおります。
「事業基盤の強化」については、「保険サービスの充実」、「資産運用の深化・高度化」等に取り組んでおります。「保険サービスの充実」に向けた具体的な取組としては、人生100年時代における、あらゆる世代のお客さまの保障ニーズにお応えするため、2023年4月に、万が一の保障とあわせて教育資金を確実に準備できる学資保険「はじめのかんぽ」について、戻り率※の改善を主な目的として商品改定を実施したことに加えて、2024年1月に、中高年齢層のお客さまの一生涯の死亡保障ニーズの他、自身が亡くなった際の葬儀費用や遺族の生活資金等を速やかに確保しておきたいというニーズにお応えできるよう、一時払終身保険の販売を開始しました。「資産運用の深化・高度化」については、保険金等の確実なお支払いのためALMを基本としつつ、低金利環境下における安定的な利差益の確保を目指し、リスク許容度の範囲で、収益追求資産への投資を継続しております。また、海外金利の上昇と為替に係るヘッジコストの上昇を踏まえて、外国債券の残高を減らしつつ、オルタナティブ投資については、段階的な残高の積み上げを継続しております。これらの資産運用の取組は、統合的リスク管理(ERM)の枠組みのもとで行っており、財務の健全性の確保やリスク対比リターンの向上を図っております。このほか、サステナブル投資については、「Well-being向上」、「地域と社会の発展」、「環境保護への貢献」を重点取組テーマとし、かんぽ生命らしい“あたたかさ”の感じられる投資に取り組んでおります。
「お客さま体験価値(CX)の向上」については、お客さまに「かんぽ生命に入っていてよかった」と感動いただくために、お客さまの利便性向上のための「請求手続きのデジタル化」と「リアルとデジタルを織り交ぜたお客さまへのアフターフォロー」に取り組んでおります。まず、「請求手続きのデジタル化」の具体的な取組として、2023年5月より、ご契約者さま等に向けたWebサービス(マイページ)において、貸付請求を利用できる保険契約の対象範囲を拡大したことに加えて、同年9月にも、ご契約者さまのご家族もご契約内容を閲覧できる機能等を追加しております。次に「リアルとデジタルを織り交ぜたお客さまへのアフターフォロー」の具体的な取組として、2023年5月より、マイページからの請求時に専門スタッフ(カスタマーセンタースタッフ)がチャットでお客さまのご不明点に回答する「リアルタイムサポート」のサポート対象に貸付請求を追加したことに加えて、2024年2月より、各種請求や手続きを実施したお客さま情報等をかんぽ生命保険の本社からそのお客さまを担当するコンサルタントへ適時に連携・通知する取組を、かんぽ生命保険の全ての支店を対象に実施しております。
このような取組を行った結果、当連結会計年度の生命保険業におきましては、保有契約は減少したものの、2024年1月から一時払終身保険の販売を開始したこと等による保険料等収入の増加等により、経常収益は6,744,227百万円(前期比364,665百万円増)となりました。また、新型コロナウイルス感染症に係る保険金支払の減少により基礎利益が増加したことに加え、当該保険金支払の減少等により危険準備金の繰入額は増加したもののキャピタル損益の大幅な改善により、経常利益は160,915百万円(前期比43,022百万円増)となりました。
※ 戻り率とは、払い込みいただく保険料総額に対する、受け取れる学資金の割合のことです。
かんぽ生命保険における保険引受及び資産運用の状況などの詳細な状況については、下記「(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況」に記載のとおりであります。
(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況
(下表(a)イ.~ニ.の個人保険及び個人年金保険には、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(a) 保険引受及び資産運用の状況
イ.保有契約高明細表
(単位:千件、百万円) | ||||
区分 | 前事業年度末 | 当事業年度末 | ||
件数 | 金額 | 件数 | 金額 | |
個人保険 | 13,722 | 38,950,900 | 13,095 | 36,698,079 |
個人年金保険 | 686 | 972,944 | 540 | 754,563 |
(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
ロ.新契約高明細表
(単位:千件、百万円) | ||||||||
区分 | 前事業年度 | 当事業年度 | ||||||
件数 | 金額 | 新契約 | 転換による 純増加 | 件数 | 金額 | 新契約 | 転換による 純増加 | |
個人保険 | 314 | 836,677 | 836,665 | 12 | 628 | 1,557,845 | 1,557,837 | 8 |
個人年金保険 | 0 | 557 | 557 | - | 0 | 2,011 | 2,011 | - |
(注) 1.件数は、新契約件数に転換後契約件数を加えた数値であります。なお、転換後契約とは、既契約の転換によって成立した契約であります。
2.個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
ハ.保有契約年換算保険料明細表
(単位:百万円) | |||
区分 | 前事業年度末 | 当事業年度末 | |
個人保険 | 2,353,983 | 2,200,282 | |
個人年金保険 | 244,689 | 193,670 | |
合計 | 2,598,672 | 2,393,952 | |
うち医療保障・ 生前給付保障等 | 322,178 | 308,878 |
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
ニ.新契約年換算保険料明細表
(単位:百万円) | |||
区分 | 前事業年度 | 当事業年度 | |
個人保険 | 65,888 | 116,830 | |
個人年金保険 | 47 | 169 | |
合計 | 65,936 | 116,999 | |
うち医療保障・ 生前給付保障等 | 6,439 | 10,392 |
(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
3.新契約年換算保険料は、新契約に係る年換算保険料に、既契約の転換による転換前後の年換算保険料の純増加分を加えた数値であります。
(参考)かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(a) 保有契約高
