有価証券報告書-第52期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産の弱さがあるものの、企業収益の底堅さや雇用情勢の改善により、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、通商問題の動向、中国経済の先行きや英国のEU離脱問題等による海外経済の不確実性や人手不足の影響等の不安定要素に加え、年度末に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外ともに景気の先行き不透明感は強まっております。
設備工事業界におきましては、公共投資では底堅い動きがあり、民間設備投資も一部に弱さが見られるものの、総じて底堅い動きが見られましたが、人手不足の影響等もあり、受注・価格競争は厳しい状況で推移しました。
このような状況下で、当社グループはお客様のニーズに合った設備の提案を積極的に行い、受注の確保・拡大に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,388百万円増加し、30,530百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ284百万円減少し、14,257百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,673百万円増加し、16,272百万円となりました。
b.経営成績
民間設備投資は一部に弱い動きが見られたものの、当社グループの主要顧客である化学・素材系各社の設備投資需要を取り込むべく、受注活動を展開してまいりました。国内においては電子材関連、ファインケミカル、EV材等に関する高機能製品生産のための工場設備の新設(機械・電気一体型)や定期修理工事、設備更新工事の受注が堅調であり、また、海外子会社においては、電子材関連製造設備の大型案件を受注する等、受注は堅調であり前期を上回りました。売上高については前期からの繰越工事の完成や工事進行基準による完成等が寄与したものの、繰越となる案件も多く、前期並みとなりました。なお、当連会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、感染症拡大防止のための移動の自粛や在宅勤務等により事業活動の一部に制限が出たものの、懸念された業績への影響は、各セグメントとも殆どありませんでした。
この結果、受注高41,706百万円(前連結会計年度比8.1%増)、売上高37,708百万円(同0.6%増)となりました。
利益面につきましては、競争が厳しさを増すなか、グループ間連携による施工体制の確立、施工効率の改善、原価管理の徹底に取り組んだ結果、売上総利益率の改善がすすみ、営業利益2,623百万円(同7.3%増)、経常利益2,685百万円(同7.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益も前連結会計年度のような大きな特別損失もなく、1,880百万円(同22.8%増)とそれぞれ前連結会計年度を上回りました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(設備工事事業)
民間プラント・機械装置を主体としております産業プラント設備工事は、基本戦略に沿って大型EPC案件の需要を取り組むべく、中京地区の営業・施工体制の強化(名古屋支店の現業化、豊橋営業所の拡充)や支店間、部門間連携による施工体制の確立を図ってまいりました。その結果、同地区での大型EPC案件の取り込みに成功しましたが、国内においては大型案件が少なく、中小工事案件の受注が中心でありました。
一方、海外子会社においては大型EPC案件(機械・電気一体型)の受注が寄与し、同部門に於ける受注拡大に大きく貢献しております。大型案件完遂に向け、人的リソースを拡充しプロジェクト管理を強化しております。その結果、受注高は20,939百万円(前期比21.0%増)と前期を上回りました。売上高は工事進行基準による完成等がありましたが、国外における大型工事の工程変更により、工事進捗率が伸びず、17,054百万円(前期比2.1%減)と前期を下回りました。
民間プラント保全工事を主体としております設備保全工事は、客先工場の設備の老朽化対策、生産性改善を目的とした需要や定修工事等の需要を取り込むべく、迅速で細かな対応を図ってまいりましたが、受注高8,120百万円(前期比3.7%減)、売上高8,219百万円(前期比4.1%増)となり、前期並みとなりました。
電気計装工事は、民間プラントの増強、増設工事に伴う電気計装工事等の受注が堅調であり、受注高8,398百万円(前期比14.9%増)と前期を上回りましたが、売上高は繰越工事となる工事等もあり、7,329百万円(前期比6.5%減)と前期を下回りました。同部門は事業拡大を目的とし「幕張E&Iエンジセンター」開設に着手しております。
送電工事は、電力会社の設備更新投資等の受注がありましたが、受注高1,978百万円(前期比18.5%減)と前期を下回りました。売上高は前期からの繰越工事の完成等があり2,592百万円(前期比54.5%増)と前期を上回りました。
管工事は、官公庁及び民間設備工事の受注がありましたが、受注高1,036百万円(前期比27.5%減)と前期を下回りました。売上高は前期からの繰越工事の完成等があり、1,280百万円(前期比22.4%増)と前期を上回りました。
設備工事事業合計では、受注高40,472百万円(前期比9.7%増)、売上高36,476百万円(前期比1.7%増)となりました。セグメント利益は3,492百万円(前期比14.2%増)となりました。
(表面処理事業)
タイ国で事業展開しております表面処理事業は、タイ国経済の低迷を受けHDD向け表面処理や自動車部品の表面処理需要が減速し、受注高1,043百万円(前期比28.2%減)、売上高1,043百万円(前期比28.2%減)となり、前期を下回りました。セグメント損失は58百万円(前期は163百万円の利益)となりました。
同セグメントではHDD及び自動車部品の表面処理需要の減少に備え、新部品対応用のライン建設や営業強化を目的に営業拠点の開設に着手しております。
