有価証券報告書-第1期(平成30年9月1日-令和1年8月31日)
1.経営成績等の状況の概要
(1) 経営成績の状況
当社は、2019年3月1日に単独株式移転により株式会社ヒト・コミュニケーションズの完全親会社として設立されましたが、連結の範囲に実質的な変更はないため、前年同期と比較を行っている項目については、株式会社ヒト・コミュニケーションズの2018年8月期連結会計年度(2017年9月1日から2018年8月31日まで)と、また、前連結会計年度末と比較を行っている項目については、株式会社ヒト・コミュニケーションズの2018年8月期連結会計年度末(2018年8月31日)と比較しております。
また、当連結会計年度(2018年9月1日から2019年8月31日まで)の連結財務諸表は、単独株式移転により完全子会社となった株式会社ヒト・コミュニケーションズの連結財務諸表を引き継いで作成しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、アジア新興国等の景気の下振れ懸念はあるものの、政府の経済対策や金融政策等により、雇用・所得環境の改善傾向が継続しており、企業収益も依然として高水準にあることから、景気は緩やかな回復基調が継続いたしました。
このような環境のもと、当社グループは取扱商材分野を家電、ブロードバンド、モバイル、ストアサービス、観光、コールセンター他の6区分に分類しており、従来中心としていた家電分野、ブロードバンド分野、モバイル分野に加え、ストアサービス分野、観光分野、コールセンター他分野の営業強化により、すべての取扱商材分野をバランスよく成長させることでポートフォリオを充実させ、繁閑や商材のライフサイクルによる影響を最小限にとどめて経営基盤の安定を図っております。
当連結会計年度において当社グループは、リアル(実店舗)とバーチャル(EC等無店舗)における「オムニチャネル営業支援」の可能性を追求するとともに、進展著しいIT、テクノロジー等の要素を加えながら、これまでにない「マーケティングの未来創造企業グループ」として事業領域の拡大と各事業会社が持つ専門性を高めることに注力いたしました。
その実践として、企画提案営業を専門とする組織を新設し、EC事業において株式会社ビービーエフとの協同営業を可能とすることにより、クライアントのニーズにより効果的に対応できる体制を整備いたしました。また、新規及び既存取引先に対する営業活動の強化においては、2019年4月末にSALES ROBOTICS株式会社をグループ化したことにより、今後拡大が見込まれるインサイドセールスを中心としたデジタルマーケティングを推進し、一層の取引の拡大及び収益性の改善に着手いたしました。訪日外国人旅行者への対応力強化においては、外国人スタッフの就業者数増加に向けた採用強化及び空港・商業施設等における各種サービス提供の運営受託に向けた提案営業を重点的に実施いたしました。
当連結会計年度の売上高においては、大手通信キャリアから全国地域を対象とした業務運営事務局の案件を受注したほか、キャッシュレス決済サービスの導入支援案件の受注が好調に推移し63,819百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
営業利益及び経常利益においては利益率の高いブロードバンド及びモバイル分野の受注減少の底打ち及び販売費及び一般管理費の効率化に取り組んだことにより、それぞれ2,991百万円(前年同期比12.3%増)、3,004百万円(前年同期比12.2%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益においては営業利益並びに経常利益の増加及び前連結会計年度に株式会社ビービーエフに対する持株比率を段階的に引き上げたことにより1,723百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産の残高は、前連結会計年度末に比較して5,138百万円増加して、24,529百万円(前連結会計年度末比26.5%増)となりました。
流動資産の残高は前連結会計年度末に比較して1,660百万円増加して、14,967百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加757百万円、受取手形及び売掛金の増加673百万円等があったことによるものであります。
また、固定資産の残高は、前連結会計年度末に比較して3,478百万円増加して、9,562百万円となりました。主な要因は、子会社取得に伴うのれんの増加1,673百万円、関係会社株式の増加876百万円、ソフトウエアの増加581百万円等があったことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末に比較して3,580百万円増加して、13,106百万円(前連結会計年度末比37.6%増)となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比較して1,634百万円増加して、7,794百万円となりました。主な要因は、1年以内返済予定の長期借入金の増加489百万円、未払金の増加457百万円、買掛金の増加231百万円等があったことによるものであります。
また、固定負債の残高は、前連結会計年度末に比較して1,945百万円増加して、5,312百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加1,905百万円、繰延税金負債の増加29百万円等があったことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比較して1,558百万円増加して、11,423百万円(前連結会計年度末比15.8%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,723百万円、非支配株主持分の増加125百万円等がありましたが、剰余金の配当による利益剰余金の減少286百万円等があったことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、営業活動及び財務活動による収入が投資活動による支出を上回ったため、前年度末比810百万円増加し、6,796百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの主な増減事由については、以下のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益3,000百万円から、加算項目の主なものとして、営業債務の増減額598百万円、のれん償却額335百万円等、減算項目の主なものとして、法人税等の支払額1,019百万円等を計上したことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,148百万円を計上したことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
主に、長期借入れによる収入2,750百万円を計上したこと等によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当社グループの行う事業は、販売業務受託を中心としたアウトソーシング事業、人材派遣事業、EC・TC支援事業、ホールセール事業、その他であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
