有価証券報告書-第113期(2022/04/01-2023/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、急激な円安の進行や物価上昇、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の下振れ懸念があったものの、各種制限は行われず、経済社会活動の正常化が進んだことなどから、緩やかに持ち直しました。海外においては、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料及び資源価格高騰の影響による世界的なインフレの継続や政策的な金利上昇などにより、経済は減速傾向にあり、先行きは不透明な状況となっております。
当社グループの属する設備工事業界におきましては、資機材価格の高騰及び納期の長期化が続く中、データセンター・半導体分野などにおける設備投資は引き続き堅調に推移しました。また、当社が事業展開している東南アジアにおいても、新型コロナウイルス感染症に伴う各種制限が緩和されたことに伴い、観光関連産業を中心に回復傾向が続きました。
このような状況のもと、当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大の防止に努めるとともに、ESG経営を軸としたマテリアリティ(重要課題)の実現、脱炭素化に向けた設備投資の取り込みや好調な分野へのリソースの傾注などによる物量の確保、集中購買や計画発注等によるコストダウン、海外事業の各拠点の状況に応じた事業構造の改革、生産性向上に向けた業務改善の徹底による働き方改革の推進、IT関連や研究開発等への積極的な投資等を重点課題として、事業環境の変化に柔軟に対応しながら引き続き競争力の強化に向けて取り組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、受注高960億円(前期比10.6%増)、売上高881億円(前期比7.4%増)となり、過去最高を更新しました。利益面では、売上高の増加並びに原価低減及び経費削減等により、営業利益69億26百万円(前期比5.1%増)、経常利益70億14百万円(前期比4.6%増)と過去最高益を更新しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期にあった株式売却益の影響などにより45億36百万円(前期比1.6%減)となりました。
報告セグメントの工事分野及びセグメント別の状況につきましては、次のとおりであります。
| 報告セグメント | 工事分野 |
| [電気設備工事業] | (プラント工事業) 社会インフラ工事、産業システム工事、発電設備工事、送電工事 (内線・建築工事業) 内線工事、建築・土木工事、情報通信工事 |
| [空調設備工事業] | 産業プロセス空調設備工事、一般空調・衛生設備工事 |
| [その他] | 物品販売及び補修・修理等 |
[電気設備工事業]
受注高は652億円(前期比4.2%増)、売上高は642億円(前期比10.7%増)、営業利益は51億48百万円(前期比16.4%増)となりました。
主な受注案件は、SKハウジング株式会社・チサンホテル神戸建築内装リニューアル工事、TSMC・熊本工場クリーンルーム自動制御設備計装工事、主な完成工事案件は、ファナック株式会社・忍野HQ11(R棟)リニューアル工事に伴う電気設備工事等であります。
受注高は宿泊施設の大型案件及び半導体分野を始めとする民間設備投資の需要を取り込んだことなどから前期を上回りました。売上高は国内の内線工事及びカンボジアにおける大型商業施設案件の工事進捗が堅調に推移したことから前期を上回りました。営業損益は売上高の増加及び高採算案件などの影響により前期を上回りました。
[空調設備工事業]
受注高は290億円(前期比28.9%増)、売上高は220億円(前期比1.0%減)、営業利益は10億7百万円(前期比33.5%減)となりました。
主な受注案件は、内外エレクトロニクス株式会社・江刺事業所新築工事、主な完成工事案件は、富士電機津軽セミコンダクタ株式会社・FTS既存建屋CR化工事、彦根市新市民体育センター建設工事等であります。
受注高は半導体分野の大型案件を取り込んだことなどから前期を上回りました。売上高はほぼ前年並みに推移しました。営業損益は資機材価格高騰の影響、当期の大型低採算案件及び前期の高採算案件などの影響により前期を下回りました。
[その他]
受注高は17億円(前期比5.4%増)、売上高は17億円(前期比4.2%増)、営業利益は7億70百万円(前期比17.7%増)となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 受注実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) |
| 電気設備工事業 | 62,631 | 65,274 |
| 空調設備工事業 | 22,555 | 29,064 |
| その他 | 1,665 | 1,756 |
| 計 | 86,852 | 96,095 |
(2) 売上実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) |
| 電気設備工事業 | 58,078 | 64,299 |
| 空調設備工事業 | 22,316 | 22,085 |
| その他 | 1,656 | 1,724 |
| 計 | 82,050 | 88,109 |
(注) 1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
| 前連結会計年度 | ||
| 富士電機㈱ | 16,730百万円 | 20.4% |
| 当連結会計年度 | ||
| 富士電機㈱ | 11,670百万円 | 13.2% |
なお、参考のために提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
受注工事高及び施工高の状況
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
| 期別 | 工事種類 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 | 当期 施工高 (百万円) | ||
| 手持工事高 (百万円) | うち施工高 | ||||||||
| 比率 (%) | 金額 (百万円) | ||||||||
| 第112期 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) | 電気設備工事業 | 33,485 | 52,141 | 85,627 | 47,710 | 37,916 | 0.4 | 136 | 47,047 |
| 空調設備工事業 | 12,539 | 22,451 | 34,991 | 22,198 | 12,793 | 1.0 | 127 | 21,876 | |
| その他 | 17 | 840 | 858 | 830 | 27 | 14.5 | 4 | 831 | |
| 計 | 46,042 | 75,434 | 121,477 | 70,739 | 50,737 | 0.5 | 267 | 69,756 | |
| 第113期 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) | 電気設備工事業 | 37,916 | 52,259 | 90,176 | 50,434 | 39,742 | 0.5 | 194 | 50,492 |
