有価証券報告書-第5期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度より、「太陽光発電システム関連」としていた報告セグメント情報を「再生エネルギ-関連」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
①財政状態及び経営成績の状況
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、景気は急速に悪化しました。各種政策や感染対策により、景気持ち直しの傾向は見られるものの、感染は収束せず、2021年1月には首都圏等で2回目の緊急事態宣言が出され、社会経済活動が制限されるなど、1年を通じて先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループでは、お客様に信頼され選ばれるメーカーとして進化し続けるため、エンジニアリング事業の収益力強化、立体駐車装置関連事業における市場シェアの拡大、メンテナンス事業の安定収益体制の構築・拡充等の諸施策を引き続き推進してまいりました。
また管理面でも、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的とした譲渡制限付株式報酬制度の導入拡大、人材育成・評価体系の見直しなどの制度改革を進めてまいりました。
このような取組みの下、当社グループでは、石灰石運搬設備、新設立体駐車装置等の受注により受注高は16,982,428千円(前年同期比29.9%増)となりました。売上高は太陽光発電所向け機器販売が増加したものの、コンベヤ設備の仕様変更による納入遅れ、新型コロナウイルス感染拡大の影響による立体駐車装置保全工事の受注遅れ等により、13,453,503千円(前年同期比3.6%減)となりました。損益面につきましては、引き続きコスト削減、経費の圧縮などを推進した結果、営業利益は820,387千円(前年同期比2.0%増)、受取配当金等の計上により経常利益は879,854千円(前年同期比2.8%減)、移転損失引当金戻入益の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益は1,033,520千円(前年同期比103.0%増)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度より事業セグメントの資産の測定方法の変更を行っております。経営成績における前年同期比較については、前年同期間の数値を変更後の資産の測定方法により組み替えた数値で比較しております。事業セグメントの測定方法の変更の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」の「2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」をご参照ください。
[コンベヤ関連]
今後需要が見込まれる土木工事向けの仮設コンベヤなどを取り扱う新規開発室を立ち上げましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により既往納入先への部品営業活動等が予定通り行うことができませんでした。
部品受注は低迷しましたが、石灰石運搬設備等の受注により受注高は、6,948,575千円(前年同期比97.5%増)となりました。売上高は土木用設備の納入遅れがありましたが、石炭火力発電所向設備、石灰石運搬設備、保守部品の納入等により4,712,098千円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益は土木向け設備の採算悪化により445,455千円(前年同期比5.3%減)となりました。
[立体駐車装置関連]
立体駐車装置関連では、新規案件の獲得に注力するとともに、通常のメンテナンスをグループ外部の協力会社へ移管し提案型保全工事に業務をシフトする施策を実施しました。また、メンテナンス事業の拡大のため、本年3月にジャパンエレベーターサービス株式会社との合弁会社ジャパンパ-キングサ-ビス株式会社を設立しました。
受注高につきましては、新設立体駐車装置等の受注により6,450,593 千円(前年同期比11.0%減)となり、新設工事の減少、保全工事の先送り等により売上高は5,723,503千円(前年同期比14.6%減)、新設工事減少による操業差損の発生等によりセグメント利益は1,036,251千円(前年同期比9.8%減)となりました。
[再生エネルギ-関連]
再生エネルギー関連は、関西電機工業株式会社が当社グループに加わったことにより受注高は3,309,514千円(前年同期比72.2%増)、売上高は2,744,156千円(前年同期比29.6%増)、セグメント利益は257,062千円(前年同期比740.5%増)となりました
[情報サービス関連]
情報サービス関連は、システム開発関係を中心に売上高は273,744千円(前年同期比28.1%減)、新型コロナウィルス感染拡大による技術者の稼動率低下によりセグメント損失43,788千円(前年同期セグメント損失1,802千円)となりました。
当社グループは経営方針の中で、売上確保とともに利益を重視することを基本とし、事業規模に合わせた体質改善と経営基盤の強化に努めてまいりました。この度の新型コロナウィルス感染拡大の影響を踏まえ、今後の市場動向を鑑み、当社グループとしては、情報サービス関連事業については、継続投資をしていくよりも事業シナジーを見込める外部企業へ株式譲渡することが経営資源の集中と投資効率の向上及び同事業の顧客価値向上に資すると判断し、本事業を行うNCシステムソリューションズ株式会社の全株式を2020年12月31日付で譲渡しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ374,819千円増加(連結子会社減少による現金及び現金同等物の減少97,467千円を含む)し、5,588,402千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、464,883千円(前年同期は720,741千円の獲得)となりました。これは主に、コンベヤ、立体駐車装置新設案件、再生エネルギ-ディベロップ案件の入金による売上債権の減少、税金等調整前当期純利益の計上等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、282,274千円(前年同期は349,985千円の使用)となりました。これは主に、連結の範囲変更を伴う子会社株式の売却による収入、有形資産の売却による収入、投資有価証券の売却による収入によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、372,284千円(前年同期は339,699千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。(上記の金額には、消費税等は含まれておりません。)
