有価証券報告書-第57期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、各種政策の効果等もあり、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、地政学リスクや米国の通商政策等による経済への影響、物価上昇等、先行きは不透明な状況が続いております。
設備工事業界においては、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資は持ち直しの動きが見られましたが、物価上昇や海外景気の動向により先行きが不透明な状況等があり、受注・価格競争は厳しい状況で推移しております。
このような状況下で、当社グループはお客様のニーズに合った設備の提案を積極的に行い、受注の確保・拡大に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ263百万円減少し、45,976百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,617百万円減少し、20,988百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,354百万円増加し、24,988百万円となりました。
b.経営成績
設備工事事業におきまして、当社グループの主要顧客である化学業界において次世代技術向けの電子材(新素材)生産プラント建設工事、半導体素材製造プラント建設工事等の半導体関連の設備工事、設備増強工事、定期修繕工事等を中心とした受注がありました。前期を下回る受注高とはなったものの、事業部門間の連携が大型案件の受注に寄与したこと等から、総じて堅調に推移しました。タイ国の表面処理事業は、HDD向け表面処理は依然として不調でありました。また、自動車部品向けの表面処理は総じて横ばいの状況のなか、EV用の需要は堅調であり、表面処理事業全体では前期を上回りました。売上高は、懸念されていた工事資材の納期長期化や物資不足等の影響は想定より少なく、大型案件をはじめとした工事の進捗は順調に推移しましたが、好調であった前期を若干下回る結果となりました。
この結果、受注高53,135百万円(前連結会計年度比2.9%減)、売上高50,832百万円(同1.9%減)となりました。
利益面につきましては、工事資材費、労務費等の上昇は続いておりますが、施工効率の改善、原価管理の徹底等を継続している効果もあり、また過去に発生した工事損失の反省から、リスク管理の徹底が浸透し利益の低下を予防したこと等から、売上総利益率は大きく改善しました。ESGへの取組等の諸施策による販売費及び一般管理費の増加があったものの、売上総利益率の改善効果は大きく、営業利益3,837百万円(同43.3%増)、経常利益3,906百万円(同43.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,593百万円(同36.8%増)ともに前期を大きく上回る結果となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(設備工事事業)
民間プラント・機械装置を主体としております産業プラント設備工事は、電子材(新素材)生産プラント建設工事、既存設備の統合化・省エネルギー化工事、半導体関連の設備工事等を中心とした受注がありましたが、受注高25,437百万円(前連結会計年度比4.3%減)と前期を下回りました。売上高は、大型案件をはじめとした工事の進捗は堅調に推移しましたが、22,741百万円(同7.1%減)と前期を下回りました。
民間プラント保全工事を主体としております設備保全工事は、工場設備の定期修繕工事を中心とした受注が堅調でありましたが、受注高10,302百万円(同0.3%減)、売上高10,336百万円(同1.0%減)ともに前期を下回りました。
電気計装工事は、産業プラント設備工事部門とのジョイントによる、電子材(新素材)生産プラント建設工事、既存設備の統合化・省エネルギー化工事、半導体関連の設備工事、公共インフラ関連工事を中心とした受注があり、受注高9,327百万円(同2.6%増)と前期を上回りました。売上高は前期からの繰越工事の完成や進行基準による売上等により、10,224百万円(同11.2%増)と前期を上回りました。
メカトロニクスは、充填ライン、各種自動化機器の受注等がありましたが、受注高2,679百万円(同21.5%減)、売上高2,215百万円(同20.4%減)ともに前期を下回りました。
送電工事は、電力会社の設備保守等の受注が堅調であり、受注高2,727百万円(同19.1%増)、売上高2,645百万円(同22.0%増)ともに前期を上回りました。
管工事は、インフラ設備の維持更新等を中心とした受注がありましたが、受注高1,173百万円(同29.4%減)、売上高1,152百万円(同19.8%減)ともに前期を下回りました。
設備工事事業合計では、受注高51,648百万円(同3.2%減)、売上高49,315百万円(同2.4%減)と前期を下回りましたが、売上総利益率の改善が進みセグメント利益5,294百万円(同41.9%増)となりました。
(表面処理事業)
タイ国で事業展開しております表面処理事業は、HDD向け表面処理は引き続き不調でしたが、自動車部品の表面処理は全般的には横ばいながら、EV向け部品は堅調であり、受注高1,369百万円(前連結会計年度比10.9%増)、売上高1,369百万円(同10.9%増)と前期を上回りました。原価率低減の取組み効果等もあり、セグメント利益39百万円(前連結会計年度は59百万円の損失)となりました。
(その他)