(単位:千件、百万円) | ||||
区分 | 前事業年度末 | 当事業年度末 | ||
件数 | 保険金額・年金額 | 件数 | 保険金額・年金額 | |
保険 | 7,265 | 19,212,527 | 6,605 | 17,487,699 |
年金保険 | 1,240 | 407,337 | 1,169 | 380,861 |
(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。
(b) 保有契約年換算保険料
(単位:百万円) | |||
区分 | 前事業年度末 | 当事業年度末 | |
保険 | 863,712 | 787,046 | |
年金保険 | 408,686 | 385,688 | |
合計 | 1,272,398 | 1,172,735 | |
うち医療保障・ 生前給付保障等 | 270,889 | 255,788 |
(注) かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記ハ.に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、かんぽ生命保険が算出した金額であります。
ホ.一般勘定資産の構成
区分 | 前事業年度末 | 当事業年度末 | ||||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |||
現預金・コールローン | 1,468,483 | 2.3 | 1,192,730 | 2.0 | ||
買現先勘定 | 1,384,764 | 2.2 | 1,047,192 | 1.7 | ||
債券貸借取引支払保証金 | - | - | - | - | ||
買入金銭債権 | 47,345 | 0.1 | 25,392 | 0.0 | ||
商品有価証券 | - | - | - | - | ||
金銭の信託 | 4,772,321 | 7.6 | 6,271,415 | 10.3 | ||
有価証券 | 49,842,478 | 79.5 | 47,694,597 | 78.4 | ||
公社債 | 44,743,706 | 71.4 | 42,791,946 | 70.3 | ||
株式 | 410,088 | 0.7 | 558,536 | 0.9 | ||
外国証券 | 2,949,260 | 4.7 | 2,168,841 | 3.6 | ||
公社債 | 2,787,121 | 4.4 | 1,974,510 | 3.2 | ||
株式等 | 162,139 | 0.3 | 194,331 | 0.3 | ||
その他の証券 | 1,739,423 | 2.8 | 2,175,272 | 3.6 | ||
貸付金 | 3,605,832 | 5.8 | 3,281,313 | 5.4 | ||
保険約款貸付 | 140,355 | 0.2 | 149,707 | 0.2 | ||
一般貸付 | 916,374 | 1.5 | 849,174 | 1.4 | ||
機構貸付 | 2,549,102 | 4.1 | 2,282,432 | 3.8 | ||
不動産 | 78,727 | 0.1 | 121,642 | 0.2 | ||
うち投資用不動産 | - | - | - | - | ||
繰延税金資産 | 1,028,662 | 1.6 | 636,524 | 1.0 | ||
その他 | 456,994 | 0.7 | 586,628 | 1.0 | ||
貸倒引当金 | △379 | △0.0 | △346 | △0.0 | ||
合計 | 62,685,230 | 100.0 | 60,857,090 | 100.0 | ||
うち外貨建資産 | 4,343,334 | 6.9 | 4,084,392 | 6.7 |
(注)1.機構貸付とは、郵政管理・支援機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。
2.不動産については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
ヘ.一般勘定資産の資産別運用利回り
(単位:%) | |||
区分 | 前事業年度 | 当事業年度 | |
現預金・コールローン | 0.00 | 0.00 | |
買現先勘定 | - | - | |
債券貸借取引支払保証金 | - | - | |
買入金銭債権 | 0.71 | 0.96 | |
商品有価証券 | - | - | |
金銭の信託 | 4.44 | 5.17 | |
有価証券 | 1.33 | 1.40 | |
うち公社債 | 1.49 | 1.46 | |
うち株式 | 6.68 | 6.53 | |
うち外国証券 | △0.68 | 0.21 | |
貸付金 | 1.81 | 1.78 | |
うち一般貸付 | 1.06 | 1.06 | |
不動産 | - | - | |
一般勘定計 | 1.43 | 1.54 | |
うち海外投融資 | 0.29 | 1.88 |
(注)1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。
3.海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。
(b) 基礎利益
基礎利益は、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であります。
かんぽ生命保険の当事業年度における基礎利益は、2,240億円となりました。
(経常利益等の明細(基礎利益))
(単位:百万円) | |||
項目 | 前事業年度 | 当事業年度 | |
基礎利益 | (A) | 192,346 | 224,005 |
キャピタル収益 | 287,199 | 427,662 | |
金銭の信託運用益 | 150,378 | 181,439 | |
売買目的有価証券運用益 | - | - | |
有価証券売却益 | 50,567 | 151,153 | |
金融派生商品収益 | - | - | |
為替差益 | 6,814 | 13,579 | |
その他キャピタル収益 | 79,438 | 81,491 | |
キャピタル費用 | 351,009 | 417,565 | |
金銭の信託運用損 | - | - | |
売買目的有価証券運用損 | - | - | |
有価証券売却損 | 177,296 | 177,704 | |
有価証券評価損 | 306 | 71 | |
金融派生商品費用 | 60,588 | 95,835 | |
