有価証券報告書-第112期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、過年度の決算訂正を行っており、遡及処理後の数値で比較分析を行っております。
(1) 経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が発出され、経済活動や社会活動が制限されるなど厳しい状況が続きましたが、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことや各種制限が解除されたことなどから、持ち直しの動きがみられました。海外においても、需要は回復に向かっているものの、年度の後半には地政学的リスクの高まりにより原材料及び資源価格の上昇基調に拍車がかかるなど、依然として先行きは不透明な状況で推移しました。
当社グループの属する設備工事業界におきましては、資機材価格の高騰及び労働力不足が続く中、データセンター・半導体分野などにおける投資は引き続き堅調に推移しました。また、当社が事業展開している東南アジアにおいては、新型コロナウイルス変異株拡大に伴う活動制限の影響により、厳しい状況が続きました。
このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大の防止に努めるとともに、事業戦略及び営業戦略の徹底強化による物量の確保、持続的成長に向けた投資による経営基盤の強化、生産性向上に向けた業務改善の徹底による働き方改革の推進を重点課題として、事業環境の変化に柔軟に対応しながら引き続き競争力の強化に向けて取り組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、受注高868億円(前期比12.2%増)、売上高820億円(前期比10.6%増)となりました。利益面では、売上高の増加並びに原価低減及び経費削減等により、営業利益65億92百万円(前期比10.2%増)、経常利益67億6百万円(前期比12.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益46億7百万円(前期比16.8%増)となり、過去最高益を更新しました。また、中期経営計画の最終年度である2023年度の営業利益目標60億円、当期純利益目標38億円をそれぞれ前倒しで達成しました。なお、今年度から適用の「収益認識に関する会計基準」の影響により、売上高は12億円、営業利益は27百万円増加しております。
報告セグメントの工事分野及びセグメント別の状況につきましては、次のとおりであります。
| 報告セグメント | 工事分野 |
| [電気設備工事業] | (プラント工事業) 社会インフラ工事、産業システム工事、発電設備工事、送電工事 (内線・建築工事業) 内線工事、建築・土木工事、情報通信工事 |
| [空調設備工事業] | 産業プロセス空調設備工事、一般空調・衛生設備工事 |
| [その他] | 物品販売及び補修・修理等 |
[電気設備工事業]
受注高は626億円(前期比6.6%増)、売上高は580億円 (前期比12.9%増)、営業利益は44億22百万円(前期比15.2%増)となりました。
主な受注案件は、ファナック株式会社・忍野工場R棟ニューアル工事に伴う電気設備工事、株式会社瑞光・特高変電設備工事、主な完成工事案件は、南西石油株式会社・電気設備リニューアル工事、富士電機株式会社・東京工場プラントシステム棟新築工事等であります。
受注高は工作機械メーカーなどの民間設備投資の増加により前期を上回りました。売上高及び営業損益は民間設備投資案件が堅調に推移したことから前期を上回りました。
[空調設備工事業]
受注高は225億円(前期比30.0%増)、売上高は223億円(前期比4.5%増)、営業利益は15億15百万円(前期比11.0%減)となりました。
主な受注案件は、富士電機株式会社・松本工場5-2C棟1階改修工事、主な完成工事案件は、東洋平成ポリマー株式会社・茨城Cfファクトリー増築棟建設計画工事等であります。
受注高は医薬・医療分野及び半導体分野の大型案件があったことから前期を上回りました。売上高は医薬分野及び半導体分野の大型案件の進捗が堅調だったことなどから前期を上回りました。営業損益は前期に産業プロセス空調工事の大型高採算案件があったことなどから前期を下回りました。
[その他]
受注高は16億円(前期比26.3%増)、売上高は16億円(前期比22.4%増)、営業利益は6億54百万円(前期比49.2%増)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) |
| 電気設備工事業 | 58,730 | 62,631 |
| 空調設備工事業 | 17,352 | 22,555 |
| その他 | 1,318 | 1,665 |
| 計 | 77,401 | 86,852 |
(2) 売上実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) |
| 電気設備工事業 | 51,450 | 58,078 |
| 空調設備工事業 | 21,365 | 22,316 |
| その他 | 1,353 | 1,656 |
| 計 | 74,168 | 82,050 |
(注) 1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
| 前連結会計年度 | ||
| 富士電機㈱ | 11,805百万円 | 15.9% |
| 当連結会計年度 | ||
| 富士電機㈱ | 16,730百万円 | 20.4% |
なお、参考のために提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
受注工事高及び施工高の状況
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
| 期別 | 工事種類 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 | 当期 施工高 (百万円) | ||
| 手持工事高 (百万円) | うち施工高 | ||||||||
| 比率 (%) | 金額 (百万円) | ||||||||
| 第111期 (自2020年4月1日 至2021年3月31日) | 電気設備工事業 | 28,535 | 46,923 | 75,459 | 41,974 | 33,485 | 2.4 | 799 | 42,006 |
| 空調設備工事業 | 16,493 | 17,309 | 33,802 | 21,262 | 12,539 | 3.6 | 448 | 21,355 | |
| その他 | 52 | 603 | 655 | 637 | 17 | 18.2 | 3 | 638 | |
| 計 | 45,081 | 64,835 | 109,916 | 63,873 | 46,042 | 2.7 | 1,250 | 63,999 | |
| 第112期 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) | 電気設備工事業 | 33,485 | 52,141 | 85,627 | 47,710 | 37,916 | 0.4 | 136 | 47,047 |