(b) 受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.「情報サービス関連」は売上高と同額を受注高としており、受注残高はありません。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また決算期間における収益、費用に影響を与える見積りを行わなければならない場合は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。
新型コロナウイルスの感染拡大により財務諸表の作成に当たっては、仕入価格等の上昇の影響が今後発生すると考慮して見積り及び予測を行っていますが、全ての影響について合理的に見積り及び予測を行うことは困難であり収束時期等によっては変動する可能性があります。
(工事進行基準による収益認識)
工事進行基準は工事の進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約に適用しており、その完成工事高は工事収益総額、工事原価総額及び決算期における工事進捗度を合理的に見積り、これに応じて計上しております。
工事原価総額は、工事契約の履行に必要となるすべての作業内容に関する見積原価を含め工事原価総額は、工事契約の履行に必要となるすべての作業内容に関する見積原価を含めて作成しております。また、当事者間の新たな合意による工事契約の変更、作業方法の見直し等、工事着手後の状況の変化による作業内容の変更について、適時・適切に見積りを行い、工事原価総額に反映しております。なお、当該見積りについては、不確実性を伴うものであり、見積りとの乖離が生じた場合には、翌連結会計年度の見積に影響を与える可能性があります。
②経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は13,453,503千円(前年同期比3.6%減)となりました。損益面につきましても、コスト削減、経費の圧縮などを推進しました結果、営業利益は820,387千円(前年同期比2.0%増)、経常利益は受取配当金の計上等により879,854千円(前年同期比2.8%減)となりました。移転損失引当金戻入益の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益は1,033,520千円(前年同期比103.0%増)となりました。
③財政状態の分析
当連結会計年度においてNCシステムソリュ-ションズ株式会社を連結子会社から除外したことにより、前連結会計年度との比較・分析の金額からは当該実績を除いております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して198,629千円減少し15,684,334千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が433,684千円、投資有価証券が353,204千円増加しましたが、受取手形及び売掛金が548,574千円、その他の流動資産が622,808千円減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度と比較して1,672,369 千円減少し6,460,931千円となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金が336,741千円、前受金が709,826千円、長期借入金が211,128千円減少したことによるものです。純資産は、前連結会計年度と比較して1,473,740千円増加し9,223,402千円となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が930,187千円、その他有価証券評価差額金が450,549千円増加したことによるものです。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当連結会計年度は、設備投資や建設需要が底堅さを維持したものの、新型コロナウイルス感染拡大により先行き不透明な状況が続きました。コンベヤ関連事業、立体駐車装置関連事業においては設計・製作・調達・工事でのコスト低減、経費の圧縮などを行いましたが、受注採算は悪化しました。しかしながら、再生エネルギ-関連事業において前連結会計年度に比べ大幅に営業利益を増加することができました。
コンベヤ事業、立体駐車装置事業ともに、海外調達の推進等により、更なるコストダウンに努め、鋼材等の原材料価格の変動の影響を吸収し、収益体制を確保する事業展開を今後も推進します。
⑤戦略的現状と見通し
コンベヤ事業においては、運搬機メーカーとして培った技術を活かしながら、顧客第一主義のもと提案営業力の強化を図り、そのニーズに即した新機種投入、付加価値の高い商品提供や新サービスの開発、販売展開を推進してまいります。安定的な事業としての部品販売を維持、強化させながら、新商品開発、新販売ルートの構築により事業を発展させてまいります。引き続きコスト削減努力により価格競争力を強化させます。
都市部における地下トンネルにおいて掘削土砂を地上に垂直搬送する「スネークベルコン」、トンネル工事の掘削ずり出し設備としての需要増が見込まれる「延伸コンベヤ」「仮設コンベヤ」を開発、販売し、今後予想される大規模案件に積極的に提案していく方針です。
