四半期報告書-第149期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/10 10:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、極めて厳しい環境にあります。外出自粛や訪日観光客の減少により国内消費が急速に落ち込み、特に外食業・観光業において厳しい状況が続いております。また、新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大に伴い、各国で外出規制や貿易取引の減少が続いており、世界的な景気の悪化は避けられない状況となっております。さらなる感染拡大への懸念や米中対立に伴う貿易摩擦等のリスク要因もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループは、2017年度に中期経営計画「OilliO Value Up 2020」をスタートさせ、事業構造改革を継承しつつ、より成長路線に軸足を移すことを基本方針とし、具体的な経営目標の実現に取り組んでおります。
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高は前年同期比96.4%の1,616億13百万円となり、利益面では営業利益が前年同期比102.4%の78億67百万円、経常利益が同112.4%の79億61百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同121.4%の55億70百万円となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた内食需要の高まりによるホームユース商品の販売増、および各セグメントにおける付加価値品の伸長はあったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う業務用商品の販売減の影響が大きく、売上高は前年同期を下回りました。利益面では、販売減や物流費単価上昇等に伴う減益要因がありましたが、コストに見合った適正価格の維持・形成、付加価値品の拡販に継続的に取り組み、収益の改善を図りました。加工油脂事業セグメントにおけるパーム油取引の時価評価益の影響もあり前年同期を上回りました。
・売上高 (単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額前年同期比
油脂・油糧
および加工食品事業
117,171113,497△3,67496.9%
加工油脂事業39,20737,937△1,26996.8%
ファインケミカル事業9,4078,745△66193.0%
その他1,8381,433△40578.0%
合計167,624161,613△6,01196.4%

・営業利益 (単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
増減額前年同期比
油脂・油糧
および加工食品事業
4,3435,223879120.3%
加工油脂事業2,7832,430△35387.3%
ファインケミカル事業751648△10286.3%
その他127△94△221-
セグメント間消去・調整△325△341△15-
合計7,6817,867186102.4%


セグメント別の概況
≪油脂・油糧および加工食品事業≫
油脂・油糧および加工食品事業セグメントでは、外食需要の減少による業務用商品の販売減により売上高は前年同期を下回りましたが、ホームユース商品や付加価値品の販売増等により、営業利益は前年同期を上回りました。
[原料の調達環境]
原料の調達面では、大豆原料相場、菜種原料相場ともに前年同期に対して同等水準で推移しましたが、ドル円相場は前年同期に対して円高水準で推移したことから、原料価格は前年同期に対して低下しました。
<主要原料相場>大豆相場は、2020年1月以降、米中貿易協議の進展等によって一時1ブッシェルあたり9米ドル半ばまで上昇しました。その後は南米大豆の豊作見通しが高まったことや、新型コロナウイルス感染症の影響による穀物需要の減少懸念等から8米ドル前半まで下落しましたが、各国の経済活動再開による需要回復期待や中国による旺盛な米国産大豆の買付等から8米ドル後半まで上昇し、前年同期に対しては同等の水準での推移となりました。
菜種相場は、中国向けカナダ産菜種輸出量が大幅に減少していることや、新型コロナウイルス感染症の影響による穀物需要の減少懸念等によって、1トンあたり440カナダドル台前半まで下落する場面がありましたが、その後は大豆相場・原油相場の上昇や欧州産菜種不作の影響等を受け、一時480カナダドル台まで上昇し、前年同期に対しては同等の水準での推移となりました。
<為替相場>ドル円相場は、新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大等の影響により、2月後半から3月にかけては値動きの荒い展開となりましたが、リスク回避の円買いや米国の大規模な金融緩和政策等を受けて、前年同期に対して円高水準で推移しました。
[ミールの販売]
大豆ミールは、販売数量は前年同期を上回ったものの、南米産大豆の豊作や世界的な新型コロナウイルス感染症の影響による飼料需要の減少懸念を背景に大豆ミール相場が軟調に推移したこと等から販売価格が低下し、売上高は前年同期を下回りました。
菜種ミールは、新型コロナウイルス感染症の影響による国内の油脂需要減少に伴う搾油量の減少から販売数量は前年同期を下回りました。また、大豆ミール価格下落の影響等から販売価格が低下したことから、売上高は前年同期を下回りました。
[油脂・加工食品の販売]
油脂・加工食品の販売は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う厳しい環境のなか、売上高は前年同期を下回りましたが、付加価値品の販売が伸長した結果、営業利益は前年同期を上回りました。
<油脂等>業務用につきましては、「ニーズ協働発掘型」営業による新規取引の開拓を継続し、「日清炊飯油」「日清炒め油」等の機能性油脂についても拡販に取り組みました。しかしながら新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外食需要、観光需要の減少の影響により、売上高は前年同期を下回りました。
ホームユースにつきましては、付加価値品の継続的な市場育成、拡販に取り組み、特にごま油、サプリ的オイルを大きく伸長させ、「日清ヘルシーオフ」等の機能性の高い油脂についても引き続き販売の拡大に努めました。また新型コロナウイルス感染症の影響による内食需要の高まりもあり、売上高は前年同期を上回りました。
