四半期報告書-第152期第2四半期(2023/07/01-2023/09/30)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、米国を中心に個人消費の底堅さが見られましたが、金融引き締めの長期化や地政学リスクの顕在化など、先行き不透明な状況が継続しております。
また、日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴い、外食や旅行を中心に消費が回復し、インバウンド需要の増加が見られました。一方で、エネルギーコストや原材料価格の高騰を背景とした物価上昇による企業収益の悪化や消費の低迷が懸念されています。
このような環境下、当社グループは「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」という基本方針のもと、中期経営計画「Value Up+」(2021年度-2024年度)に取り組んでいます。6つの重点領域で設定したCSV目標を成長ドライバーとして成長路線を加速させるとともに、“植物のチカラ®”を価値創造の原点に、社会との多様な共有価値の創造を通じた持続的な成長を目指しております。
当社グループは、株主資本コストを上回るROE水準の達成を重要な経営目標としております。2022年度にはROICを経営目標に加え、今まで以上に収益性と資産効率性の向上に取組んでおります。また、「成長性」「積極投資」「持続性」「効率性」の4つの視点でKPIと実行施策をフレームワーク(「達成チャート」)で整理し、2024年度の目標であるROE8.0%、ROIC4.6%の達成に向けた取組みを進めております。
当第2四半期連結累計期間の業績については、以下のとおりとなりました。
セグメント別の概況
≪油脂事業≫
油脂事業セグメントでは、油脂・油糧において、原材料価格が一時期のピークを越えたものの、天候不順による減産懸念や円安ドル高の進行等により高止まりするなか、適正な販売価格の維持・形成に取り組みました。また、付加価値品の拡販に加え、新たな市場創造やソリューション提案の強化に注力しました。油脂事業セグメント全体では、海外加工油脂の販売単価下落の影響が大きく減収となりましたが、国内油脂における適正価格での販売により増益となりました。
[原料の調達環境]
原料の調達面では、主要原料である大豆・菜種ともに歴史的高値となった前年からは下落となりました。一方、ドル円相場が前年同期に対して円安ドル高で推移したため、大豆価格は前年並みとなりました。
<主要原料相場>大豆相場は、4月以降、ブラジル産の豊作見通しや米国での新穀作付が順調に進んだことで軟調に推移しましたが、米国の作付面積減少見通しや生産地の高温乾燥から、7月には15米ドル台まで上昇しました。その後9月に入ると収穫期の売り圧力を受けたことで、12米ドル台まで下落しました。
菜種相場は、カナダ産の生産量回復、豪州産の豊作、ウクライナからの輸出増加による世界的な需給改善により下落基調が続き、5月には約2年振りの水準となる600カナダドル台まで下落しました。しかし、カナダ生育地の高温乾燥により7月には800カナダドル中盤まで上昇し、その後天候の改善や他油種に連れ安となったことから700カナダドル台まで下落しました。
<為替相場>ドル円相場は、昨年10月に24年振りに150円台まで円安ドル高が進行した後は、米国の利上げ停止と日本の大規模金融緩和政策転換が意識されたことで、一時130円割れまで円高ドル安となりました。しかし、日米ともに金融政策の方向性に変更がないことから6月には140円台を回復し、米国利上げ長期化の見方が強まったことから9月には150円近辺まで円安ドル高が進行しました。
[油脂の販売]
業務用については、原材料価格が歴史的な高値から下落基調となるなか、適正な販売価格の維持・形成に取り組みました。また、「ニーズ協働発掘型営業」により、「最終製品の品質向上」「コスト抑制」「生産性の向上」などの課題に対するソリューション提案の質の向上に継続的に取り組みました。商品面ではフライ油の酸化上昇や着色などを抑える「機能フライ油」などの「付加価値型商品群」を重点カテゴリーとし、積極的な提案による拡販に努めました。新型コロナウイルス感染症の5類への移行により外食需要や観光需要が回復基調にあるものの、前年同期比では販売数量、販売単価ともに下回り、減収となりました。
加工用については、原料相場がピーク時と比較して下落するなか、コストに見合った適正価格での販売に取り組んだことにより、増収となりました。
ホームユースについては、食料品の値上げなど物価上昇の継続による生活防衛意識の高まりの影響を受けて市場が縮小するなか、揚げ物の吸油を抑える「日清ヘルシーオフ」などの拡販により、食用油の価値向上と「新たな価格の均衡点」の形成に努めました。オリーブオイル・ごま油などの原材料価格高騰が続くなか、販売価格改定の取り組みに加え、「かけるオイルの定着」や「味つけオイルの市場創造」など付加価値品の継続的な浸透に努めました。この結果、販売数量は前年同期並みとなり、販売単価が前年同期を上回ったことから、増収となりました。
