有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/18 15:30
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態の状況及び分析・検討
当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は以下のとおりであります。
資産の部合計は、前連結会計年度末比7,285,128百万円減の289,864,524百万円となりました。
主な要因は、金銭の信託2,080,663百万円の増、銀行業等における貸出金850,083百万円の増の一方、現金預け金10,110,059百万円の減によるものであります。
負債の部合計は、前連結会計年度末比8,477,513百万円減の273,382,599百万円となりました。
主な要因は、銀行業等におけるその他負債1,032,887百万円の増、債券貸借取引受入担保金429,038百万円の増の一方、銀行業等における売現先勘定4,388,598百万円の減、貯金3,485,523百万円の減、生命保険業における責任準備金2,112,204百万円の減によるものであります。
純資産の部合計は、前連結会計年度末比1,192,385百万円増の16,481,925百万円となりました。
主な要因は、資本剰余金1,409,132百万円の増、非支配株主持分567,431百万円の増、銀行業及び生命保険業等におけるその他有価証券評価差額金520,357百万円の増、銀行業等における利益剰余金228,460百万円の増の一方、資本金1,750,000百万円の減によるものであります。
各事業セグメント別の資産の状況は以下のとおりであります。
① 郵便・物流事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比475,260百万円増の2,398,996百万円となりました。
主な要因は、無形固定資産が3,722百万円減少した一方、有価証券が170,668百万円、その他資産が153,666百万円増加したことによるものであります。
② 郵便局窓口事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比113,219百万円増の1,995,246百万円となりました。
主な要因は、現金預け金が48,410百万円、有形固定資産が12,316百万円減少した一方、その他資産が171,928百万円増加したことによるものであります。
③ 国際物流事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比82,109百万円増の466,110百万円となりました。
主な要因は、有形固定資産が44,204百万円、現金預け金が19,361百万円、その他資産が12,096百万円増加したことによるものであります。
④ 不動産事業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比57,603百万円増の1,204,186百万円となりました。
主な要因は、現金預け金が12,720百万円減少した一方、その他資産が70,946百万円増加したことによるものであります。
⑤ 銀行業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比7,029,815百万円減の226,569,971百万円となりました。
主な要因は、有価証券が1,818,965百万円、貸出金が1,241,597百万円増加した一方、現金預け金が10,289,284百万円減少したことによるものであります。
⑥ 生命保険業
当連結会計年度末のセグメント資産は、前連結会計年度末比1,113,734百万円減の58,441,499百万円となりました。
主な要因は、金銭の信託が1,579,807百万円増加した一方、有価証券が1,597,709百万円、繰延税金資産が406,128百万円、貸出金が395,286百万円、現金預け金が223,099百万円減少したことによるものであります。
(2) 経営成績の状況及び分析・検討
当連結会計年度、当社グループは、2024年5月に発表した中期経営計画「JP ビジョン2025+(プラス)」(2024年度~2025年度)で掲げたお客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現を目指し、収益力の強化、人材への投資によるEX※1(従業員体験価値)向上、DX※2の推進等によるUX※3(ユーザー体験価値)向上へ重点的に取り組んでまいりました。
日本郵便においては、2025年4月にトナミHDを子会社化し、それ以降同社傘下の子会社との共同配達等の協業を進めたほか、2025年10月には、同じく日本郵便において、ロジスティードHD及び同社中核子会社であるロジスティード株式会社との資本業務提携契約を締結し、12月にロジスティードHDの株式取得を完了しました。
グループ一体でのDXの推進については、2025年7月には、かんぽ生命保険の「かんぽアプリ」と「ゆうID」との連携を開始したほか、同年8月には、お客さまの郵便局体験をさらに向上させるため、郵便局窓口での購買時に「ゆうゆうポイント」を付与するサービスを開始しました。
2024年度に発覚した非公開金融情報※4の不適切な利用事案に対しては、必要な態勢整備が図られるまでの間は郵便局からの来局誘致を停止し、研修等の再発防止策を継続的に行いました。加えて、グループ一体でのお客さまの非公開金融情報等の適切な利用の実現に向け、お客さまから非公開金融情報等の利用に係る同意をいただくチャネルを拡大するとともに、お客さまの同意を得た情報を参照・検索等に利用できるシステム環境の整備を推進し、グループ顧客管理基盤を構築しました。また、同年度に発覚した一時払終身保険等の販売に係る認可取得前勧誘事案においても同様に、法令等遵守の徹底及び業務品質の確保に向けた取組みを行うほか、それらの再発防止策の実効性確保のため、モニタリング・フォローアップの強化や2線による1線へのけん制機能の発揮など、リスク認識力の強化に向けた取組みやガバナンス強化に向けた取組みを行ってまいりました。
そのようななか、日本郵便において点呼業務不備事案が発覚し、2025年6月、一般貨物自動車運送事業の許可取消処分を受けたほか、2025年10月以降順次、軽四輪車の行政処分が執行されました。なお、2026年6月1日時点で、全ての車両に対する車両停止処分が終了いたしましたが、一般貨物自動車運送事業の許可については、当該取消処分から5年間は当該許可を再取得することもできなくなります。
お客さまをはじめステークホルダーの信頼を損なう結果となったことを重く受け止め、日本郵便における経営の最重要課題としてコンプライアンス・ガバナンスの強化に取り組み、点呼の記録漏れや改ざんを防止するためのデジタル点呼の導入、郵便局へ実施を指示している業務の適法性確保と負荷軽減のための「郵便局業務の総点検」を進めました。
また、日本郵便の本社や全国の支社が取引先に対して取引条件を事前に明らかにしなかったことで特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律に違反するおそれのある取引が相当程度あることが判明したことを受け、原則として、事前に取引条件を明示した発注書等を交付するように運用を改める等の再発防止策を実施しています。
これらの事案について、同様の事案が発生することがないよう、当社グループは再発防止策を徹底し、お客さま本位のサービス提供に全力で取り組んでまいります。
当社におきましては、持株会社として、当社グループの企業価値向上を目指し、グループ各社の収益拡大や経営効率化等を着実に推進するとともに、郵便、貯金及び保険のユニバーサルサービスの確保、郵便局ネットワークの維持・活用による安定的なサービスの提供等という目的が達成できるよう、グループ運営に取り組みました。
また、グループ各社のコンプライアンス・プログラムの策定・推進の状況、各社の内部監査態勢・監査状況の把握に努めたほか、集約により効率性が高まる間接業務をグループ各社から受託するとともに、病院事業の経営改善に取り組みました。
さらに、グループ各社が提供するサービスの公益性・公共性の確保や、持続可能な社会の実現・未来の創造に貢献するため、サステナビリティ経営の推進に関する取組みや災害復興支援に、グループ全体で取り組んでおります。
加えて、「JP ビジョン2025+(プラス)」で示した方針を踏まえ、当社は2025年3月にゆうちょ銀行普通株式の売出しを実施するとともに、同普通株式に係る株式処分信託を設定し、当該信託にゆうちょ銀行普通株式を拠出いたしました。これにより、当社のゆうちょ銀行に対する議決権の保有割合は50%を下回っております。2023年の売出し及び本売出しによって得た資金については、物流領域の能力増強やDX化等の成長投資に充当するとともに、自己株式取得にも活用することで、当社グループの企業価値の向上を図っていきます。
業績面では、デジタル化の進展等に伴う郵便物数の減少や諸物価、人件費の上昇に伴うコストの増加等があった一方、年度初来からの国内金利上昇等による運用環境の好転等により、銀行業セグメント及び生命保険業セグメントの業績が堅調に推移しました。
このような取組みを行った結果、当連結会計年度における連結経常収益は11,440,586百万円(前期比27,781百万円減)、連結経常利益は1,074,966百万円(前期比260,369百万円増)、連結経常利益に、特別損益や契約者配当準備金繰入額等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、374,556百万円(前期比3,992百万円増)となりました。
※1 EX(Employee Experience:従業員体験価値)とは、社員が会社で働くことを通じて得られる体験価値のことです。
※2 DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用し、ビジネスや生活を変革する取組みのことです。
※3 UX(User Experience:ユーザー体験価値)とは、システムやサービスを利用するユーザー(お客さまや社員)が、その利用を通じて得られる体験価値のことです。
※4 非公開金融情報とは、お客さま対応等の中で知った、お客さまの金融取引や資産に関する、通常、本人しか知りえない情報(口座残高や引落情報、保有ファンドの状況等)のことです。
各事業セグメント別の業績は、以下のとおりであります。
① 郵便・物流事業
郵便・物流事業につきましては、点呼業務不備事案に伴う行政処分執行後、他の運送会社へ委託を行うことを基本に、確実な点呼の実施を大前提として、ご利用いただいているお客さまにご迷惑をおかけすることのないよう、ユニバーサルサービス等を確実に提供してまいりました。
事業の成長に向けては、差出・受取利便性の向上、営業体制・営業力の強化、楽天グループ株式会社をはじめとする他企業との連携強化等を通じた荷物分野の収益拡大に加え、DXの推進や商品・サービスの見直し等を通じたオペレーションの効率化に取り組んでまいりました。
また、国際物流・国内物流の全てを一体で事業運営できる総合物流企業を目指し、トナミHDの子会社化や同社傘下の子会社との共同配達等の協業を進めたほか、ロジスティードHD等との資本業務提携契約を締結しました。
このほか、セイノーグループとの間で、双方のドライバー不足の解消に向け、共同運行便の拡大等に取り組んでまいりました。
業績面では、2024年10月に実施した郵便料金の改定により単価が改善した一方、デジタル化の進展等に伴う郵便物数の減少や荷物分野における競合他社との激しい競争が継続するとともに、諸物価や人件費の上昇に伴うコストの増加等が継続しました。
このような取組みを行った結果、当連結会計年度の郵便・物流事業におきましては、郵便、ゆうメールが減少したものの、ゆうパック、ゆうパケットの取扱数量が増加したこと、郵便料金の改定により単価が改善したこと及びJPトナミグループの連結子会社化等により、経常収益は2,308,351百万円(前期比219,869百万円増)、経常費用は引き続きコストコントロールの取組み等を進めたものの、人件費や集配運送委託費等が増加し、経常損失は5,494百万円(前期は32,220百万円の経常損失)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における郵便・物流事業の営業収益は2,297,581百万円(前期比216,700百万円増)、営業損失は11,862百万円(前期は38,377百万円の営業損失)となりました。
引受郵便物等の状況
区分前事業年度当事業年度
物数(千通・千個)対前期比(%)物数(千通・千個)対前期比(%)
総数16,902,870△3.216,053,316△5.0
郵便物12,566,067△7.511,751,035△6.5
内国12,542,869△7.511,729,264△6.5
普通12,013,449△7.811,248,984△6.4
第一種6,626,997△6.56,188,100△6.6
第二種4,486,233△6.14,337,511△3.3
第三種146,736△3.5138,174△5.8
第四種12,506△6.011,887△4.9
年賀695,293△28.4507,100△27.1
選挙45,68439.666,21144.9
特殊529,4200.8480,280△9.3
国際(差立)23,1980.721,771△6.2
通常13,8245.213,284△3.9
小包2,3201.22,062△11.1
国際スピード郵便7,053△7.26,424△8.9
荷物4,336,80311.74,302,281△0.8
ゆうパック558,4442.1565,4691.3
ゆうパケット537,21516.1562,5534.7
ゆうメール3,241,14412.83,174,259△2.1