(その他)
鋳造用工業炉は、受注高190百万円(前期比8.1%減)、売上高189百万円(前期比13.1%増)となりました。セグメント利益は4百万円(前期同期は5百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ874百万円減少し、3,683百万円(前連結会計年度末比19.2%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が2,728百万円、減価償却費573百万円、未成工事受入金の増加376百万円等の増加要因があった一方、売上債権の増加1,751百万円と仕入債務の減少245百万円、法人税等の支払額1,112百万円等の減少要因を反映したものです。特に、仕入債務の増減額に関しては、前連結会計年度末において、大型工事の支払債務が増加し、1,753百万円の増加となりましたが、当連結会計年末においては大型工事に関する支払債務が少なく、245百万円の減少要因となったこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度末に比べ大幅に減少し、844百万円の収入(前連結会計年度末比72.4%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、建物・構築物等有形固定資産の取得による支出等により、1,257百万円の支出(前連結会計年度末比8.2%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、子会社における短期借入金の増加181百万円の増加要因があった一方、長期借入金の返済による支出380百万円、配当金の支払額287百万円の減少等を反映し、497百万円の支出(前連結会計年度末比109.4%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事事業(産業プラント設備工事、設備保全工事、電気計装工事、送電工事、管工事)では生産実績を定義することが困難であり、設備工事事業においては請負形態を取っているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
従って、生産、受注及び販売の実績については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における各セグメントの状況に関連付けて記載しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
(1)受注工事高、完成工事高、繰越工事高
第51期(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
第52期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(注)前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増
減額を含みます。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれています。
(2)受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(3)完成工事高
第51期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。
(注)旭硝子㈱は2018年7月にAGC㈱に商号を変更しております。
第52期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
第52期の㈱カネカについては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(4)手持工事高(2020年3月31日現在)
手持工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は21,646百万円(前連結会計年度末20,891百万円)となり、755百万円増加しました。これは、受取手形・完成工事未収入金等が1,769百万円増加したものの、現金預金が874百万円、未成工事支出金が128百万円減少したことによるものと分析しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は8,883百万円(同8,250百万円)となり、633百万円増加しました。これは、主に建物・構築物が378百万円増加し、また、表面処理事業に於けるライン新設等に係る建設仮勘定が437百万増加したものと分析しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は12,294百万円(同12,198百万円)となり、95百万円増加しました。これは主に支払手形・工事未払金等が140百万円、未払法人税等が276百万円減少したものの、短期借入金が161百万円、未成工事受入金が376百万円増加したものと分析しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は1,963百万円(同2,343百万円)となり、380百万円減少しました。これは、主に長期借入金が360百万円減少したものと分析しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は16,272百万円(同14,599百万円)となり、1,673百万円増加しました。これは、主に利益剰余金が1,591百万円増加したものと分析しております。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、化学系プラントの新設工事(機械・電気一体型)、定期修理工事及び設備更新工事等の受注が堅調に推移し、前連結会計年度の37,495百万円に対し213百万円増(前連結会計年度比0.6%増)の37,708百万円となりました。なお、セグメント別の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度の6,095百万円に対し、510百万円増(同8.4%増)の6,605百万円となりました。グループ全体の売上総利益率は、競争が厳しさを増すなか、施工体制の確立、施工効率の改善、原価管理の徹底に取り組んだ結果、前連結会計年度に比べ1.2ポイント増加したものと分析しております。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の3,650百万円に対し、331百万円増(同9.1%増)の3,982百万円となりました。主に定期昇給実施による従業員給料手当等の人件費が95百万円増加、ウェアラブカメラ、各種自動化製品開発に係る調査研究費が155百万円増加したものと分析しております。
