有価証券報告書-第19期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 9:32
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【項目】
109項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用情勢の改善や個人消費の回復を背景に、引き続き緩やかな景気回復基調が見受けられたものの、2019年10月に実施された消費税率引上げによる消費減速、米国発の貿易摩擦問題、新型コロナウイルス感染症の全世界的な拡大懸念により、景気の先行きは極めて不透明な状況にあります。
当社が属するインターネット広告市場においては、2019年のインターネット広告費は2兆1,048億円(前年比19.7%増)で、6年連続の二桁成長でテレビメディア広告費を超え、初めて2兆円を超える成長が続いております。インターネット広告費の中でも運用型広告費は1兆3,267億円(前年比15.2%増)と非常に高い成長を遂げております(株式会社電通「2019年 日本の広告費」)。また、当社が注力してまいりましたインターネットを活用した求人広告市場につきましては、2019年度平均の有効求人倍率は1.55倍、2020年3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.39倍となる等、企業の求人が増加傾向にあり(厚生労働省「一般職業紹介状況(2020年3月分及び2019年度分)について」)、新型コロナウイルス感染症拡大の影響と推測される2020年3月の求人メディア全体の求人広告件数は148万5千件と前期からは減少となりましたが、通年では逼迫する労働市場を背景に、引き続き高水準でありました(公益財団法人全国求人情報協会「求人広告掲載件数等集計結果」)。
このような事業環境の下、当社は、採用支援システム「ジョブオレ」の連携先、及び機能の拡充を行い、採用広告領域のさらなる拡大と推進を図ることを基本方針として、『pinpoint及びその他運用型広告』の拡充に努めた結果、当該サービス売上のうち、求人系広告売上は前年同期比で16.3%増と拡大いたしました。一方、OEM代理店・求人広告代理店との連携においては、新卒採用分野における個人情報をめぐる問題、組織変更、他商品の販売優先等課題も散見され、低調に推移しました。また、自社メディアとして運営をしている『らくらく連絡網』、『ガクバアルバイト』、『らくらくアルバイト』に関しては、ビジネスリスクを低減する施策を行い、UIの改良、機能の拡充とサービスの充実を通じて、会員の獲得に努めてまいりました。
その結果、『らくらく連絡網』の2020年3月末時点の会員数は692万人(前年同月比3.3%増)、アプリ会員数は212万人(前年同月比18.8%増)、有効団体数は38万団体(前年同月比1.8%増)、『ガクバアルバイト』の当事業年度における新規登録者数は18万人(前年同期比29.1%増)、『らくらくアルバイト』の2020年3月末時点の会員数は168万人(前年同月比12.9%増)となっております。
以上の結果、当事業年度の売上高は1,844,098千円(前年同期比5.7%減)、営業利益は26,681千円(前年同期比66.0%減)、経常利益は26,328千円(前年同期比65.5%減)、当期純利益は937千円(前年同期比98.4%減)となりました。
なお、当社は、インターネットメディア関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は前事業年度末に比べ41,444千円増加し、702,493千円(前年同期比6.3%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は190,502千円(前年同期比15.8%増)となりました。これは主に、仕入債務の減少額17,631千円、未払消費税等の減少額15,049千円及び未払金の減少額9,945千円があったものの、売上債権の減少額136,846千円、減価償却費101,092千円及び税引前当期純利益26,328千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は135,850千円(前年同期は198,849千円の獲得)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出134,217千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は13,207千円(前年同期比85.0%減)となりました。これは主に、社債の償還による支出20,000千円があったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当社の主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b. 受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c. 販売実績
当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社は単一セグメントでありセグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。
サービスの名称販売高(千円)前年同期比(%)
らくらく連絡網112,722△21.6
ガクバアルバイト186,90811.2
らくらくアルバイト104,813△38.4
pinpoint及びその他運用型広告1,265,1272.5
その他174,526△27.2
合計1,844,098△5.7

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前事業年度当事業年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社リクルート211,11210.8274,09114.9