| 空調設備工事業 | 12,793 | 29,038 | 41,831 | 21,967 | 19,864 | 0.5 | 93 | 21,933 | |
| その他 | 27 | 911 | 939 | 879 | 59 | 45.0 | 26 | 902 | |
| 計 | 50,737 | 82,209 | 132,946 | 73,281 | 59,665 | 0.5 | 314 | 73,328 | |
(注) 1 前期以前に受注したもので契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当期受注工事高にその増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別され、請負金額比率は次のとおりであります。
| 期別 | 工事種類 | 特命 (%) | 競争 (%) | 計 (%) |
| 第112期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 電気設備工事業 | 63.1 | 36.9 | 100.0 |
| 空調設備工事業 | 40.8 | 59.2 | 100.0 | |
| その他 | 82.3 | 17.7 | 100.0 | |
| 計 | 56.7 | 43.3 | 100.0 | |
| 第113期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 電気設備工事業 | 59.3 | 40.7 | 100.0 |
| 空調設備工事業 | 51.8 | 48.2 | 100.0 | |
| その他 | 87.0 | 13.0 | 100.0 | |
| 計 | 57.0 | 43.0 | 100.0 |
③ 完成工事高
| 期別 | 工事種類 | 官公庁 (百万円) | 民間 (百万円) | 計 (百万円) |
| 第112期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 電気設備工事業 | 5,941 | 41,769 | 47,710 |
| 空調設備工事業 | 1,390 | 20,807 | 22,198 | |
| その他 | 141 | 689 | 830 | |
| 計 | 7,473 | 63,265 | 70,739 | |
| 第113期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 電気設備工事業 | 3,668 | 46,765 | 50,434 |
| 空調設備工事業 | 1,157 | 20,809 | 21,967 | |
| その他 | 48 | 831 | 879 | |
| 計 | 4,874 | 68,407 | 73,281 |
(注) 1 完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。
第112期請負金額4億円以上の主なもの
| 東京地下鉄㈱ | 新渋谷変電所 受変電設備更新工事 |
| 富士電機㈱ | 南西石油㈱ 電気設備リニューアル工事 |
| 富士電機㈱ | プラントシステム棟新築工事 電気・機械設備工事 |
| 東北電力ネットワーク㈱ | 1412G01線新設工事 |
| 東日本高速道路㈱ | 関越自動車道 六日町IC~小千谷IC間通信線路更新工事 |
第113期請負金額4億円以上の主なもの
| 彦根市役所 | 彦根市新市民体育センター建設工事(機械設備工事) |
| 富士電機津軽セミコンダクタ㈱ | 既存建屋クリーンルーム化工事 |
| 東京電力パワーグリッド㈱ | 長瀬川線No.72他鉄塔建替工事(1工区) |
| 清水建設㈱ | 京都競馬場整備工事(馬場工区)機械工事 |
| 産業技術総合研究所 | つくば西-3A棟他電気設備(受変電)改修その他工事 |
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
| 第112期 | ||
| 富士電機㈱ | 16,721百万円 | 23.6% |
| 第113期 | ||
| 富士電機㈱ | 11,635百万円 | 15.9% |
| メタウォーター㈱ | 7,339百万円 | 10.0% |
④ 手持工事高 (2023年3月31日)
| 工事種類 | 官公庁 (百万円) | 民間 (百万円) | 計 (百万円) |
| 電気設備工事業 | 4,536 | 35,205 | 39,742 |
| 空調設備工事業 | 563 | 19,301 | 19,864 |
| その他 | 0 | 59 | 59 |
| 計 | 5,100 | 54,565 | 59,665 |
(注) 手持工事高のうち請負金額4億円以上の主なものは、次のとおりであります。
| SKハウジング㈱ | チサンホテル神戸 建築内装リニューアル工事 | 2023年6月完成予定 |
| ㈱大気社 | TSMC熊本工場 クリーンルーム自動制御設備 計装工事 | 2023年12月完成予定 |
| 富士電機㈱ | 安比地熱発電所建設工事 | 2024年4月完成予定 |
| 東京電力パワーグリッド㈱ | さくら市蒲須坂地点供給工事並びに関連除却工事 | 2024年4月完成予定 |
| 阪神国際港湾㈱ | PC13コンテナターミナル 22kV特高受変電設備更新工事 | 2024年5月完成予定 |
(2) 財政状態
当期末における総資産は、前期末に比べ75億円増加し、702億円となりました。主な要因は預け金の増加(63億円)、受取手形・完成工事未収入金及び契約資産の増加(32億円)、退職給付に係る資産の増加(6億円)、電子記録債権の減少(19億円)であります。
負債は前期末に比べ36億円増加し、326億円となりました。主な要因は契約負債の増加(16億円)、支払手形・工事未払金等の増加(13億円)、短期借入金の増加(2億円)であります。
純資産は前期末に比べ39億円増加し、375億円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上(45億円)、配当金の支払(11億円)であります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は230億円となり、前連結会計年度と比べ、66億円増加しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は77億円(前期は34億円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上及び仕入債務の増加による資金の増加、契約負債の増加による資金の増加、法人税等の支払額による資金の減少が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は3億円(前期は3億円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出及び無形固定資産の取得による支出が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は8億円(前期は10億円の減少)となりました。これは、配当金の支払が主な要因であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入を基本としております。
なお、株主還元につきましては、中期経営計画に掲げる2023年度配当性向30%以上を目標に、市場環境及び資金余力等を鑑みて継続的に実施してまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。