鋳造用工業炉は、受注高116百万円(前連結会計年度比0.8%増)、売上高146百万円(同58.7%増)、セグメント損失49百万円(前連結会計年度は11百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,558百万円増加し、10,849百万円(前連結会計年度末比229.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が3,833百万円、減価償却費731百万円、売上債権の減少8,650百万円、未成工事受入金の増加2,487百万円等の収入があり、仕入債務の減少2,437百万円等の支出があったものの、営業活動によるキャッシュ・フローは12,925百万円の収入(前連結会計年度末は4,740百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、教育訓練施設の新設等の有形固定資産の取得による支出等により、1,278百万円の支出(前連結会計年度末比17.3%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入があった一方で、短期借入金の減少があり、4,171百万円の支出(前連結会計年度末は2,899百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事事業(産業プラント設備工事、設備保全工事、電気計装工事、メカトロニクス、送電工事、管工事)では生産実績を定義することが困難であり、設備工事事業においては請負形態を取っているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
従って、生産、受注及び販売の実績については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における各セグメントの状況に関連付けて記載しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
(1)受注工事高、完成工事高、繰越工事高
第56期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
第57期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(注)前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれています。
(2)受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争に大別されます。
(注)百分比は請負金額比であります。
(3)完成工事高
第56期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。
第57期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
(4)手持工事高(2025年3月31日現在)
手持工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は35,010百万円(前連結会計年度末35,915百万円)となり、904百万円減少しました。これは、主に受取手形・完成工事未収入金等の回収が進んだことや未成工事受入金の受入が多かったこと等から現金預金が7,558百万円増加した一方、受取手形・完成工事未収入金等が9,470百万円減少したことによるものと分析しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は10,965百万円(同10,324百万円)となり、641百万円増加しました。これは、主に建物・構築物が579百万円、機械、運搬具及び工具器具備品が606百万円増加したことによるものと分析しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は19,091百万円(同22,205百万円)となり、3,113百万円減少しました。これは、主に短期借入金が4,100百万円減少したことによるものと分析しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は1,896百万円(同1,400百万円)となり、495百万円増加しました。これは、主に長期借入金が500百万円増加したことによるものと分析しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は24,988百万円(同22,633百万円)となり、2,354百万円増加しました。これは、主に利益剰余金が2,069百万円増加したことによるものと分析しております。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、半導体関連の大型プラント建設工事、EV材関連設備工事、設備改修工事、脱炭素対応に向けた設備工事、また、定期修繕工事等を中心とした受注があり、懸念されていた工事資材の納期長期化や物資不足などの影響は想定より少なく、大型案件をはじめとした工事の進捗は想定以上に順調に推移し、前連結会計年度の51,842百万円に対し1,010百万円減(前連結会計年度比1.9%減)の50,832百万円となりました。なお、セグメント別の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度の7,328百万円に対し、1,399百万円増(同19.1%増)の8,727百万円となりました。また、売上総利益率は17.2%となりました。工事資材費、労務費等の上昇は続いておりますが、施工効率の改善、原価管理の徹底等を継続している効果もあり、また過去に発生した工事損失の反省から、リスク管理の徹底が浸透し利益の低下を予防したこと等から、前連結会計年度に比べ3.0ポイント増加したものと分析しております。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の4,651百万円に対し、239百万円増(同5.1%増)の4,890百万円となりました。ESGへの取組、業務のDX推進などの諸施策や従業員給料手当が増加したこと等によるものと分析しております。