以上の結果、国内油脂全体では売上高は前年同期並みとなり、販売単価が前年同期比で上昇したことで増益となりました。
[ミールの販売]
大豆ミールについては、シカゴ大豆粕定期が上昇したことやドル円相場が円安ドル高で推移したことにより販売価格は上昇しましたが、前年同期比で搾油量が減少したことから、販売数量は減少し、減収となりました。
菜種ミールについては、大豆ミール価格の上昇等の影響を受けて販売価格は上昇しましたが、搾油量が前年同期と比べて減少したことで販売数量は減少し、減収となりました。
海外加工油脂については、マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.において、欧州主要顧客向け出荷の期ズレの影響があったものの、国内地場取引先向けの販売が好調に推移したこともあり、全体の販売数量は前年並みとなりました。また、パーム油相場の下落に伴い販売価格が下落したことで減収となり、パーム油時価評価益の減少などもあり、減益となりました。
イタリアのIntercontinental Specialty Fats(Italy)S.r.l.においては、新規顧客への拡販が寄与し、増収となりました。また、利益面では前年同期のロシアのウクライナ侵攻によるパーム油の需要増の反動があったものの、既存顧客への安定した販売に加え、新規顧客の獲得もあり、増益となりました。
国内加工油脂については、物価上昇に伴う消費者の節約志向や取引先製品のダウンサイズ化・油脂使用量減少といった厳しい状況が続くなか、新規ユーザーの獲得および既存顧客での新規商品採用により販売数量が増加したこと、コストに見合った適正価格での販売に取り組んだことにより、増収増益となりました。
≪加工食品・素材事業≫
加工食品・素材事業セグメントでは、原材料価格やエネルギーコスト上昇の影響があったものの、チョコレート製品における販売数量増および適正な販売価格への改定により、増収増益となりました。
チョコレートについては、大東カカオ㈱において、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴う土産市場の需要回復や製パン市場向け調製品の需要回復等により、販売数量は前年同期を上回りました。また、原材料価格やエネルギーコストが上昇するなか、コストに見合った適正な販売価格への改定を進めたことにより、増収増益となりました。シンガポールのT.&C. Manufacturing Co., Pte.Ltd.においては、昨年に続き日本国内における調製品の需要減少に伴い、販売数量が減少しました。インドネシアのPT Indoagri Daitocacaoにおいては、採算改善を優先しながらも既存顧客への販売が堅調に推移したことにより、販売数量は前年同期並みとなりました。チョコレート全体では大東カカオ㈱の業績が貢献し、増収増益となりました。
調味料は、ドレッシングの販売数量は前年を上回ったものの、原価率上昇や販管費増加の影響が大きく、増収減益となりました。
機能素材・食品は、「体脂肪燃焼体質化」をコンセプトとした機能性マーケティングを継続するとともに、加工食品メーカーとのMCT(中鎖脂肪酸)のコラボレーション商品の上市を進め、市場規模拡大に努めました。しかし、原材料価格の上昇に対する適正価格での販売に努めたものの、販管費の増加等により、増収減益となりました。
大豆素材・食品は、大豆たん白等の販売において原材料価格の上昇に対する適正価格での販売により、増収増益となりました。
≪ファインケミカル事業≫
ファインケミカル事業セグメントでは、欧州の販売市況の低迷等による欧州子会社での販売数量減少が響き、減収減益となりました。
ファインケミカル製品については、国内化粧品向け需要が回復の兆しを見せつつありますが、主要販売先の中国での景気回復が鈍く、最終製品の在庫過多が継続しています。欧州も長引くインフレの影響等から個人消費が低迷を続けており、昨年好調だった欧州子会社での販売数量が大きく減少しました。原材料価格は下落基調にあるものの、依然としてエネルギーコストの高騰が続いていることなどから、減収減益となりました。
環境・衛生については、アルコール製剤の需要減少により販売数量が減少し、また販売価格の改定を進めたものの、原材料およびエネルギーコスト高騰の影響が大きく、減収減益となりました。
≪その他≫
情報システムをはじめその他の事業セグメントは、減収増益となりました。
地域別売上高
パーム油相場の下落を背景とした海外加工油脂製品の販売価格下落等の影響により、マレーシア、中国等のアジア向けおよび欧州、米国等のその他地域への売上高は減収となりました。
【参考】売上高(単体)