(営業利益)
以上により、営業利益は前連結会計年度の2,444百万円に対し、178百万円増(同7.3%増)の2,623百万円となりました。
(営業外損益)
営業外損益(純額)は、前連結会計年度の50百万円の収入に対し、11百万円増(同23.0%増)の61百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度の2,494百万円に対し、190百万円増(同7.6%増)の2,685百万円となりました。
これは、主に営業利益の増加及び営業外損益の増加によるものと分析しております。
(特別損益)
特別損益(純額)は、前連結会計年度の191百万円の損失に対し、43百万円の収入となりました。
これは、主に減損損失が前連結会計年度より152百万円減少したものと分析しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,531百万円に対し、349百万円増(同22.8%増)の1,880百万円となりました。
1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の143円08銭に対し、32円66銭増加し175円74銭となりました。
当社グループの経営に影響を与える要因として、当社グループの属する設備工事業界は受注産業であり、国内外の経済動向や国際情勢の影響を受けやすく、景気の変動により国や民間設備投資の大幅な抑制が続くと、当社グループの業績に与える影響が大きいと認識しております。
現状の見通しとして、国内外経済に影響を与える不確定要素が多いなか、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、顧客の投資決定が先送りされる等が懸念され、足下では先行き不透明な状況となっております。
当社グループにおきましても、工事の中断や中止・延期、工事従業者の確保等の事業上のリスクを抱えていると認識しておりますが、タイ等の海外子会社においてロックダウンや移動制限により工場等において稼働率の低下といった事象が生じた一方で、日本国内においては重要な工事現場の閉所や工期の変更等は生じておりません。
このような状況のなかでも、前向きな変化を追求する企業も多く存在すると認識してり、お客様のニーズを的確に捉え、当社グループの特色である、「技術力」、「機動力」、「総合力」を生かし、独立系エンジニアリングメーカーとしての柔軟な対応力を強みに、同業他社との差別化を図り「ものづくり」に関するあらゆる産業分野を網羅すべく、広範囲な事業フィールドで事業を推進する所存です。
このような状況のもと、当社グループは2020年度から新たな中期経営計画(ローリング方式により定め)に従い、「成長促進」の時期として位置付け、連結売上高50,000百万円以上、連結営業利益8%以上、ROE10%以上、海外比率15%以上を目標にスタートいたします。
新たな中期経営計画初年度となる2021年3月期の連結業績見通しは、新型コロナウイルス感染症の影響を想定できる範囲で織り込み、連結売上高35,000百万円(同7.2%減)、連結営業利益1,450百万円(同44.7%減)、連結経常利益1,500百万円(同44.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円(同46.8%減)と大幅な業績減少を予想しております。
これは、新型コロナ感染症の収束時期を正確に見通すことが困難な状況でありますが、収束時期を2020年9月以降、2021年3月に向けて徐々に回復が進むものと想定するも、国内外景気の減速による民間設備投資の減少や特に海外子会社の業績に与える影響等を現状想定できる範囲で次期の業績予想に織り込んだものであります。
経営者の問題意識と今後の方針について、現在の事業環境及び入手可能な情報を基に環境変化にスピード感を持って柔軟に対応すべく、最善の経営方針を立案し、諸対策を実着に実行してまいります。
今後は不透明な市場環境ではありますが、優先的に対処すべき事業上の課題に記載のとおり、まずは、安定収益を確保すべく、足下の受注案件の獲得及び業績見通し達成に全力を挙げていくとともに、中長期的な成長に向け、確実に「手を打つ」、両面での経営が重要であると認識し、最適な経営資源の配分を行いつつ「世の中から必要とされ、存続する企業」として、次世代の社会・産業に貢献する会社を目指します。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、安定的な外部資金調達能力の維持及び向上が重要であると認識しており、主要な取引先金融機関との良好な取引関係の維持に努めております。加えて、健全な財務状態の維持も重要であると認識しており、自己資本比率を50%以上に維持することを、経営目標の一つとして掲げております。
この様な基本的な考え方に沿って諸施策を進めることにより、当社グループの成長を維持するために必要とされる運転資金及び設備資金の調達に、何らの支障も生じないものと認識しております。
次に経営資源の配分に関する考え方として、営業活動により得た収益を事業活動の財源と捉え、その効率的な運用を最重点課題としております。運用先として、運転資金、更なる経営基盤の充実に備えるための人材育成・教育、設備及び研究開発への投資、財務基盤強化に繋がる有利子負債削減を企図した借入金返済がございます。
株主に対する利益還元につきましては、株主還元の安定的拡大を目指し、配当性向の目安を当面20%程度としながら将来的には30%の水準を目指しております。