(営業利益)
以上により、営業利益は前連結会計年度の2,677百万円に対し、1,160百万円増(同43.3%増)の3,837百万円となりました。
(営業外損益)
営業外損益(純額)は、前連結会計年度の48百万円の収入に対し、20百万円増(同42.8%増)の69百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度の2,726百万円に対し、1,180百万円増(同43.3%増)の3,906百万円となりました。これは、主に営業利益の増加によるものと分析しております。
(特別損益)
特別損益(純額)は、前連結会計年度の109百万円の損失に対し、73百万円の損失となりました。これは、主に特別損失が前連結会計年度より27百万円減少したことによるものと分析しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,895百万円に対し、697百万円増(同36.8%増)の2,593百万円となりました。
1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の179円71銭に対し、67円76銭増加し247円47銭となりました。
当社グループの経営に影響を与える要因として、当社グループの属する設備工事業界は受注産業であり、国内外の経済動向や国際情勢の影響を受けやすく、景気の変動により公共投資や民間設備投資の大幅な抑制が続くと、当社グループの業績に与える影響が大きいと認識しております。
現状の見通しとして、国内外経済に影響を与える不確定な要素が多いなか、物価上昇や金融政策の変化に伴う景気減速懸念に加え、地政学リスクや米国の通商政策が及ぼす国内外経済への影響等、依然として不透明な状況が想定され、先行きは予断を許さない厳しい状況が続くものと思われます。
当社グループにおきましては、お客様のニーズを的確に捉え、当社グループの特色である、「技術力」、「機動力」、「総合力」を活かし、独立系エンジニアリングメーカーとしての柔軟な対応力を強みに、同業他社との差別化を図り「ものづくり」に関するあらゆる産業分野を網羅すべく、広範囲な事業フィールドで事業を推進する所存です。
このような状況のもと、当社グループは、2024年11月6日に公表いたしました中期経営計画「TRY2030」において、2030年3月期までを「更なる飛躍への変革の時期」と定めており、目標の実現のため次の主要施策に取り組んでまいります。
①国内事業の進化
②海外事業の再生
③新規事業の探索
④組織・業務改革
⑤ESG対応・財務基盤の強化
以上の主要施策の推進のため、大型EPC案件の拡大、人員・組織・業務推進体制の拡充を含めた人的資本への更なる投資、サステナブル経営の実現等に取り組み、コーポレートスローガン「ものづくりのための、モノづくり。」のもと、事業領域における全てのフェーズでお客様に貢献する総合エンジニアリング会社を目指してまいります。なお、2026年3月期の連結業績見通しは、連結売上高は53,000百万円(前連結会計年度比4.3%増)と予想しております。利益面では、連結営業利益4,000百万円(同4.2%増)、連結経常利益4,050百万円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,700百万円(同4.1%増)と予想しております。
経営者の問題意識と今後の方針について、現在の事業環境及び入手可能な情報を基に環境変化にスピード感を持って柔軟に対応すべく、最善の経営方針を立案し、諸対策を実着に実行してまいります。
今後は不透明な市場環境ではありますが、優先的に対処すべき事業上の課題に記載のとおり、まずは、安定収益を確保すべく、足下の受注案件の獲得及び業績見通し達成に全力を挙げていくとともに、中長期的な成長に向け、確実に「手を打つ」、両面での経営が重要であると認識し、最適な経営資源の配分を行いつつ「世の中から必要とされ、存続する企業」として、次世代の社会・産業に貢献する会社を目指します。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、安定的な外部資金調達能力の維持及び向上が重要であると認識しており、主要な取引先金融機関との良好な取引関係の維持に努めております。加えて、健全な財務状態の維持も重要であると認識しており、自己資本比率を50%以上に維持することを、経営目標の一つとして掲げております。
この様な基本的な考え方に沿って諸施策を進めることにより、当社グループの成長を維持するために必要とされる運転資金及び設備資金の調達に、何らの支障も生じないものと認識しております。
次に経営資源の配分に関する考え方として、営業活動により得た収益を事業活動の財源と捉え、その効率的な運用を最重点課題としております。運用先として、運転資金、持続的成長に向けた経営基盤強化に資する基盤投資、事業ポートフォリオの拡充のための成長投資があります。
