有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/09/24 15:00
【資料】
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【項目】
103項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
第28期連結会計年度(自 平成30年2月1日 至 平成31年1月31日)
(資産)
当連結会計年度末の総資産は2,188,052千円(前連結会計年度末比16.6%増)となりました。
流動資産は1,576,837千円(同10.0%増)となりました。主な増加要因は、現金及び預金が90,596千円増加、売掛金が30,973千円増加したことによるものであります。
固定資産は611,215千円(同38.0%増)となりました。主な増加要因は、特許使用権が108,777千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,780,019千円(同8.7%増)となりました。
流動負債は846,085千円(同17.4%増)となりました。主な増加要因は、未払金の増加91,752千円によるものであります。
固定負債は933,934千円(同2.0%増)となりました。主な増加要因は、長期借入金の増加14,088千円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は408,033千円(同70.2%増)となりました。主な増加要因は、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益に伴う利益剰余金の増加173,843千円によるものであります。
第29期第2四半期連結累計期間(自 平成31年2月1日 至 令和元年7月31日)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は2,229,291千円となり、前連結会計年度末に比べて41,238千円増加いたしました。
流動資産は1,609,167千円となり、前連結会計年度末に比べて32,330千円増加しました。これは主に未収還付法人税等が71,439千円減少しましたが、現金及び預金が88,667千円、売掛金が32,359千円増加したことによるものであります。固定資産は620,123千円となり、前連結会計年度末に比べて8,908千円増加しました。これは主に有形固定資産が2,068千円、無形固定資産が11,164千円減少しましたが、投資その他の資産が22,141千円増加したことによるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は1,667,740千円となり、前連結会計年度末に比べて112,279千円減少いたしました。
流動負債は657,158千円となり、前連結会計年度末に比べて188,926千円減少しました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が130,750千円、未払金が97,186千円減少したことによるものであります。固定負債は1,010,581千円となり、76,646千円増加しました。これは主に長期借入金が77,428千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は561,551千円となり、前連結会計年度末に比べて153,518千円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金が114,866千円、新株の発行による資本金及び資本剰余金がそれぞれ19,108千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
第28期連結会計年度(自 平成30年2月1日 至 平成31年1月31日)
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の増加などを背景に緩やかな景気回復が続いている一方、米国の保護主義的な動き等の地政学リスクや、中国経済の減速もあり、景気の先行きは依然として慎重な見方が必要な状況になっております。
このような経済環境の中、国内の雇用情勢においては企業の採用意欲は引き続き高い状態が続いており、厚生労働省が発表する有効求人倍率は平成30年12月時点で1.63倍、平成30年平均で1.61倍と前年比0.11ポイント上昇しました。(「一般職業紹介状況(平成30年12月分及び平成30年)について」厚生労働省調べ)
このような状況の中、当社グループでは中心サービスである教育融合型人材紹介サービス「就職カレッジ®」では後々の拠点展開を見据えて地方都市でのトライアル開催を進めるとともに、採用された求職者が定着して働き、活躍していくことを支援する定着・活躍支援サービス「エースカレッジ」の開発、求職者の上司も対象となるサービスである「リーダーカレッジ」の拡販に注力しました。また、採用市場の売手市場化が進む中、サービスHPのリニューアルや新たなチャネルの開拓を進め、求職者の確保に注力いたしました。さらに、人手不足を人材教育による効率化で補おうとする企業ニーズをとらえた教育研修サービスの拡販に注力いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績は売上高2,702,050千円(前期比9.2%増)、営業利益は231,871千円(前期比40.4%増)、経常利益は221,067千円(前期比42.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は173,843千円(前期比105.6%増)となり、自己資本当期純利益率は53.4%となりました。
なお、当社グループはカレッジ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第29期第2四半期連結累計期間(自 平成31年2月1日 至 令和元年7月31日)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境や企業収益の改善が続き、全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、米中の通商問題の動向、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等により、日本経済の先行きは不透明な状況が続いております。
国内の雇用情勢においては、厚生労働省発表の「一般職業紹介状況(令和元年6月)について」によると、有効求人倍率は1.61倍と引き続き企業の採用意欲は高水準で推移しております。
このような環境の中、当社グループでは、中心サービスである教育融合型人材紹介サービス「就職カレッジ®」におけるSEOを中心に求職者の集客を強化するとともに、登録いただいた求職者の雇用創出率向上に取り組んでまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,622,637千円、営業利益245,306千円、経常利益241,254千円、親会社株主に帰属する四半期純利益159,140千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
第28期連結会計年度(自 平成30年2月1日 至 平成31年1月31日)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて90,596千円増加の1,247,841千円となりました。各活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、152,338千円の収入(前連結会計年度は115,080千円の収入)となりました。主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益の218,796千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、88,624千円の支出(前連結会計年度は144,516千円の支出)となりました。主な要因といたしましては、投資有価証券の取得による支出36,000千円、無形固定資産の取得による支出23,500千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、27,395千円の収入(前連結会計年度は188,071千円の収入)となりました。主な要因といたしましては、長期借入れによる収入300,000千円によるものであります。
第29期第2四半期連結累計期間(自 平成31年2月1日 至 令和元年7月31日)