② 受注状況
生産実績の記載と同様に、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 その他には、社会福祉サービス、富裕層向けリムジンサービス、教育研修及びシステム開発関連サービス等が含まれます。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。
当社グループは、この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のためこれらの見積りと一致しない場合があります。
(2) 財政状態の分析
「1.経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 基本方針・資金需要の主な内容
当社グループは、「マーケティングの未来創造企業」を展望し、中長期的な高収益体質の確立・企業価値向上を図るべく、事業構造の構築を推進しております。これまでのBtoBtoCマーケティング支援を中心としたビジネスモデルの進化に加え、IT・AIを活用したBtoBマーケティング支援機能を拡充すべく、新規ビジネスの開発およびM&Aの検討を継続的に行っております。
② 資金調達
当社グループの所要運転資金は、収支ズレ0.5か月程度で推移していることから、手元現預金にて十分に賄うことが可能です。また、設備投資につきましてはソフトウェア開発等に限定され、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金の範囲内で対応しております。
比較的大型のM&A実行に際しては、必要に応じ外部資金を活用しておりますが、現状は金融環境等勘案のうえ銀行借入による資金調達を中心としております。主要取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、また健全な財務体質を維持しておりますことから、必要な資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。
なお、当社グループの2019年8月末時点における有利子負債が6,011百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は6,796百万円と有利子負債を上回る水準となっております。
③ 経営資源の配分・株主還元に関する考え方
手元現預金水準については厳密な目標水準は定めておりませんが、安定した運転資金の確保、及び十分なイベントリスクに対応するためには、売上高の1か月から2か月分が適正な手元現預金水準と考えております。それを超える分については、企業価値向上に資する適切な経営資源の配分に努めます。
株主還元については、連結業績・財務状況、M&A等の戦略的投資に備える内部留保などを勘案したうえで、業績拡大に応じた配当の増額を図りたいと考えております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)1 各指標の算出基準は以下のとおりであります。
2 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2018年8月期以前の期につきましては株式会社ヒト・コミュニケーションズの連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は(期末株価終値)×(期末発行済株式総数(自己株式控除後))により計算しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている有利子負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象にしております。
5 キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
6 利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 経営成績の分析
① 売上高、売上総利益
(A) セグメント別の売上高
セグメント別の業績は、次の通りであります。
(アウトソーシング事業)
アウトソーシング事業におきましては、2019年6月末時点の国内のブロードバンドサービスの契約数が2億4,903万件(前年同月比111.3%(注)1)、2019年6月末時点の携帯電話契約数は1億7,720万件(前年同月比104.5%(注)2)で推移し、当社グループの主要事業領域であるブロードバンド分野及びモバイル分野における販売支援に対する需要は、引き続き底堅い状況が続いております。
当連結会計年度においては、家電分野、ブロードバンド分野及びモバイル分野を中心に業務運営事務局の受注に向けた提案営業に注力するとともに、既存事務局の収益改善への取り組みを継続いたしました。また、事業拡大の余地が大きい訪日外国人旅行者向けビジネス及びスポーツイベント運営ビジネス等の領域に対する営業アウトソーシングの受注に向けた取り組みを強化いたしました。
上記取り組みにより、モバイル分野を中心にクライアント企業のマーケティング費用の抑制に伴う受注減少が底打ちしたほか、家電分野においては常勤案件を中心に国内主要メーカーからの受注が回復いたしました。新規の案件といたしましては、モバイル分野において大手通信キャリアから全国を対象とした業務運営事務局の案件を受注しいたしました。また、キャッシュレス決済サービスの導入支援及びスポーツイベント運営等の受注が好調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は19,933百万円(前年同期比11.4%増)、営業利益は1,703百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
(人材派遣事業)
人材派遣事業におきましては、雇用関連の各種指標の持続的な改善により、小売・サービス分野における人手不足は深刻化している一方で、企業の人材採用意欲は依然旺盛であることから、当社グループが提供する各種人材サービスに対するニーズは引き続き堅調に推移いたしました。
当連結会計年度においては、家電分野、ストアサービス分野、コールセンター他分野を中心に、幅広い取引先からの案件の新規受注獲得に取り組みました。家電分野において常勤案件を中心に国内主要メーカーからの受注が回復したほか、コールセンター他分野において訪日外国人旅行者向け人材サービスの受注が増加いたしました。また、継続的な単価交渉による売上総利益率の改善が営業利益の増加に寄与いたしました。
しかしながらストアサービス分野において、クライアント企業の生鮮技師、レジスタッフ等の直雇用化の影響により、大手GMS・食品スーパーを中心に受注が減少いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は9,032百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は533百万円(前年同期比34.3%増)となりました。
(EC・TC支援事業)
