四半期報告書-第150期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間における日本経済は、国内外の経済活動の持ち直しを受けて回復はしているものの、長期に渡る緊急事態宣言等により、個人消費は外食・宿泊・娯楽等を中心に弱い動きとなっており、依然として厳しい環境にあります。
世界経済においては、順調に経済が回復する中国に加えて、欧米でもワクチン接種により経済活動の正常化が進んでいます。しかしながら、東南アジア等の一部の新興国では感染拡大による経済活動抑制が長期化しているほか、変異ウイルスによる感染拡大が続いている等、依然として先行き不透明な状況が続いています。
当社グループにおいても、行動変容による需要の変化や企業活動の制約等により、国内・海外における事業活動が大きな影響を受けています。また、主原料である穀物相場が、旺盛な需要による需給の逼迫に加えバイオ燃料需要の増大等により歴史的な高値圏で推移しており、コスト面でも厳しい経営環境が続いております。
このような環境下、当社グループは、当連結会計年度より4か年の中期経営計画「Value Up+」(2021-2024)をスタートさせました。「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」という基本方針のもと、“植物のチカラ®”を価値創造の原点に、社会との多様な共有価値の創造を通じて、持続的な成長を目指しております。
当第1四半期連結累計期間の業績については、売上高は前年同期比117.4%の951億75百万円となり、利益面では営業利益が前年同期比70.7%の33億11百万円、経常利益が同82.1%の39億48百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同83.3%の28億15百万円となりました。なお、新たな収益認識に関する会計基準の適用による売上高減少の影響額は13億42百万円であります。また、当第1四半期連結累計期間において、四半期連結財務諸表に与える損益の影響は軽微であります。
セグメント別の業績は次の通りです。
従来、報告セグメントの事業区分は「油脂・油糧および加工食品事業」、「加工油脂事業」、「ファインケミカル事業」の3事業区分に分類しておりましたが、新中期経営計画「Value Up+」の事業戦略に沿って、「油脂事業」、「加工食品・素材事業」、「ファインケミカル事業」に変更しております。 この事業区分の変更は、当社グループの経営管理の実態を適正に表示するためのものであります。 なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
また、会計方針の変更に記載のとおり、当第1四半期連結会計期間の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更しております。なお、各セグメントに与える影響は軽微であります。
・売上高 (単位:百万円)
・営業利益 (単位:百万円)
セグメント別の概況
≪油脂事業≫
油脂事業セグメントでは、原料価格高騰の中、4月、6月、8月の3回に渡る価格改定の発表にあわせた販売価格の改定や、コロナ禍で大きく減少した需要の一部持ち直し等による販売増やホームユース商品における付加価値品の伸長等により、売上高は前年同期を上回りました。一方、営業利益については原料価格高騰の影響が大きく、前年同期を下回りました。
[原料の調達環境]
原料の調達面では、ドル円相場が前年同期に対して円高水準で推移しましたが、主要原料相場が前年同期に対して大幅に上昇したことから、大豆価格、菜種価格ともに前年同期を大きく上回りました。
<主要原料相場>大豆相場は、中国の旺盛な買付などによる米国産大豆の需給逼迫と乾燥による南米産の生産量減少懸念、バイオ燃料需要の増加期待等を背景に大きく上昇しました。5月中旬には2012年以来の水準となる1ブッシェルあたり16米ドル台まで上昇し、その後も高値圏で推移しました。
菜種相場は、欧州産菜種減産の影響による世界需給の引き締まりや大豆や大豆油、パーム油の相場上昇につれ高となったこと等から大きく上昇し、5月には1トンあたり1,000カナダドル超と史上最高値を更新しました。
<為替相場>ドル円相場は、米国新政権による経済対策やワクチン接種によるコロナ収束への期待等を背景に円安ドル高が進行しましたが、前年同期に対しては円高水準となりました。
[ミールの販売]
大豆ミールは、国内の配混合飼料生産量が前年同期に対してやや下回る中で、販売数量は前年同期に対してやや下回ったものの、大豆やコーンの需給逼迫により飼料原料価格全般が高騰したことから、大豆ミールの販売価格は前年同期を大きく上回りました。この結果、大豆ミールの売上高は前年同期を上回りました。
菜種ミールは、販売数量は前年同期を下回りましたが、大豆ミール価格高騰の影響等から販売価格が上昇し、売上高は前年同期を上回りました。
[油脂・加工油脂の販売]
<油脂>業務用については、「ニーズ協働発掘型」営業を展開し、長持ち機能等を付加した「機能フライ油」や「日清炊飯油」等の機能性油脂を含む「付加価値型商品群」の提案を通じた新規顧客開拓に努めました。また、コロナ禍で大きく減少した需要の一部持ち直しと原料価格高騰の中、販売価格の改定に取り組んだことにより、売上高は前年同期を上回りました。