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の事項については、経営者の会計上の見積りの判断が財務諸表作成における大きな影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、企業の経済環境の変化による採用縮小等に影響を及ぼす懸念がある一方で、新卒採用分野において合同説明会、インターシップ開催の中止、及び大規模イベント等の中止等によって採用手法の見直しが行われることが考えられ、WEBでの母集団形成等が加速していくものと考えられます。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
売上高は、前事業年度より111,790千円(5.7%)減少し、1,844,098千円となりました。これは主に、『pinpoint及びその他運用型広告』の販促広告分野における大型案件の逸失を第1四半期に急伸していた新卒採用広告分野で補う見込みでありましたが、第2四半期にOEM代理店の個人情報をめぐる問題を背景にOEM代理店側で販売活動停止の影響を受けたため、また、「Indeed」に代表される検索エンジンの急拡大により、足元で求人広告代理店におけるリスティング求人広告の営業が優先されたことにより、当社の「pinpoint」の営業に遅れが出たために売上高が伸び悩むこととなりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、売上高の減少に伴い、前事業年度より26,901千円(2.4%)減少し、1,102,461千円となり、売上原価率は2.0ポイント増加して59.8%となりました。これは主に、『pinpoint及びその他運用型広告』の販売は前事業年度より増加したことにより仕入高が11,111千円増加したものの、『その他』に分類している「SP」の販売減少によって業務委託費が25,249千円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、売上総利益は、前事業年度より84,888千円(10.3%)減少し、741,637千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ33,130千円(4.4%)減少し、714,956千円となり、売上に対する販売費及び一般管理費の比率は、0.5ポイント増加して、38.8%となりました。これは主に、人件費が25,022千円増加したものの、広告宣伝費が44,078千円、販売手数料が6,380千円、外注費が2,871千円、旅費交通費が2,087千円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、営業利益は、前事業年度より51,757千円(66.0%)減少し、26,681千円となりました。
(営業外損益)
営業外損益は、前事業年度の2,218千円の費用(純額)から352千円の費用(純額)となりました。これは主として、社債発行費償却453千円を計上したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は、前事業年度より49,892千円(65.5%)減少し、26,328千円となりました。
(特別損益)
特別利益は、前事業年度及び当事業年度ともに計上がありませんでした。特別損失は、前事業年度は固定資産除去損として2,295千円でありましたが、当事業年度においては、計上がありませんでした。
(法人税等合計)
法人税等合計は、前事業年度に比べ10,361千円(68.9%)減少して、25,391千円となりました。これは主として、新型コロナウイルス感染症の影響を鑑みて、2021年3月期以降の課税所得を保守的に検討した結果、繰延税金資産の一部を取崩したため、法人税調整額19,060千円を計上したことによるものであります。
以上の結果、当期純利益は、前事業年度より57,957千円(98.4%)減少し、937千円となりました。
b. 財政状態
(資産)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて45,288千円(3.1%)減少し、1,428,357千円となりました。これは主として、現金及び預金が41,452千円増加、ソフトウエア仮勘定が81,186千円増加したものの、売掛金が141,889千円減少、繰延税金資産が19,060千円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べて53,634千円(16.3%)減少し、274,824千円となりました。これは主として、1年内償還予定の社債が20,000千円減少、買掛金が17,631千円減少、未払消費税等が15,049千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて8,345千円(0.7%)増加し、1,153,533千円となりました。これは主として、新株予約権の行使による払込みに伴い、資本金が3,741千円増加、資本準備金が3,741千円増加したことによるものであります。
c. キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d. 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、媒体仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、サーバー等の設備投資、サービス開発に係る労務費、外注費等によるものであります。必要資金については原則として手許資金で賄っておりますが、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、その金額は100百万円であります。
当社は、財務基盤を強化するとともに、成長のための投資資金の確保を実現するため、財務の健全性や資本効率等当社にとって最適な資本構成を追求しながら、新たなサービスの開発等、会社の将来の成長のための内部留保の充実を図る必要があると考えております。
e. 経営戦略の現状と見通し
当社は、「新しいテクノロジーを駆使し、今までになかった新しい便利、新しいよろこびを創り出し、世の中を応援し、社会に貢献してゆく」という経営理念のもと、『らくらく連絡網』を基盤に『らくらく連絡網』で培ってきたノウハウやおよそ690万人の会員情報等を活かし、『pinpoint及びその他運用型広告』『ガクバアルバイト』『らくらくアルバイト』を展開し、今後も各サービスの更なる事業拡大を目指してまいります。
2021年3月期におきましては、従来の予約型求人掲載から次世代運用型求人掲載を実現するため、運用型求人広告のプラットフォーム「HR Ads Platform」の構築を目指してまいります。
また、『pinpoint及びその他運用型広告』に関しては、『らくらく連絡網』の会員増施策や他のデータサプライヤーとのアライアンスを推進し、新たなデータの拡充を図っていく「データの優位性」、2000年代のリスティング広告の拡大時期と同様に、営業力勝負から運用力勝負における過程においてプレゼンスを発揮していく「運用ノウハウ」、取扱求人原稿数による市場シェアのため、採用支援システム「ジョブオレ」の拡大を進め、フック商材として求職者の更なる獲得を目指していく「求人原稿数」の3点に注目して、『pinpoint及びその他運用型広告』の伸長を図ってまいります。
さらに、新卒採用分野において、新型コロナウイルス感染症の影響により合同説明会、インターシップ開催の中止、及び大規模イベントの中止等によって採用手法の見直し、2021年入社の新卒採用からの就活ルール廃止といった大きな変化がおきております。豊富な大学生のデータを持つ「pinpoint DMP」を活用することにより、WEBでの母集団形成等、新卒採用分野でのシェア獲得を積極的に拡大していきたいと考えております。
f. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向及び業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保及び適切な教育を実施するとともに、事業体制、内部管理体制を強化し、社会のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を行ってまいります。
g. 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、今後のさらなる成長のために、スピーディーな事業展開による収益基盤の強化と多角化、システムセキュリティの維持と情報管理体制の強化、及びこれらを担う優秀な人材確保が大きな課題であると考え、これらの達成を中期的な目標としております。詳細につきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

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