上記の考え方に基づき、次の通り、資金需要に応じた資金調達を行っております。
まず当社グループの資金需要について、運転資金需要の主なものは、工事施工に係る材料費及び外注費の他、人件費であります。また、設備資金需要の主なものは、事業領域拡大に向けた拠点の設立や、生産性向上に向けた機械の購入であります。
上記の運転資金及び設備資金の調達に当たっては、内部資金及び国内金融機関からの借入を活用しております。
運転資金の調達につきましては、当社において取引先金融機関3行とコミットメントライン契約(40億円)を締結し、機動的な資金調達を行っております。 設備資金の調達につきましては、取引先金融機関からの長期借入金により賄うことを基本的な方針としております。
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による不測の事態、そのほか緊急時の資金需要への備えとして、当社において複数の取引先金融機関と当座貸越契約を締結しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。
新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、タイ等の海外子会社においてはロックダウンや移動制限により工場等において稼働率低下といった事象が生じている一方で、日本国内においては重要な工事現場の閉所・工期の延期等は生じていません。このような当社の状況を踏まえ、当感染症の影響は、翌第1四半期連結会計期間までは不安定な状況が続くものの、翌第2四半期連結会計期間以降徐々に回復が進むものと仮定し、工事の進捗率、繰延税金資産の回収可能性や固定資産の減損等の会計上の見積りを行っております。
しかしながら、当感染症の終息時期を予測することは困難であり、会計上の見積りの不確実性により将来における実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産の弱さがあるものの、企業収益の底堅さや雇用情勢の改善により、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、通商問題の動向、中国経済の先行きや英国のEU離脱問題等による海外経済の不確実性や人手不足の影響等の不安定要素に加え、年度末に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外ともに景気の先行き不透明感は強まっております。
設備工事業界におきましては、公共投資では底堅い動きがあり、民間設備投資も一部に弱さが見られるものの、総じて底堅い動きが見られましたが、人手不足の影響等もあり、受注・価格競争は厳しい状況で推移しました。
このような状況下で、当社グループはお客様のニーズに合った設備の提案を積極的に行い、受注の確保・拡大に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,388百万円増加し、30,530百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ284百万円減少し、14,257百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,673百万円増加し、16,272百万円となりました。
b.経営成績
民間設備投資は一部に弱い動きが見られたものの、当社グループの主要顧客である化学・素材系各社の設備投資需要を取り込むべく、受注活動を展開してまいりました。国内においては電子材関連、ファインケミカル、EV材等に関する高機能製品生産のための工場設備の新設(機械・電気一体型)や定期修理工事、設備更新工事の受注が堅調であり、また、海外子会社においては、電子材関連製造設備の大型案件を受注する等、受注は堅調であり前期を上回りました。売上高については前期からの繰越工事の完成や工事進行基準による完成等が寄与したものの、繰越となる案件も多く、前期並みとなりました。なお、当連会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、感染症拡大防止のための移動の自粛や在宅勤務等により事業活動の一部に制限が出たものの、懸念された業績への影響は、各セグメントとも殆どありませんでした。
この結果、受注高41,706百万円(前連結会計年度比8.1%増)、売上高37,708百万円(同0.6%増)となりました。
利益面につきましては、競争が厳しさを増すなか、グループ間連携による施工体制の確立、施工効率の改善、原価管理の徹底に取り組んだ結果、売上総利益率の改善がすすみ、営業利益2,623百万円(同7.3%増)、経常利益2,685百万円(同7.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益も前連結会計年度のような大きな特別損失もなく、1,880百万円(同22.8%増)とそれぞれ前連結会計年度を上回りました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(設備工事事業)
民間プラント・機械装置を主体としております産業プラント設備工事は、基本戦略に沿って大型EPC案件の需要を取り組むべく、中京地区の営業・施工体制の強化(名古屋支店の現業化、豊橋営業所の拡充)や支店間、部門間連携による施工体制の確立を図ってまいりました。その結果、同地区での大型EPC案件の取り込みに成功しましたが、国内においては大型案件が少なく、中小工事案件の受注が中心でありました。
一方、海外子会社においては大型EPC案件(機械・電気一体型)の受注が寄与し、同部門に於ける受注拡大に大きく貢献しております。大型案件完遂に向け、人的リソースを拡充しプロジェクト管理を強化しております。その結果、受注高は20,939百万円(前期比21.0%増)と前期を上回りました。売上高は工事進行基準による完成等がありましたが、国外における大型工事の工程変更により、工事進捗率が伸びず、17,054百万円(前期比2.1%減)と前期を下回りました。