加工用についても、原料価格高騰の中、コストに見合った適正価格での販売に取組んだことにより、売上高は前年同期を上回りました。
ホームユースについても、価格改定の発表にあわせた販売価格改定に取り組むとともに付加価値品の継続的な市場育成、拡販を進めました。特にごま油、オリーブオイル、サプリ的オイルを伸長させました。一方で、販売数量については、新型コロナウイルス感染症拡大による内食需要を背景に販売が大幅に伸長した前年同期と比較し減少したことから、売上高は前年同期を下回りました。
以上の結果、油脂全体の売上高は前年同期を上回りましたが、営業利益は原料価格高騰の影響が大きく、前年同期を下回りました。
<加工油脂>海外加工油脂については、マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.における同国内向けの販売が引き続き増加し、国外向け販売も回復しました。また、パーム油相場上昇を背景とした販売価格の改定により、売上高は前年同期を上回りました。利益面では原料価格高騰の影響を大きく受け、またパーム油取引の時価評価の影響により、営業利益は前年同期を下回りました。
国内加工油脂については、コストに見合った適正価格形成への取り組みおよび外食向け需要の持ち直しを背景とした需要増から、売上高は前年同期を上回りましたが、利益面では原料価格高騰の影響が大きく、営業利益は前年同期を下回りました。
≪加工食品・素材事業≫
加工食品・素材セグメントでは、チョコレートや調味料、MCT(中鎖脂肪酸)関連商品が伸長し、またコストに見合った販売価格の形成に努めたことから、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
チョコレートは、土産物を中心とした菓子需要の減少により厳しい状況が続く中、大東カカオ㈱が拡販に努めた結果、チョコレート製品の販売数量が増加しました。シンガポールのT.&C. Manufacturing Co., Pte.Ltd.の製菓原料等(調製品)は日本向け販売が減少しました。これらの結果、チョコレート全体では、売上高は前年同期並みとなったものの、営業利益は前年同期を上回りました。
調味料は、「日清ドレッシングダイエット」などの主力商品に加え「日清アマニ油ドレッシング」や「日清えごま油ドレッシング」の拡販等により販売が増加したことから、売上高は前年同期を上回りましたが、販管費の増加により営業利益は前年同期を下回りました。
機能素材・食品は、MCT(中鎖脂肪酸)関連商品の販売が堅調に推移したことから、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
大豆素材・食品は、新商品発売や適正価格での販売等により、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
≪ファインケミカル事業≫
ファインケミカル事業セグメントでは、中国での化粧品原料の販売が回復したこと等により、売上高は前年同期を上回り、営業利益は前年同期並みとなりました。
ファインケミカル商品について、化粧品原料は新型コロナウイルス感染症の影響により国内は厳しい状況が続いています。一方、中国国内の需要が順調に回復したことから、売上高は前年同期を上回ったものの、営業利益は前年同期並みとなりました。
環境・衛生については、アルコール製剤の需要は堅調であるものの、業務用商品の消費低迷による販売数量の減少等により、売上高、営業利益ともに前年同期を下回りました。
≪その他≫
情報システムをはじめその他の事業セグメントでは、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
地域別売上高
マレーシア、中国等のアジア向け売上高は前年同期比125.2%の108億87百万円となり、欧州、米国等のその他地域への売上高についても、Intercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.における欧州向けの販売が増加したこと等から、前年同期比134.0%の77億76百万円となりました。なお、連結売上高に占める海外売上高の割合は、前年同期に比べ1.7ポイント増加し19.6%となりました。
②財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ121億84百万円増加し、3,043億38百万円となりました。主な要因は、売上債権が44億39百万円、棚卸資産が75億6百万円、有形固定資産が11億19百万円増加した一方で、現金及び預金が4億77百万円減少したことであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ93億92百万円増加し、1,482億87百万円となりました。主な要因は、短期借入金が178億12百万円増加した一方で、仕入債務が24億82百万円、流動負債その他(未払金)50億85百万円、未払法人税等が12億30百万円減少したことであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ27億91百万円増加し、1,560億51百万円となりました。主な要因は、自己株式が29億97百万円、その他の包括利益累計額が12億69百万円増加した一方で、資本剰余金が11億79百万円減少したことであります。