従来から販売している、プラント設備向けコンベヤについては部品販売にも注力してまいります。
立体駐車装置事業においては、商品レパートリーと販売ルート増加による受注拡大に注力しております。また、新機種の開発、調達コスト削減と工場操業度改善と固定費負担軽減によるコスト競争力強化、メンテナンス網の強化とリフレッシュ工事等のソリューション営業展開によるメンテナンス事業の充実、発展を図っております。会社の機能を充実させ、期待通りの成果が出せるよう注力し、立駐業界でのリーディングカンパニーを目指します。
再生エネルギ-関連事業においては、前連結会計年度にグループに加わった関西電機工業株式会社と連携し機器の販売、太陽光発電所ディベロップ事業からの転換を図ってまいります。
積極的に行動し、最大限の能力発揮できる企業風土構築と人材能力向上・育成により、当社グループの持続的な成長を果たせるよう経営基盤の強化に努めます。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
また、キャッシュ・フローの指標は以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に記載されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、より強力に経営構造の改革を推進するため、毎期経営方針を策定しております。当社グループの事業領域におきましては原材料価格の動向や設備投資の調整、為替の変動等により、楽観を許さない状況が続くと想定せざるを得ません。そうした中にあっても、安定的な収益体制を確立し、持続的な成長を果たすことを目指します。売上確保とともに利益を重視することを基本方針とし、選択と集中で事業規模に合わせた体質改善により経営基盤の強化に努めてまいります。
当連結会計年度より、「太陽光発電システム関連」としていた報告セグメント情報を「再生エネルギ-関連」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
①財政状態及び経営成績の状況
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、景気は急速に悪化しました。各種政策や感染対策により、景気持ち直しの傾向は見られるものの、感染は収束せず、2021年1月には首都圏等で2回目の緊急事態宣言が出され、社会経済活動が制限されるなど、1年を通じて先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループでは、お客様に信頼され選ばれるメーカーとして進化し続けるため、エンジニアリング事業の収益力強化、立体駐車装置関連事業における市場シェアの拡大、メンテナンス事業の安定収益体制の構築・拡充等の諸施策を引き続き推進してまいりました。
また管理面でも、株主の皆様との一層の価値共有を進めることを目的とした譲渡制限付株式報酬制度の導入拡大、人材育成・評価体系の見直しなどの制度改革を進めてまいりました。
このような取組みの下、当社グループでは、石灰石運搬設備、新設立体駐車装置等の受注により受注高は16,982,428千円(前年同期比29.9%増)となりました。売上高は太陽光発電所向け機器販売が増加したものの、コンベヤ設備の仕様変更による納入遅れ、新型コロナウイルス感染拡大の影響による立体駐車装置保全工事の受注遅れ等により、13,453,503千円(前年同期比3.6%減)となりました。損益面につきましては、引き続きコスト削減、経費の圧縮などを推進した結果、営業利益は820,387千円(前年同期比2.0%増)、受取配当金等の計上により経常利益は879,854千円(前年同期比2.8%減)、移転損失引当金戻入益の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益は1,033,520千円(前年同期比103.0%増)となりました。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
当連結会計年度より事業セグメントの資産の測定方法の変更を行っております。経営成績における前年同期比較については、前年同期間の数値を変更後の資産の測定方法により組み替えた数値で比較しております。事業セグメントの測定方法の変更の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) セグメント情報」の「2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」をご参照ください。
[コンベヤ関連]
今後需要が見込まれる土木工事向けの仮設コンベヤなどを取り扱う新規開発室を立ち上げましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響により既往納入先への部品営業活動等が予定通り行うことができませんでした。
部品受注は低迷しましたが、石灰石運搬設備等の受注により受注高は、6,948,575千円(前年同期比97.5%増)となりました。売上高は土木用設備の納入遅れがありましたが、石炭火力発電所向設備、石灰石運搬設備、保守部品の納入等により4,712,098千円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益は土木向け設備の採算悪化により445,455千円(前年同期比5.3%減)となりました。
[立体駐車装置関連]
立体駐車装置関連では、新規案件の獲得に注力するとともに、通常のメンテナンスをグループ外部の協力会社へ移管し提案型保全工事に業務をシフトする施策を実施しました。また、メンテナンス事業の拡大のため、本年3月にジャパンエレベーターサービス株式会社との合弁会社ジャパンパ-キングサ-ビス株式会社を設立しました。
受注高につきましては、新設立体駐車装置等の受注により6,450,593 千円(前年同期比11.0%減)となり、新設工事の減少、保全工事の先送り等により売上高は5,723,503千円(前年同期比14.6%減)、新設工事減少による操業差損の発生等によりセグメント利益は1,036,251千円(前年同期比9.8%減)となりました。