(注) 1.第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物の概要/特徴は、以下のとおりであります。
種類概要/特徴
第一種郵便物お客さまがよく利用される「手紙」(封書)のことであります。一定の重量及び大きさの定形郵便物とそれ以外の定形外郵便物に分かれます。また、郵便書簡(ミニレター)、特定封筒(レターパックライト)及び小型特定封筒(スマートレター)も含んでおります。
第二種郵便物お客さまがよく利用される「はがき」のことであります。通常はがき及び往復はがきの2種類があります。年賀郵便物の取扱期間(12月15日~1月7日)以外に差し出された年賀はがきを含んでおります。
第三種郵便物新聞、雑誌など年4回以上定期的に発行する刊行物で、日本郵便の承認を受けたものを内容とするものであります。
第四種郵便物公共の福祉の増進を目的として、郵便料金を低料又は無料としているものであります。通信教育用郵便物、点字郵便物、特定録音物等郵便物、植物種子等郵便物、学術刊行物郵便物があります。

2.年賀は、年賀郵便物(年賀特別郵便(取扱期間12月15日~12月28日)及び12月29日~1月7日に差し出された年賀はがきで消印を省略したもの)の物数であります。
3.選挙は、公職選挙法に基づき、公職の候補者又は候補者届出政党から選挙運動のために差し出された通常はがきの物数であります。別掲で示しております。
4.特殊は、速達、書留、特定記録、本人限定受取等の特殊取扱(オプションサービス)を行った郵便物の物数の合計であります。交付記録郵便物用特定封筒(レターパックプラス)及び電子郵便(レタックス、Webゆうびん、e内容証明)を含んでおります。
5.ゆうパックは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。
6.ゆうパケットは、一般貨物法制の規制を受けて行っている宅配便の愛称であります。小型の荷物をお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。配送中は、追跡システムにより管理をしております。
7.ゆうメールは、一般貨物法制の規制を受けて行っている1kgまでの荷物の愛称であります。主に冊子とした印刷物やCD・DVDなどをお届けするもので、ゆうパックより安値でポスト投函も可能な商品であります。
② 郵便局窓口事業
郵便局窓口事業につきましては、「お客さまに選んでいただける事業への成長」に向けて、収益力、郵便局の価値・魅力、サービス品質の向上に取り組んでまいりました。
具体的には、地域の特性に応じた窓口営業時間の弾力的な運用の一環として、昼時間帯の窓口業務の休止を進め、2024年度に試行を開始した郵便局について、一部を除き本実施に移行したほか、新たに約1,100局において試行を開始しました。また、地域事情に応じて、窓口業務を半日とし、郵便物等の配達業務等を行う取組みや、観光地において、平日の窓口業務を半日とし、要員を確保した上で、土・休日の窓口業務を行う取組みを開始しました。
加えて、地方公共団体事務受託の推進、地域金融機関等との連携強化、郵便局窓口と駅窓口の一体運営等に取り組みました。
このほか、新たなタブレット型PCの配備を拡大したほか、かんぽ生命保険商品の新規申込みや保全・支払等をペーパーレスで処理可能なシステムを全局で利用開始する等、窓口オペレーション改革の取組みを推進しました。
2024年度に発覚した非公開金融情報の不適切な利用事案に対しては、必要な態勢整備が図られるまでの間は郵便局からの来局誘致を停止し、再発防止策として、研修等の継続的な実施、グループ顧客管理基盤の構築等を行いました。また、同年度に発覚した一時払終身保険等の販売に係る認可取得前勧誘事案においても同様に、再発防止策を継続的に実施してまいりました。
業績面では、送金決済件数や保有保険契約件数の減少等に伴う銀行及び保険受託手数料の減少に加え、タブレット型PCの配備拡大等に伴い費用が増加しました。
このような取組みを行った結果、当連結会計年度の郵便局窓口事業におきましては、銀行手数料、保険手数料の減少が継続しているものの、郵便局ネットワーク維持交付金等が増加し、経常収益は1,017,174百万円(前期比6,977百万円増)、経常費用は人件費が減少したものの経費が増加したことにより増加し、経常利益は9,095百万円(前期比15,060百万円減)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における郵便局窓口事業の営業収益は1,013,968百万円(前期比5,239百万円増)、営業利益は6,975百万円(前期比16,218百万円減)となりました。
郵便局数
支社名営業中の郵便局(局)
前事業年度末当事業年度末
直営の郵便局簡易
郵便局
直営の郵便局簡易
郵便局
郵便局分室郵便局分室
北海道1,20312411,4451,19612371,434
東北1,89805342,4321,89405272,421
関東2,39301502,5432,38601382,524
東京1,461051,4661,447041,451
南関東9500691,0199420671,009
信越97402911,26597202841,256
北陸65001447946430138781
東海2,04812642,3132,04012592,300
近畿3,09132993,3933,06233003,365
中国1,74614102,1571,73913992,139
四国92901851,11492701761,103
九州2,49208353,3272,48808233,311
沖縄176022198175021196
全国計20,01163,44923,46619,91163,37323,290

③ 国際物流事業
国際物流事業につきましては、同社の子会社であるトール社による豪州での収益性向上等の施策を推進するとともに、アジア域内で特に成長が見込まれる国や業種を重視した事業展開による収益拡大に取り組んだほか、コスト削減等に継続して取り組んでまいりました。
また、JPロジスティクス等、当社グループ内企業と連携し、ロジスティクス事業及びフォワーディング事業の拡大に取り組んできたところです。
このような取組みを行った結果、当連結会計年度の国際物流事業におきましては、フォワーディング事業の海上運賃の下落や取扱量の減少により、経常収益は505,805百万円(前期比7,041百万円減)、経常費用はフォワーディング事業の費用が減少し、経常利益は4,371百万円(前期比328百万円減)となりました。また、日本郵便の当連結会計年度における国際物流事業の営業収益は505,116百万円(前期比6,612百万円減)、営業利益(EBIT)は13,850百万円(前期比485百万円増)となりました。
④ 不動産事業
不動産事業につきましては、JPタワー(商業施設名:KITTE)をはじめとするオフィスビル、商業施設、賃貸・分譲住宅、高齢者施設等のグループ保有不動産の開発を中心に推進しており、市街地再開発事業においては、旧白金社宅の事業を推進し、また、分譲住宅事業においては、プラウド池下高見(旧高見寮:名古屋市)が2026年1月に竣工したほか、新たな分譲住宅案件を計画するなど、事業の強化・拡充に取り組みました。
グループ外収益物件については、2025年12月に日本郵政不動産が共同出資する外資系ホテル「Osaka Sakurajima Resort」プロジェクトが本格着工(2029年竣工予定)したことを発表、また、2026年3月に共同事業である「ザ・ランドマーク名古屋栄」が竣工したほか、用途やエリアごとのマーケットを見極めて賃貸住宅の取得を行いました。
このような取組みを行った結果、当連結会計年度の不動産事業におきましては、賃貸収益の増加により、経常収益は89,008百万円(前期比7,337百万円増)、経常費用は分譲収益に連動した販売原価の減少により減少し、経常利益は20,092百万円(前期比7,725百万円増)となりました。また、当連結会計年度における不動産事業の営業収益は87,953百万円(前期比6,523百万円増)、営業利益は23,948百万円(前期比10,016百万円増)となりました。
不動産事業における主なプロジェクト(賃貸事業)の概要は以下のとおりであります。
名称土地面積(千㎡)延床面積(千㎡)簿価
(百万円)
事業形態竣工年月
土地等建物他
JPタワー11191
(212)
274,053227,78346,270共同事業
(メジャー)
2012年5月
大宮JPビルディング6458,6653,9034,761単独事業2014年8月
JPタワー名古屋8
(12)
162
(180)
34,30310,94523,357共同事業
(メジャー)
2015年11月
KITTE博多56417,5787,38510,192単独事業2016年3月
広島JPビルディング44417,3993,24414,154単独事業2022年8月
蔵前JPテラス149932,5906,05226,537単独事業2023年3月
麻布台ヒルズ森JPタワー11
(24)
227
(461)
138,31565,34772,967市街地再開発2023年6月
五反田JPビルディング66935,6756,58629,088単独事業2023年12月
JPタワー大阪8
(12)
173
(227)
85,84117,53468,306共同事業
(メジャー)
2024年3月