為替差損 | - | - | |
その他キャピタル費用 | 112,817 | 143,953 | |
キャピタル損益 | (B) | △63,810 | 10,097 |
キャピタル損益含み基礎利益 | (A)+(B) | 128,535 | 234,103 |
臨時収益 | - | - | |
再保険収入 | - | - | |
危険準備金戻入額 | - | - | |
個別貸倒引当金戻入額 | - | - | |
その他臨時収益 | - | - | |
臨時費用 | 10,883 | 71,521 | |
再保険料 | - | - | |
危険準備金繰入額 | 10,883 | 23,457 | |
個別貸倒引当金繰入額 | - | - | |
特定海外債権引当勘定繰入額 | - | - | |
貸付金償却 | - | - | |
その他臨時費用 | - | 48,063 | |
臨時損益 | (C) | △10,883 | △71,521 |
経常利益 | (A)+(B)+(C) | 117,652 | 162,581 |
(参考) その他項目の内訳
(単位:百万円)
項目 | 前事業年度 | 当事業年度 |
基礎利益への影響額 | 33,378 | 110,526 |
投資信託の解約益 | △20,826 | △34 |
金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額 | 112,817 | 143,953 |
為替に係るヘッジコスト | △58,612 | △81,456 |
既契約の出再に伴う損益 | - | 48,063 |
その他キャピタル収益 | 79,438 | 81,491 |
投資信託の解約益 | 20,826 | 34 |
金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額 | - | - |
為替に係るヘッジコスト | 58,612 | 81,456 |
その他キャピタル費用 | 112,817 | 143,953 |
金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額 | 112,817 | 143,953 |
為替に係るヘッジコスト | - | - |
その他臨時費用 | - | 48,063 |
追加責任準備金繰入額 | - | - |
既契約の出再に伴う損益 | - | 48,063 |
(c) かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率
生命保険会社は将来の保険金等の支払いに備えて責任準備金を積み立てており、通常予測できる範囲のリスクについては責任準備金の範囲内で対応できます。
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つであります。
この比率が200%を下回った場合は、当局によって早期是正措置がとられます。逆にこの比率が200%以上であれば、健全性の一つの基準を満たしていることになります。
当連結会計年度末におけるかんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率は1,023.2%と高い健全性を維持しております。
(単位:百万円) | ||||
項目 | 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | ||
ソルベンシー・マージン総額 | (A) | 5,636,995 | 6,928,566 | |
資本金等 | 1,552,875 | 1,604,045 | ||
価格変動準備金 | 889,960 | 873,799 | ||
危険準備金 | 1,701,877 | 1,725,335 | ||
異常危険準備金 | - | - | ||
一般貸倒引当金 | 31 | 31 | ||
(その他有価証券評価差額金(税効果控除前)・繰延ヘッジ 損益(税効果控除前))×90%(マイナスの場合100%) | 989,508 | 2,206,874 | ||
土地の含み損益×85%(マイナスの場合100%) | 2,534 | △21,656 | ||
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用の合計額 | 3,273 | 3,033 | ||
全期チルメル式責任準備金相当額超過額 | 249,674 | 214,749 | ||
負債性資本調達手段等 | 300,000 | 400,000 | ||
全期チルメル式責任準備金相当額超過額及び負債性 資本調達手段等のうち、マージンに算入されない額 | - | - | ||
控除項目 | △52,740 | △77,647 | ||
その他 | - | - | ||
リスクの合計額 [{(R12+R52)1/2+R8+R9}2+(R2+R3+R7)2]1/2+R4+R6 | (B) | 1,117,128 | 1,354,164 | |
保険リスク相当額 | R1 | 119,580 | 107,916 | |
一般保険リスク相当額 | R5 | - | - | |
巨大災害リスク相当額 | R6 | - | - | |
第三分野保険の保険リスク相当額 | R8 | 40,824 | 37,822 | |
少額短期保険業者の保険リスク相当額 | R9 | - | - | |
予定利率リスク相当額 | R2 | 118,481 | 108,247 | |
最低保証リスク相当額 | R7 | - | - | |
資産運用リスク相当額 | R3 | 961,987 | 1,208,624 | |
経営管理リスク相当額 | R4 | 24,817 | 29,252 | |
ソルベンシー・マージン比率 (A)/{(1/2)×(B)}×100 | 1,009.1% | 1,023.2% |
(注) 保険業法施行規則第86条の2、第88条及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
(d) かんぽ生命保険のEV
イ.EVの概要
ⅰ EVについて
エンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。この価値は、修正純資産及び保有契約価値で構成されるものであります。
修正純資産は株主に帰属すると考えられる純資産(時価)であり、必要資本とフリー・サープラスで構成されるものであります。
保有契約価値は、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益の評価日時点の現在価値であり、必要資本を維持するための費用等を控除したものであります。