EC・TC支援事業におきましては、日本国内における消費者向け電子商取引の市場規模は17兆9,845億円(前年同期比109.0%(注)3)、EC化率(全ての商取引金額に対する電子商取引市場規模の割合)は6.22%(前年同期比0.43%増(注)3)となっており、当社グループがサービス提供を行う消費者向け電子商取引の市場は拡大を続けております。
当連結会計年度においては、ファッション・スポーツ領域を中心にECサイト運営受託の新規営業活動に注力した結果、新規のECサイトの立ち上げが好調に推移したほか、既存のサイトの運営も堅調に推移いたしました。しかしながら、利益面においては一部サイトの契約終了等により営業利益が減少いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は26,857百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は479百万円(前年同期比8.1%減)となりました。
(ホールセール事業)
ホールセール事業におきましては、日本国内における衣料品小売販売の市場規模は、2019年1月度から2019年6月度までの累計で4,674億円(前年同期比94.1%(注)4)となっており、当社の連結子会社である株式会社ブランチ・アウトの主要市場である衣料品の卸売分野においては、厳しい状況が継続しております。
当連結会計年度においては、株式会社ブランチ・アウトが国内大手小売店向けに衣料品の商品企画並びに卸売の営業活動に注力したほか、ブランドやコンテンツホルダー、タレントやSNSとコラボした商品企画・製造を推進いたしました。企画力を活かした高利益率商品の提案営業の強化及び物流倉庫の集約等のコスト効率化により、売上高は減少いたしましたが、利益率は改善いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は7,309百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は291百万円(前年同期比29.9%増)となりました。
(その他)
その他におきましては、訪日外国人旅行者数の推計値は2019年8月度時点で2,214万人(前年同月比103.9%(注)5)と年間3,000万人を上回るペースで推移していることから、訪日外国人旅行者に対するラグジュアリーリムジンサービス等の富裕層向けサービスのニーズは引き続き高まっております。
当連結会計年度においては、株式会社ヒト・コミュニケーションズが運営するスポーツイベント向けECサイトによる商品の販売が好調に推移いたしました。また、株式会社ジャパンリムジンサービスが提供する富裕層向ラグジュアリーリムジンサービスの売上が好調に推移したほか、株式会社ティーシーエイが提供する社会福祉サービスも堅調に推移しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は686百万円(前年同期比105.9%増)、営業利益は1百万円(前年同期は8百万円の営業損失)となりました。
(注)1 (出典):総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和元年度第1四半期(6月末))」より
2 (出典):(一社)電気通信事業者協会「事業者別契約数」(2019年6月)より
3 (出典):経済産業省「平成30年度 我が国における駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より
4 (出典):日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」四半期別集計表(2019年1月~2019年6月期)より
5 (出典):日本政府観光局「訪日外客数」(2019年8月推計値)より
(B) 取扱商材分野別の売上高
なお、当連結会計年度における取扱商材分野別の売上高の概況は以下のとおりであります。
(a)家電
家電分野におきましては、外資系クライアントを中心とした新規案件の受注が堅調に推移、国内主要メーカーからの常勤稼働の業務運営事務局についても受注が好調に推移いたしました。しかしながら、商戦期において一部クライアント企業のキャンペーン案件の受注が減少いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は3,753百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
(b)ブロードバンド
ブロードバンド分野におきましては、大手通信事業者から受注した全国の量販店におけるブロードバンドサービスの加入促進を業務内容とする業務運営事務局の売上高が増加いたしましたが、一方で一部クライアント企業のマーケティング費用抑制により、収益性の高い案件の受注規模縮小が継続いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は9,623百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
(c)モバイル
モバイル分野におきましては、格安SIMの販売を業務内容とする業務運営事務局の受注が堅調に推移したほか、通信機器メーカーを中心に量販店におけるスマートフォンの販売促進を業務内容とする業務運営事務局の受注規模が拡大いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は5,214百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
(d)ストアサービス
ストアサービス分野におきましては、株式会社ビービーエフを中心にファッション関連の売上高は増加いたしましたが、株式会社ブランチ・アウトを中心とするホールセール事業の受注が天候不順等の影響により一時的に縮小いたしました。また、クライアント企業の生鮮技師、レジスタッフ等の直雇用化の影響により、大手GMS・食品スーパーを中心に受注が減少いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は36,027百万円(前年同期比2.0%減)となりました。
(e)観光
観光分野におきましては、海外旅行向けの添乗員派遣はクルーズ船の案件等を中心に回復基調で推移したほか、スポーツイベントの運営案件の受注が好調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は3,482百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
(f)コールセンター他
コールセンター他分野におきましては、2019年5月末に連結したSALES ROBOTICS株式会社の売上高が寄与いたしました。また、キャッシュレス決済サービスの導入支援案件の受注が好調に推移したほか、空港関連事業、外国人人材サービス等の訪日外国人旅行者向けサービスの受注も好調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は5,718百万円(前年同期比39.7%増)となりました。
また、当連結会計年度の売上総利益につきましては、利益率の高いブロードバンド及びモバイル分野の受注減少の底打ち及びSALES ROBOTICS株式会社を当連結会計年度より新たに連結の対象としたことにより売上総利益額が増加し、11,200百万円(前年同期比6.0%増)となりました。