② 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ85億11百万円増加し、3,829億64百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が51億70百万円、売上債権が16億67百万円、有形固定資産が42億38百万円、投資有価証券が22億25百万円増加した一方で、棚卸資産が55億96百万円減少したことであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ32億40百万円減少し、1,997億94百万円となりました。主な要因は、仕入債務が68億92百万円増加した一方で、短期借入金が126億25百万円減少したことであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ117億52百万円増加し、1,831億70百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が55億32百万円、その他の包括利益累計額が56億15百万円増加したことであります。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ50億59百万円増加し、159億58百万円となりました。
≪営業活動によるキャッシュ・フロー≫
営業活動によるキャッシュ・フローは、272億3百万円の収入(前年同期は127億3百万円の支出)となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益119億3百万円、減価償却費46億91百万円、仕入債務の増加60億94百万円、棚卸資産の減少69億73百万円によるキャッシュの増加および売上債権の増加7億89百万円、法人税等の支払29億66百万円によるキャッシュの減少であります。
≪投資活動によるキャッシュ・フロー≫
投資活動によるキャッシュ・フローは、67億73百万円の支出(前年同期は32億58百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の売却による収入12億85百万円によるキャッシュの増加および有形固定資産の取得による支出74億6百万円によるキャッシュの減少であります。
≪財務活動によるキャッシュ・フロー≫
財務活動によるキャッシュ・フローは、160億25百万円の支出(前年同期は149億14百万円の収入)となりました。主な内訳は、短期借入金の純減132億54百万円と配当金の支払24億32百万円によるキャッシュの減少であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は16億78百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
連結業績につきましては、2023年5月12日に公表した2024年3月期の業績予想の数値を修正しております。
詳細につきましては、2023年11月8日に公表いたしました「通期業績予想の修正に関するお知らせ」をご覧ください。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、米国を中心に個人消費の底堅さが見られましたが、金融引き締めの長期化や地政学リスクの顕在化など、先行き不透明な状況が継続しております。
また、日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴い、外食や旅行を中心に消費が回復し、インバウンド需要の増加が見られました。一方で、エネルギーコストや原材料価格の高騰を背景とした物価上昇による企業収益の悪化や消費の低迷が懸念されています。
このような環境下、当社グループは「もっとお客さまの近くで、多様な価値を創造し続ける企業グループに変革する」という基本方針のもと、中期経営計画「Value Up+」(2021年度-2024年度)に取り組んでいます。6つの重点領域で設定したCSV目標を成長ドライバーとして成長路線を加速させるとともに、“植物のチカラ®”を価値創造の原点に、社会との多様な共有価値の創造を通じた持続的な成長を目指しております。
当社グループは、株主資本コストを上回るROE水準の達成を重要な経営目標としております。2022年度にはROICを経営目標に加え、今まで以上に収益性と資産効率性の向上に取組んでおります。また、「成長性」「積極投資」「持続性」「効率性」の4つの視点でKPIと実行施策をフレームワーク(「達成チャート」)で整理し、2024年度の目標であるROE8.0%、ROIC4.6%の達成に向けた取組みを進めております。
当第2四半期連結累計期間の業績については、以下のとおりとなりました。
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | |
売上高 | 275,621 | 254,839 | △20,781 | 92.5% |