生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。
ⅱ EEVについて
EVの開示に関する一貫性と透明性の改善を図る目的で、2004年5月にヨーロッパの主要保険会社のCFO(最高財務責任者)の集まりである、CFOフォーラムが、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(以下「EEV」といいます。)原則及び指針(ガイダンス)を制定いたしました。
2016年5月には、CFOフォーラムによってEEV原則の改正が公表され、EVに2016年1月から施行された欧州ソルベンシーⅡ等の計算で用いた計算手法及び前提の使用が許容されるようになりました。
ⅲ EEVの計算手法
今回のEEVの計算には、市場整合的手法を用いております。この手法は、資産又は負債から発生するキャッシュ・フローを市場で取引されている金融商品と整合的に評価するものであります。
ロ.簡易生命保険契約について
かんぽ生命保険は、郵政民営化法に基づき、2007年10月1日に発足しました。また、2007年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、郵政管理・支援機構に承継されるとともに、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてについて、かんぽ生命保険が受再しております。
かんぽ生命保険は、郵政管理・支援機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及び郵政管理・支援機構が簡易生命保険契約に対して既に約款で約束している確定配当所要額と再保険損益(確定配当所要額及び法人税等を除いたこの区分における利益)の8割の合計額を、郵政管理・支援機構へ再保険配当として支払うことを定めております。EEVの計算においては、この郵政管理・支援機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。
このように郵政管理・支援機構への再保険配当の原資に、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益が含まれることから、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金は修正純資産には含めておらず、将来において戻入する前提で保有契約価値に含めて計算しております。
ハ.EEVの計算結果
かんぽ生命保険のEEVは以下のとおりであります。
(単位:億円) | ||||
前事業年度末 | 当事業年度末 | 増減 | ||
EEV | 34,638 | 39,650 | 5,012 | |
修正純資産 | 20,108 | 19,809 | △299 | |
保有契約価値 | 14,529 | 19,841 | 5,311 | |
前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | ||
新契約価値 | △74 | 208 | 283 |
ⅰ 修正純資産
修正純資産は、資産の市場価値のうち、契約者に対する負債及びその他の負債の価値を超過する部分であり、株主に帰属すると考えられる価値であります。株主配当及び国内金利上昇に伴う国内債券の含み損益の減少を主な理由として、当事業年度末における修正純資産は前事業年度末から減少しております。修正純資産の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円) | ||||
前事業年度末 | 当事業年度末 | 増減 | ||
修正純資産 | 20,108 | 19,809 | △299 | |
純資産の部計(注1) | 15,715 | 16,229 | 514 | |
価格変動準備金(注2) | 1,786 | 1,238 | △548 | |
危険準備金(注2) | 4,416 | 4,416 | △0 | |
その他(注3) | △101 | △683 | △581 | |
上記項目に係る税効果 | △1,708 | △1,392 | 316 |
(注) 1.計算対象に子会社を含めているため、かんぽ生命保険の連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有するかんぽ生命保険の株式の帳簿価額を加えております。
2.簡易生命保険契約に係る部分を除いております。
3.保険契約に係らない有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
当事業年度末の修正純資産を計算する際に除いた保険契約に係る部分は以下のとおりであります。
(単位:億円) | ||||
会社合計 ① | 保険契約に 係る部分 ② | 修正純資産 ①-② | ||
修正純資産 | 59,410 | 39,600 | 19,809 | |
純資産の部計(注1) | 16,229 | ― | 16,229 | |
価格変動準備金(注2) | 8,737 | 7,499 | 1,238 | |
危険準備金(注2) | 17,253 | 12,836 | 4,416 | |
その他(注3) | 33,778 | 34,461 | △683 | |
上記項目に係る税効果 | △16,589 | △15,196 | △1,392 |
(注) 1.かんぽ生命保険の連結貸借対照表の純資産の部合計を計上しております。ただし、その他の包括利益累計額合計を除いております。また、自己株式に計上している株式給付信託(BBT)が保有するかんぽ生命保険の株式の帳簿価額を加えております。
2.保険契約に係る部分(②)は、簡易生命保険契約に係る部分を計上しております。「ロ.簡易生命保険契約について」をご参照ください。
3.有価証券、貸付金及び不動産の含み損益、一般貸倒引当金、退職給付の未積立債務(未認識過去勤務費用及び未認識数理計算上の差異)並びに劣後債の含み損益を計上しております。
ⅱ 保有契約価値
保有契約価値は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約及び保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。「ニ.前事業年度末EEVからの変動要因」に記載のとおり、前提条件(経済前提)と実績の差異を主な理由として、当事業年度末における保有契約価値は前事業年度末から増加しております。保有契約価値の内訳は以下のとおりであります。