② 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、8,209百万円(前年同期比3.9%増)となりました。主な要因は、人件費の増加及びSALES ROBOTICS株式会社を当連結会計年度より新たに連結の対象にしたことに伴う増加によるものであります。
この結果、営業利益については2,991百万円(前年同期比12.3%増)となりました。
③ 営業外収益及び営業外費用、経常利益
営業外収益は29百万円(前年同期比12.9%増)となりました。主な要因は、雑収入の増加によるものであります。
また、営業外費用は15百万円(前年同期比56.6%増)となりました。主な要因は、支払利息の増加によるものであります。
この結果、経常利益については3,004百万円(前年同期比12.2%増)となりました。
④ 特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純利益
特別利益の実績はありません(前連結会計年度は24百万円)。
また、特別損失は4百万円(前年同期比13.4%減)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益については3,000百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
上記の諸要因により親会社株主に帰属する当期純利益は、1,723百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは「マーケティングの未来創造企業へ手応えある進化」を合言葉に、単なる人材サービスの提供ではなく、変化する社会の要請に対応し自らが事業創造を行い、マーケティングパートナーとしてクライアントのニーズに成果で応える「成果追求型営業支援」の実践を引き続き継続してまいります。
中長期的な戦略といたしましては、リアル(実店舗)とバーチャル(EC等無店舗)における「オムニチャネル営業支援」の可能性を追求するとともに、インサイドセールス等進展著しいIT、テクノロジー等の要素を加えながら、これまでにない「マーケティングの未来創造企業グループ」として事業領域の拡大と各事業会社が持つ専門性を高める方針であります。
セグメント別の経営戦略につきましては、以下のとおりです。
(アウトソーシング事業)
アウトソーシング事業に関しまして、当社の中核事業である家電分野、ブロードバンド分野、モバイル分野を中心とした業務運営事務局の運営力強化・収益改善に取り組むとともに、ストアサービス、観光、コールセンター他分野においても既存クライアントに対する提案営業を強化し、業務運営事務局案件の受注獲得に取り組んでまいります。
また、今後拡大が見込まれるインサイドセールスを中心としたデジタルマーケティング分野の事業拡大を推進してまいります。
(人材派遣事業)
人材派遣事業に関しましては、スタッフの確保に努めるとともに研修制度の更なる充実により、スタッフの質的、量的な充実を図り、家電分野、ストアサービス分野、観光分野を中心に展開してまいります。
また、引き続き増加する訪日外国人旅行者への対応力強化のため、留学生、ワーキングホリデー等海外人材を活用した外国人人材ビジネスに注力し、外国人ニーズのあるクライアント企業への営業開拓を推進するとともに、外国人データバンクを活用した外国人紹介ビジネスの立ち上げに注力してまいります。
(EC・TC支援事業)
EC・TC支援事業につきましては、株式会社ビービーエフを中心に従来のファッション分野以外の新規領域への営業拡大に取り組んでまいります。当連結会計年度においては、食品を中心とした営業支援プラットフォームの開発に注力いたします。
また、当社グループ間における事業シナジーを一層強化し、リアルの現場におけるオムニチャネル営業支援の具体化に向けた取り組みを強化してまいります。
(ホールセール事業)
ホールセール事業につきましては、株式会社ブランチ・アウトを中心に新規卸売先の開拓、自社企画商品のラインナップの充実に取り組むとともに、新規顧客の開拓に向けた営業活動に注力いたします。
また、当社グループのクライアント企業の店舗やEコマースにおける商品開発等、商品企画力の高さを活かしたシナジーの最大化にも注力いたします。
(その他)
その他に関しましては、旺盛な訪日外国人旅行者ニーズに対応すべく、株式会社ジャパンリムジンサービスが提供する富裕層向けのラグジュアリーリムジンサービスの取り組みを強化するとともに、株式会社トライアングルが強みをもつ外国人旅行者向けランドオペレーター事業とのシナジーの最大化に注力いたします。また、株式会社LOWCALを中心に、当社グループ内外におけるシステム開発・運営支援に注力いたします。
これらの取り組みにより、次年度の見通しといたしましては、売上高72,000百万円、営業利益3,350百万円、経常利益3,370百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円を見込んでおります。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因や、当該要因への対応について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当社は、2019年3月1日に単独株式移転により株式会社ヒト・コミュニケーションズの完全親会社として設立されましたが、連結の範囲に実質的な変更はないため、前年同期と比較を行っている項目については、株式会社ヒト・コミュニケーションズの2018年8月期連結会計年度(2017年9月1日から2018年8月31日まで)と、また、前連結会計年度末と比較を行っている項目については、株式会社ヒト・コミュニケーションズの2018年8月期連結会計年度末(2018年8月31日)と比較しております。
また、当連結会計年度(2018年9月1日から2019年8月31日まで)の連結財務諸表は、単独株式移転により完全子会社となった株式会社ヒト・コミュニケーションズの連結財務諸表を引き継いで作成しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、アジア新興国等の景気の下振れ懸念はあるものの、政府の経済対策や金融政策等により、雇用・所得環境の改善傾向が継続しており、企業収益も依然として高水準にあることから、景気は緩やかな回復基調が継続いたしました。
このような環境のもと、当社グループは取扱商材分野を家電、ブロードバンド、モバイル、ストアサービス、観光、コールセンター他の6区分に分類しており、従来中心としていた家電分野、ブロードバンド分野、モバイル分野に加え、ストアサービス分野、観光分野、コールセンター他分野の営業強化により、すべての取扱商材分野をバランスよく成長させることでポートフォリオを充実させ、繁閑や商材のライフサイクルによる影響を最小限にとどめて経営基盤の安定を図っております。
当連結会計年度において当社グループは、リアル(実店舗)とバーチャル(EC等無店舗)における「オムニチャネル営業支援」の可能性を追求するとともに、進展著しいIT、テクノロジー等の要素を加えながら、これまでにない「マーケティングの未来創造企業グループ」として事業領域の拡大と各事業会社が持つ専門性を高めることに注力いたしました。