[再生エネルギ-関連]
再生エネルギー関連は、関西電機工業株式会社が当社グループに加わったことにより受注高は3,309,514千円(前年同期比72.2%増)、売上高は2,744,156千円(前年同期比29.6%増)、セグメント利益は257,062千円(前年同期比740.5%増)となりました
[情報サービス関連]
情報サービス関連は、システム開発関係を中心に売上高は273,744千円(前年同期比28.1%減)、新型コロナウィルス感染拡大による技術者の稼動率低下によりセグメント損失43,788千円(前年同期セグメント損失1,802千円)となりました。
当社グループは経営方針の中で、売上確保とともに利益を重視することを基本とし、事業規模に合わせた体質改善と経営基盤の強化に努めてまいりました。この度の新型コロナウィルス感染拡大の影響を踏まえ、今後の市場動向を鑑み、当社グループとしては、情報サービス関連事業については、継続投資をしていくよりも事業シナジーを見込める外部企業へ株式譲渡することが経営資源の集中と投資効率の向上及び同事業の顧客価値向上に資すると判断し、本事業を行うNCシステムソリューションズ株式会社の全株式を2020年12月31日付で譲渡しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度において現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ374,819千円増加(連結子会社減少による現金及び現金同等物の減少97,467千円を含む)し、5,588,402千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、464,883千円(前年同期は720,741千円の獲得)となりました。これは主に、コンベヤ、立体駐車装置新設案件、再生エネルギ-ディベロップ案件の入金による売上債権の減少、税金等調整前当期純利益の計上等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、282,274千円(前年同期は349,985千円の使用)となりました。これは主に、連結の範囲変更を伴う子会社株式の売却による収入、有形資産の売却による収入、投資有価証券の売却による収入によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、372,284千円(前年同期は339,699千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
コンベヤ関連 | 4,666,067 | +5.2 |
立体駐車装置関連 | 5,384,524 | △14.2 |
再生エネルギ-関連 | 2,485,484 | +222.7 |
合計 | 12,536,076 | +9.2 |
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。(上記の金額には、消費税等は含まれておりません。)
(b) 受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
コンベヤ関連 | 6,948,575 | +97.5 | 10,672,194 | +26.5 |
立体駐車装置関連 | 6,450,593 | △11.0 | 6,334,585 | +13.0 |
情報サービス関連 | 273,744 | △28.1 | ― | ― |
再生エネルギー関連 | 3,309,514 | +72.2 | 921,654 | +158.7 |
合計 | 16,982,428 | +29.9 | 17,928,434 | +24.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.「情報サービス関連」は売上高と同額を受注高としており、受注残高はありません。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
コンベヤ関連 | 4,712,098 | △0.7 |
立体駐車装置関連 | 5,723,503 | △14.6 |
情報サービス関連 | 273,744 | △28.1 |
再生エネルギー関連 | 2,744,156 | +29.6 |
合計 | 13,453,503 | △3.6 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
㈱ICHIKAWA | 2,009,860 | 14.4 | 2,492,335 | 18.5 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また決算期間における収益、費用に影響を与える見積りを行わなければならない場合は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。
新型コロナウイルスの感染拡大により財務諸表の作成に当たっては、仕入価格等の上昇の影響が今後発生すると考慮して見積り及び予測を行っていますが、全ての影響について合理的に見積り及び予測を行うことは困難であり収束時期等によっては変動する可能性があります。
(工事進行基準による収益認識)
工事進行基準は工事の進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約に適用しており、その完成工事高は工事収益総額、工事原価総額及び決算期における工事進捗度を合理的に見積り、これに応じて計上しております。
工事原価総額は、工事契約の履行に必要となるすべての作業内容に関する見積原価を含め工事原価総額は、工事契約の履行に必要となるすべての作業内容に関する見積原価を含めて作成しております。また、当事者間の新たな合意による工事契約の変更、作業方法の見直し等、工事着手後の状況の変化による作業内容の変更について、適時・適切に見積りを行い、工事原価総額に反映しております。なお、当該見積りについては、不確実性を伴うものであり、見積りとの乖離が生じた場合には、翌連結会計年度の見積に影響を与える可能性があります。