将来利益の計算において保険契約に係る資産は簿価評価しております。また、簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金が将来において戻入する前提で、その戻入による利益を含めて計算しております。「ロ.簡易生命保険契約について」をご参照ください。
(単位:億円) | ||||
前事業年度末 | 当事業年度末 | 増減 | ||
保有契約価値 | 14,529 | 19,841 | 5,311 | |
確実性等価将来利益現価 | 17,636 | 23,227 | 5,590 | |
オプションと保証の時間価値 | △1,594 | △2,232 | △638 | |
必要資本を維持するための費用 | △0 | △0 | △0 | |
ヘッジ不能リスクに係る費用 | △1,513 | △1,153 | 359 |
ⅲ 新契約価値
新契約価値は、当期間に獲得した新契約(更新特則による加入契約を含む。条件付解約による加入契約及び転換契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値を表したものであります。
当事業年度の新契約価値は前事業年度から増加しております。新契約価値の内訳は以下のとおりであります。
(単位:億円) | ||||
前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | ||
新契約価値 | △74 | 208 | 283 | |
確実性等価将来利益現価 | △36 | 307 | 343 | |
オプションと保証の時間価値 | △16 | △35 | △19 | |
必要資本を維持するための費用 | △0 | △1 | △1 | |
ヘッジ不能リスクに係る費用 | △21 | △61 | △40 |
なお、新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(単位:億円) | |||
前事業年度 | 当事業年度 | 増減 | |
新契約価値 | △74 | 208 | 283 |
保険料収入現価(注) | 5,716 | 13,164 | 7,448 |
新契約マージン | △1.30% | 1.58% | 2.89ポイント |
(注) 将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いたリスク・フリー・レートで割り引いております。
ニ.前事業年度末EEVからの変動要因
(単位:億円) | ||||
修正純資産 | 保有契約価値 | EEV | ||
前事業年度末EEV | 20,108 | 14,529 | 34,638 | |
ⅰ 前事業年度末EEVの調整 | △356 | ― | △356 | |
前事業年度末EEV(調整後) | 19,752 | 14,529 | 34,281 | |
ⅱ 当事業年度新契約価値 | ― | 208 | 208 | |
ⅲ 期待収益(リスク・フリー・レート分) | △17 | 181 | 163 | |
ⅳ 期待収益(超過収益分) | 84 | 1,624 | 1,709 | |
ⅴ 保有契約価値からの移管 | 209 | △209 | ― | |
うち前事業年度末保有契約 | 911 | △911 | ― | |
うち当事業年度新契約 | △702 | 702 | ― | |
ⅵ 前提条件(非経済前提)と実績の差異 | 127 | △127 | 0 | |
ⅶ 前提条件(非経済前提)の変更 | ― | 524 | 524 | |
ⅷ 前提条件(経済前提)と実績の差異 | △347 | 3,109 | 2,762 | |
当事業年度末EEV | 19,809 | 19,841 | 39,650 |
ⅰ 前事業年度末EEVの調整
かんぽ生命保険は当事業年度において356億円の株主配当金を支払っており、修正純資産がその分減少しております。
ⅱ 当事業年度新契約価値
新契約価値は、当事業年度に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。
ⅲ 期待収益(リスク・フリー・レート分)
保有契約価値の計算にあたっては、将来の期待収益をリスク・フリー・レートで割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。これには、オプションと保証の時間価値、必要資本を維持するための費用及びヘッジ不能リスクに係る費用のうち当事業年度分の解放を含んでおります。修正純資産からは、対応する資産からリスク・フリー・レート(△0.115%)分に相当する収益が発生しております。
ⅳ 期待収益(超過収益分)
EEVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。
ⅴ 保有契約価値からの移管
当事業年度に実現が期待されていた利益が、保有契約価値から修正純資産に移管されます。これには、前事業年度末の保有契約から期待される当事業年度の利益と、当事業年度に獲得した新契約からの、契約獲得に係る費用を含めた当事業年度の損益が含まれております。
これらは保有契約価値から修正純資産への振替えであり、EEVの金額には影響しません。
ⅵ 前提条件(非経済前提)と実績の差異
前事業年度末の保有契約価値の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、当事業年度の実績の差額であります。
ⅶ 前提条件(非経済前提)の変更
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、翌事業年度以降の収支が変化することによる影響であります。
ⅷ 前提条件(経済前提)と実績の差異
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、前事業年度末EEV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、当事業年度の実績及び翌事業年度以降の見積りの変更を含んでおります。主に国内株価上昇による保有国内株式の含み益の増加により、EEVは2,762億円増加しました。
ホ.感応度(センシティビティ)
前提条件を変更した場合のEEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
(単位:億円) | ||
前提条件 | EEV | 増減額 |
当事業年度末EEV | 39,650 | ― |
感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇 | 38,652 | △997 |