| 空調設備工事業 | 12,539 | 22,451 | 34,991 | 22,198 | 12,793 | 1.0 | 127 | 21,876 | |
| その他 | 17 | 840 | 858 | 830 | 27 | 14.5 | 4 | 831 | |
| 計 | 46,042 | 75,434 | 121,477 | 70,739 | 50,737 | 0.5 | 267 | 69,756 | |
(注) 1 前期以前に受注したもので契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当期受注工事高にその増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別され、請負金額比率は次のとおりであります。
| 期別 | 工事種類 | 特命 (%) | 競争 (%) | 計 (%) |
| 第111期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 電気設備工事業 | 59.2 | 40.8 | 100.0 |
| 空調設備工事業 | 45.2 | 54.8 | 100.0 | |
| その他 | 74.3 | 25.7 | 100.0 | |
| 計 | 55.6 | 44.4 | 100.0 | |
| 第112期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 電気設備工事業 | 63.1 | 36.9 | 100.0 |
| 空調設備工事業 | 40.8 | 59.2 | 100.0 | |
| その他 | 82.3 | 17.7 | 100.0 | |
| 計 | 56.7 | 43.3 | 100.0 |
③ 完成工事高
| 期別 | 工事種類 | 官公庁 (百万円) | 民間 (百万円) | 計 (百万円) |
| 第111期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 電気設備工事業 | 4,730 | 37,243 | 41,974 |
| 空調設備工事業 | 1,823 | 19,438 | 21,262 | |
| その他 | 108 | 529 | 637 | |
| 計 | 6,662 | 57,211 | 63,873 | |
| 第112期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 電気設備工事業 | 5,941 | 41,769 | 47,710 |
| 空調設備工事業 | 1,390 | 20,807 | 22,198 | |
| その他 | 141 | 689 | 830 | |
| 計 | 7,473 | 63,265 | 70,739 |
(注) 1 完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
第111期請負金額4億円以上の主なもの
| 東京電力パワーグリッド㈱ | 下田市加増野太陽光発電事業所系統連系工事並びに関連除却工事 |
| 日揮㈱ | 熊谷総合病院 再整備計画Ⅱ・Ⅲ期工事 |
| 新光電気工業㈱ | 新光電気工業㈱高丘工場 JⅡ棟4階実装工事 |
| 防衛省 | 市ヶ谷(30)庁舎電灯設備改修等電気その他工事 |
| 東京都 中央区役所 | 中央区立佃島小学校及び中央区立佃中学校大規模改修工事(機械設備工事) |
第112期請負金額4億円以上の主なもの
| 東京地下鉄㈱ | 新渋谷変電所 受変電設備更新工事 |
| 富士電機㈱ | 南西石油㈱ 電気設備リニューアル工事 |
| 富士電機㈱ | プラントシステム棟新築工事 電気・機械設備工事 |
| 東北電力ネットワーク㈱ | 1412G01線新設工事 |
| 東日本高速道路㈱ | 関越自動車道 六日町IC~小千谷IC間通信線路更新工事 |
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
| 第111期 | ||
| 富士電機㈱ | 11,770百万円 | 18.4% |
| 第112期 | ||
| 富士電機㈱ | 16,721百万円 | 23.6% |
④ 手持工事高 (2022年3月31日)
| 工事種類 | 官公庁 (百万円) | 民間 (百万円) | 計 (百万円) |
| 電気設備工事業 | 4,460 | 33,456 | 37,916 |
| 空調設備工事業 | 741 | 12,051 | 12,793 |
| その他 | 0 | 27 | 27 |
| 計 | 5,202 | 45,535 | 50,737 |
(注) 手持工事高のうち請負金額4億円以上の主なものは、次のとおりであります。
| 大成建設㈱ | ファナック㈱ 筑波1区改修計画 電気設備工事(その1) | 2022年5月完成予定 |
| 産業技術総合研究所 | つくば西-3A棟他電気設備(受変電)改修その他工事 | 2023年3月完成予定 |
| 清水建設㈱ | 京都競馬場整備工事(馬場工区)機械工事 | 2023年3月完成予定 |
| 東急建設㈱ | ㈱竹内製作所 青木村工場新築に伴う電気設備工事 | 2023年5月完成予定 |
| メタウォーター㈱ | 東京都水道局朝霞浄水場 第1高度監視制御設備等改良工事 | 2024年5月完成予定 |
(2) 財政状態
当期末における総資産は、前期末に比べ63億円増加し、626億円となりました。主な要因は受取手形・完成工事未収入金及び契約資産の増加(34億円)、預け金の増加(30億円)、電子記録債権の増加(15億円)、現預金の減少(9億円)、未成工事支出金の減少(8億円)であります。 負債は前期末に比べ23億円増加し、289億円となりました。主な要因は支払手形・工事未払金等の増加(21億円)であります。 純資産は前期末に比べ39億円増加し、336億円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上(46億円)、配当金の支払(8億円)であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は164億円となり、前連結会計年度と比べ、21億円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は34億円(前期は78億円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上及び仕入債務の増加による資金の増加、売上債権及び契約資産の増加による資金の減少が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は3億円(前期は3億円の減少)となりました。これは、関係会社株式の売却による収入及び有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は10億円(前期は4億円の減少)となりました。これは、配当金の支払が主な要因であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入を基本としております。
なお、株主還元につきましては、中期経営計画に掲げる2023年度配当性向30%以上を目標に、市場環境及び資金余力等を鑑みて継続的に実施してまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。