民間プラント保全工事を主体としております設備保全工事は、客先工場の設備の老朽化対策、生産性改善を目的とした需要や定修工事等の需要を取り込むべく、迅速で細かな対応を図ってまいりましたが、受注高8,120百万円(前期比3.7%減)、売上高8,219百万円(前期比4.1%増)となり、前期並みとなりました。
電気計装工事は、民間プラントの増強、増設工事に伴う電気計装工事等の受注が堅調であり、受注高8,398百万円(前期比14.9%増)と前期を上回りましたが、売上高は繰越工事となる工事等もあり、7,329百万円(前期比6.5%減)と前期を下回りました。同部門は事業拡大を目的とし「幕張E&Iエンジセンター」開設に着手しております。
送電工事は、電力会社の設備更新投資等の受注がありましたが、受注高1,978百万円(前期比18.5%減)と前期を下回りました。売上高は前期からの繰越工事の完成等があり2,592百万円(前期比54.5%増)と前期を上回りました。
管工事は、官公庁及び民間設備工事の受注がありましたが、受注高1,036百万円(前期比27.5%減)と前期を下回りました。売上高は前期からの繰越工事の完成等があり、1,280百万円(前期比22.4%増)と前期を上回りました。
設備工事事業合計では、受注高40,472百万円(前期比9.7%増)、売上高36,476百万円(前期比1.7%増)となりました。セグメント利益は3,492百万円(前期比14.2%増)となりました。
(表面処理事業)
タイ国で事業展開しております表面処理事業は、タイ国経済の低迷を受けHDD向け表面処理や自動車部品の表面処理需要が減速し、受注高1,043百万円(前期比28.2%減)、売上高1,043百万円(前期比28.2%減)となり、前期を下回りました。セグメント損失は58百万円(前期は163百万円の利益)となりました。
同セグメントではHDD及び自動車部品の表面処理需要の減少に備え、新部品対応用のライン建設や営業強化を目的に営業拠点の開設に着手しております。
(その他)
鋳造用工業炉は、受注高190百万円(前期比8.1%減)、売上高189百万円(前期比13.1%増)となりました。セグメント利益は4百万円(前期同期は5百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ874百万円減少し、3,683百万円(前連結会計年度末比19.2%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が2,728百万円、減価償却費573百万円、未成工事受入金の増加376百万円等の増加要因があった一方、売上債権の増加1,751百万円と仕入債務の減少245百万円、法人税等の支払額1,112百万円等の減少要因を反映したものです。特に、仕入債務の増減額に関しては、前連結会計年度末において、大型工事の支払債務が増加し、1,753百万円の増加となりましたが、当連結会計年末においては大型工事に関する支払債務が少なく、245百万円の減少要因となったこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度末に比べ大幅に減少し、844百万円の収入(前連結会計年度末比72.4%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、建物・構築物等有形固定資産の取得による支出等により、1,257百万円の支出(前連結会計年度末比8.2%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、子会社における短期借入金の増加181百万円の増加要因があった一方、長期借入金の返済による支出380百万円、配当金の支払額287百万円の減少等を反映し、497百万円の支出(前連結会計年度末比109.4%増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事事業(産業プラント設備工事、設備保全工事、電気計装工事、送電工事、管工事)では生産実績を定義することが困難であり、設備工事事業においては請負形態を取っているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
従って、生産、受注及び販売の実績については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における各セグメントの状況に関連付けて記載しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
(1)受注工事高、完成工事高、繰越工事高
第51期(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
| 工事別 | 前期繰越工事高 (千円) | 当期受注工事高 (千円) | 計(千円) | 当期完成工事高 (千円) | 次期繰越工事高(千円) |
| 産業プラント設備工事 | 5,204,216 | 16,851,979 | 22,056,196 | 17,035,428 | 5,020,767 |
| 設備保全工事 | 733,602 | 8,432,158 | 9,165,760 | 7,898,827 | 1,266,932 |
| 電気計装工事 | 2,786,730 | 7,320,878 | 10,107,609 | 7,845,660 | 2,261,948 |
| 送電工事 | 377,042 | 2,427,823 | 2,804,865 | 1,678,222 | 1,126,643 |
| 管工事 | 132,459 | 1,429,449 | 1,561,908 | 1,046,385 | 515,522 |
| 鋳造用工業炉 | 18,082 | 207,651 | 225,734 | 167,431 | 58,302 |
| 計 | 9,252,133 | 36,669,940 | 45,922,074 | 35,671,956 | 10,250,117 |
第52期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
| 工事別 | 前期繰越工事高 (千円) | 当期受注工事高 (千円) | 計(千円) | 当期完成工事高 (千円) | 次期繰越工事高(千円) |