②経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は13,453,503千円(前年同期比3.6%減)となりました。損益面につきましても、コスト削減、経費の圧縮などを推進しました結果、営業利益は820,387千円(前年同期比2.0%増)、経常利益は受取配当金の計上等により879,854千円(前年同期比2.8%減)となりました。移転損失引当金戻入益の計上等により親会社株主に帰属する当期純利益は1,033,520千円(前年同期比103.0%増)となりました。
③財政状態の分析
当連結会計年度においてNCシステムソリュ-ションズ株式会社を連結子会社から除外したことにより、前連結会計年度との比較・分析の金額からは当該実績を除いております。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して198,629千円減少し15,684,334千円となりました。主な内訳は、現金及び預金が433,684千円、投資有価証券が353,204千円増加しましたが、受取手形及び売掛金が548,574千円、その他の流動資産が622,808千円減少したことによるものです。負債は、前連結会計年度と比較して1,672,369 千円減少し6,460,931千円となりました。主な内訳は、支払手形及び買掛金が336,741千円、前受金が709,826千円、長期借入金が211,128千円減少したことによるものです。純資産は、前連結会計年度と比較して1,473,740千円増加し9,223,402千円となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が930,187千円、その他有価証券評価差額金が450,549千円増加したことによるものです。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
当連結会計年度は、設備投資や建設需要が底堅さを維持したものの、新型コロナウイルス感染拡大により先行き不透明な状況が続きました。コンベヤ関連事業、立体駐車装置関連事業においては設計・製作・調達・工事でのコスト低減、経費の圧縮などを行いましたが、受注採算は悪化しました。しかしながら、再生エネルギ-関連事業において前連結会計年度に比べ大幅に営業利益を増加することができました。
コンベヤ事業、立体駐車装置事業ともに、海外調達の推進等により、更なるコストダウンに努め、鋼材等の原材料価格の変動の影響を吸収し、収益体制を確保する事業展開を今後も推進します。
⑤戦略的現状と見通し
コンベヤ事業においては、運搬機メーカーとして培った技術を活かしながら、顧客第一主義のもと提案営業力の強化を図り、そのニーズに即した新機種投入、付加価値の高い商品提供や新サービスの開発、販売展開を推進してまいります。安定的な事業としての部品販売を維持、強化させながら、新商品開発、新販売ルートの構築により事業を発展させてまいります。引き続きコスト削減努力により価格競争力を強化させます。
都市部における地下トンネルにおいて掘削土砂を地上に垂直搬送する「スネークベルコン」、トンネル工事の掘削ずり出し設備としての需要増が見込まれる「延伸コンベヤ」「仮設コンベヤ」を開発、販売し、今後予想される大規模案件に積極的に提案していく方針です。
従来から販売している、プラント設備向けコンベヤについては部品販売にも注力してまいります。
立体駐車装置事業においては、商品レパートリーと販売ルート増加による受注拡大に注力しております。また、新機種の開発、調達コスト削減と工場操業度改善と固定費負担軽減によるコスト競争力強化、メンテナンス網の強化とリフレッシュ工事等のソリューション営業展開によるメンテナンス事業の充実、発展を図っております。会社の機能を充実させ、期待通りの成果が出せるよう注力し、立駐業界でのリーディングカンパニーを目指します。
再生エネルギ-関連事業においては、前連結会計年度にグループに加わった関西電機工業株式会社と連携し機器の販売、太陽光発電所ディベロップ事業からの転換を図ってまいります。
積極的に行動し、最大限の能力発揮できる企業風土構築と人材能力向上・育成により、当社グループの持続的な成長を果たせるよう経営基盤の強化に努めます。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
また、キャッシュ・フローの指標は以下のとおりであります。
2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
自己資本比率(%) | 58.7 | 46.5 | 47.7 | 48.8 | 58.8 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 46.5 | 31.9 | 20.1 | 23.7 | 28.8 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | ― | ― | 38.8 | 230.6 | 306.3 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | ― | ― | 171.2 | 110.2 | 66.0 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行株式数をベースに計算しています。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に記載されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、より強力に経営構造の改革を推進するため、毎期経営方針を策定しております。当社グループの事業領域におきましては原材料価格の動向や設備投資の調整、為替の変動等により、楽観を許さない状況が続くと想定せざるを得ません。そうした中にあっても、安定的な収益体制を確立し、持続的な成長を果たすことを目指します。売上確保とともに利益を重視することを基本方針とし、選択と集中で事業規模に合わせた体質改善により経営基盤の強化に努めてまいります。