その実践として、企画提案営業を専門とする組織を新設し、EC事業において株式会社ビービーエフとの協同営業を可能とすることにより、クライアントのニーズにより効果的に対応できる体制を整備いたしました。また、新規及び既存取引先に対する営業活動の強化においては、2019年4月末にSALES ROBOTICS株式会社をグループ化したことにより、今後拡大が見込まれるインサイドセールスを中心としたデジタルマーケティングを推進し、一層の取引の拡大及び収益性の改善に着手いたしました。訪日外国人旅行者への対応力強化においては、外国人スタッフの就業者数増加に向けた採用強化及び空港・商業施設等における各種サービス提供の運営受託に向けた提案営業を重点的に実施いたしました。
当連結会計年度の売上高においては、大手通信キャリアから全国地域を対象とした業務運営事務局の案件を受注したほか、キャッシュレス決済サービスの導入支援案件の受注が好調に推移し63,819百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
営業利益及び経常利益においては利益率の高いブロードバンド及びモバイル分野の受注減少の底打ち及び販売費及び一般管理費の効率化に取り組んだことにより、それぞれ2,991百万円(前年同期比12.3%増)、3,004百万円(前年同期比12.2%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益においては営業利益並びに経常利益の増加及び前連結会計年度に株式会社ビービーエフに対する持株比率を段階的に引き上げたことにより1,723百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産の残高は、前連結会計年度末に比較して5,138百万円増加して、24,529百万円(前連結会計年度末比26.5%増)となりました。
流動資産の残高は前連結会計年度末に比較して1,660百万円増加して、14,967百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加757百万円、受取手形及び売掛金の増加673百万円等があったことによるものであります。
また、固定資産の残高は、前連結会計年度末に比較して3,478百万円増加して、9,562百万円となりました。主な要因は、子会社取得に伴うのれんの増加1,673百万円、関係会社株式の増加876百万円、ソフトウエアの増加581百万円等があったことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債の残高は、前連結会計年度末に比較して3,580百万円増加して、13,106百万円(前連結会計年度末比37.6%増)となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比較して1,634百万円増加して、7,794百万円となりました。主な要因は、1年以内返済予定の長期借入金の増加489百万円、未払金の増加457百万円、買掛金の増加231百万円等があったことによるものであります。
また、固定負債の残高は、前連結会計年度末に比較して1,945百万円増加して、5,312百万円となりました。主な要因は、長期借入金の増加1,905百万円、繰延税金負債の増加29百万円等があったことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、前連結会計年度末に比較して1,558百万円増加して、11,423百万円(前連結会計年度末比15.8%増)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加1,723百万円、非支配株主持分の増加125百万円等がありましたが、剰余金の配当による利益剰余金の減少286百万円等があったことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 当連結会計年度累計 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,459 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,424 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 1,781 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △6 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 810 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 5,985 |
| 新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | ― |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 6,796 |
当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、営業活動及び財務活動による収入が投資活動による支出を上回ったため、前年度末比810百万円増加し、6,796百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの主な増減事由については、以下のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益3,000百万円から、加算項目の主なものとして、営業債務の増減額598百万円、のれん償却額335百万円等、減算項目の主なものとして、法人税等の支払額1,019百万円等を計上したことによるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,148百万円を計上したことによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
主に、長期借入れによる収入2,750百万円を計上したこと等によるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当社グループの行う事業は、販売業務受託を中心としたアウトソーシング事業、人材派遣事業、EC・TC支援事業、ホールセール事業、その他であり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
② 受注状況
生産実績の記載と同様に、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年9月1日 至 2019年8月31日) |
| アウトソーシング事業(百万円) | 19,933 |
| 人材派遣事業(百万円) | 9,032 |
| EC・TC支援事業(百万円) | 26,857 |
| ホールセール事業(百万円) | 7,309 |
| 計(百万円) | 63,133 |
| その他(百万円) | 686 |
| 合計(百万円) | 63,819 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 その他には、社会福祉サービス、富裕層向けリムジンサービス、教育研修及びシステム開発関連サービス等が含まれます。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。