(注) 1.2026年3月31日時点
2.JPタワー
延床面積は、持分換算面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積を表示しております。
3.JPタワー名古屋及びJPタワー大阪
土地面積は、持分面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積(借地を含む)を表示しております。
延床面積は、持分換算面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積を表示しております。
4. 麻布台ヒルズ森JPタワー
土地面積及び延床面積は、持分換算面積を表示するとともに、( )内に事業全体面積を表示しております。
⑤ 銀行業
ゆうちょ銀行では、「リテールビジネス」、「マーケットビジネス」及び「Σ(シグマ)ビジネス」という3つのビジネス戦略の推進及びそれらを支える経営基盤の強化に継続的に取り組みました。
「リテールビジネス」では、お客さま本位の営業活動を前提に、お客さま基盤の維持・深耕を最重要課題と捉え、リアルチャネルとデジタルチャネルの相互補完戦略を加速し、伝統的な銀行業務を超えた新しいリテールビジネスへの変革に向けた取組みを進めております。
デジタルサービスでは、スマートフォン上で基本的な銀行取引が行える「通帳アプリ」の機能拡充を図るとともに、テレビCM等を活用したプロモーション施策を展開しました。加えて、窓口でも丁寧なご案内を行い、登録口座数は「JP ビジョン2025+(プラス)」の目標である1,600万口座を上回りました。
また、スマートフォン上で口座開設等が行える「ゆうちょ手続きアプリ」や、店舗に設置するセルフ型営業店端末「Madotab」等に、お客さまの利便性を高める機能を順次追加いたしました。
資産形成サポートビジネスでは、投資信託商品のラインアップ拡充に加え、お客さまが身近な店舗から、専門性の高いコンサルティングを提供する資産運用リモートセンターにアクセスできる体制を構築するなど、お客さまの資産形成ニーズにきめ細かく対応しています。
「マーケットビジネス」では、国内金利上昇トレンドを捉え、預け金等から日本国債への投資シフトを継続するとともに、世界的に市場環境が大きく変動するなか、リスク対比リターンを意識しつつ国際分散投資を推進しました。これらの取組みにより、投資適格領域の外国社債等を中心にリスク性資産残高を拡大しました。また、リスク性資産のうち、プライベートエクイティファンド等の戦略投資領域※1は、優良案件への選別的な投資に努め、残高を積み上げました。
一方で、2026年3月末の自己資本比率(連結・国内基準)は、十分な財務健全性を確保しております。
また、これまで市場運用ビジネスで培った知見を活用したさらなる成長を企図し、新たにアセットマネジメントビジネスへの挑戦を見据え、2026年4月には「ゆうちょアセットマネジメント株式会社」を設立しました。
「Σビジネス」では、地域プライベートエクイティ投資を行うゆうちょ銀行100%出資子会社「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社」の態勢強化を図るとともに、2026年4月には地域事業承継を目的とした旗艦ファンド「ゆうちょキャピタル・シグマ地域事業承継2号投資事業有限責任組合」を設立しました。
また、2026年1月、次世代の東海地域を牽引するスタートアップ企業への投資を目的に、東海東京証券株式会社等が設立した「Next Tokai Innovation Fund1号投資事業有限責任組合」に、アンカー投資家※2として参加することを決定する等、着実に歩みを進めております。
ビジネス戦略を実効性高く推進するため、人的資本経営を通じた人材の強化を図るとともに、内部管理態勢の強化及び組織風土改革に取り組みました。
人的資本経営の推進にあたっては、企業価値向上に向け、経営戦略と連動した人事戦略を推進しております。
具体的には、強化分野への積極的な人材配置や、キャリアデザイン研修等を通じた自律的社員の育成、多様な人材が活躍する職場づくりに向けたダイバーシティマネジメント等に取り組んでおります。
また、内部管理態勢の強化については、サイバーセキュリティやマネー・ローンダリング対策等の強化に加え、非公開金融情報の不適切な利用事案に係る再発防止策として、銀行業務委託先である日本郵便の管理・監督体制を強化しました。
さらに、2024年に発足した社員参画型の専門委員会である「みんなの声委員会 -ECHO-」を通じて、お客さまの声を活かした商品・サービスの提案・改善や、社員の声をもとにした職場改善・組織風土改革を推進しました。
このような取組みを行った結果、当連結会計年度の銀行業におきましては、外債投資信託からの収益増加や国債利息・日銀預け金の利息の増加等により資金利益が増加し、経常収益は2,852,150百万円(前期比330,254百万円増)、経常費用は資金調達費用の増加等により増加し、経常利益は759,093百万円(前期比174,715百万円増)となりました。
※1 戦略投資領域とは、プライベートエクイティファンド(成長が見込まれる未上場企業等へ投資するファンド)、不動産ファンド等からなる戦略的な投資領域のことです。
※2 アンカー投資家とは、ファンド設立に際し、初期段階から相当額の出資を行う大口の機関投資家のことです。
ゆうちょ銀行における損益の概要などの詳細な状況については、下記「(参考1) 銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況」「(参考2) 自己資本比率の状況」「(参考3) 資産の査定」に記載のとおりであります。
(参考1) 銀行業を行う当社の子会社であるゆうちょ銀行(単体)の状況
(a) 損益の概要
当事業年度の業務粗利益は、前事業年度比3,536億円増加の1兆3,969億円となりました。このうち、資金利益は、外債投資信託からの収益や国債利息の増加等により、前事業年度比3,469億円の増加となりました。役務取引等利益は、前事業年度比108億円の増加となりました。その他業務利益は、国債等債券損益の減少を主因に、前事業年度比41億円の減少となりました。
経費は、前事業年度比281億円増加の9,407億円となりました。
業務純益は、前事業年度比3,252億円増加の4,560億円となりました。
臨時損益は、プライベートエクイティファンド等からの収益が増加した一方、株式のリスク調整オペレーションに伴う売却益の減少を主因に、前事業年度比1,506億円減少の2,920億円となりました。
経常利益は、前事業年度比1,745億円増加の7,480億円となりました。
この結果、当期純利益は5,289億円、前事業年度比1,184億円の増益となりました。
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
業務粗利益1,043,2841,396,939353,654
資金利益956,8261,303,796346,970
役務取引等利益154,872165,70710,834
その他業務利益△68,413△72,564△4,150
うち外国為替売買損益△69,781△66,0913,690
うち国債等債券損益1,203△6,687△7,891
経費(除く臨時処理分)△912,519△940,717△28,198
人件費△106,759△106,216542
物件費△774,358△802,533△28,175
税金△31,401△31,967△566
業務純益(一般貸倒引当金繰入前)130,765456,221325,455
一般貸倒引当金繰入額-△204△204
業務純益130,765456,016325,251
臨時損益442,746292,059△150,686
うち株式等関係損益△13,87347,91161,785
うち金銭の信託運用損益451,533223,654△227,879
経常利益573,511748,076174,564
特別損益△351△1,236△884
固定資産処分損益△348△595△247
減損損失△3△640△637
税引前当期純利益573,159746,840173,680
法人税、住民税及び事業税△167,730△228,297△60,566
法人税等調整額5,12810,4335,305
法人税等合計△162,602△217,863△55,261
当期純利益410,557528,976118,418

(注) 1.業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
2.臨時損益とは、損益計算書中「その他経常収益・費用」から一般貸倒引当金繰入額を除き、金銭の信託運用見合費用及び退職給付費用のうち臨時費用処理分等を加えたものであります。
3.「金銭の信託運用見合費用」とは、金銭の信託取得に係る資金調達費用であり、金銭の信託運用損益が臨時損益に計上されているため、業務費用から控除しているものであります。
4.国債等債券損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5.株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
6.金額が損失又は費用には△を付しております。
(参考) 与信関係費用
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
与信関係費用8△68△77
一般貸倒引当金繰入額8△68△77
貸出金償却---
個別貸倒引当金繰入額---
償却債権取立益---