感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下 | 40,470 | 819 |
感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし) | 40,450 | 800 |
感応度4:株式・不動産価値10%下落 | 37,846 | △1,803 |
感応度5:事業費率(維持費)10%減少 | 41,430 | 1,779 |
感応度6:解約失効率10%減少 | 40,034 | 383 |
感応度7:保険事故発生率(死亡保険)5%低下 | 40,474 | 824 |
感応度8:保険事故発生率(年金保険)5%低下 | 39,265 | △384 |
感応度9:必要資本を法定最低水準に変更 | 39,650 | 0 |
感応度10:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇 | 39,436 | △214 |
感応度11:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇 | 39,060 | △589 |
感応度1から4について、修正純資産の増減額は以下のとおりであります。また、感応度5から11については、保有契約価値のみの増減額となります。
(単位:億円) | ||
前提条件 | 増減額 | (参考) 会社合計の 増減額(注) |
感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇 | △257 | △17,122 |
感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下 | 247 | 15,617 |
感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし) | 277 | 18,558 |
感応度4:株式・不動産価値10%下落 | △77 | △4,155 |
(注) 参考値として、保有契約に係る資産の含み損益も加えた増減額(税引後に換算)を示しております。なお、EEVの計算にあたって、保険契約に係る部分の資産の含み損益については、修正純資産ではなく、保有契約価値の計算に含めて評価しております。
新契約価値の感応度
(単位:億円) | ||
前提条件 | 新契約価値 | 増減額 |
当事業年度新契約価値 | 208 | ― |
感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇 | 486 | 278 |
感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下 | △113 | △321 |
感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし) | △225 | △434 |
感応度4:株式・不動産価値10%下落 | 208 | ― |
感応度5:事業費率(維持費)10%減少 | 282 | 73 |
感応度6:解約失効率10%減少 | 239 | 30 |
感応度7:保険事故発生率(死亡保険)5%低下 | 238 | 30 |
感応度8:保険事故発生率(年金保険)5%低下 | 208 | △0 |
感応度9:必要資本を法定最低水準に変更 | 209 | 1 |
感応度10:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇 | 209 | 0 |
感応度11:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇 | 189 | △18 |
ⅰ 感応度1:リスク・フリー・レート50bp上昇
(ⅰ)リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。金利の変動により時価が変動する債券・貸付金等を再評価するとともに、将来の運用利回りや割引率を変動させて保有契約価値を再計算しております。
(ⅱ)リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
ⅱ 感応度2:リスク・フリー・レート50bp低下
(ⅰ)リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。なお、50bp低下によりリスク・フリー・レートが0%を下回る場合は0%としております。ただし、50bp低下前のリスク・フリー・レートが0%を下回る場合はその値をそのまま使用しております。
(ⅱ)リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
ⅲ 感応度3:リスク・フリー・レート50bp低下(低下後の下限なし)
(ⅰ)リスク・フリー・レート(フォワード・レート)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。なお、感応度2と異なり、リスク・フリー・レートの正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。
(ⅱ)リスク・フリー・レートについて、補外開始年度以降は終局金利を変えずに補外しております。
ⅳ 感応度4:株式・不動産価値10%下落
株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。
ⅴ 感応度5:事業費率(維持費)10%減少
事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。
ⅵ 感応度6:解約失効率10%減少
解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ⅶ 感応度7:保険事故発生率(死亡保険)5%低下
死亡保険について、保険事故発生率(死亡率・罹患率)が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ⅷ 感応度8:保険事故発生率(年金保険)5%低下
年金保険について、保険事故発生率が5%低下(基本となる保険事故発生率に95%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ⅸ 感応度9:必要資本を法定最低水準に変更
必要資本を法定最低水準(ソルベンシー・マージン比率200%水準)に変更した場合の影響を表しております。