| 産業プラント設備工事 | 5,020,767 | 17,608,599 | 22,629,366 | 16,153,377 | 6,475,989 |
| 設備保全工事 | 1,266,932 | 8,120,014 | 9,386,946 | 8,219,584 | 1,167,362 |
| 電気計装工事 | 2,261,948 | 8,398,034 | 10,659,982 | 7,329,465 | 3,330,517 |
| 送電工事 | 1,126,643 | 1,978,550 | 3,105,193 | 2,592,322 | 512,870 |
| 管工事 | 515,522 | 1,036,357 | 1,551,880 | 1,280,681 | 271,198 |
| 鋳造用工業炉 | 58,302 | 190,881 | 249,184 | 189,351 | 59,832 |
| 計 | 10,250,117 | 37,332,436 | 47,582,554 | 35,764,783 | 11,817,771 |
(注)前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増
減額を含みます。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれています。
(2)受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争に大別されます。
| 期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 第51期 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 産業プラント設備工事 | 7.3 | 92.7 | 100 |
| 設備保全工事 | 28.9 | 71.1 | 100 | |
| 電気計装工事 | 18.9 | 81.1 | 100 | |
| 送電工事 | 28.1 | 71.9 | 100 | |
| 管工事 | 7.9 | 92.1 | 100 | |
| 鋳造用工業炉 | 62.0 | 38.0 | 100 | |
| 第52期 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 産業プラント設備工事 | 17.2 | 82.8 | 100 |
| 設備保全工事 | 30.1 | 69.9 | 100 | |
| 電気計装工事 | 18.8 | 81.2 | 100 | |
| 送電工事 | 11.2 | 88.8 | 100 | |
| 管工事 | 15.6 | 84.4 | 100 | |
| 鋳造用工業炉 | 75.5 | 24.5 | 100 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
(3)完成工事高
| 期別 | 区分 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 合計(千円) |
| 第51期 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 産業プラント設備工事 | 203,874 | 16,831,554 | 17,035,428 |
| 設備保全工事 | 20,204 | 7,878,623 | 7,898,827 | |
| 電気計装工事 | 539,014 | 7,306,646 | 7,845,660 | |
| 送電工事 | - | 1,678,222 | 1,678,222 | |
| 管工事 | 320,408 | 725,976 | 1,046,385 | |
| 鋳造用工業炉 | - | 167,431 | 167,431 | |
| 計 | 1,083,501 | 34,588,455 | 35,671,956 | |
| 第52期 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 産業プラント設備工事 | 264,044 | 15,889,332 | 16,153,377 |
| 設備保全工事 | 50,489 | 8,169,095 | 8,219,584 | |
| 電気計装工事 | 773,908 | 6,555,557 | 7,329,465 | |
| 送電工事 | - | 2,592,322 | 2,592,322 | |
| 管工事 | 505,927 | 774,754 | 1,280,681 | |
| 鋳造用工業炉 | - | 189,351 | 189,351 | |
| 計 | 1,594,369 | 34,170,414 | 35,764,783 |
第51期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。
| 東亞合成㈱ | ポリマー粉体製造設備工事 |
| 花王㈱ | PN設備設置工事 |
| AGC㈱ | PRG第3架構新設工事 |
| 東北電力㈱ | 松浦線保安対策4工事 |
(注)旭硝子㈱は2018年7月にAGC㈱に商号を変更しております。
第52期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。
| 東亞合成㈱ | 3NARE改造工事 |
| 糸魚川市 | 糸魚川市健康づくりセンター屋内プール増築(機械設備)工事 |
| 東邦化学工業㈱ | 150㎥屋外タンク×4基増設及び既設屋外タンク変更工事 |
| 昭和電工㈱ | 第二工場設備 移設工事 |
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 第51期 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 第52期 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 完成工事高に対する割合(%) | 金額(千円) | 完成工事高に対する割合(%) | |