(注) 1.金融再生法開示債権に係る費用を計上しております。
2.金額が損失又は費用には△を付しております。
(b) 国内・国際別の資金利益等
ゆうちょ銀行は、海外店や海外に本店を有する連結子会社(以下「海外連結子会社」といいます。)を有しておりませんが、円建の取引を「国内業務部門」、外貨建取引を「国際業務部門」に帰属させ(ただし、円建の対非居住者取引は「国際業務部門」に含む。)、各々の収益・費用を計上した結果、国内業務部門・国際業務部門別の資金利益等は次のとおりとなりました。
当事業年度は、国内業務部門においては、資金利益は5,696億円、役務取引等利益は1,669億円、その他業務利益は△86億円となりました。
国際業務部門においては、資金利益は7,341億円、役務取引等利益は△12億円、その他業務利益は△639億円となりました。
この結果、国内業務部門、国際業務部門の相殺消去後の合計は、資金利益は1兆3,037億円、役務取引等利益は1,657億円、その他業務利益は△725億円となりました。
イ.国内業務部門
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
資金利益377,455569,684192,229
資金運用収益547,6321,008,991461,358
うち国債利息257,945368,351110,405
資金調達費用170,177439,307269,129
役務取引等利益155,801166,94911,148
役務取引等収益183,737195,31311,575
役務取引等費用27,93528,363427
その他業務利益△223△8,607△8,383
その他業務収益5451,021476
その他業務費用7689,6298,860

ロ.国際業務部門
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
資金利益579,371734,112154,741
資金運用収益1,250,9951,408,708157,712
うち外国証券利息1,242,0681,403,088161,020
資金調達費用671,624674,5962,971
役務取引等利益△929△1,242△313
役務取引等収益37240432
役務取引等費用1,3011,647345
その他業務利益△68,190△63,9574,233
その他業務収益2,6122,200△411
その他業務費用70,80266,157△4,644

ハ.合計
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
資金利益956,8261,303,796346,970
資金運用収益1,750,2852,266,821516,535
資金調達費用793,459963,024169,565
役務取引等利益154,872165,70710,834
役務取引等収益184,109195,71711,607
役務取引等費用29,23730,010772
その他業務利益△68,413△72,564△4,150
その他業務収益3,1573,22264
その他業務費用71,57175,7874,215

(注) 1.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用(前事業年度19,785百万円、当事業年度25,426百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借に係る利息)等は下表のとおりであります。
前事業年度
(百万円)
当事業年度
(百万円)
国内業務部門・資金運用収益48,342150,878
国際業務部門・資金調達費用48,342150,878

(c) 国内・国際別資金運用/調達の状況
当事業年度の資金運用勘定の平均残高は221兆7,175億円、利回りは1.02%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は211兆6,731億円、利回りは0.45%となりました。
国内・国際別に見ますと、国内業務部門の資金運用勘定の平均残高は214兆839億円、利回りは0.47%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は207兆6,943億円、利回りは0.21%となりました。
国際業務部門の資金運用勘定の平均残高は86兆9,980億円、利回りは1.61%となりました。また、資金調達勘定の平均残高は83兆3,433億円、利回りは0.80%となりました。
イ.国内業務部門
種類前事業年度当事業年度増減
平均残高利息利回り平均残高利息利回り利回り
(百万円)(百万円)(%)
(A)
(百万円)(百万円)(%)
(B)
(%)
(B)-(A)
資金運用勘定220,673,556547,6320.24214,083,9591,008,9910.470.22
うち貸出金4,605,60811,9900.263,997,23623,7190.590.33
うち有価証券61,905,665313,1520.5059,403,591453,7310.760.25
うち預け金等64,862,831158,5060.2460,873,270333,6080.540.30
資金調達勘定214,835,388170,1770.07207,694,325439,3070.210.13
うち貯金191,902,253104,2530.05189,080,264313,4180.160.11
うち売現先勘定22,771,72028,5630.1217,936,66179,5650.440.31

(注) 1.「国内業務部門」は円建取引であります。
2.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度2,131,496百万円、当事業年度2,137,837百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度2,131,496百万円、当事業年度2,137,837百万円)及び利息(前事業年度△7,313百万円、当事業年度△2,505百万円)を控除しております。
3.預け金等は、譲渡性預け金、日銀預け金、コールローン、買入金銭債権であります。「ロ.国際業務部門」「ハ.合計」においても同様であります。
4.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「ハ.合計」においても同様であります。
ロ.国際業務部門
種類前事業年度当事業年度増減
平均残高利息利回り平均残高利息利回り利回り
(百万円)(百万円)(%)
(A)
(百万円)(百万円)(%)
(B)
(%)
(B)-(A)
資金運用勘定87,205,4641,250,9951.4386,998,0811,408,7081.610.18
うち貸出金17,9941490.8311,7121441.230.40
うち有価証券86,978,0651,242,0681.4286,806,9811,403,0881.610.18
うち預け金等-------
資金調達勘定82,912,853671,6240.8183,343,326674,5960.80△0.00
うち売現先勘定5,876,665303,9545.175,264,734224,6804.26△0.90

(注) 1.「国際業務部門」は外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引については、「国際業務部門」に含めております。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外連結子会社を有しておりません。
3.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度3,345,371百万円、当事業年度3,450,844百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度3,345,371百万円、当事業年度3,450,844百万円)及び利息(前事業年度27,098百万円、当事業年度27,931百万円)を控除しております。
ハ.合計
種類前事業年度当事業年度増減
平均残高利息利回り平均残高利息利回り利回り
(百万円)(百万円)(%)
(A)
(百万円)(百万円)(%)
(B)
(%)
(B)-(A)
資金運用勘定229,771,6461,750,2850.76221,717,5502,266,8211.020.26
うち貸出金4,623,60212,1400.264,008,94823,8640.590.33
うち有価証券148,883,7301,555,2201.04146,210,5731,856,8191.260.22
うち預け金等64,862,831158,5060.2460,873,270333,6080.540.30
資金調達勘定219,640,867793,4590.36211,673,161963,0240.450.09
うち貯金191,902,253104,2530.05189,080,264313,4180.160.11
うち売現先勘定28,648,385332,5171.1623,201,395304,2461.310.15

(注) 1.金銭の信託に係る収益及び費用を「その他経常収益」「その他経常費用」に計上しておりますので、資金運用勘定は金銭の信託の平均残高(前事業年度5,476,867百万円、当事業年度5,588,682百万円)を控除し、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前事業年度5,476,867百万円、当事業年度5,588,682百万円)及び利息(前事業年度19,785百万円、当事業年度25,426百万円)を控除しております。
2.「国内業務部門」「国際業務部門」間の内部取引による相殺消去額(資金貸借の平均残高及び資金貸借に係る利息)は下表のとおりであります。
前事業年度当事業年度
平均残高
(百万円)
利息
(百万円)
平均残高
(百万円)
利息
(百万円)
国内業務部門・資金運用勘定78,107,37448,34279,364,489150,878
国際業務部門・資金調達勘定78,107,37448,34279,364,489150,878

(d) 役務取引等利益の状況
当事業年度の役務取引等利益は、前事業年度比108億円増加の1,657億円となりました。
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
役務取引等利益154,872165,70710,834
為替・決済関連手数料89,86699,92610,060
ATM関連手数料38,11037,624△485
投資信託関連手数料13,00713,600593
その他13,88814,555667

(参考) 投資信託・ゆうちょファンドラップの取扱状況
前事業年度
(百万円)(A)
当事業年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
販売金額587,990646,91558,925
残高2,939,7673,519,432579,664


(e) 預金残高の状況
当事業年度末の貯金残高は前事業年度末比4兆3,519億円減少の186兆1,130億円となりました。
○ 預金の種類別残高(末残・構成比)
種類前事業年度当事業年度増減
金額(百万円)
(A)
構成比(%)金額(百万円)
(B)
構成比(%)金額(百万円)
(B)-(A)
預金合計190,465,032100.00186,113,094100.00△4,351,937
流動性預金125,998,73066.15125,137,65767.23△861,072
振替貯金12,166,0826.3811,877,9116.38△288,170
通常貯金等112,991,89759.32112,450,56360.42△541,334
貯蓄貯金840,7490.44809,1820.43△31,567
定期性預金64,323,90233.7760,850,96932.69△3,472,932
定期貯金8,601,8204.5110,290,3525.521,688,532
定額貯金55,722,08229.2550,560,61727.16△5,161,464
その他の預金142,3990.07124,4670.06△17,932
譲渡性預金-----
総合計190,465,032100.00186,113,094100.00△4,351,937

○ 預金の種類別残高(平残・構成比)
種類前事業年度当事業年度増減
金額(百万円)
(A)
構成比(%)金額(百万円)
(B)
構成比(%)金額(百万円)
(B)-(A)
預金合計191,902,253100.00189,080,264100.00△2,821,989
流動性預金125,497,57065.39126,200,15866.74702,587
振替貯金12,068,4616.2812,019,6026.35△48,858
通常貯金等112,598,19758.67113,352,73459.94754,536
貯蓄貯金830,9110.43827,8200.43△3,090
定期性預金66,177,02234.4862,635,67933.12△3,541,342
定期貯金6,114,4833.189,561,0675.053,446,584
定額貯金60,062,53931.2953,074,61128.06△6,987,927
その他の預金227,6600.11244,4260.1216,765
譲渡性預金-----
総合計191,902,253100.00189,080,264100.00△2,821,989