株主に対する利益還元につきましては、財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、毎期の業績、新規投資、連結配当性向を総合的に勘案しながら、連結配当性向35%~40%を目安とし、安定的な配当と持続的な増配に努めることを基本方針としております。自己株式の取得についても、財務状況、市場環境、業績の動向等を総合的に勘案し、適切な局面で機動的に実施してまいります。
上記の考え方に基づき、次のとおり、資金需要に応じた資金調達を行っております。
まず当社グループの資金需要について、運転資金需要の主なものは、工事施工に係る材料費及び外注費の他、人件費であります。また、設備資金需要の主なものは、事業領域拡大・人的資本価値の向上に向けた拠点・施設の設立や、生産性向上・ESG推進に向けた設備の購入であります。
上記の運転資金及び設備資金の調達に当たっては、内部資金及び国内金融機関からの借入を活用しております。
運転資金の調達につきましては、当社において取引先金融機関3行とコミットメントライン契約(60億円)を締結し、機動的な資金調達を行っております。設備資金の調達につきましては、取引先金融機関からの長期借入金により賄うことを基本的な方針としております。また、緊急時の資金需要への備えとして、当社において複数の取引先金融機関と当座貸越契約を締結しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善、各種政策の効果等もあり、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、地政学リスクや米国の通商政策等による経済への影響、物価上昇等、先行きは不透明な状況が続いております。
設備工事業界においては、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資は持ち直しの動きが見られましたが、物価上昇や海外景気の動向により先行きが不透明な状況等があり、受注・価格競争は厳しい状況で推移しております。
このような状況下で、当社グループはお客様のニーズに合った設備の提案を積極的に行い、受注の確保・拡大に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ263百万円減少し、45,976百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,617百万円減少し、20,988百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,354百万円増加し、24,988百万円となりました。
b.経営成績
設備工事事業におきまして、当社グループの主要顧客である化学業界において次世代技術向けの電子材(新素材)生産プラント建設工事、半導体素材製造プラント建設工事等の半導体関連の設備工事、設備増強工事、定期修繕工事等を中心とした受注がありました。前期を下回る受注高とはなったものの、事業部門間の連携が大型案件の受注に寄与したこと等から、総じて堅調に推移しました。タイ国の表面処理事業は、HDD向け表面処理は依然として不調でありました。また、自動車部品向けの表面処理は総じて横ばいの状況のなか、EV用の需要は堅調であり、表面処理事業全体では前期を上回りました。売上高は、懸念されていた工事資材の納期長期化や物資不足等の影響は想定より少なく、大型案件をはじめとした工事の進捗は順調に推移しましたが、好調であった前期を若干下回る結果となりました。
この結果、受注高53,135百万円(前連結会計年度比2.9%減)、売上高50,832百万円(同1.9%減)となりました。
利益面につきましては、工事資材費、労務費等の上昇は続いておりますが、施工効率の改善、原価管理の徹底等を継続している効果もあり、また過去に発生した工事損失の反省から、リスク管理の徹底が浸透し利益の低下を予防したこと等から、売上総利益率は大きく改善しました。ESGへの取組等の諸施策による販売費及び一般管理費の増加があったものの、売上総利益率の改善効果は大きく、営業利益3,837百万円(同43.3%増)、経常利益3,906百万円(同43.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,593百万円(同36.8%増)ともに前期を大きく上回る結果となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(設備工事事業)
民間プラント・機械装置を主体としております産業プラント設備工事は、電子材(新素材)生産プラント建設工事、既存設備の統合化・省エネルギー化工事、半導体関連の設備工事等を中心とした受注がありましたが、受注高25,437百万円(前連結会計年度比4.3%減)と前期を下回りました。売上高は、大型案件をはじめとした工事の進捗は堅調に推移しましたが、22,741百万円(同7.1%減)と前期を下回りました。
民間プラント保全工事を主体としております設備保全工事は、工場設備の定期修繕工事を中心とした受注が堅調でありましたが、受注高10,302百万円(同0.3%減)、売上高10,336百万円(同1.0%減)ともに前期を下回りました。
電気計装工事は、産業プラント設備工事部門とのジョイントによる、電子材(新素材)生産プラント建設工事、既存設備の統合化・省エネルギー化工事、半導体関連の設備工事、公共インフラ関連工事を中心とした受注があり、受注高9,327百万円(同2.6%増)と前期を上回りました。売上高は前期からの繰越工事の完成や進行基準による売上等により、10,224百万円(同11.2%増)と前期を上回りました。
メカトロニクスは、充填ライン、各種自動化機器の受注等がありましたが、受注高2,679百万円(同21.5%減)、売上高2,215百万円(同20.4%減)ともに前期を下回りました。