当社グループは、この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のためこれらの見積りと一致しない場合があります。
(2) 財政状態の分析
「1.経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 基本方針・資金需要の主な内容
当社グループは、「マーケティングの未来創造企業」を展望し、中長期的な高収益体質の確立・企業価値向上を図るべく、事業構造の構築を推進しております。これまでのBtoBtoCマーケティング支援を中心としたビジネスモデルの進化に加え、IT・AIを活用したBtoBマーケティング支援機能を拡充すべく、新規ビジネスの開発およびM&Aの検討を継続的に行っております。
② 資金調達
当社グループの所要運転資金は、収支ズレ0.5か月程度で推移していることから、手元現預金にて十分に賄うことが可能です。また、設備投資につきましてはソフトウェア開発等に限定され、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金の範囲内で対応しております。
比較的大型のM&A実行に際しては、必要に応じ外部資金を活用しておりますが、現状は金融環境等勘案のうえ銀行借入による資金調達を中心としております。主要取引金融機関とは良好な取引関係を維持しており、また健全な財務体質を維持しておりますことから、必要な資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。
なお、当社グループの2019年8月末時点における有利子負債が6,011百万円であるのに対し、現金及び現金同等物は6,796百万円と有利子負債を上回る水準となっております。
③ 経営資源の配分・株主還元に関する考え方
手元現預金水準については厳密な目標水準は定めておりませんが、安定した運転資金の確保、及び十分なイベントリスクに対応するためには、売上高の1か月から2か月分が適正な手元現預金水準と考えております。それを超える分については、企業価値向上に資する適切な経営資源の配分に努めます。
株主還元については、連結業績・財務状況、M&A等の戦略的投資に備える内部留保などを勘案したうえで、業績拡大に応じた配当の増額を図りたいと考えております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2015年8月期 | 2016年8月期 | 2017年8月期 | 2018年8月期 | 2019年8月期 | |
| 自己資本比率 (%) | 64.7 | 69.9 | 49.8 | 48.1 | 43.9 |
| 時価ベースの自己資本比率 (%) | 195.7 | 224.8 | 187.4 | 166.4 | 116.8 |
| キャッシュ・フロー 対有利子負債比率 (%) | 12.3 | 7.3 | 151.7 | 223.9 | 244.4 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ (倍) | 804.5 | 639.4 | 561.1 | 223.9 | 227.2 |
(注)1 各指標の算出基準は以下のとおりであります。
| 自己資本比率 | = | (自己資本)÷(総資産) |
| 時価ベースの自己資本比率 | = | (株式時価総額)÷(総資産) |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | = | (有利子負債)÷(キャッシュ・フロー) |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ | = | (キャッシュ・フロー)÷(利払い) |
2 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2018年8月期以前の期につきましては株式会社ヒト・コミュニケーションズの連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は(期末株価終値)×(期末発行済株式総数(自己株式控除後))により計算しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている有利子負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象にしております。
5 キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
6 利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 経営成績の分析
① 売上高、売上総利益
(A) セグメント別の売上高
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | 構成比(%) |
| アウトソーシング事業 | 19,933 | 111.4 | 31.2 |
| 人材派遣事業 | 9,032 | 97.1 | 14.2 |
| EC・TC支援事業 | 26,857 | 101.6 | 42.1 |
| ホールセール事業 | 7,309 | 87.3 | 11.5 |
| 計 | 63,133 | 101.8 | 98.9 |
| その他 | 686 | 205.9 | 1.1 |
| 合計 | 63,819 | 102.4 | 100.0 |
セグメント別の業績は、次の通りであります。
(アウトソーシング事業)
アウトソーシング事業におきましては、2019年6月末時点の国内のブロードバンドサービスの契約数が2億4,903万件(前年同月比111.3%(注)1)、2019年6月末時点の携帯電話契約数は1億7,720万件(前年同月比104.5%(注)2)で推移し、当社グループの主要事業領域であるブロードバンド分野及びモバイル分野における販売支援に対する需要は、引き続き底堅い状況が続いております。
当連結会計年度においては、家電分野、ブロードバンド分野及びモバイル分野を中心に業務運営事務局の受注に向けた提案営業に注力するとともに、既存事務局の収益改善への取り組みを継続いたしました。また、事業拡大の余地が大きい訪日外国人旅行者向けビジネス及びスポーツイベント運営ビジネス等の領域に対する営業アウトソーシングの受注に向けた取り組みを強化いたしました。
上記取り組みにより、モバイル分野を中心にクライアント企業のマーケティング費用の抑制に伴う受注減少が底打ちしたほか、家電分野においては常勤案件を中心に国内主要メーカーからの受注が回復いたしました。新規の案件といたしましては、モバイル分野において大手通信キャリアから全国を対象とした業務運営事務局の案件を受注しいたしました。また、キャッシュレス決済サービスの導入支援及びスポーツイベント運営等の受注が好調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は19,933百万円(前年同期比11.4%増)、営業利益は1,703百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