(注) 1.通常貯金等=通常貯金+特別貯金(通常郵便貯金相当)
2.貯金は銀行法施行規則の負債科目「預金」に相当するものであります。「振替貯金」は「当座預金」、「通常貯金」は「普通預金」、「貯蓄貯金」は「貯蓄預金」、「定期貯金」は「定期預金」に相当するものであります。「定額貯金」は「その他の預金」に相当するものでありますが、「定期性預金」に含めております。
3.特別貯金(通常郵便貯金相当)は郵政管理・支援機構からの預り金のうち、郵政管理・支援機構が公社から承継した定期郵便貯金、定額郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金に相当する郵便貯金で満期となったものなどであります。
4.上記の通常貯金、定期性預金は、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 事業に係る主な法律関連事項③ 郵政民営化法 (f) ゆうちょ銀行における預入限度額」に記載の郵政民営化法における預入限度額規制上の区分とは異なります。
(f) 資産運用の状況(末残・構成比)
当事業年度末の運用資産のうち、国債は41.4兆円、その他の証券は88.2兆円となりました。
種類前事業年度当事業年度増減
金額(百万円)
(A)
構成比(%)金額(百万円)
(B)
構成比(%)金額(百万円)
(B)-(A)
預け金等64,888,08728.1854,527,02624.44△10,361,061
コールローン2,135,0000.921,760,0000.78△375,000
買現先勘定8,463,5373.678,270,1513.70△193,386
金銭の信託5,721,9732.486,222,8302.78500,856
うち国内株式616,5710.26800,8740.35184,303
うち国内債券1,130,9950.491,059,6880.47△71,307
有価証券143,565,33962.35145,374,04365.161,808,703
国債40,342,65217.5241,437,88418.571,095,231
地方債5,600,8752.435,573,8982.49△26,976
短期社債678,7310.29823,5990.36144,867
社債9,483,3434.119,206,3114.12△277,031
株式33,3830.0175,2710.0341,888
その他の証券87,426,35237.9788,257,07739.55830,725
うち外国債券27,823,72812.0829,013,68113.001,189,952
うち投資信託59,437,32825.8159,056,64326.47△380,684
貸出金3,130,5951.354,372,1931.951,241,597
その他2,340,3301.012,570,6411.15230,310
合計230,244,864100.00223,096,885100.00△7,147,979

(注) 「預け金等」は譲渡性預け金、日銀預け金、買入金銭債権であります。
(g) 評価損益の状況(末残)
当事業年度末の評価損益(その他目的)は、国内金利の上昇等に伴い、ヘッジ考慮後で、前事業年度末から1,454億円悪化し、△1兆2,333億円(税効果前)となりました。
前事業年度(A)当事業年度(B)増減(B)-(A)
貸借対照表
計上額
/想定元本
評価損益
/ネット繰延
損益
貸借対照表
計上額
/想定元本
評価損益
/ネット繰延
損益
貸借対照表
計上額
/想定元本
評価損益
/ネット繰延
損益
(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)
その他目的104,603,356553,42699,310,122904,717△5,293,233351,291
有価証券98,881,3821,864,33293,087,2922,596,913△5,794,089732,580
国債15,305,265△1,705,12210,586,012△2,527,336△4,719,253△822,213
外国債券19,103,8442,483,52019,333,0623,588,967229,2171,105,446
投資信託59,437,3281,194,81459,056,6431,699,820△380,684505,006
その他5,034,944△108,8794,111,574△164,538△923,369△55,658
時価ヘッジ効果額-△1,548,817-△1,954,026-△405,209
金銭の信託5,721,973237,9106,222,830261,830500,85623,920
国内株式616,571301,255800,874360,896184,30359,641
その他5,105,402△63,3445,421,955△99,065316,552△35,721
デリバティブ取引
(繰延ヘッジ適用分)
15,944,074△1,641,32815,314,434△2,138,108△629,640△496,780
評価損益合計
①+②+③+④
-△1,087,901-△1,233,391-△145,489

(注) 「有価証券」には、有価証券のほか、現金預け金中の譲渡性預け金、買入金銭債権を含んでおります。
前事業年度(A)当事業年度(B)増減(B)-(A)
貸借対照表
計上額
評価損益貸借対照表
計上額
評価損益貸借対照表
計上額
評価損益
(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)(百万円)
満期保有目的の債券45,169,875△2,386,74352,680,226△4,293,9657,510,351△1,907,221


(h) 業種別貸出金残高の状況(末残・構成比)
業種別前事業年度当事業年度増減
金額(百万円)
(A)
構成比(%)金額(百万円)
(B)
構成比(%)金額(百万円)
(B)-(A)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)3,114,595100.004,361,193100.001,246,597
農業、林業、漁業、鉱業-----
製造業194,8026.25219,7005.0324,897
電気・ガス等、情報通信業、運輸業105,8833.39178,9004.1073,017
卸売業、小売業50,2531.6156,2241.285,971
金融・保険業407,42813.08201,5164.62△205,912
建設業、不動産業124,6594.00118,1552.70△6,504
各種サービス業、物品賃貸業81,1042.60119,3602.7338,255
国、地方公共団体2,085,29066.953,408,95078.161,323,660
その他65,1722.0958,3841.33△6,788
国際及び特別国際金融取引勘定分16,000100.0011,000100.00△5,000
政府等-----
その他16,000100.0011,000100.00△5,000
合計3,130,5954,372,1931,241,597

(注) 1.「国内」とは本邦居住者に対する貸出、「国際」とは非居住者に対する貸出であります。
2.ゆうちょ銀行は、海外店及び海外連結子会社を有しておりません。
3.「金融・保険業」のうち郵政管理・支援機構向け貸出金は、前事業年度末34,618百万円、当事業年度末6,650百万円であります。
(参考2) 自己資本比率の状況
ゆうちょ銀行の自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、ゆうちょ銀行は、国内基準を適用の上、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法、マーケット・リスク相当額の算出においては標準的方式を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
2026年3月31日
1.連結自己資本比率(2/3)14.93
2.連結における自己資本の額95,720
3.リスク・アセット等の額640,728
4.連結総所要自己資本額25,629

(注) 連結総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
2026年3月31日
1.単体自己資本比率(2/3)14.96
2.単体における自己資本の額95,770
3.リスク・アセット等の額639,799
4.単体総所要自己資本額25,591

(注) 単体総所要自己資本額は、上記3.に記載しているリスク・アセット等の額に4%を乗じた額であります。
(参考3) 資産の査定
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、ゆうちょ銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
(a) 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
(b) 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
(c) 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
(d) 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記(a)から(c)までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
債権の区分2025年3月31日2026年3月31日
金額(億円)金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権0-
危険債権00
要管理債権--
正常債権32,68545,581


⑥ 生命保険業
かんぽ生命保険では、「お客さまから信頼され、選ばれ続けることで、お客さまの人生を保険の力でお守りする」という社会的使命を果たすべく、ライフステージ/世代を超えたつながりによるお客さまの維持・拡大と、持続的な「強い会社」へ向けた取組みを進めてまいりました。
2025年度は、非公開金融情報の不適切利用事案等を踏まえ、全ての活動をお客さま起点に進化させるとともに、お客さまサービス向上に関するこれまでの取組みを定着・発展させることで、あらゆる場面でお客さまに安心をお届けし続ける活動の展開に注力してまいりました。加えて、安心を支える強靭な経営基盤の確立に取り組むことで、「お客さまの人生を通して安心をお届けする」というかんぽ生命保険の価値をお客さまへ提供し続けてまいりました。2025年度の主な取組みは次のとおりです。
ライフステージ/世代を超えたつながりによるお客さまの維持・拡大については、お客さま本位の業務運営をさらに発展させるため、「保険のプロ」としての使命感のもと、お客さまへの商品提案からアフターフォロー、保険金の請求手続き等のあらゆる場面で、お客さまに安心をお届けし続ける活動を一体的に展開できるよう取り組んでまいりました。具体的には、お客さまとの長期安定的な関係を築きながら、様々な世代のお客さまの課題を把握し、解決策としての保障をご提案できるよう、営業社員のスキル向上に取り組んでまいりました。また、あらゆる世代のお客さまの多様なニーズにお応えする保険サービスの開発を進めてまいりました。2024年1月に販売を開始しご好評いただいている一時払終身保険について、2024年度に特約の中途付加(基本契約の締結後に特約を付加すること)を可能にする等の商品改善や、2025年度には金利上昇等の外部環境の変化を捉え、段階的に保険料の改定を実施してまいりました。加えて、2026年5月には、平準払商品の魅力向上等も実現しました。さらに、お客さまに安心をお届けし続けるため、郵便局と一体となり“ALLかんぽ”でのアフターフォローに取り組んでおります。加えて、各種手続きにおけるお客さまの負担軽減や利便性向上を果たすべく、デジタルを活かした手続きを一層拡充し、お客さまサービスの向上に取り組んでまいりました。また、営業社員に対して、保険募集実績だけでなくアフターフォロー等も含めたお客さま本位の活動全般を定量的に評価する制度を導入し、社員の成長度合いを見える化・評価して成長を促進しながら、お客さまサービスの向上に取り組んでまいりました。この制度をさらに発展させ、かんぽ生命保険の各拠点の活動全般と成長度合いも定量的に見える化・評価することで、社員と組織双方の成長を一層推進してまいりました。
持続的な「強い会社」へ向けた取組みについては、保険金等の確実なお支払いのためALM※1を基本としつつ、安定的な順ざやの確保を目指し、リスク許容度の範囲で収益追求資産への投資を継続しております。また、大和証券グループや三井物産株式会社との提携を通じて、資産運用の態勢・人材ポートフォリオの高度化に取り組んでまいりました。加えて、新たに、新興国市場に特化した英国の大手資産運用会社であるAshmore Groupとの提携を決定しました。このほか、収益源の多様化に向けて、提携関係の発展や新たな成長機会の創出に取り組んでおります。世界有数の資産運用会社であるKKR & Co.Inc、及びGlobal Atlanticとの戦略的提携契約を活用した海外保険市場からの収益獲得や、前述の大和証券グループや三井物産株式会社との提携を通じて、アセットマネジメント事業からの収益獲得にも取り組んでまいりました。また、2026年3月には、Ashmore Groupとの提携に加えて、保険見直し本舗グループへの出資を決定しました。
資本効率を意識した経営については、ERM※2に基づき、ESR※3等の財務の健全性を安定的に確保しつつ、資本収益性を向上させ、修正利益を原資とした安定的な配当や自己株式取得等の安定的な株主還元を図ることで、持続的な成長や中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいりました。また、これらに向けて、資本コストや株価を意識した経営に取り組むことで、市場評価の改善に取り組んでまいりました。
このような取組みを行った結果、当連結会計年度の生命保険業におきましては、一時払終身保険の販売減少の影響等に伴い保険料等収入が減少したこと等により、経常収益は5,625,589百万円(前期比539,377百万円減)となりました。一方で、満期保険金等の保険金支払及び再保険料の支払の減少等により保険金等支払金が減少したこと等から、経常利益は271,777百万円(前期比101,964百万円増)となりました。
※1 ALMとは、Asset Liability Managementの略語で、資産負債の総合管理のことです。
※2 ERMとは、Enterprise Risk Managementの略語で、会社が直面するリスクに関して、潜在的に重要なリスクを含めて総体的に捉え、会社全体の自己資本などと比較・対照することによって、事業全体として行うリスク管理のことです。
※3 ESRとは、Economic Solvency Ratioの略語で、財務健全性指標の一つである「経済価値ベースのソルベンシー比率」のことです。