送電工事は、電力会社の設備保守等の受注が堅調であり、受注高2,727百万円(同19.1%増)、売上高2,645百万円(同22.0%増)ともに前期を上回りました。
管工事は、インフラ設備の維持更新等を中心とした受注がありましたが、受注高1,173百万円(同29.4%減)、売上高1,152百万円(同19.8%減)ともに前期を下回りました。
設備工事事業合計では、受注高51,648百万円(同3.2%減)、売上高49,315百万円(同2.4%減)と前期を下回りましたが、売上総利益率の改善が進みセグメント利益5,294百万円(同41.9%増)となりました。
(表面処理事業)
タイ国で事業展開しております表面処理事業は、HDD向け表面処理は引き続き不調でしたが、自動車部品の表面処理は全般的には横ばいながら、EV向け部品は堅調であり、受注高1,369百万円(前連結会計年度比10.9%増)、売上高1,369百万円(同10.9%増)と前期を上回りました。原価率低減の取組み効果等もあり、セグメント利益39百万円(前連結会計年度は59百万円の損失)となりました。
(その他)
鋳造用工業炉は、受注高116百万円(前連結会計年度比0.8%増)、売上高146百万円(同58.7%増)、セグメント損失49百万円(前連結会計年度は11百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,558百万円増加し、10,849百万円(前連結会計年度末比229.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が3,833百万円、減価償却費731百万円、売上債権の減少8,650百万円、未成工事受入金の増加2,487百万円等の収入があり、仕入債務の減少2,437百万円等の支出があったものの、営業活動によるキャッシュ・フローは12,925百万円の収入(前連結会計年度末は4,740百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、教育訓練施設の新設等の有形固定資産の取得による支出等により、1,278百万円の支出(前連結会計年度末比17.3%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入があった一方で、短期借入金の減少があり、4,171百万円の支出(前連結会計年度末は2,899百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事事業(産業プラント設備工事、設備保全工事、電気計装工事、メカトロニクス、送電工事、管工事)では生産実績を定義することが困難であり、設備工事事業においては請負形態を取っているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
従って、生産、受注及び販売の実績については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における各セグメントの状況に関連付けて記載しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
(1)受注工事高、完成工事高、繰越工事高
第56期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
| 工事別 | 前期繰越工事高 (千円) | 当期受注工事高 (千円) | 計(千円) | 当期完成工事高 (千円) | 次期繰越工事高(千円) |
| 産業プラント設備工事 | 14,180,082 | 26,135,284 | 40,315,367 | 23,988,765 | 16,326,601 |
| 設備保全工事 | 1,513,374 | 10,332,297 | 11,845,672 | 10,446,382 | 1,399,290 |
| 電気計装工事 | 6,998,292 | 9,095,693 | 16,093,985 | 9,194,609 | 6,899,375 |
| メカトロニクス | 2,177,626 | 3,311,252 | 5,488,879 | 2,674,457 | 2,814,422 |
| 送電工事 | 268,111 | 2,290,230 | 2,558,342 | 2,168,451 | 389,891 |
| 管工事 | 366,402 | 1,663,312 | 2,029,714 | 1,437,853 | 591,861 |
| 鋳造用工業炉 | 9,807 | 116,038 | 125,846 | 92,332 | 33,513 |
| 計 | 25,513,697 | 52,944,110 | 78,457,807 | 50,002,852 | 28,454,955 |
第57期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
| 工事別 | 前期繰越工事高 (千円) | 当期受注工事高 (千円) | 計(千円) | 当期完成工事高 (千円) | 次期繰越工事高(千円) |
| 産業プラント設備工事 | 16,326,601 | 25,162,139 | 41,488,741 | 22,489,654 | 18,999,086 |
| 設備保全工事 | 1,399,290 | 10,302,062 | 11,701,352 | 10,336,848 | 1,364,504 |
| 電気計装工事 | 6,899,375 | 9,327,885 | 16,227,261 | 10,224,088 | 6,003,173 |