会計方針の変更に記載のとおり、当第1四半期連結会計期間の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更しております。なお、利益剰余金の当期首残高に与える影響は軽微であります。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億74百万円減少し、86億82百万円となりました。
≪営業活動によるキャッシュ・フロー≫
営業活動によるキャッシュ・フローは、122億85百万円の支出(前年同期は76億48百万円の支出)となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益38億80百万円、減価償却費20億36百万円によるキャッシュの増加および売上債権の増加38億42百万円、棚卸資産の増加64億97百万円、仕入債務の減少28億32百万円、法人税等の支払18億8百万円によるキャッシュの減少であります。
≪投資活動によるキャッシュ・フロー≫
投資活動によるキャッシュ・フローは、42億81百万円の支出(前年同期は40億34百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出43億31百万円によるキャッシュの減少であります。
≪財務活動によるキャッシュ・フロー≫
財務活動によるキャッシュ・フローは、161億56百万円の収入(前年同期は82百万円の収入)となりました。主な内訳は、短期借入金の純増176億65百万円によるキャッシュの増加および配当金の支払12億98百万円によるキャッシュの減少であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は6億61百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間における日本経済は、国内外の経済活動の持ち直しを受けて回復はしているものの、長期に渡る緊急事態宣言等により、個人消費は外食・宿泊・娯楽等を中心に弱い動きとなっており、依然として厳しい環境にあります。
世界経済においては、順調に経済が回復する中国に加えて、欧米でもワクチン接種により経済活動の正常化が進んでいます。しかしながら、東南アジア等の一部の新興国では感染拡大による経済活動抑制が長期化しているほか、変異ウイルスによる感染拡大が続いている等、依然として先行き不透明な状況が続いています。
当社グループにおいても、行動変容による需要の変化や企業活動の制約等により、国内・海外における事業活動が大きな影響を受けています。また、主原料である穀物相場が、旺盛な需要による需給の逼迫に加えバイオ燃料需要の増大等により歴史的な高値圏で推移しており、コスト面でも厳しい経営環境が続いております。
このような環境下、当社グループは、当連結会計年度より4か年の中期経営計画「Value Up+」(2021-2024)をスタートさせました。「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」という基本方針のもと、“植物のチカラ®”を価値創造の原点に、社会との多様な共有価値の創造を通じて、持続的な成長を目指しております。
当第1四半期連結累計期間の業績については、売上高は前年同期比117.4%の951億75百万円となり、利益面では営業利益が前年同期比70.7%の33億11百万円、経常利益が同82.1%の39億48百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同83.3%の28億15百万円となりました。なお、新たな収益認識に関する会計基準の適用による売上高減少の影響額は13億42百万円であります。また、当第1四半期連結累計期間において、四半期連結財務諸表に与える損益の影響は軽微であります。
セグメント別の業績は次の通りです。
従来、報告セグメントの事業区分は「油脂・油糧および加工食品事業」、「加工油脂事業」、「ファインケミカル事業」の3事業区分に分類しておりましたが、新中期経営計画「Value Up+」の事業戦略に沿って、「油脂事業」、「加工食品・素材事業」、「ファインケミカル事業」に変更しております。 この事業区分の変更は、当社グループの経営管理の実態を適正に表示するためのものであります。 なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しております。
また、会計方針の変更に記載のとおり、当第1四半期連結会計期間の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更しております。なお、各セグメントに与える影響は軽微であります。
・売上高 (単位:百万円)
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | ||
油脂 事業 | 油脂・油糧 | 50,630 | 59,779 | +9,148 | 118.1% |
加工油脂 | 13,425 | 17,604 | +4,178 | 131.1% | |
小計 | 64,055 | 77,383 | +13,327 | 120.8% | |
加工食品・素材事業 | 12,587 | 13,096 | +509 | 104.0% | |