(人材派遣事業)
人材派遣事業におきましては、雇用関連の各種指標の持続的な改善により、小売・サービス分野における人手不足は深刻化している一方で、企業の人材採用意欲は依然旺盛であることから、当社グループが提供する各種人材サービスに対するニーズは引き続き堅調に推移いたしました。
当連結会計年度においては、家電分野、ストアサービス分野、コールセンター他分野を中心に、幅広い取引先からの案件の新規受注獲得に取り組みました。家電分野において常勤案件を中心に国内主要メーカーからの受注が回復したほか、コールセンター他分野において訪日外国人旅行者向け人材サービスの受注が増加いたしました。また、継続的な単価交渉による売上総利益率の改善が営業利益の増加に寄与いたしました。
しかしながらストアサービス分野において、クライアント企業の生鮮技師、レジスタッフ等の直雇用化の影響により、大手GMS・食品スーパーを中心に受注が減少いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は9,032百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は533百万円(前年同期比34.3%増)となりました。
(EC・TC支援事業)
EC・TC支援事業におきましては、日本国内における消費者向け電子商取引の市場規模は17兆9,845億円(前年同期比109.0%(注)3)、EC化率(全ての商取引金額に対する電子商取引市場規模の割合)は6.22%(前年同期比0.43%増(注)3)となっており、当社グループがサービス提供を行う消費者向け電子商取引の市場は拡大を続けております。
当連結会計年度においては、ファッション・スポーツ領域を中心にECサイト運営受託の新規営業活動に注力した結果、新規のECサイトの立ち上げが好調に推移したほか、既存のサイトの運営も堅調に推移いたしました。しかしながら、利益面においては一部サイトの契約終了等により営業利益が減少いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は26,857百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益は479百万円(前年同期比8.1%減)となりました。
(ホールセール事業)
ホールセール事業におきましては、日本国内における衣料品小売販売の市場規模は、2019年1月度から2019年6月度までの累計で4,674億円(前年同期比94.1%(注)4)となっており、当社の連結子会社である株式会社ブランチ・アウトの主要市場である衣料品の卸売分野においては、厳しい状況が継続しております。
当連結会計年度においては、株式会社ブランチ・アウトが国内大手小売店向けに衣料品の商品企画並びに卸売の営業活動に注力したほか、ブランドやコンテンツホルダー、タレントやSNSとコラボした商品企画・製造を推進いたしました。企画力を活かした高利益率商品の提案営業の強化及び物流倉庫の集約等のコスト効率化により、売上高は減少いたしましたが、利益率は改善いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は7,309百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は291百万円(前年同期比29.9%増)となりました。
(その他)
その他におきましては、訪日外国人旅行者数の推計値は2019年8月度時点で2,214万人(前年同月比103.9%(注)5)と年間3,000万人を上回るペースで推移していることから、訪日外国人旅行者に対するラグジュアリーリムジンサービス等の富裕層向けサービスのニーズは引き続き高まっております。
当連結会計年度においては、株式会社ヒト・コミュニケーションズが運営するスポーツイベント向けECサイトによる商品の販売が好調に推移いたしました。また、株式会社ジャパンリムジンサービスが提供する富裕層向ラグジュアリーリムジンサービスの売上が好調に推移したほか、株式会社ティーシーエイが提供する社会福祉サービスも堅調に推移しました。
その結果、当連結会計年度の売上高は686百万円(前年同期比105.9%増)、営業利益は1百万円(前年同期は8百万円の営業損失)となりました。
(注)1 (出典):総務省「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和元年度第1四半期(6月末))」より
2 (出典):(一社)電気通信事業者協会「事業者別契約数」(2019年6月)より
3 (出典):経済産業省「平成30年度 我が国における駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より
4 (出典):日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」四半期別集計表(2019年1月~2019年6月期)より
5 (出典):日本政府観光局「訪日外客数」(2019年8月推計値)より
(B) 取扱商材分野別の売上高
| 取扱商材分野別 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) | 構成比(%) |
| 家電 | 3,753 | 98.8 | 5.9 |
| ブロードバンド | 9,623 | 97.0 | 15.1 |
| モバイル | 5,214 | 118.6 | 8.2 |
| ストアサービス | 36,027 | 98.0 | 56.5 |
| 観光 | 3,482 | 104.3 | 5.5 |
| コールセンター他 | 5,718 | 139.7 | 9.0 |
| 計 | 63,819 | 102.4 | 100.0 |
なお、当連結会計年度における取扱商材分野別の売上高の概況は以下のとおりであります。
(a)家電
家電分野におきましては、外資系クライアントを中心とした新規案件の受注が堅調に推移、国内主要メーカーからの常勤稼働の業務運営事務局についても受注が好調に推移いたしました。しかしながら、商戦期において一部クライアント企業のキャンペーン案件の受注が減少いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は3,753百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
(b)ブロードバンド
ブロードバンド分野におきましては、大手通信事業者から受注した全国の量販店におけるブロードバンドサービスの加入促進を業務内容とする業務運営事務局の売上高が増加いたしましたが、一方で一部クライアント企業のマーケティング費用抑制により、収益性の高い案件の受注規模縮小が継続いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は9,623百万円(前年同期比3.0%減)となりました。
(c)モバイル
モバイル分野におきましては、格安SIMの販売を業務内容とする業務運営事務局の受注が堅調に推移したほか、通信機器メーカーを中心に量販店におけるスマートフォンの販売促進を業務内容とする業務運営事務局の受注規模が拡大いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は5,214百万円(前年同期比18.6%増)となりました。