| メカトロニクス | 2,814,422 | 2,596,927 | 5,411,349 | 2,102,838 | 3,308,511 |
| 送電工事 | 389,891 | 2,727,200 | 3,117,091 | 2,645,079 | 472,012 |
| 管工事 | 591,861 | 1,173,552 | 1,765,413 | 1,152,726 | 612,687 |
| 鋳造用工業炉 | 33,513 | 116,991 | 150,504 | 146,525 | 3,978 |
| 計 | 28,454,955 | 51,406,759 | 79,861,715 | 49,097,760 | 30,763,955 |
(注)前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれています。
(2)受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争に大別されます。
| 期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 第56期 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 産業プラント設備工事 | 33.8 | 66.2 | 100 |
| 設備保全工事 | 48.9 | 51.1 | 100 | |
| 電気計装工事 | 40.1 | 59.9 | 100 | |
| メカトロニクス | 86.6 | 13.4 | 100 | |
| 送電工事 | 23.1 | 76.9 | 100 | |
| 管工事 | 4.3 | 95.7 | 100 | |
| 鋳造用工業炉 | 100.0 | 0.0 | 100 | |
| 第57期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 産業プラント設備工事 | 12.5 | 87.5 | 100 |
| 設備保全工事 | 46.5 | 53.5 | 100 | |
| 電気計装工事 | 35.7 | 64.3 | 100 | |
| メカトロニクス | 74.7 | 25.3 | 100 | |
| 送電工事 | 15.2 | 84.8 | 100 | |
| 管工事 | 14.0 | 86.0 | 100 | |
| 鋳造用工業炉 | 100.0 | 0.0 | 100 |
(注)百分比は請負金額比であります。
(3)完成工事高
| 期別 | 区分 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 合計(千円) |
| 第56期 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 産業プラント設備工事 | 136,545 | 23,852,220 | 23,988,765 |
| 設備保全工事 | 36,338 | 10,410,044 | 10,446,382 | |
| 電気計装工事 | 459,687 | 8,734,922 | 9,194,609 | |
| メカトロニクス | - | 2,674,457 | 2,674,457 | |
| 送電工事 | 2,500 | 2,165,951 | 2,168,451 | |
| 管工事 | 513,002 | 924,851 | 1,437,853 | |
| 鋳造用工業炉 | - | 92,332 | 92,332 | |
| 計 | 1,148,072 | 48,854,779 | 50,002,852 | |
| 第57期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 産業プラント設備工事 | 176,488 | 22,313,166 | 22,489,654 |
| 設備保全工事 | 121,430 | 10,215,418 | 10,336,848 | |
| 電気計装工事 | 683,309 | 9,540,778 | 10,224,088 | |
| メカトロニクス | - | 2,102,838 | 2,102,838 | |
| 送電工事 | 52,464 | 2,592,614 | 2,645,079 | |
| 管工事 | 398,500 | 754,226 | 1,152,726 | |
| 鋳造用工業炉 | - | 146,525 | 146,525 | |
| 計 | 1,432,193 | 47,665,566 | 49,097,760 |
第56期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。
| ㈱カネカ | コンパウンドプラント設置工事 |
| AGC㈱ | 上中工場E系増設工事 |
| ㈱クラレ | MMB増産対応(KST新設)工事 |
第57期の完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは次のとおりであります。
| 旭化成㈱ | D6Z P1-7、8建設工事 機電計一括工事 |
| デンカ㈱ | 先端球状フィラー工場新設工事 |
| コニシ㈱ | 新水性工場 設備工事 |
完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 第56期 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 第57期 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 完成工事高に対する割合(%) | 金額(千円) | 完成工事高に対する割合(%) | |