営業利益 | 9,436 | 11,545 | +2,109 | 122.4% |
経常利益 | 9,895 | 11,132 | +1,237 | 112.5% |
親会社株主に帰属する 四半期純利益 | 7,784 | 7,976 | +191 | 102.5% |
セグメント別の概況
≪油脂事業≫
油脂事業セグメントでは、油脂・油糧において、原材料価格が一時期のピークを越えたものの、天候不順による減産懸念や円安ドル高の進行等により高止まりするなか、適正な販売価格の維持・形成に取り組みました。また、付加価値品の拡販に加え、新たな市場創造やソリューション提案の強化に注力しました。油脂事業セグメント全体では、海外加工油脂の販売単価下落の影響が大きく減収となりましたが、国内油脂における適正価格での販売により増益となりました。
◆油脂・油糧 | (単位:百万円) | |||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | |
売上高 | 170,311 | 162,110 | △8,200 | 95.2% |
営業利益 | 4,188 | 8,839 | +4,651 | 211.0% |
[原料の調達環境]
原料の調達面では、主要原料である大豆・菜種ともに歴史的高値となった前年からは下落となりました。一方、ドル円相場が前年同期に対して円安ドル高で推移したため、大豆価格は前年並みとなりました。
<主要原料相場>大豆相場は、4月以降、ブラジル産の豊作見通しや米国での新穀作付が順調に進んだことで軟調に推移しましたが、米国の作付面積減少見通しや生産地の高温乾燥から、7月には15米ドル台まで上昇しました。その後9月に入ると収穫期の売り圧力を受けたことで、12米ドル台まで下落しました。
菜種相場は、カナダ産の生産量回復、豪州産の豊作、ウクライナからの輸出増加による世界的な需給改善により下落基調が続き、5月には約2年振りの水準となる600カナダドル台まで下落しました。しかし、カナダ生育地の高温乾燥により7月には800カナダドル中盤まで上昇し、その後天候の改善や他油種に連れ安となったことから700カナダドル台まで下落しました。
<為替相場>ドル円相場は、昨年10月に24年振りに150円台まで円安ドル高が進行した後は、米国の利上げ停止と日本の大規模金融緩和政策転換が意識されたことで、一時130円割れまで円高ドル安となりました。しかし、日米ともに金融政策の方向性に変更がないことから6月には140円台を回復し、米国利上げ長期化の見方が強まったことから9月には150円近辺まで円安ドル高が進行しました。
[油脂の販売]
業務用については、原材料価格が歴史的な高値から下落基調となるなか、適正な販売価格の維持・形成に取り組みました。また、「ニーズ協働発掘型営業」により、「最終製品の品質向上」「コスト抑制」「生産性の向上」などの課題に対するソリューション提案の質の向上に継続的に取り組みました。商品面ではフライ油の酸化上昇や着色などを抑える「機能フライ油」などの「付加価値型商品群」を重点カテゴリーとし、積極的な提案による拡販に努めました。新型コロナウイルス感染症の5類への移行により外食需要や観光需要が回復基調にあるものの、前年同期比では販売数量、販売単価ともに下回り、減収となりました。
加工用については、原料相場がピーク時と比較して下落するなか、コストに見合った適正価格での販売に取り組んだことにより、増収となりました。
ホームユースについては、食料品の値上げなど物価上昇の継続による生活防衛意識の高まりの影響を受けて市場が縮小するなか、揚げ物の吸油を抑える「日清ヘルシーオフ」などの拡販により、食用油の価値向上と「新たな価格の均衡点」の形成に努めました。オリーブオイル・ごま油などの原材料価格高騰が続くなか、販売価格改定の取り組みに加え、「かけるオイルの定着」や「味つけオイルの市場創造」など付加価値品の継続的な浸透に努めました。この結果、販売数量は前年同期並みとなり、販売単価が前年同期を上回ったことから、増収となりました。
以上の結果、国内油脂全体では売上高は前年同期並みとなり、販売単価が前年同期比で上昇したことで増益となりました。
[ミールの販売]
大豆ミールについては、シカゴ大豆粕定期が上昇したことやドル円相場が円安ドル高で推移したことにより販売価格は上昇しましたが、前年同期比で搾油量が減少したことから、販売数量は減少し、減収となりました。
菜種ミールについては、大豆ミール価格の上昇等の影響を受けて販売価格は上昇しましたが、搾油量が前年同期と比べて減少したことで販売数量は減少し、減収となりました。
◆加工油脂 | (単位:百万円) | |||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | |
売上高 | 63,403 | 49,306 | △14,097 | 77.8% |
営業利益 | 4,621 | 2,195 | △2,426 | 47.5% |
