有価証券報告書-第29期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/30 10:09
【資料】
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【項目】
109項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
(単位:千円)
前事業年度
2019年3月31日
当事業年度
2020年3月31日
増減額
資産合計2,190,8102,615,981425,171
負債合計836,4011,250,660414,259
純資産合計1,354,4081,365,32010,911
自己資本比率(%)61.852.2-

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ425,171千円増加し、2,615,981千円となりました。負債合計は414,259千円増加し、1,250,660千円となりました。また、純資産合計は10,911千円増加し、1,365,320千円となりました。
ロ 経営成績
(単位:千円)
前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
増減額増減率
(%)
売上高4,226,5774,476,290249,7125.9
営業利益372,389380,7658,3762.2
経常利益348,015377,17729,1628.4
当期純利益254,939266,56011,6214.6
1株当たり当期純利益(円)46.9647.250.290.6

当事業年度における国内の経済状況は、企業の堅調な設備投資や雇用環境の改善など、緩やかな回復基調から始まったものの、米中貿易摩擦問題やユーロ圏の政治リスクなど不安定な国際情勢による先行き不透明な状況が続きました。さらに足元で新型コロナウイルスの感染が全世界において拡大し、厳しい状況にあります。
当期におきましては、感染症拡大の懸念が広まりだした3月よりテレワークによる作業への移行が増えつつありましたが、スケジュールに大きな影響を与えるような問題はなく、順調に推移いたしました。しかしながら、今後の事業に対する影響につきましては、注視していく必要があるものと考えております。
この様な環境下、当社のシステム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業は、主力とする事業領域において堅調な推移を見せた結果、当事業年度の業績は、売上高4,476,290千円(前年同期比5.9%増)、営業利益380,765千円(同2.2%増)、経常利益377,177千円(同8.4%増)、当期純利益266,560千円(同4.6%増)となりました。なお、当事業年度における新型コロナウイルス感染症の影響はありません。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー124,287317,438193,151
投資活動によるキャッシュ・フロー△20,401△47,013△26,612
財務活動によるキャッシュ・フロー144,21587,609△56,606
現金及び現金同等物 期末残高1,198,9921,557,027358,034

当事業年度のキャッシュ・フローについては、営業活動による収入317,438千円、投資活動による支出47,013千円、財務活動による収入87,609千円となりました。このため、当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は1,557,027千円となり、前年同期に比べ358,034千円の増加となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は317,438千円(前年同期は124,287千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益が369,032千円、減価償却費が23,090千円、上場関連費用が11,000千円、投資有価証券評価損が8,144千円、売上債権の増加額46,538千円、仕入債務の増加額27,830千円、法人税等の支払額87,365千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は47,013千円(前年同期は20,401千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出24,460千円、敷金の差入による支出7,967千円、投資有価証券の取得による支出9,750千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は87,609千円(前年同期は144,215千円の収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入400,000千円、株式の発行による収入14,893千円があった一方、長期借入金の返済による支出32,084千円、自己株式の取得による支出111,850千円、配当金の支払額158,915千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ロ 受注実績
当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。
事業分野の名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
システム開発3,496,816104.4247,65581.8
インフラ・セキュリティサービス872,609102.111,97814.3
合計4,369,425103.9259,63467.2

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は、システム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。
ハ 販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
事業分野の名称当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
システム開発3,543,320105.1
インフラ・セキュリティサービス932,969108.9
合計4,476,290105.9