| デンカ㈱ | 4,521,855 | 12.7 | 5,309,767 | 14.8 |
| ㈱カネカ | 4,313,075 | 12.1 | - | - |
| 計 | 8,834,931 | 24.8 | 5,309,767 | 14.8 |
第52期の㈱カネカについては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(4)手持工事高(2020年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 合計(千円) |
| 産業プラント設備工事 | 40,316 | 6,435,673 | 6,475,989 |
| 設備保全工事 | - | 1,167,362 | 1,167,362 |
| 電気計装工事 | 586,152 | 2,744,365 | 3,330,517 |
| 送電工事 | - | 512,870 | 512,870 |
| 管工事 | 20,815 | 250,383 | 271,198 |
| 鋳造用工業炉 | - | 59,832 | 59,832 |
| 計 | 647,283 | 11,170,487 | 11,817,771 |
手持工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。
| AGCセイミカル㈱ | CMS系列増設工事 | 2020年 6月 完成予定 |
| ㈱クラレ | TCA製造設備設置工事 | 2020年 10月 完成予定 |
| ㈱ダイセル | MCA・塩素化建家設備撤去 | 2020年 12月 完成予定 |
| 黒部川電力㈱ | 新姫六線新設工事(4工区) | 2021年 3月 完成予定 |
| 亀田製菓㈱ | 白根工場 糯第1工場2階、第2工場3階天井不燃化工事 | 2021年 3月 完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は21,646百万円(前連結会計年度末20,891百万円)となり、755百万円増加しました。これは、受取手形・完成工事未収入金等が1,769百万円増加したものの、現金預金が874百万円、未成工事支出金が128百万円減少したことによるものと分析しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は8,883百万円(同8,250百万円)となり、633百万円増加しました。これは、主に建物・構築物が378百万円増加し、また、表面処理事業に於けるライン新設等に係る建設仮勘定が437百万増加したものと分析しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は12,294百万円(同12,198百万円)となり、95百万円増加しました。これは主に支払手形・工事未払金等が140百万円、未払法人税等が276百万円減少したものの、短期借入金が161百万円、未成工事受入金が376百万円増加したものと分析しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は1,963百万円(同2,343百万円)となり、380百万円減少しました。これは、主に長期借入金が360百万円減少したものと分析しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は16,272百万円(同14,599百万円)となり、1,673百万円増加しました。これは、主に利益剰余金が1,591百万円増加したものと分析しております。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、化学系プラントの新設工事(機械・電気一体型)、定期修理工事及び設備更新工事等の受注が堅調に推移し、前連結会計年度の37,495百万円に対し213百万円増(前連結会計年度比0.6%増)の37,708百万円となりました。なお、セグメント別の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度の6,095百万円に対し、510百万円増(同8.4%増)の6,605百万円となりました。グループ全体の売上総利益率は、競争が厳しさを増すなか、施工体制の確立、施工効率の改善、原価管理の徹底に取り組んだ結果、前連結会計年度に比べ1.2ポイント増加したものと分析しております。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の3,650百万円に対し、331百万円増(同9.1%増)の3,982百万円となりました。主に定期昇給実施による従業員給料手当等の人件費が95百万円増加、ウェアラブカメラ、各種自動化製品開発に係る調査研究費が155百万円増加したものと分析しております。
(営業利益)
以上により、営業利益は前連結会計年度の2,444百万円に対し、178百万円増(同7.3%増)の2,623百万円となりました。
(営業外損益)
営業外損益(純額)は、前連結会計年度の50百万円の収入に対し、11百万円増(同23.0%増)の61百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度の2,494百万円に対し、190百万円増(同7.6%増)の2,685百万円となりました。
これは、主に営業利益の増加及び営業外損益の増加によるものと分析しております。
(特別損益)
特別損益(純額)は、前連結会計年度の191百万円の損失に対し、43百万円の収入となりました。
これは、主に減損損失が前連結会計年度より152百万円減少したものと分析しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,531百万円に対し、349百万円増(同22.8%増)の1,880百万円となりました。
1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の143円08銭に対し、32円66銭増加し175円74銭となりました。