当第2四半期連結会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて88,667千円増加の1,336,508千円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、280,567千円の収入となりました。主な要因といたしましては、法人税等の支払額72,924千円等により資金が減少しましたが、税金等調整前四半期純利益の241,890千円の計上、法人税等の還付額82,116千円等により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、132,372千円の支出となりました。主な要因といたしましては、無形固定資産の取得による支出110,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、59,637千円の支出となりました。長期借入れによる収入100,000千円、新株発行による収入37,902千円により資金が増加しましたが、長期借入金の返済による支出153,321千円、配当金の支払額44,274千円により資金が減少したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
生産実績と同様の理由により、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当社グループは「カレッジ事業」の単一セグメントであり、第28期連結会計年度及び第29期第2四半期連結累計期間の販売実績は以下の通りであります。
セグメントの名称第28期連結会計年度
(自 平成30年2月1日
至 平成31年1月31日)
前年同期比(%)第29期第2四半期連結累計期間
(自 平成31年2月1日
至 令和元年7月31日)
カレッジ事業 (千円)2,702,050109.21,622,637
合計(千円)2,702,050109.21,622,637

(注)1.最近2連結会計年度及び第29期第2四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は総販売実績の100 分の10未満であるため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要としております。これらの見積もりについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もりによる不確実性のため、これらの見積もりとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(1)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績は、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は2,702,050千円(前年同期比9.2%増)となりました。これは主に、梅田支店の開設及び「セカンドカレッジ®」を中心に、広告宣伝投資の拡大による新規企業の獲得、求職者数の拡大によるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は139,213千円(前年同期比8.1%減)となりました。主な減少要因は、教育研修サービスにおける研修講師の内製化の促進等による当期売上原価の減少によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,330,964千円(前年同期比8.1%増)となりました。主な増加要因は、事業拡大に伴う人件費や求職者獲得のための広告宣伝投資、支店開設に伴う地代家賃の増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は231,871千円(前年同期比40.4%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、173千円(前年同期比80.0%減)となりました。主な減少要因は、為替差益の減少によるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、10,977千円(前年同期比3.8%増)となりました。主な増加要因は、為替差損の増加によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は221,067千円(前年同期比42.2%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別損失は、2,271千円(前年同期比22.6%増)となりました。増加要因は、固定資産除却損の増加によるものであります。
また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)を44,446千円を計上した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は173,843千円(前年同期比105.6%増)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは、当社グループのカレッジ事業に係る人件費、販売促進費等の販売費及び
一般管理費に加え、拠点開設に係る有形固定資産及び特許使用権に係る無形固定資産への投資等があります。これ
らの資金需要に対して安定的な資金供給を行うための財源については、短期の運転資金については自己資金により
充当し、長期の設備投資等については自己資金に加え、金融機関からの長期借入金、新株発行による調達資金によ
り充当いたします。
(2)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおり、人材サービス業界の動向、事業の許認可と法的規制、内部管理体制、自然災害及びシステム障害等、様々なものがあると認識しております。そのため、当社は常に市場動向、政府の政策に留意しつつ、優秀な人材を確保、内部管理体制を強化し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を低減し、適切に対応を行ってまいります。
(3)事業別の経営成績の状況に関する認識及び分析
なお、当社グループは「カレッジ事業」の単一セグメントでありますが、事業別の経営成績の状況に関する認識及び分析は以下の通りであります。
① カレッジ事業
カレッジ事業は当社の若手育成のノウハウを活用して主に20代の未就業者や学生に対して研修を実施後、中堅中小企業を中心とした企業にご紹介するという教育融合型人材紹介サービスを行っております。
対象者によって「就職カレッジ®」、「女子カレッジ®」、「セカンドカレッジ®」、「新卒カレッジ®」とサービスセグメントを分けてサービスを提供しており、当連結会計年度は、平成26年9月に文部科学省の発表によると全国で毎年7万人規模という大学中退者を対象にした「セカンドカレッジ®」の立ち上げに注力いたしました。
加えて、大学の就職課と連携して主に夏場以降の大学4年生の就職活動を支援する「新卒カレッジ®」においては複数の大学で共同して面接会を開催することで、1回の面接会あたりの学生人数を増やしてクライアントと求職者の双方の満足度と効率性を上げる取り組みを行ってまいりました。
また、ご採用いただいた求職者の上司や次期リーダー層を対象に、1年間で次世代リーダーを育成する「リーダーカレッジ」の全国展開による拡販を図ってまいりました。
この結果、カレッジ事業の売上高は2,157,429千円(前年同期比9.7%増)となりました。連結売上高に占める各サービスの構成比は、「就職カレッジ®」、「女子カレッジ®」及び「セカンドカレッジ®」の合計が63.8%、「新卒カレッジ®」が8.1%、「リーダーカレッジ」(立ち上げ中の「エースカレッジ」の売上を含む)が7.9%となっております。
② 教育研修事業その他
教育研修事業は中堅中小企業を中心に、一部大手企業を対象に「7つの習慣®」や「原田メソッド」のようなパッケージ研修、若手層を中心とした様々な階層向けの研修講師を派遣するインハウス型、受講者に当社にお越しいただくオープンセミナー型で提供しております。
クライアントのニーズに応じたカスタマイズでの研修提供力に磨きをかけることにより、インハウス型での研修受注の増大に注力いたしました。
また、フランクリン・コヴィー・ジャパン株式会社から「7つの習慣®」の新入社員や若手社員向けの研修カリキュラムである「ディスカバリー」の知的財産権を使用する権利を取得し、クライアントに提供できる研修ラインナップの強化に取り組みました。
この結果、教育研修事業その他の売上高は544,620千円(前年同期比7.4%増)となりました。連結売上に占める教育研修事業の構成比は15.3%、その他の構成比は4.8%となっております。