かんぽ生命保険における保険引受及び資産運用の状況などの詳細な状況については、下記「(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況」に記載のとおりであります。
(参考)生命保険業を行う当社の子会社であるかんぽ生命保険の状況
(下表(a)イ.~ニ.の個人保険及び個人年金保険には、かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約を含みません。)
(a) 保険引受及び資産運用の状況
イ.保有契約高明細表
(単位:千件、百万円)
区分前事業年度末当事業年度末
件数金額件数金額
個人保険12,78635,407,96012,14933,358,414
個人年金保険421579,627329440,027

(注) 個人年金保険の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金額を合計したものであります。
ロ.新契約高明細表
(単位:千件、百万円)
区分前事業年度当事業年度
件数金額新契約転換による
純増加
件数金額新契約転換による
純増加
個人保険7952,121,2372,121,23434281,165,8621,165,77487
個人年金保険01,1951,195-0630630-

(注) 1.件数は、新契約件数に転換後契約件数を加えた数値であります。なお、転換後契約とは、既契約の転換によって成立した契約であります。
2.個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
ハ.保有契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
区分前事業年度末当事業年度末
個人保険2,137,2612,017,920
個人年金保険151,796118,796
合計2,289,0582,136,716
うち医療保障・
生前給付保障等
296,496284,454

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
ニ.新契約年換算保険料明細表
(単位:百万円)
区分前事業年度当事業年度
個人保険175,07597,327
個人年金保険9951
合計175,17497,378
うち医療保障・
生前給付保障等
7,1555,634

(注) 1.年換算保険料とは、1回あたりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年あたりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間等で除した金額)。
2.医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除きます。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含みます。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
3.新契約年換算保険料は、新契約に係る年換算保険料に、既契約の転換による転換前後の年換算保険料の純増加分を加えた数値であります。
(参考)かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約の状況
(a) 保有契約高
(単位:千件、百万円)
区分前事業年度末当事業年度末
件数保険金額・年金額件数保険金額・年金額
保険6,02416,016,5565,57614,838,522
年金保険1,107358,8351,056341,424

(注) 計数は、郵政管理・支援機構における公表基準によるものであります。
(b) 保有契約年換算保険料
(単位:百万円)
区分前事業年度末当事業年度末
保険718,552665,401
年金保険365,570349,490
合計1,084,1221,014,891
うち医療保障・
生前給付保障等
241,412227,925

(注) かんぽ生命保険が郵政管理・支援機構から受再している簡易生命保険契約について、上記ハ.に記載しております個人保険及び個人年金保険の保有契約年換算保険料と同様の計算方法により、かんぽ生命保険が算出した金額であります。
ホ.一般勘定資産の構成
区分前事業年度末当事業年度末
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
現預金・コールローン2,000,3433.41,779,7463.0
買現先勘定604,9141.0472,4820.8
債券貸借取引支払保証金----
買入金銭債権23,2150.021,2290.0
商品有価証券----
金銭の信託6,460,02910.88,039,83613.8
有価証券46,528,66278.144,930,78176.9
公社債41,639,88869.939,768,14268.0
株式594,6081.0787,4341.3
外国証券2,024,5103.42,104,9523.6
公社債1,828,5393.11,865,2053.2
株式等195,9710.3239,7470.4
その他の証券2,269,6553.82,270,2513.9
貸付金2,530,0514.22,134,7643.7
保険約款貸付159,0740.3164,7910.3
一般貸付754,6041.3676,5531.2
機構貸付1,616,3722.71,293,4182.2
不動産120,0660.2116,1710.2
うち投資用不動産----
繰延税金資産728,3621.2327,4340.6
その他560,6350.9629,1951.1
貸倒引当金△766△0.0△864△0.0
合計59,555,517100.058,450,779100.0
うち外貨建資産4,131,1836.94,626,6827.9

(注)1.機構貸付とは、郵政管理・支援機構(簡易生命保険勘定)への貸付であります。
2.不動産については、土地・建物・建設仮勘定を合計した金額を計上しております。
ヘ.一般勘定資産の資産別運用利回り
(単位:%)
区分前事業年度当事業年度
現預金・コールローン0.020.05
買現先勘定--
債券貸借取引支払保証金--
買入金銭債権1.171.28
商品有価証券--
金銭の信託5.269.92
有価証券1.410.97
うち公社債1.250.80
うち株式8.7510.59
うち外国証券3.042.14
貸付金1.741.74
うち一般貸付1.021.08
不動産--
一般勘定計1.571.54
うち海外投融資3.494.12

(注)1.利回り計算式の分母は帳簿価額ベースの日々平均残高、分子は経常損益中、資産運用収益-資産運用費用として算出した利回りであります。
2.一般勘定計には、有価証券信託に係る資産を含めております。
3.海外投融資とは、外貨建資産と円建資産の合計であります。
(b) 基礎利益
基礎利益は、保険料等収入、保険金等支払金、事業費等の保険関係の収支と、利息及び配当金等収入を中心とした運用関係の収支からなる、生命保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であります。
かんぽ生命保険の当事業年度における基礎利益は、4,189億円となりました。
(経常利益等の明細(基礎利益))
(単位:百万円)
項目前事業年度当事業年度
基礎利益(A)242,166418,938
キャピタル収益421,042500,625
金銭の信託運用益199,152397,705
売買目的有価証券運用益--
有価証券売却益110,64052,634
金融派生商品収益--
為替差益20,9996,229
その他キャピタル収益90,25044,056
キャピタル費用418,368623,825
金銭の信託運用損--
売買目的有価証券運用損--
有価証券売却損193,470364,721
有価証券評価損--
金融派生商品費用68,32943,974
為替差損--
その他キャピタル費用156,568215,129
キャピタル損益(B)2,674△123,199
キャピタル損益含み基礎利益(A)+(B)244,840295,739
臨時収益524,3678,126
再保険収入--
危険準備金戻入額506,171-
個別貸倒引当金戻入額--
その他臨時収益18,1968,126
臨時費用598,22630,618
再保険料--
危険準備金繰入額-30,618
個別貸倒引当金繰入額--
特定海外債権引当勘定繰入額--
貸付金償却--
その他臨時費用598,226-
臨時損益(C)△73,859△22,492
経常利益(A)+(B)+(C)170,981273,247

(参考) その他項目の内訳
(単位:百万円)
項目前事業年度当事業年度
基礎利益への影響額48,122162,946
投資信託の解約益△23,202△603
金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額156,568215,129
為替に係るヘッジコスト△67,047△43,453
既契約の出再に伴う損益△18,196△8,126
その他キャピタル収益90,25044,056
投資信託の解約益23,202603
金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額--
為替に係るヘッジコスト67,04743,453
その他キャピタル費用156,568215,129
金銭の信託に係るインカム・ゲインに相当する額156,568215,129
為替に係るヘッジコスト--
その他臨時収益18,1968,126
既契約の出再に伴う損益18,1968,126
その他臨時費用598,226-
追加責任準備金繰入額598,226-
既契約の出再に伴う損益--