(d)ストアサービス
ストアサービス分野におきましては、株式会社ビービーエフを中心にファッション関連の売上高は増加いたしましたが、株式会社ブランチ・アウトを中心とするホールセール事業の受注が天候不順等の影響により一時的に縮小いたしました。また、クライアント企業の生鮮技師、レジスタッフ等の直雇用化の影響により、大手GMS・食品スーパーを中心に受注が減少いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は36,027百万円(前年同期比2.0%減)となりました。
(e)観光
観光分野におきましては、海外旅行向けの添乗員派遣はクルーズ船の案件等を中心に回復基調で推移したほか、スポーツイベントの運営案件の受注が好調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は3,482百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
(f)コールセンター他
コールセンター他分野におきましては、2019年5月末に連結したSALES ROBOTICS株式会社の売上高が寄与いたしました。また、キャッシュレス決済サービスの導入支援案件の受注が好調に推移したほか、空港関連事業、外国人人材サービス等の訪日外国人旅行者向けサービスの受注も好調に推移いたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は5,718百万円(前年同期比39.7%増)となりました。
また、当連結会計年度の売上総利益につきましては、利益率の高いブロードバンド及びモバイル分野の受注減少の底打ち及びSALES ROBOTICS株式会社を当連結会計年度より新たに連結の対象としたことにより売上総利益額が増加し、11,200百万円(前年同期比6.0%増)となりました。
② 販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、8,209百万円(前年同期比3.9%増)となりました。主な要因は、人件費の増加及びSALES ROBOTICS株式会社を当連結会計年度より新たに連結の対象にしたことに伴う増加によるものであります。
この結果、営業利益については2,991百万円(前年同期比12.3%増)となりました。
③ 営業外収益及び営業外費用、経常利益
営業外収益は29百万円(前年同期比12.9%増)となりました。主な要因は、雑収入の増加によるものであります。
また、営業外費用は15百万円(前年同期比56.6%増)となりました。主な要因は、支払利息の増加によるものであります。
この結果、経常利益については3,004百万円(前年同期比12.2%増)となりました。
④ 特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純利益
特別利益の実績はありません(前連結会計年度は24百万円)。
また、特別損失は4百万円(前年同期比13.4%減)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益については3,000百万円(前年同期比11.2%増)となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
上記の諸要因により親会社株主に帰属する当期純利益は、1,723百万円(前年同期比17.4%増)となりました。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社グループは「マーケティングの未来創造企業へ手応えある進化」を合言葉に、単なる人材サービスの提供ではなく、変化する社会の要請に対応し自らが事業創造を行い、マーケティングパートナーとしてクライアントのニーズに成果で応える「成果追求型営業支援」の実践を引き続き継続してまいります。
中長期的な戦略といたしましては、リアル(実店舗)とバーチャル(EC等無店舗)における「オムニチャネル営業支援」の可能性を追求するとともに、インサイドセールス等進展著しいIT、テクノロジー等の要素を加えながら、これまでにない「マーケティングの未来創造企業グループ」として事業領域の拡大と各事業会社が持つ専門性を高める方針であります。
セグメント別の経営戦略につきましては、以下のとおりです。
(アウトソーシング事業)
アウトソーシング事業に関しまして、当社の中核事業である家電分野、ブロードバンド分野、モバイル分野を中心とした業務運営事務局の運営力強化・収益改善に取り組むとともに、ストアサービス、観光、コールセンター他分野においても既存クライアントに対する提案営業を強化し、業務運営事務局案件の受注獲得に取り組んでまいります。
また、今後拡大が見込まれるインサイドセールスを中心としたデジタルマーケティング分野の事業拡大を推進してまいります。
(人材派遣事業)
人材派遣事業に関しましては、スタッフの確保に努めるとともに研修制度の更なる充実により、スタッフの質的、量的な充実を図り、家電分野、ストアサービス分野、観光分野を中心に展開してまいります。
また、引き続き増加する訪日外国人旅行者への対応力強化のため、留学生、ワーキングホリデー等海外人材を活用した外国人人材ビジネスに注力し、外国人ニーズのあるクライアント企業への営業開拓を推進するとともに、外国人データバンクを活用した外国人紹介ビジネスの立ち上げに注力してまいります。
(EC・TC支援事業)
EC・TC支援事業につきましては、株式会社ビービーエフを中心に従来のファッション分野以外の新規領域への営業拡大に取り組んでまいります。当連結会計年度においては、食品を中心とした営業支援プラットフォームの開発に注力いたします。
また、当社グループ間における事業シナジーを一層強化し、リアルの現場におけるオムニチャネル営業支援の具体化に向けた取り組みを強化してまいります。
(ホールセール事業)
ホールセール事業につきましては、株式会社ブランチ・アウトを中心に新規卸売先の開拓、自社企画商品のラインナップの充実に取り組むとともに、新規顧客の開拓に向けた営業活動に注力いたします。
また、当社グループのクライアント企業の店舗やEコマースにおける商品開発等、商品企画力の高さを活かしたシナジーの最大化にも注力いたします。
(その他)
その他に関しましては、旺盛な訪日外国人旅行者ニーズに対応すべく、株式会社ジャパンリムジンサービスが提供する富裕層向けのラグジュアリーリムジンサービスの取り組みを強化するとともに、株式会社トライアングルが強みをもつ外国人旅行者向けランドオペレーター事業とのシナジーの最大化に注力いたします。また、株式会社LOWCALを中心に、当社グループ内外におけるシステム開発・運営支援に注力いたします。
これらの取り組みにより、次年度の見通しといたしましては、売上高72,000百万円、営業利益3,350百万円、経常利益3,370百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円を見込んでおります。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因や、当該要因への対応について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。