海外加工油脂については、マレーシアのIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.において、欧州主要顧客向け出荷の期ズレの影響があったものの、国内地場取引先向けの販売が好調に推移したこともあり、全体の販売数量は前年並みとなりました。また、パーム油相場の下落に伴い販売価格が下落したことで減収となり、パーム油時価評価益の減少などもあり、減益となりました。
イタリアのIntercontinental Specialty Fats(Italy)S.r.l.においては、新規顧客への拡販が寄与し、増収となりました。また、利益面では前年同期のロシアのウクライナ侵攻によるパーム油の需要増の反動があったものの、既存顧客への安定した販売に加え、新規顧客の獲得もあり、増益となりました。
国内加工油脂については、物価上昇に伴う消費者の節約志向や取引先製品のダウンサイズ化・油脂使用量減少といった厳しい状況が続くなか、新規ユーザーの獲得および既存顧客での新規商品採用により販売数量が増加したこと、コストに見合った適正価格での販売に取り組んだことにより、増収増益となりました。
≪加工食品・素材事業≫
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | |
売上高 | 30,366 | 32,864 | +2,498 | 108.2% |
営業利益 | 56 | 121 | +65 | 214.5% |
加工食品・素材事業セグメントでは、原材料価格やエネルギーコスト上昇の影響があったものの、チョコレート製品における販売数量増および適正な販売価格への改定により、増収増益となりました。
チョコレートについては、大東カカオ㈱において、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴う土産市場の需要回復や製パン市場向け調製品の需要回復等により、販売数量は前年同期を上回りました。また、原材料価格やエネルギーコストが上昇するなか、コストに見合った適正な販売価格への改定を進めたことにより、増収増益となりました。シンガポールのT.&C. Manufacturing Co., Pte.Ltd.においては、昨年に続き日本国内における調製品の需要減少に伴い、販売数量が減少しました。インドネシアのPT Indoagri Daitocacaoにおいては、採算改善を優先しながらも既存顧客への販売が堅調に推移したことにより、販売数量は前年同期並みとなりました。チョコレート全体では大東カカオ㈱の業績が貢献し、増収増益となりました。
調味料は、ドレッシングの販売数量は前年を上回ったものの、原価率上昇や販管費増加の影響が大きく、増収減益となりました。
機能素材・食品は、「体脂肪燃焼体質化」をコンセプトとした機能性マーケティングを継続するとともに、加工食品メーカーとのMCT(中鎖脂肪酸)のコラボレーション商品の上市を進め、市場規模拡大に努めました。しかし、原材料価格の上昇に対する適正価格での販売に努めたものの、販管費の増加等により、増収減益となりました。
大豆素材・食品は、大豆たん白等の販売において原材料価格の上昇に対する適正価格での販売により、増収増益となりました。
≪ファインケミカル事業≫
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | |
売上高 | 10,234 | 9,301 | △932 | 90.9% |
営業利益 | 848 | 622 | △226 | 73.3% |
ファインケミカル事業セグメントでは、欧州の販売市況の低迷等による欧州子会社での販売数量減少が響き、減収減益となりました。
ファインケミカル製品については、国内化粧品向け需要が回復の兆しを見せつつありますが、主要販売先の中国での景気回復が鈍く、最終製品の在庫過多が継続しています。欧州も長引くインフレの影響等から個人消費が低迷を続けており、昨年好調だった欧州子会社での販売数量が大きく減少しました。原材料価格は下落基調にあるものの、依然としてエネルギーコストの高騰が続いていることなどから、減収減益となりました。
環境・衛生については、アルコール製剤の需要減少により販売数量が減少し、また販売価格の改定を進めたものの、原材料およびエネルギーコスト高騰の影響が大きく、減収減益となりました。
≪その他≫
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | |
売上高 | 1,306 | 1,255 | △50 | 96.2% |
営業利益 | 211 | 233 | +21 | 110.2% |
情報システムをはじめその他の事業セグメントは、減収増益となりました。
地域別売上高
(単位:百万円) | ||||
前第2四半期 連結累計期間 | 当第2四半期 連結累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | |
日本 | 206,800 | 202,699 | △4,100 | 98.0% |
アジア | 36,117 | 27,661 | △8,455 | 76.6% |
その他 | 32,703 | 24,478 | △8,225 | 74.8% |
海外売上高比率 | 25.0% | 20.5% | - | △4.5P |
パーム油相場の下落を背景とした海外加工油脂製品の販売価格下落等の影響により、マレーシア、中国等のアジア向けおよび欧州、米国等のその他地域への売上高は減収となりました。
【参考】売上高(単体)
(単位:百万円) | |||||
前第2四半期 累計期間 | 当第2四半期 累計期間 | 増減額 | 前年同期比 | ||
油脂 事業 | 油脂・油糧 | 152,882 | 146,474 | △6,407 | 95.8% |
業務用・加工用 | 64,293 | 63,468 | △824 | 98.7% | |
ホームユース | 36,301 | 37,124 | +823 | 102.3% | |
油糧 | 52,287 | 45,881 | △6,406 | 87.7% | |
加工油脂 | 6,169 | 7,129 | +960 | 115.6% | |
小計 | 159,052 | 153,604 | △5,447 | 96.6% | |
加工食品・素材事業 | 9,503 | 10,879 | +1,375 | 114.5% | |
ファインケミカル事業 | 2,923 | 3,301 | +377 | 112.9% | |
その他 | 169 | 191 | +21 | 112.9% | |
合計 | 171,648 | 167,976 | △3,672 | 97.9% |
② 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ85億11百万円増加し、3,829億64百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が51億70百万円、売上債権が16億67百万円、有形固定資産が42億38百万円、投資有価証券が22億25百万円増加した一方で、棚卸資産が55億96百万円減少したことであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ32億40百万円減少し、1,997億94百万円となりました。主な要因は、仕入債務が68億92百万円増加した一方で、短期借入金が126億25百万円減少したことであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ117億52百万円増加し、1,831億70百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が55億32百万円、その他の包括利益累計額が56億15百万円増加したことであります。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ50億59百万円増加し、159億58百万円となりました。
≪営業活動によるキャッシュ・フロー≫
営業活動によるキャッシュ・フローは、272億3百万円の収入(前年同期は127億3百万円の支出)となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益119億3百万円、減価償却費46億91百万円、仕入債務の増加60億94百万円、棚卸資産の減少69億73百万円によるキャッシュの増加および売上債権の増加7億89百万円、法人税等の支払29億66百万円によるキャッシュの減少であります。
≪投資活動によるキャッシュ・フロー≫
投資活動によるキャッシュ・フローは、67億73百万円の支出(前年同期は32億58百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の売却による収入12億85百万円によるキャッシュの増加および有形固定資産の取得による支出74億6百万円によるキャッシュの減少であります。
≪財務活動によるキャッシュ・フロー≫
財務活動によるキャッシュ・フローは、160億25百万円の支出(前年同期は149億14百万円の収入)となりました。主な内訳は、短期借入金の純減132億54百万円と配当金の支払24億32百万円によるキャッシュの減少であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は16億78百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
連結業績につきましては、2023年5月12日に公表した2024年3月期の業績予想の数値を修正しております。
詳細につきましては、2023年11月8日に公表いたしました「通期業績予想の修正に関するお知らせ」をご覧ください。