(c) かんぽ生命保険の連結ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株価の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つであります。
かんぽ生命保険は、適切な資本管理という観点で、連結ソルベンシー・マージン比率の適正水準を150%~220%と設定しております。
当連結会計年度末における連結ソルベンシー・マージン比率は181%(監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値)となっており、円金利の上昇による大量解約リスクの影響等により、前連結会計年度末から15ポイントの低下となっておりますが、適正水準の範囲内となっております。
(単位:兆円)
項目前連結会計年度末
(2025年3月31日)
当連結会計年度末
(2026年3月31日)
適格資本合計額(A)4.474.76
所要資本合計額(B)2.282.63
連結ソルベンシー・マージン比率
(A)/(B)
196%181%

(注) 1.令和7年金融庁告示第74号「保険業法施行規則第八十六条及び第八十七条等の規定に基づき保険金等の支払能力に相当する額及び通常の予測を超える危険に相当する額の計算方法等を定める件」に基づいて算出しております。
2.当連結会計年度末の数値は、監査未済の経済価値ベースのバランスシートに基づく暫定値であります。また、前連結会計年度末の数値は、当連結会計年度末における計算方法を適用した試算値であります。
(d) かんぽ生命保険のEV
イ.EVの概要
ⅰ EVについて
エンベディッド・バリュー(以下「EV」といいます。)は対象事業に割り当てられた、資産及び負債から生じる株主への分配可能な利益の価値の見積りであります。ただし、将来の新契約から生じる価値は含みません。
生命保険契約は、一般に販売時に多くのコストが発生するため、一時的には損失が発生するものの、契約が継続することで、将来にわたり生み出される利益によりそのコストを回収することが期待される収支構造となっております。現行の法定会計では、このような収支構造をそのまま各年度の損益として把握しておりますが、EVは、全保険期間を通じた損益を現在価値で評価することとなるため、現行の法定会計による財務情報では不足する情報を補うことができる指標の一つと考えております。
ⅱ 計算方法の変更について
かんぽ生命保険では、前事業年度末まで、ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー原則に則り、市場整合的手法を用いた計算方法(以下「旧基準」といいます。)により計算したヨーロピアン・エンベディッド・バリューを開示しております。
このたび、2026年3月末の経済価値ベースのソルベンシー規制導入を踏まえ、当事業年度末のEVについては、経済価値ベースのバランスシートにおける連結純資産から、株主に帰属しない要素を控除したものとして計算する方法(以下「新基準」といいます。)に変更しております。
旧基準と新基準の計算方法の違いがEVに与える影響は、主に、保険負債の割引率としてリスク・フリー・レートに調整後スプレッドを上乗せすることによる差や、旧基準ではリスク・コストとしてヘッジ不能リスクに係る費用という形で反映していたものを、経済価値ベースのバランスシートにおけるMOCEを反映する手法に変更したことによる差であります。これらの影響によるEVの変動については「ニ 前事業年度末EVからの変動要因」をご参照ください。
ロ.簡易生命保険契約について
かんぽ生命保険は、郵政民営化法に基づき、2007年10月1日に発足しました。また、2007年9月末までに契約された簡易生命保険契約は、郵政管理・支援機構に承継されるとともに、郵政管理・支援機構が負う保険責任のすべてについて、かんぽ生命保険が受再しております。
かんぽ生命保険は、郵政管理・支援機構との再保険契約において、簡易生命保険契約を他の保険契約と区分して管理すること(簡易生命保険契約に係る危険準備金及び価格変動準備金も区分して管理すること)、簡易生命保険契約から生じた利益(危険準備金及び価格変動準備金の戻入による利益も含んでおります。)も区分して管理すること、及び郵政管理・支援機構が簡易生命保険契約に対して既に約款で約束している確定配当所要額と再保険損益(確定配当所要額及び法人税等を除いたこの区分における利益)の8割の合計額を、郵政管理・支援機構へ再保険配当として支払うことを定めております。EVの計算においては、この郵政管理・支援機構への再保険配当を差し引いた後の利益を反映しております。
ハ.EVの計算結果
国内株価上昇による国内株式の含み益の増加を主な理由として、当事業年度末におけるEVは前事業年度末から増加しております。
(単位:億円)
前事業年度末
(2025年3月末)(注1)
当事業年度末
(2026年3月末)
増減
EV39,40942,5653,155
修正純資産相当額(注2、3)20,06319,996△67
保有契約価値相当額(注2、4)19,34522,5693,223

(注) 1.前事業年度末は旧基準の数値であります。
2.保険契約に係る有価証券、貸付金および不動産の含み損益、ならびに旧簡易生命保険契約に係る危険準備金および価格変動準備金は、修正純資産相当額には含めず、保有契約価値相当額に含めております。
3.前事業年度末については、2025年3月31日に取得(約定)した自己株式330億円を控除しております。
4.保有契約価値相当額は、保有契約の評価日時点における価値を表したもので、保有契約および保有契約に係る資産から将来発生すると見込まれる株主への分配可能な利益を現在価値に割り引いております。
新契約価値は、当期間に獲得した新契約(更新特則による加入契約を含む。条件付解約による加入契約及び転換契約については正味増加分のみ)の契約獲得時点における価値を表したものであります。
新契約価値及び新契約マージン(新契約価値の保険料収入現価に対する比率)は以下のとおりであります。
(単位:億円)
前事業年度
(2025年3月期) (注1)
当事業年度
(2026年3月期)
増減
新契約価値679615△63
保険料収入現価(注2)19,70710,375△9,332
新契約マージン3.45%5.93%2.48ポイント

(注) 1.前事業年度は旧基準の数値であります。
2.将来の収入保険料を、新契約価値の計算に用いた割引率で割り引いております。
ニ.前事業年度末EVからの変動要因
(単位:億円)
EV
前事業年度末EV(旧基準)39,409
ⅰ 旧基準から新基準への調整617
前事業年度末EV(新基準)40,027
ⅱ 前事業年度末EVの調整△899
前事業年度末EV(調整後)39,127
ⅲ 当事業年度新契約価値615
ⅳ 期待収益(割引率解放分)603
ⅴ 期待収益(超過収益分)1,789
ⅵ 前提条件(非経済前提)と実績の差異△49
ⅶ 前提条件(非経済前提)の変更703
ⅷ 前提条件(経済前提)と実績の差異△223
当事業年度末EV42,565

ⅰ 旧基準から新基準への調整
旧基準と新基準の計算方法の違いによる差を表したものであります。旧基準と新基準の計算方法の違いについては「イ EVの概要 ⅱ計算方法の変更について」をご参照ください。
ⅱ 前事業年度末EVの調整
かんぽ生命保険は当事業年度において429億円の株主配当金を支払っており、EVがその分減少しております。また、当事業年度において469億円の自己株式の取得(約定)を行っており、EVがその分減少しております。
ⅲ 当事業年度新契約価値
新契約価値は、当事業年度に新契約を獲得したことによる契約獲得時点における価値を表したものであり、契約獲得に係る費用を控除した後の金額が反映されております。
ⅳ 期待収益(割引率解放分)
EVの計算にあたっては、将来の期待収益を割引率で割り引いておりますので、時間の経過とともに割引の影響が解放されます。これには、調整後スプレッドに相当する割引率の解放ならびに保証とオプションの時間価値およびMOCEのうち当事業年度分の解放を含んでおります。
ⅴ 期待収益(超過収益分)
EVの計算にあたっては、将来の期待収益としてリスク・フリー・レートを用いておりますが、実際の会社はリスク・フリー・レートを超過する利回りを期待しております。この項目は、その期待される超過収益を表しております。
なお、期待収益率のうちの調整後スプレッド分に相当する期待収益は「ⅳ 期待収益(割引率解放分)」に含めており、この項目で表される期待収益には調整後スプレッド分は含まれておりません。
ⅵ 前提条件(非経済前提)と実績の差異
前事業年度末の計算に用いた前提条件(非経済前提)と、当事業年度の実績の差額であります。
ⅶ 前提条件(非経済前提)の変更
前提条件(非経済前提)を更新したことにより、翌事業年度以降の収支等が変化することによる影響であります。
ⅷ 前提条件(経済前提)と実績の差異
市場金利やインプライド・ボラティリティ等の経済前提が、前事業年度末EV計算に用いたものと異なることによる影響であります。当該影響は、当事業年度の実績及び翌事業年度以降の見積りの変更を含んでおります。
国内金利上昇の影響による含み益の減少等により、EVは223億円減少しました。
ホ.感応度(センシティビティ)
前提条件を変更した場合のEVの感応度は以下のとおりであります。感応度は、一度に1つの前提のみを変化させることとしており、同時に2つの前提を変化させた場合の感応度は、それぞれの感応度の合計とはならないことにご注意ください。
(単位:億円)
前提条件EV増減額
当事業年度末EV42,565
感応度1:国内金利50bp上昇41,479△1,085
感応度2:国内金利50bp低下43,554989
感応度3:米ドル金利50bp上昇42,163△401
感応度4:米ドル金利50bp低下42,988423
感応度5:株式・不動産価値10%下落40,035△2,529
感応度6:為替10%円高41,533△1,031
感応度7:事業費率(維持費)10%減少43,9731,407
感応度8:解約失効率10%減少43,068503