ⅹ 感応度10:株式・不動産のインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、株式オプションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
ⅺ 感応度11:金利スワップションのインプライド・ボラティリティ25%上昇
オプションと保証の時間価値の計算に使用する、金利スワップションのインプライド・ボラティリティが25%上昇した場合の影響を表しております。
ヘ.注意事項
EEVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。
これらの理由により、本EEV開示は、EEV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。
ト.その他の特記事項
かんぽ生命保険では、保険数理に関する専門知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、EEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
⑥ その他
各報告セグメントにおける事業のほか、グループシェアード事業 については、業務集約による効率化効果が大きいと考えられる業務をグループ横断的に集約し、一括してBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)やDXを行い、効率化・生産性向上を図る取組を進めております。2023年2月には当社の子会社である日本郵政コーポレートサービス株式会社が日本郵便から共通事務集約センターの業務の一部を受託し、その後も2024年2月に日本郵便から会計センターの業務を受託するなど対象業務を順次拡大しているところです。
病院事業については、地域医療機関との連携や救急患者の受入の強化等による増収対策、業務の効率化等による経費削減等、病院の経営改善を進めているところであります。今後も引き続き上記増収対策や経費削減等の経営改善に取り組みます。
投資事業については、当社の子会社である日本郵政キャピタル株式会社において、当社グループの新規事業の種の探索や既存事業とのシナジーの創出のため、ネットワーク、ブランド力等を活用して成長が期待できる企業への出資(当連結会計年度10件約56億円(2022年度11社総額40億円、設立(2017年11月)からの累計約80社総額約391億円))を行い、出資先企業と当社グループとの連携を進めました。また、2024年3月には日本郵政キャピタル株式会社において「日本郵政キャピタル1号投資事業有限責任組合」を組成しました。今後も、投資先の価値や将来の成長性を見極めながら、出資等に取り組みます。
不動産事業については、当社の子会社である日本郵政不動産株式会社において、「五反田JPビルディング(2023年12月竣工)」や「JPタワー大阪(2024年3月竣工)」等の開発計画の推進、グループ外不動産の取得等、不動産投資(当連結会計年度529.7億円)を行うとともに、「ホテルメルパルク」の賃貸・管理事業を行いました※。また、建物管理・運営を担う同社の子会社であるJPビルマネジメント株式会社においては、「五反田JPビルディング」及び「JPタワー大阪」の建物管理等を新たに受託しております。今後も、建築資材調達費の高騰等の不動産関連市場の動向等を引き続き注視し、不動産事業を慎重に進めてまいります。
※「ホテルメルパルク」は、2023年12月末に横浜、大阪の2か所について営業を終了したため、2024年3月31日現在、営業している施設は、名古屋、広島、熊本の3か所であります。
(3) キャッシュ・フローの状況及び分析・検討
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は当期首から10,677,466百万円減少し、59,504,011百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動においては、銀行業における資金の運用や調達、生命保険業における保険料の収入や保険金の支払等の結果、2,359,045百万円の支出(前期比5,795,174百万円の支出減)となりました。
主な要因として、責任準備金の減少3,005,427百万円があげられます。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動においては、銀行業及び生命保険業における有価証券の売却、償還による収入等及び有価証券の取得による支出等の結果、7,718,612百万円の支出(前期は9,352,146百万円の収入)となりました。
主な要因として、有価証券の取得による支出44,988,211百万円や有価証券の償還による収入28,411,241百万円、有価証券の売却による収入7,868,266百万円があげられます。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動においては、自己株式の取得等の結果、606,258百万円の支出(前期は552,634百万円の収入)となりました。
主な要因として、自己株式の取得による支出299,999百万円、配当金の支払による減少255,684百万円があげられます。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
中期経営計画において実現を目指すこととしている、成長ステージへの「転換」に向けた取組の中で、グループの成長に資する投資として、物流分野の能力増強投資や、賃貸事業等への不動産投資等を計画しております。
上記の他に、当社グループ・グループ各社の企業価値向上に資する幅広い分野での資本提携やM&Aも実施いたします。なお、それらの実行にあたっては、投資判断基準等に照らして慎重に検討し、適切と判断したものを実施することとしております。
また、株主還元については、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の一つとして位置づけ、経営成績に応じた株主への利益還元を継続して安定的に行うことを基本方針としており、中期経営計画においては、引き続き1株当たり年間配当を安定的に実施することとしております。加えて、相当規模の自己株式取得の継続により、更なる株主還元の充実と資本効率の向上を図ります。
それらの財源は、営業活動で得られたキャッシュ・フローのほか、金融2社株式を売却した場合の売却手取金及び銀行借入・社債発行等による有利子負債調達を想定しております。また、当社及び一部の連結子会社においてキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入することにより、各社の余剰資金を一元管理することで、資金効率の向上を図っております。なお、当社は株式会社日本格付研究所(JCR)から格付を取得しており、当連結会計年度末現在における長期発行体格付はAA+(安定的)となっております。