加工用につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による需要減少を受けましたが、コストに見合った価格での販売、新規取引の獲得に努めたことで、売上高は前年同期を上回りました。大豆たん白につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による需要減少を受け、売上高は前年同期を下回りました。
<加工食品>ドレッシングにおいて「日清ドレッシングダイエット」等の主力商品の販売増により、ウェルネス食品についても、MCT(中鎖脂肪酸)関連商品の販売が引き続き堅調に推移しました。
≪加工油脂事業≫
加工油脂事業セグメントでは、新型コロナウイルス感染症の拡大による需要の減少から売上高は前年同期を下回りました。また、販売減に伴う減益要因を最小限にとどめるべく、コストに見合った適正価格の維持・形成や、経費の削減等を行いましたが、営業利益についても前年同期を下回りました。
マーガリンやショートニング、子会社の大東カカオ㈱におけるチョコレート製品については、主に外食・土産菓子需要の減少から売上高、営業利益ともに減少しました。
シンガポールのT.&C. Manufacturing Co., Pte. Ltd.における製菓原料等(調製品)については、日本向け輸出が堅調に推移したこと等により、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.におけるパーム加工品では、欧州向け付加価値品の販売が落ち込みましたが、マレーシア国内の顧客への拡販等により、現地通貨建ての売上高は前年同期を上回りました。営業利益は、原料価格高による減益要因を最小限にとどめるべくコストに見合った適正価格の維持・形成を行い、またパーム油取引の時価評価の影響もあり、前年同期を上回りました。
≪ファインケミカル事業≫
化粧品原料では新型コロナウイルス感染症の拡大による需要減少により、売上高、営業利益ともに前年同期を下回りました。MCT等の付加価値品や、アルコール製剤の拡販に努めましたが、需要減少による影響を補うことはできず、セグメント全体としては売上高、営業利益ともに前年同期を下回りました。
<化粧品原料>化粧品原料は、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛、マスク着用の常態化に伴う化粧品需要の減少、化粧品販売店舗の営業時間短縮や臨時休業、インバウンド需要の減少等の影響を受け、売上高、営業利益ともに前年同期を下回りました。
<食品・化学品その他>食品・化学品その他は、MCT等の付加価値品が伸長し、子会社のセッツ㈱においても、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、アルコール製剤の販売が拡大しました。これらの結果、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
≪その他≫
情報システムをはじめその他の事業セグメントでは、売上高、営業利益ともに前年同期を下回りました。
地域別売上高
マレーシア、中国などのアジア向け売上高は前年同期比112.8%の169億62百万円となりましたが、欧州、米国などのその他地域への売上高は、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.における欧州向けの販売が前年に比べて減少したことから、前年同期比81.9%の112億77百万円となりました。なお、連結売上高に占める海外売上高の割合につきましては、前年同期に比べ0.3ポイント増加し17.5%となりました。
②財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ35億19百万円減少し、2,739億6百万円となりました。主な要因は、売上債権が12億44百万円、たな卸資産が8億99百万円、有形固定資産が31億69百万円、投資有価証券が19億51百万円増加した一方で、現金及び預金が85億2百万円、有価証券が20億円減少したことであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ69億94百万円減少し、1,211億5百万円となりました。主な要因は、仕入債務が54億8百万円減少したことであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ34億75百万円増加し、1,528億円となりました。主な要因は、非支配株主持分が10億77百万円減少した一方で、利益剰余金が42億12百万円増加したことであります。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ104億76百万円減少し、130億75百万円となりました。
≪営業活動によるキャッシュ・フロー≫
営業活動によるキャッシュ・フローは、26億70百万円の支出(前年同期は55億6百万円の収入)となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益77億49百万円、減価償却費39億79百万円によるキャッシュの増加および売上債権の増加13億92百万円、たな卸資産の増加13億99百万円、仕入債務の減少52億95百万円、法人税等の支払25億75百万円によるキャッシュの減少であります。
≪投資活動によるキャッシュ・フロー≫
投資活動によるキャッシュ・フローは、67億14百万円の支出(前年同期は85億45百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出63億75百万円よるキャッシュの減少であります。
≪財務活動によるキャッシュ・フロー≫
財務活動によるキャッシュ・フローは、7億78百万円の支出(前年同期は20億10百万円の支出)となりました。主な内訳は、短期借入金の純増16億29百万円によるキャッシュの増加および配当金の支払13億36百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出6億89百万円によるキャッシュの減少であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は11億99百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。