前提条件を変更した場合の新契約価値の感応度は以下のとおりであります。
(単位:億円)
前提条件新契約価値増減額
当事業年度新契約価値615
感応度1:国内金利50bp上昇793178
感応度2:国内金利50bp低下412△203
感応度7:事業費率(維持費)10%減少66953
感応度8:解約失効率10%減少64732


ⅰ 感応度1:国内金利50bp上昇
(ⅰ)日本円の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。金利の変動により時価が変動する債券・貸付金等を再評価するとともに、将来の運用利回りや割引率を変動させてEVを再計算しております。
(ⅱ)イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。
ⅱ 感応度2:国内金利 50bp低下
(ⅰ)日本円の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。なお、金利の正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。
(ⅱ)イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。
ⅲ 感応度3:米ドル金利50bp上昇
(ⅰ)アメリカ合衆国通貨の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp上昇した場合の影響を表しております。
(ⅱ)イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。
ⅳ 感応度4:米ドル金利50bp低下
(ⅰ)アメリカ合衆国通貨の市場金利(フォワード・レート換算後)が各年限とも50bp低下した場合の影響を表しております。
なお、金利の正負を判定せず、下限を設けずに50bp低下させております。
(ⅱ)イールド・カーブについて、補外開始年度以降は終局金利(フォワード・レート)を変えずに補外しております。
ⅴ 感応度5:株式・不動産価値10%下落
株式及び不動産の評価日時点の価格が10%下落した場合の影響を表しております。
ⅵ 感応度6:為替10%円高
日本円の評価日時点の為替レートが10%上昇した場合の影響を表しております。
ⅶ 感応度7:事業費率(維持費)10%減少
事業費率(契約維持に係るもの)が10%減少した場合の影響を表しております。
ⅷ 感応度8:解約失効率10%減少
解約失効率が10%減少(基本となる解約失効率に90%を乗じた水準)した場合の影響を表しております。
ヘ.注意事項
EVの計算においては、リスクと不確実性を伴う将来の見通しを含んだ多くの前提条件を使用し、それらの多くは個別会社の管理能力を超えた領域に属するものであります。また、将来の実績がEVの計算に使用した前提条件と大きく異なる場合もあり得ます。
これらの理由により、本EV開示は、EV計算に用いられた将来の税引後利益が達成されることを表明するものではなく、使用にあたっては、十分な注意を払っていただく必要があります。
⑦ その他
各報告セグメントにおける事業のほか、グループシェアード事業については、業務集約による効率化効果が大きいと考えられる業務をグループ横断的に集約し、一括してBPR(ビジネスプロセス・リ・エンジニアリング)やDXを行い、効率化・生産性向上を図る取組みを進めております。当社の子会社である日本郵政コーポレートサービス株式会社では、引き続きグループ横断的に業務のシェアード化を進めており、今後はこれまでの未集約業務に加え、各社固有業務、バックオフィス業務、外部委託業務等の集約を検討するなど、対象業務を順次拡大していく予定です。
病院事業については、地域医療機関との連携や救急患者の受入の強化等による増収対策、業務の効率化等による経費削減等、病院の経営改善を進めているところであります。今後も引き続き上記増収対策や経費削減等の経営改善に取り組みます。
投資事業については、当社の子会社である日本郵政キャピタル株式会社において、中長期的なグループ収益の拡大を念頭に、将来の事業資源や新規事業の獲得、グループ事業に対するシナジーの創出といった戦略リターンの獲得に向け、同社が運営する「日本郵政キャピタル1号投資事業有限責任組合(1号ファンド)」を介して、国内外のスタートアップ企業へ出資※し、出資先企業と当社グループとの連携を進めました。今後も引き続き、日本郵政グループの事業アセットを活用したスタートアップ企業の成長支援に取り組みます。
※ 当連結会計年度(1号ファンドからの出資)11件29億円、1号ファンドからの出資及び直接出資の累計104社総額458億円
(3) キャッシュ・フローの状況及び分析・検討
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は当期首から10,289,057百万円減少し、56,910,206百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動においては、銀行業における資金の運用や調達、生命保険業における保険料の収入や保険金の支払等の結果、10,338,345百万円の支出(前期は2,794,869百万円の収入)となりました。
主な要因として、コールマネー等の純減4,467,570百万円、貯金の純減3,485,523百万円、資金運用収益の減少2,269,863百万円があげられます。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動においては、銀行業及び生命保険業における有価証券の売却、償還による収入等及び有価証券の取得による支出等の結果、669,224百万円の収入(前期は4,684,413百万円の収入)となりました。
主な要因として、有価証券の売却による収入3,195,723百万円や有価証券の償還による収入24,661,407百万円、有価証券の取得による支出26,913,467百万円があげられます。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動においては、自己株式の取得による支出等の結果、622,930百万円の支出(前期は215,896百万円の収入)となりました。
主な要因として、自己株式の取得による支出251,115百万円、配当金の支払による減少146,037百万円、非支配株主への配当金の支払による減少131,519百万円があげられます。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
グループの成長に資する投資として、物流分野の能力増強投資や、賃貸事業等への不動産投資等を計画しております。それらの実行にあたっては、投資判断基準等に照らして慎重に検討し、適切と判断したものを実施することとしております。
また、株主還元については、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の一つとして位置づけ、経営成績に応じた株主への利益還元を継続して安定的に行うことを基本方針としており、内部留保の充実に留意しつつ、資本効率を意識し、着実な株主への利益還元を実現することを目指してまいります。
それらの財源は、営業活動で得られたキャッシュ・フローや株式保有先からの配当、過去の株式売却金に加え、余剰ネットキャッシュや有利子負債により調達した資金を想定しております。また、当社及び一部の連結子会社においてキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、各社の資金を一元管理することで、資金効率の向上を図っております。なお、当社は株式会社日本格付研究所(JCR)から格付を取得しており、当連結会計年度末現在における長期発行体格付はAA+(安定的)となっております。
資本コストに関しては、新中期経営計画期間の重点戦略等に取り組むことにより、株主資本コストを上回るROEの継続的な創出を中期的な目標とします。
なお、現在予定している設備の新設計画としては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備等の新設等」の記載をご参照ください。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。
当社グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
特に以下の重要な会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。
① 金融商品の時価評価
当社グループの有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、公表された相場価格に基づいて算定しておりますが、公表された相場価格がない場合には合理的な見積りに基づいて算定された価額によっております。
将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積額は変動する可能性があります。
金融商品の時価の算定方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(金融商品関係)に、金融商品のうち有価証券の時価評価に用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 有価証券の減損
当社グループの金銭の信託で運用する有価証券を含め売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価又は実質価額が著しく下落したものについては合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。株式市場の悪化等、将来の金融市場の状況によっては、多額の減損損失を計上する可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、原則として内部管理上独立した業績報告が行われる単位を基礎として、資産のグルーピングを行っております。減損の兆候の判定に当たっては、過去あるいは当期以降見込まれる営業損益や営業キャッシュ・フローが継続してマイナスとなる場合等を勘案し判断しております。資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。なお、資産グループの回収可能価額は正味売却価額と使用価値のいずれか高い価額としております。正味売却価額は第三者により合理的に算定された評価額等により、使用価値は将来キャッシュ・フローに基づき合理的に算定しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。なお、日本郵便株式会社の郵便・物流事業に使用している固定資産の減損における会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
④ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、将来の課税所得を合理的に見積っております。
保険子会社における課税所得の見積りにおいては、当連結会計年度に作成した経営計画を基礎としており、今後、当該計画における取組方針の下、一定の新契約水準に到達する前提で作成しております。
当連結会計年度における新契約の実績は、一時払終身保険の販売減少等の影響により経営計画の水準まで達しておらず、今後の新契約水準が将来の経営環境や営業施策の効果発現による影響を受けることから、保険子会社において計上した繰延税金資産の回収可能性については、当該経営計画を基礎とした前提の下、複数のストレスシナリオを考慮して判断しております。以上のとおり、繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、将来、当社グループを取り巻く経営環境に大きな変化があった場合等、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産の回収可能性が変動する可能性があります。
⑤ 責任準備金の積立方法
当社グループは、保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。
責任準備金の計算に使用される予定死亡率、予定利率及び予定事業費率などの基礎率は合理的であると考えておりますが、実際の結果が著しく乖離した場合や環境の変化により将来乖離が見込まれる場合には、責任準備金の金額に影響を及ぼす可能性があります。
なお、責任準備金の積立方法は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
⑥ 退職給付債務及び退職給付費用
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率など将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。
このため、実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件の変更が行われた場合には、将来の退職給付債務及び退職給付費用が変動する可能性があります。
なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(退職給付関係)に、退職給付債務の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(5) 目標とする経営指標の達成状況
当社グループにおいては、主要な経営目標として1株当たり当期純利益を採用しており、2026年3月期においては当初業績予想127.87円に対し1株当たり当期純利益129.14円となりました。2026年3月期の経営成績の状況及び分析・検討については、上記「(2) 経営成績の状況及び分析・検討」に示しております。
(6) 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、不動産事業、銀行業及び生命保険業を中心とした広範囲な事業を営んでおり、生産、受注といった区分による表示が困難であることから、「生産、受注及び販売の状況」については、上記「(2) 経営成績の状況及び分析・検討」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

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