| デンカ㈱ | 8,790,420 | 17.6 | 8,376,215 | 17.1 |
| 計 | 8,790,420 | 17.6 | 8,376,215 | 17.1 |
(4)手持工事高(2025年3月31日現在)
| 区分 | 官公庁(千円) | 民間(千円) | 合計(千円) |
| 産業プラント設備工事 | 5,830 | 18,993,255 | 18,999,086 |
| 設備保全工事 | - | 1,364,504 | 1,364,504 |
| 電気計装工事 | 200,158 | 5,803,015 | 6,003,173 |
| メカトロニクス | - | 3,308,511 | 3,308,511 |
| 送電工事 | 50,634 | 421,378 | 472,012 |
| 管工事 | 113,376 | 499,310 | 612,687 |
| 鋳造用工業炉 | - | 3,978 | 3,978 |
| 計 | 370,000 | 30,393,955 | 30,763,955 |
手持工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。
| デンカ㈱ | LDMプラント建設 | 2025年 12月 完成予定 |
| 東日本高速道路㈱ | 北陸自動車道 子不知トンネルラジオ再放送設備更新工事 | 2026年 2月 完成予定 |
| 東亞合成㈱ | 苛性ソーダ設備更新工事 | 2026年 11月 完成予定 |
| AGCセイミケミカル㈱ | PF3プラント建設工事 | 2027年 5月 完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は35,010百万円(前連結会計年度末35,915百万円)となり、904百万円減少しました。これは、主に受取手形・完成工事未収入金等の回収が進んだことや未成工事受入金の受入が多かったこと等から現金預金が7,558百万円増加した一方、受取手形・完成工事未収入金等が9,470百万円減少したことによるものと分析しております。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は10,965百万円(同10,324百万円)となり、641百万円増加しました。これは、主に建物・構築物が579百万円、機械、運搬具及び工具器具備品が606百万円増加したことによるものと分析しております。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は19,091百万円(同22,205百万円)となり、3,113百万円減少しました。これは、主に短期借入金が4,100百万円減少したことによるものと分析しております。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は1,896百万円(同1,400百万円)となり、495百万円増加しました。これは、主に長期借入金が500百万円増加したことによるものと分析しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は24,988百万円(同22,633百万円)となり、2,354百万円増加しました。これは、主に利益剰余金が2,069百万円増加したことによるものと分析しております。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、半導体関連の大型プラント建設工事、EV材関連設備工事、設備改修工事、脱炭素対応に向けた設備工事、また、定期修繕工事等を中心とした受注があり、懸念されていた工事資材の納期長期化や物資不足などの影響は想定より少なく、大型案件をはじめとした工事の進捗は想定以上に順調に推移し、前連結会計年度の51,842百万円に対し1,010百万円減(前連結会計年度比1.9%減)の50,832百万円となりました。なお、セグメント別の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度の7,328百万円に対し、1,399百万円増(同19.1%増)の8,727百万円となりました。また、売上総利益率は17.2%となりました。工事資材費、労務費等の上昇は続いておりますが、施工効率の改善、原価管理の徹底等を継続している効果もあり、また過去に発生した工事損失の反省から、リスク管理の徹底が浸透し利益の低下を予防したこと等から、前連結会計年度に比べ3.0ポイント増加したものと分析しております。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の4,651百万円に対し、239百万円増(同5.1%増)の4,890百万円となりました。ESGへの取組、業務のDX推進などの諸施策や従業員給料手当が増加したこと等によるものと分析しております。
(営業利益)
以上により、営業利益は前連結会計年度の2,677百万円に対し、1,160百万円増(同43.3%増)の3,837百万円となりました。
(営業外損益)
営業外損益(純額)は、前連結会計年度の48百万円の収入に対し、20百万円増(同42.8%増)の69百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度の2,726百万円に対し、1,180百万円増(同43.3%増)の3,906百万円となりました。これは、主に営業利益の増加によるものと分析しております。
(特別損益)