当社グループの経営に影響を与える要因として、当社グループの属する設備工事業界は受注産業であり、国内外の経済動向や国際情勢の影響を受けやすく、景気の変動により国や民間設備投資の大幅な抑制が続くと、当社グループの業績に与える影響が大きいと認識しております。
現状の見通しとして、国内外経済に影響を与える不確定要素が多いなか、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、顧客の投資決定が先送りされる等が懸念され、足下では先行き不透明な状況となっております。
当社グループにおきましても、工事の中断や中止・延期、工事従業者の確保等の事業上のリスクを抱えていると認識しておりますが、タイ等の海外子会社においてロックダウンや移動制限により工場等において稼働率の低下といった事象が生じた一方で、日本国内においては重要な工事現場の閉所や工期の変更等は生じておりません。
このような状況のなかでも、前向きな変化を追求する企業も多く存在すると認識してり、お客様のニーズを的確に捉え、当社グループの特色である、「技術力」、「機動力」、「総合力」を生かし、独立系エンジニアリングメーカーとしての柔軟な対応力を強みに、同業他社との差別化を図り「ものづくり」に関するあらゆる産業分野を網羅すべく、広範囲な事業フィールドで事業を推進する所存です。
このような状況のもと、当社グループは2020年度から新たな中期経営計画(ローリング方式により定め)に従い、「成長促進」の時期として位置付け、連結売上高50,000百万円以上、連結営業利益8%以上、ROE10%以上、海外比率15%以上を目標にスタートいたします。
新たな中期経営計画初年度となる2021年3月期の連結業績見通しは、新型コロナウイルス感染症の影響を想定できる範囲で織り込み、連結売上高35,000百万円(同7.2%減)、連結営業利益1,450百万円(同44.7%減)、連結経常利益1,500百万円(同44.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円(同46.8%減)と大幅な業績減少を予想しております。
これは、新型コロナ感染症の収束時期を正確に見通すことが困難な状況でありますが、収束時期を2020年9月以降、2021年3月に向けて徐々に回復が進むものと想定するも、国内外景気の減速による民間設備投資の減少や特に海外子会社の業績に与える影響等を現状想定できる範囲で次期の業績予想に織り込んだものであります。
経営者の問題意識と今後の方針について、現在の事業環境及び入手可能な情報を基に環境変化にスピード感を持って柔軟に対応すべく、最善の経営方針を立案し、諸対策を実着に実行してまいります。
今後は不透明な市場環境ではありますが、優先的に対処すべき事業上の課題に記載のとおり、まずは、安定収益を確保すべく、足下の受注案件の獲得及び業績見通し達成に全力を挙げていくとともに、中長期的な成長に向け、確実に「手を打つ」、両面での経営が重要であると認識し、最適な経営資源の配分を行いつつ「世の中から必要とされ、存続する企業」として、次世代の社会・産業に貢献する会社を目指します。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、安定的な外部資金調達能力の維持及び向上が重要であると認識しており、主要な取引先金融機関との良好な取引関係の維持に努めております。加えて、健全な財務状態の維持も重要であると認識しており、自己資本比率を50%以上に維持することを、経営目標の一つとして掲げております。
この様な基本的な考え方に沿って諸施策を進めることにより、当社グループの成長を維持するために必要とされる運転資金及び設備資金の調達に、何らの支障も生じないものと認識しております。
次に経営資源の配分に関する考え方として、営業活動により得た収益を事業活動の財源と捉え、その効率的な運用を最重点課題としております。運用先として、運転資金、更なる経営基盤の充実に備えるための人材育成・教育、設備及び研究開発への投資、財務基盤強化に繋がる有利子負債削減を企図した借入金返済がございます。
株主に対する利益還元につきましては、株主還元の安定的拡大を目指し、配当性向の目安を当面20%程度としながら将来的には30%の水準を目指しております。
上記の考え方に基づき、次の通り、資金需要に応じた資金調達を行っております。
まず当社グループの資金需要について、運転資金需要の主なものは、工事施工に係る材料費及び外注費の他、人件費であります。また、設備資金需要の主なものは、事業領域拡大に向けた拠点の設立や、生産性向上に向けた機械の購入であります。
上記の運転資金及び設備資金の調達に当たっては、内部資金及び国内金融機関からの借入を活用しております。
運転資金の調達につきましては、当社において取引先金融機関3行とコミットメントライン契約(40億円)を締結し、機動的な資金調達を行っております。 設備資金の調達につきましては、取引先金融機関からの長期借入金により賄うことを基本的な方針としております。
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による不測の事態、そのほか緊急時の資金需要への備えとして、当社において複数の取引先金融機関と当座貸越契約を締結しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。
新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、タイ等の海外子会社においてはロックダウンや移動制限により工場等において稼働率低下といった事象が生じている一方で、日本国内においては重要な工事現場の閉所・工期の延期等は生じていません。このような当社の状況を踏まえ、当感染症の影響は、翌第1四半期連結会計期間までは不安定な状況が続くものの、翌第2四半期連結会計期間以降徐々に回復が進むものと仮定し、工事の進捗率、繰延税金資産の回収可能性や固定資産の減損等の会計上の見積りを行っております。
しかしながら、当感染症の終息時期を予測することは困難であり、会計上の見積りの不確実性により将来における実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。