(注)1.当社は、システム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社日立製作所699,95616.6766,78717.1
パナソニックスマートファクトリーソリューションズ株式会社410,8669.7431,2189.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、記載事項の中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性のため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えおります。
(退職給付債務)
退職給付債務は、割引率や将来の退職率・死亡率・昇給率などの計算基礎に基づき算定しており、これらの仮定の合理性については、外部の年金数理人からの助言を得ています。これらの仮定は、経営者が最善と判断した見積りにより決定しておりますが、関連法令の改正等により計算基礎に変更が生じた場合には、翌事業年度以降の財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産は、将来の課税所得の見積額及び実行可能なタックス・プランニング等を踏まえ、経営者が最善と判断した見積りに基づいて金額を算定しておりますが、将来の課税所得の見積額は業績等により変動するため、実際の課税所得の金額が見積りと異なった場合や、タックス・プランニング等に変更が生じた場合には、翌事業年度以降の財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
イ 財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末における流動資産は2,365,300千円となり、前事業年度末に比べ408,983千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が358,034千円、売掛金が40,666千円増加したことによるものであります。また、固定資産は250,680千円となり、前事業年度末に比べ16,187千円増加いたしました。これは主に建物附属設備が9,996千円、工具、器具及び備品が8,632千円、リース資産が6,800千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は2,615,981千円となり、前事業年度末に比べ425,171千円増加いたしました。
(負債の部)
当事業年度末における流動負債は848,284千円となり、前事業年度末に比べ134,255千円増加いたしました。これは主に買掛金が27,830千円、1年内返済予定の長期借入金が93,208千円、未払法人税等が15,983千円増加した一方、未払金が41,592千円減少したことによるものであります。また、固定負債は402,375千円となり、前事業年度末に比べ280,003千円増加いたしました。これは主に長期借入金が274,708千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,250,660千円となり、前事業年度末に比べ414,259千円増加いたしました。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産合計は1,365,320千円となり、前事業年度末に比べ10,911千円増加いたしました。これは主に資本金及び資本剰余金がそれぞれ7,446千円、利益剰余金が107,645千円、自己株式が111,627千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は52.2%(前事業年度末は61.8%)となりました。
ロ 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ249,712千円増加し、4,476,290千円(前年同期比5.9%増)となっております。これは主に、システム開発事業の売上高が173,214千円、インフラ・セキュリティサービス事業の売上高が76,498千円増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ175,082千円増加し、3,399,521千円(前年同期比5.4%増)となっております。これは主に、賃金が93,888千円、法定福利費が17,920千円、外注費が30,564千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は、1,076,769千円(前年同期比7.4%増)となっております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ66,254千円増加し、696,003千円(前年同期比10.5%増)となっております。これは主に、給料及び手当が28,788千円、法定福利費が6,373千円、修繕費が4,623千円、消耗品費が5,093千円、業務委託料が7,445千円増加したことによるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、380,765千円(前年同期比2.2%増)となっております。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ8,468千円増加し、8,828千円(前年同期は360千円)となっております。これは主に、助成金収入が8,405千円増加したことによるものであります。
当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べ12,317千円減少し、12,416千円(前年同期比49.8%減)となっております。これは主に、上場関連費用9,863千円の減少によるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は、377,177千円(前年同期比8.4%増)となっております。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別損失は投資有価証券評価損による8,144千円であります。(前事業年度の計上はありません。)
この結果、当事業年度の税引前当期純利益は、369,032千円(前年同期比6.0%増)となっております。
また、当期純利益は、266,560千円(前年同期比4.6%増)となっております。
ハ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
ニ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要のうち主なものは、労務費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に備え、安定的な手許流動性と資金調達枠の確保のため、2020年4月及び2020年5月において複数の取引金融機関との間で総額1,000,000千円のコミットメントライン契約を締結しております。
当事業年度末における有利子負債の残高は461,391千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,557,027千円となっております。
ホ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は達成状況を判断するための客観的な指標として、人員の増減数及び稼働率を重視しており、当事業年度末における人員は26名増となっており、稼働率についても高稼働率を維持した結果、営業利益率は8.5%となりました。
当社が属するIT業界では人員の増加が売上の増加(売上成長)に直接結びつき、又人員の稼働率を上げることで粗利率を一定水準以上に維持することができるため、引き続き、年間増員を重点課題として体制の強化を図ります。