ファインケミカル事業 | 3,854 | 4,052 | +198 | 105.1% | |
その他 | 561 | 642 | +81 | 114.5% | |
合計 | 81,059 | 95,175 | +14,116 | 117.4% |
・営業利益 (単位:百万円)
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | ||
油脂 事業 | 油脂・油糧 | 1,951 | 1,309 | △642 | 67.1% |
加工油脂 | 2,275 | 1,289 | △986 | 56.7% | |
小計 | 4,227 | 2,598 | △1,628 | 61.5% | |
加工食品・素材事業 | 302 | 440 | +138 | 145.8% | |
ファインケミカル事業 | 408 | 412 | +4 | 101.0% | |
その他 | 11 | 59 | +47 | - | |
セグメント間消去・調整 | △264 | △199 | +65 | - | |
合計 | 4,685 | 3,311 | △1,373 | 70.7% |
セグメント別の概況
≪油脂事業≫
油脂事業セグメントでは、原料価格高騰の中、4月、6月、8月の3回に渡る価格改定の発表にあわせた販売価格の改定や、コロナ禍で大きく減少した需要の一部持ち直し等による販売増やホームユース商品における付加価値品の伸長等により、売上高は前年同期を上回りました。一方、営業利益については原料価格高騰の影響が大きく、前年同期を下回りました。
[原料の調達環境]
原料の調達面では、ドル円相場が前年同期に対して円高水準で推移しましたが、主要原料相場が前年同期に対して大幅に上昇したことから、大豆価格、菜種価格ともに前年同期を大きく上回りました。
<主要原料相場>大豆相場は、中国の旺盛な買付などによる米国産大豆の需給逼迫と乾燥による南米産の生産量減少懸念、バイオ燃料需要の増加期待等を背景に大きく上昇しました。5月中旬には2012年以来の水準となる1ブッシェルあたり16米ドル台まで上昇し、その後も高値圏で推移しました。
菜種相場は、欧州産菜種減産の影響による世界需給の引き締まりや大豆や大豆油、パーム油の相場上昇につれ高となったこと等から大きく上昇し、5月には1トンあたり1,000カナダドル超と史上最高値を更新しました。
<為替相場>ドル円相場は、米国新政権による経済対策やワクチン接種によるコロナ収束への期待等を背景に円安ドル高が進行しましたが、前年同期に対しては円高水準となりました。
[ミールの販売]
大豆ミールは、国内の配混合飼料生産量が前年同期に対してやや下回る中で、販売数量は前年同期に対してやや下回ったものの、大豆やコーンの需給逼迫により飼料原料価格全般が高騰したことから、大豆ミールの販売価格は前年同期を大きく上回りました。この結果、大豆ミールの売上高は前年同期を上回りました。
菜種ミールは、販売数量は前年同期を下回りましたが、大豆ミール価格高騰の影響等から販売価格が上昇し、売上高は前年同期を上回りました。
[油脂・加工油脂の販売]
<油脂>業務用については、「ニーズ協働発掘型」営業を展開し、長持ち機能等を付加した「機能フライ油」や「日清炊飯油」等の機能性油脂を含む「付加価値型商品群」の提案を通じた新規顧客開拓に努めました。また、コロナ禍で大きく減少した需要の一部持ち直しと原料価格高騰の中、販売価格の改定に取り組んだことにより、売上高は前年同期を上回りました。
加工用についても、原料価格高騰の中、コストに見合った適正価格での販売に取組んだことにより、売上高は前年同期を上回りました。
ホームユースについても、価格改定の発表にあわせた販売価格改定に取り組むとともに付加価値品の継続的な市場育成、拡販を進めました。特にごま油、オリーブオイル、サプリ的オイルを伸長させました。一方で、販売数量については、新型コロナウイルス感染症拡大による内食需要を背景に販売が大幅に伸長した前年同期と比較し減少したことから、売上高は前年同期を下回りました。
以上の結果、油脂全体の売上高は前年同期を上回りましたが、営業利益は原料価格高騰の影響が大きく、前年同期を下回りました。
<加工油脂>海外加工油脂については、マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.における同国内向けの販売が引き続き増加し、国外向け販売も回復しました。また、パーム油相場上昇を背景とした販売価格の改定により、売上高は前年同期を上回りました。利益面では原料価格高騰の影響を大きく受け、またパーム油取引の時価評価の影響により、営業利益は前年同期を下回りました。
国内加工油脂については、コストに見合った適正価格形成への取り組みおよび外食向け需要の持ち直しを背景とした需要増から、売上高は前年同期を上回りましたが、利益面では原料価格高騰の影響が大きく、営業利益は前年同期を下回りました。
≪加工食品・素材事業≫
加工食品・素材セグメントでは、チョコレートや調味料、MCT(中鎖脂肪酸)関連商品が伸長し、またコストに見合った販売価格の形成に努めたことから、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
