四半期報告書-第5期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 11:58
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社を取り巻く環境は、国内においては米中貿易摩擦に加え新型コロナウイルス感染拡大の影響により世界経済が急速に悪化し、厳しい状況が続いております。海外においても、感染拡大が続き経済活動の停滞および長期化に対する懸念から、世界経済の減速リスクを注視する必要があります。
このような環境下、当社グループでは、コンベヤ設備の仕様変更による納入遅れ、新型コロナウイルス感染拡大の影響による立体駐車装置保全工事の受注遅れ等がありましたが、太陽光発電所向け機器販売の増加により売上高は8,935,942千円(前年同四半期比4.9%増)となりました。損益面につきましては、引き続きコスト削減、経費の圧縮などを推進しましたが、生産高減少による操業差損の発生等により営業利益は297,496千円(前年同四半期比27.9%減)、受取配当金等の計上により経常利益は393,392千円(前年同四半期比21.0%減)、移転損失引当金戻入等により親会社株主に帰属する四半期純利益は631,906千円(前年同四半期比98.7%増)となりました
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります
なお、第1四半期連結会計期間より、従来の「太陽光発電システム関連」の名称を「再生エネルギー関連」に変更しております。
[コンベヤ関連]
コンベヤ関連では、土木用設備の納入遅れがありましたが、石炭火力発電所向設備、石灰石運搬設備、保守部品の納入等により、売上高は3,229,822千円(前年同四半期比2.6%増)、セグメント利益は土木向け設備の採算悪化により300,027千円(前年同四半期比12.7%減)となりました。
[立体駐車装置関連]
立体駐車装置関連では、新設工事の減少、保全工事の先送り等により売上高は3,664,547千円(前年同四半期比23.4%減)、新設工事減少による操業差損の発生等によりセグメント利益は540,071千円(前年同四半期比30.6%減)となりました。
[情報サービス関連]
情報サービス関連は、売上高は273,744千円(前年同四半期比0.5%減)となりました。コロナウイルス感染拡大による技術者の稼働率低下によりセグメント損失は43,788千円(前年同四半期セグメント損失9,768千円)となりました。
当社グループは経営方針の中で、売上確保とともに利益を重視することを基本とし、事業規模に合わせた体質改善と経営基盤の強化に努めてまいりました。この度の新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、今後の市場動向を鑑み、当社グループとしては、情報サービス関連事業については、継続投資をしていくよりも事業シナジーを見込める外部企業へ株式譲渡することが経営資源の集中と投資効率の向上及び同事業の顧客価値向上に資すると判断し、本事業を行うNCシステムソリューションズ株式会社の全株式を2020年12月31日付で譲渡しました。
[再生エネルギー関連]
再生エネルギー関連は、関西電機工業株式会社が当社グル―プに加わったことにより売上高は1,767,828千円(前年同四半期比462.5%増)、セグメント利益145,420千円(前年同四半期セグメント損失79,025千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、連結子会社が減少したこともあり前連結会計年度末と比較して812,902千円減少の15,070,061千円となりました。主な内訳は、仕掛品が419,158千円、投資有価証券が284,868千円増加しましたが、現金及び預金が289,337千円、受取手形及び売掛金が941,456千円、流動資産その他が294,794千円減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度と比較して1,768,196千円減少の6,365,104千円となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金が521,402千円、前受金が195,162千円、移転損失引当金が349,732千円、長期借入金が162,486千円減少したことによるものです。純資産は、前連結会計年度と比較して955,294千円増加の8,704,956千円となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により利益剰余金が537,849千円、その他有価証券評価差額金が331,413千円増加したことによるものです。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積に用いた仮定につきましては、「第4 経理の状況1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません 。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は94,946千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間は、設備投資や建設需要が底堅さを維持したものの、新型コロナウイルス感染拡大により先行き不透明な状況が続きました。コンベヤ関連事業においては設計・製作・調達・工事でのコスト低減、経費の圧縮などを行いましたが、受注採算の悪化、工事の先送り等により、セグメント利益は前第3四半期連結累計期間に比べ悪化しました。立体駐車装置関連においても、新設工事の減少により、売上高、セグメント利益ともに前第3四半期連結累計期間に比べ大幅に悪化しました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響としては、コンベヤ関連、立体駐車装置関連ともに、購入品価格の上昇、納期遅延、工事関係の労務費の値上がり、工事遅れ、発注の遅れ等の可能性があり、収益に重要な影響を及ぼす可能性が有ります。
コンベヤ事業においては、運搬機メーカーとして培った技術を活かしながら、顧客第一主義のもと提案営業力の強化を図り、そのニーズに即した新機種投入、付加価値の高い商品提供や新サービスの開発、販売展開を推進してまいります。安定的な事業としての部品販売を維持、強化させながら、新商品開発、新販売ルートの構築により事業を発展させてまいります。引き続きコスト削減努力により価格競争力を強化させます。
都市部における地下トンネルにおいて掘削土砂を地上に垂直搬送する「スネークベルコン」、トンネル工事の掘削ずり出し設備としての需要増が見込まれる「延伸コンベヤ」を開発、販売し、今後予想される大規模案件に積極的に提案していく方針です。
従来から販売している、プラント設備向けコンベヤについては部品販売にも注力してまいります。
立体駐車装置事業においては、商品レパートリーと販売ルート増加による受注拡大に注力しております。また、新機種の開発、調達コスト削減と工場操業度改善と固定費負担軽減によるコスト競争力強化、メンテナンス網の強化とリフレッシュ工事等のソリューション営業展開によるメンテナンス事業の充実、発展を図っております。会社の機能を充実させ、期待通りの成果が出せるよう注力し、立駐業界でのリーディングカンパニーを目指します。
再生エネルギー関連事業においては、前連結会計年度にグループに加わった関西電機工業株式会社と連携し機器の販売、太陽光発電所ディベロップ事業からの転換を図ってまいります。
積極的に行動し、最大限の能力発揮できる企業風土構築と人材能力向上・育成により、当社グループの持続的な成長を果たせるよう経営基盤の強化に努めます。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、当第3四半期連結会計期間の現金及び預金の残高は、5,366,154千円、借入金、社債の残高は、1,212,815千円であり、資金の流動性は維持しております。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
厳しい経営環境にありますが、2020年4月に作成した経営方針に基づいて、より強力に経営構造の改革を推進し、安定的な収益体制を確立し、持続的な成長を果たすことを目指します。売上確保とともに利益を重視することを基本方針とし、事業規模に合わせた体質改善と経営基盤の強化に努めてまいります。