有価証券報告書-第30期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 10:03
【資料】
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【項目】
99項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
イ 財政状態
(単位:千円)
前事業年度
2020年3月31日
当事業年度
2021年3月31日
増減額
資産合計2,615,9812,596,949△19,032
負債合計1,250,6601,049,635△201,024
純資産合計1,365,3201,547,313181,992
自己資本比率(%)52.259.6-

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ19,032千円減少し、2,596,949千円となりました。負債合計は201,024千円減少し、1,049,635千円となりました。また、純資産合計は181,992千円増加し、1,547,313千円となりました。
ロ 経営成績
(単位:千円)
前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
増減額増減率
(%)
売上高4,476,2904,397,124△79,165△1.8
営業利益380,765325,186△55,578△14.6
経常利益377,177321,998△55,178△14.6
当期純利益266,560239,613△26,947△10.1
1株当たり当期純利益(円)47.2542.44△4.81△10.2

当事業年度における国内経済の状況は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、世界各国の経済活動が制限されるなか、サービス業などインバウンド需要の低迷が長期化する反面、輸出は中国の産業高度化に伴う設備投資の拡大を背景に、電子部品・デバイスの需要が回復基調にあります。
国内の経済活動は、段階的に再開の動きはあるものの、2度にわたり緊急事態宣言が発令されるなど外出自粛や営業自粛の要請等により個人消費は軟調に推移しており、企業は設備投資に慎重な姿勢を示すなど景気の先行きには不透明な状況が続いております。
このような状況のなか、当社が属する情報サービス産業においては、企業による新型コロナウイルス感染拡大抑止策となるテレワーク制度の導入が引き続き進んでおり、リモートアクセス環境の構築及びコミュニケーションツールの導入などに伴う、ネットワーク、インフラ・セキュリティの増強やシステムのクラウドシフトが進み、電子契約等のオンラインツールの需要も増加しています。一方、新型コロナウイルス感染症の拡大や蔓延の長期化による景気への先行き不安から、企業の開発プロジェクトの凍結や見送りなど、業務委託やシステムエンジニアリングサービスへの影響も少なくない状況となっております。
このような環境下、当社のシステム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業は、主力とする事業領域において概ね堅調な推移を見せましたが、案件の一時中断による待機要員の発生や、間接部門の体制強化に伴う人件費の増加により、当事業年度の経営成績において、売上高は4,397,124千円(前年同期比1.8%減)となり、営業利益は325,186千円(同14.6%減)となりました。経常利益は321,998千円(同14.6%減)、当期純利益は239,613千円(同10.1%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:千円)
前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー317,438△6,675△324,114
投資活動によるキャッシュ・フロー△47,013△678,943△631,930
財務活動によるキャッシュ・フロー87,609△197,131△284,740
現金及び現金同等物 期末残高1,557,027674,276△882,750

当事業年度のキャッシュ・フローについては、営業活動による支出6,675千円、投資活動による支出678,943千円、財務活動による支出197,131千円となりました。このため、当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は674,276千円となり、前年同期に比べ882,750千円の減少となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は6,675千円(前年同期は317,438千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益が321,998千円、減価償却費が24,961千円、売上債権の増加額184,424千円、仕入債務の減少額88,521千円、法人税等の支払額104,241千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は678,943千円(前年同期は47,013千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出12,867千円、敷金の差入による支出8,380千円、関係会社株式の取得による支出656,286千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は197,131千円(前年同期は87,609千円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入9,933千円があった一方、長期借入金の返済による支出125,292千円、配当金の支払額67,508千円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ロ 受注実績
当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。
事業分野の名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
システム開発3,388,68596.9289,228116.8
インフラ・セキュリティサービス1,060,558121.513,377111.7
合計4,449,244101.8302,605116.6

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社は、システム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。
ハ 販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
事業分野の名称当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
システム開発3,344,71094.4
インフラ・セキュリティサービス1,052,414112.8
合計4,397,12498.2

(注)1.当社は、システム開発及びインフラ・セキュリティサービス事業の単一セグメントであるため、事業分野別に記載しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当事業年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社日立製作所766,78717.1702,34516.0
パナソニックスマートファクトリーソリューションズ株式会社431,2189.6415,7049.5

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、記載事項の中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
イ 財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末における流動資産は1,669,764千円となり、前事業年度末に比べ695,536千円減少いたしました。これは主に売掛金が191,792千円増加した一方、現金及び預金が882,750千円減少したことによるものであります。また、固定資産は927,184千円となり、前事業年度末に比べ676,504千円増加いたしました。これは主に、株式会社アクロホールディングスと資本業務提携契約を締結し、同社株式を取得した結果、関係会社株式656,286千円が増加したことによるものであります。
この結果、総資産は2,596,949千円となり、前事業年度末に比べ19,032千円減少いたしました。
(負債の部)
当事業年度末における流動負債は738,312千円となり、前事業年度末に比べ109,972千円減少いたしました。これは主に買掛金が88,521千円、1年内返済予定の長期借入金が18,382千円減少したことによるものであります。また、固定負債は311,323千円となり、前事業年度末に比べ91,052千円減少いたしました。これは主に退職給付引当金が10,654千円増加した一方、長期借入金が106,910千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,049,635千円となり、前事業年度末に比べ201,024千円減少いたしました。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産合計は1,547,313千円となり、前事業年度末に比べ181,992千円増加いたしました。これは主に資本金及び資本剰余金がそれぞれ4,966千円、利益剰余金が172,104千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は59.6%(前事業年度末は52.2%)となりました。
ロ 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ79,165千円減少し、4,397,124千円(前年同期比1.8%減)となっております。これは主に、インフラ・セキュリティサービス事業の売上高が119,444千円増加したものの、システム開発事業の売上高が198,610千円減少したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ46,153千円減少し、3,353,368千円(前年同期比1.4%減)となっております。これは主に、賃金が68,030千円、賞与及び賞与引当金繰入額が33,021千円増加した一方で、外注費が109,086千円、通勤費が12,337千円、旅費交通費が10,892千円減少したことによるものであります。
この結果、当事業年度の売上総利益は、1,043,756千円(前年同期比3.1%減)となっております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ22,565千円増加し、718,569千円(前年同期比3.2%増)となっております。これは主に、給料及び手当が38,760千円、賞与及び賞与引当金繰入額が8,605千円増加した一方で、旅費交通費が16,021千円、業務委託料が9,298千円減少したことによるものであります。
この結果、当事業年度の営業利益は、325,186千円(前年同期比14.6%減)となっております。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度に比べ4,633千円減少し、4,195千円(前年同期比52.5%減)となっております。これは主に、助成金収入が6,306千円減少したことによるものであります。
当事業年度の営業外費用は、前事業年度に比べ5,033千円減少し、7,383千円(前年同期比40.5%減)となっております。これは主に、支払利息1,937千円、支払手数料3,970千円が増加した一方で、上場関連費用11,000千円(当事業年度該当なし)の減少によるものであります。
この結果、当事業年度の経常利益は、321,998千円(前年同期比14.6%減)となっております。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別損失の計上はありません。(前事業年度は投資有価証券評価損として8,144千円計上しております。)
この結果、当事業年度の税引前当期純利益は、321,998千円(前年同期比12.7%減)となっております。
また、当期純利益は、239,613千円(前年同期比10.1%減)となっております。
ハ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
ニ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の運転資金需要のうち主なものは、労務費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
当事業年度末における有利子負債の残高は337,608千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は674,276千円となっております。