チョコレートは、土産物を中心とした菓子需要の減少により厳しい状況が続く中、大東カカオ㈱が拡販に努めた結果、チョコレート製品の販売数量が増加しました。シンガポールのT.&C. Manufacturing Co., Pte.Ltd.の製菓原料等(調製品)は日本向け販売が減少しました。これらの結果、チョコレート全体では、売上高は前年同期並みとなったものの、営業利益は前年同期を上回りました。
調味料は、「日清ドレッシングダイエット」などの主力商品に加え「日清アマニ油ドレッシング」や「日清えごま油ドレッシング」の拡販等により販売が増加したことから、売上高は前年同期を上回りましたが、販管費の増加により営業利益は前年同期を下回りました。
機能素材・食品は、MCT(中鎖脂肪酸)関連商品の販売が堅調に推移したことから、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
大豆素材・食品は、新商品発売や適正価格での販売等により、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
≪ファインケミカル事業≫
ファインケミカル事業セグメントでは、中国での化粧品原料の販売が回復したこと等により、売上高は前年同期を上回り、営業利益は前年同期並みとなりました。
ファインケミカル商品について、化粧品原料は新型コロナウイルス感染症の影響により国内は厳しい状況が続いています。一方、中国国内の需要が順調に回復したことから、売上高は前年同期を上回ったものの、営業利益は前年同期並みとなりました。
環境・衛生については、アルコール製剤の需要は堅調であるものの、業務用商品の消費低迷による販売数量の減少等により、売上高、営業利益ともに前年同期を下回りました。
≪その他≫
情報システムをはじめその他の事業セグメントでは、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
地域別売上高
マレーシア、中国等のアジア向け売上高は前年同期比125.2%の108億87百万円となり、欧州、米国等のその他地域への売上高についても、Intercontinental Specialty Fats Sdn.Bhd.における欧州向けの販売が増加したこと等から、前年同期比134.0%の77億76百万円となりました。なお、連結売上高に占める海外売上高の割合は、前年同期に比べ1.7ポイント増加し19.6%となりました。
②財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ121億84百万円増加し、3,043億38百万円となりました。主な要因は、売上債権が44億39百万円、棚卸資産が75億6百万円、有形固定資産が11億19百万円増加した一方で、現金及び預金が4億77百万円減少したことであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ93億92百万円増加し、1,482億87百万円となりました。主な要因は、短期借入金が178億12百万円増加した一方で、仕入債務が24億82百万円、流動負債その他(未払金)50億85百万円、未払法人税等が12億30百万円減少したことであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ27億91百万円増加し、1,560億51百万円となりました。主な要因は、自己株式が29億97百万円、その他の包括利益累計額が12億69百万円増加した一方で、資本剰余金が11億79百万円減少したことであります。
会計方針の変更に記載のとおり、当第1四半期連結会計期間の期首から収益認識会計基準等を適用し、収益認識に関する会計処理方法を変更しております。なお、利益剰余金の当期首残高に与える影響は軽微であります。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億74百万円減少し、86億82百万円となりました。
≪営業活動によるキャッシュ・フロー≫
営業活動によるキャッシュ・フローは、122億85百万円の支出(前年同期は76億48百万円の支出)となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益38億80百万円、減価償却費20億36百万円によるキャッシュの増加および売上債権の増加38億42百万円、棚卸資産の増加64億97百万円、仕入債務の減少28億32百万円、法人税等の支払18億8百万円によるキャッシュの減少であります。
≪投資活動によるキャッシュ・フロー≫
投資活動によるキャッシュ・フローは、42億81百万円の支出(前年同期は40億34百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出43億31百万円によるキャッシュの減少であります。
≪財務活動によるキャッシュ・フロー≫
財務活動によるキャッシュ・フローは、161億56百万円の収入(前年同期は82百万円の収入)となりました。主な内訳は、短期借入金の純増176億65百万円によるキャッシュの増加および配当金の支払12億98百万円によるキャッシュの減少であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は6億61百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。