資本コストに関しては、ゆうちょ銀行株式の持分割合減少により低下したROEを回復させ、早期に株主資本コストを上回るROEを達成し、中長期的に更なる向上を目指します。
なお、現在予定している設備の新設計画としては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備等の新設等」の記載をご参照ください。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。
当社グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に以下の重要な会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。
① 金融商品の時価評価
当社グループの有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、公表された相場価格に基づいて算定しておりますが、公表された相場価格がない場合には合理的な見積りに基づいて算定された価額によっております。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積額は変動する可能性があります。
金融商品の時価の算定方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)に、金融商品のうち有価証券の時価評価に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 有価証券の減損
当社グループの金銭の信託で運用する有価証券を含め売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価又は実質価額が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。株式市場の悪化等、将来の金融市場の状況によっては、多額の減損損失を計上する可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、原則として内部管理上独立した業績報告が行われる単位を基礎として、資産のグルーピングを行っております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。なお、資産グループの回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い価額としております。正味売却価額は第三者により合理的に算定された評価額等により、使用価値は将来キャッシュ・フローに基づき合理的に算定しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件が変更された場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
④ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積っております。
当連結会計年度における保険子会社の新契約実績は増加しているものの、中期経営計画において想定していた水準まで達しておりませんが、当該課税所得の見積りにおいては、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。なお、保険子会社において計上した繰延税金資産の回収可能性については、当該経営計画を基礎とした前提の下、複数のストレスシナリオを考慮して判断しております。
以上のとおり、繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社グループを取り巻く経営環境に大きな変化があった場合等、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
⑤ 責任準備金の積立方法
当社グループは、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。
責任準備金の計算に使用される予定死亡率、予定利率及び予定事業費率などの基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。
なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑥ 退職給付債務及び退職給付費用
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率など将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。
このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)に、退職給付債務の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(5) 連結自己資本比率の状況
銀行持株会社としての当社の連結自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%) | |
当連結会計年度末 | |
1.連結自己資本比率(2/3) | 15.88 |
2.連結における自己資本の額 | 106,436 |
3.リスク・アセット等の額 | 669,871 |
4.連結総所要自己資本額 | 26,794 |
(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
(6) 目標とする経営指標の達成状況
当社グループにおいては、主要な経営目標として1株当たり当期純利益を採用しており、2024年3月期においては当初業績予想69.37円に対し1株当たり当期純利益80.26円となりました。2024年3月期の経営成績の状況及び分析・検討については、上記「(2) 経営成績の状況及び分析・検討」に示しております。
(7) 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、銀行業及び生命保険業を中心とした広範囲な事業を営んでおり、生産、受注といった区分による表示が困難であることから、「生産、受注及び販売の状況」については、上記「(2) 経営成績の状況及び分析・検討」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。