特別損益(純額)は、前連結会計年度の109百万円の損失に対し、73百万円の損失となりました。これは、主に特別損失が前連結会計年度より27百万円減少したことによるものと分析しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の1,895百万円に対し、697百万円増(同36.8%増)の2,593百万円となりました。
1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の179円71銭に対し、67円76銭増加し247円47銭となりました。
当社グループの経営に影響を与える要因として、当社グループの属する設備工事業界は受注産業であり、国内外の経済動向や国際情勢の影響を受けやすく、景気の変動により公共投資や民間設備投資の大幅な抑制が続くと、当社グループの業績に与える影響が大きいと認識しております。
現状の見通しとして、国内外経済に影響を与える不確定な要素が多いなか、物価上昇や金融政策の変化に伴う景気減速懸念に加え、地政学リスクや米国の通商政策が及ぼす国内外経済への影響等、依然として不透明な状況が想定され、先行きは予断を許さない厳しい状況が続くものと思われます。
当社グループにおきましては、お客様のニーズを的確に捉え、当社グループの特色である、「技術力」、「機動力」、「総合力」を活かし、独立系エンジニアリングメーカーとしての柔軟な対応力を強みに、同業他社との差別化を図り「ものづくり」に関するあらゆる産業分野を網羅すべく、広範囲な事業フィールドで事業を推進する所存です。
このような状況のもと、当社グループは、2024年11月6日に公表いたしました中期経営計画「TRY2030」において、2030年3月期までを「更なる飛躍への変革の時期」と定めており、目標の実現のため次の主要施策に取り組んでまいります。
①国内事業の進化
②海外事業の再生
③新規事業の探索
④組織・業務改革
⑤ESG対応・財務基盤の強化
以上の主要施策の推進のため、大型EPC案件の拡大、人員・組織・業務推進体制の拡充を含めた人的資本への更なる投資、サステナブル経営の実現等に取り組み、コーポレートスローガン「ものづくりのための、モノづくり。」のもと、事業領域における全てのフェーズでお客様に貢献する総合エンジニアリング会社を目指してまいります。なお、2026年3月期の連結業績見通しは、連結売上高は53,000百万円(前連結会計年度比4.3%増)と予想しております。利益面では、連結営業利益4,000百万円(同4.2%増)、連結経常利益4,050百万円(同3.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,700百万円(同4.1%増)と予想しております。
経営者の問題意識と今後の方針について、現在の事業環境及び入手可能な情報を基に環境変化にスピード感を持って柔軟に対応すべく、最善の経営方針を立案し、諸対策を実着に実行してまいります。
今後は不透明な市場環境ではありますが、優先的に対処すべき事業上の課題に記載のとおり、まずは、安定収益を確保すべく、足下の受注案件の獲得及び業績見通し達成に全力を挙げていくとともに、中長期的な成長に向け、確実に「手を打つ」、両面での経営が重要であると認識し、最適な経営資源の配分を行いつつ「世の中から必要とされ、存続する企業」として、次世代の社会・産業に貢献する会社を目指します。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、安定的な外部資金調達能力の維持及び向上が重要であると認識しており、主要な取引先金融機関との良好な取引関係の維持に努めております。加えて、健全な財務状態の維持も重要であると認識しており、自己資本比率を50%以上に維持することを、経営目標の一つとして掲げております。
この様な基本的な考え方に沿って諸施策を進めることにより、当社グループの成長を維持するために必要とされる運転資金及び設備資金の調達に、何らの支障も生じないものと認識しております。
次に経営資源の配分に関する考え方として、営業活動により得た収益を事業活動の財源と捉え、その効率的な運用を最重点課題としております。運用先として、運転資金、持続的成長に向けた経営基盤強化に資する基盤投資、事業ポートフォリオの拡充のための成長投資があります。
株主に対する利益還元につきましては、財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、毎期の業績、新規投資、連結配当性向を総合的に勘案しながら、連結配当性向35%~40%を目安とし、安定的な配当と持続的な増配に努めることを基本方針としております。自己株式の取得についても、財務状況、市場環境、業績の動向等を総合的に勘案し、適切な局面で機動的に実施してまいります。
上記の考え方に基づき、次のとおり、資金需要に応じた資金調達を行っております。
まず当社グループの資金需要について、運転資金需要の主なものは、工事施工に係る材料費及び外注費の他、人件費であります。また、設備資金需要の主なものは、事業領域拡大・人的資本価値の向上に向けた拠点・施設の設立や、生産性向上・ESG推進に向けた設備の購入であります。
上記の運転資金及び設備資金の調達に当たっては、内部資金及び国内金融機関からの借入を活用しております。
運転資金の調達につきましては、当社において取引先金融機関3行とコミットメントライン契約(60億円)を締結し、機動的な資金調達を行っております。設備資金の調達につきましては、取引先金融機関からの長期借入金により賄うことを基本的な方針としております。また、緊急時の資金需要への備えとして、当社において複数の取引先金融機関と当座貸越契約を締結しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。