有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、世界秩序が大きな転換点を迎える中、地政学リスクのさらなる高まりに伴うマクロ環境の変化やエネルギー価格の高騰により、不安定な状況が継続しました。国内においては、雇用・所得環境の改善や設備投資の拡大を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、円安・金利上昇の進行等に伴う物価上昇や先行きへの不安感から、個人消費は低調に推移しました。
かかる環境下、即席めん業界においては、引き続き相対的な価格の手頃感や利便性が評価され、付加価値の高いカップめんを中心にグローバルで需要が伸長し、世界総需要は過去最高となりました。
こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,327億33百万円増加し、9,811億95百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ848億17百万円増加し、4,213億77百万円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ479億15百万円増加し、5,598億17百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比1.5%増の7,881億31百万円となりました。利益面では、既存事業コア営業利益(注1)は前期比15.5%減の706億2百万円、営業利益は前期比16.2%減の623億30百万円、税引前利益は前期比15.3%減の650億81百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比17.5%減の453億80百万円となりました。
また、為替変動による影響を除くと、売上収益では前期比1.3%増の7,867億47百万円、既存事業コア営業利益は前期比16.1%減の701億30百万円となりました。(注2)
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
(注1)既存事業コア営業利益とは、営業利益から新規事業にかかる損益及び非経常損益としての「その他収支」
を控除したものであり、中長期成長戦略上、2022年3月期以降、積極的かつ継続的な先行投資を予定する新規
事業にかかる損益を分離し、その成長投資の基盤となる既存事業の実質的な成長を測定することを目的に採用
している指標であります。
(注2)2026年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。
<連結業績>
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、グループ関連費用の配賦方法を変更しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の算定方法により作成したものを開示しております。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、カップめん類、カップライス類が売上を伸ばし、前期比で増収となりました。カップめん類では、「カップヌードル」群が順調に推移し、特に2025年9月にリニューアルした「カップヌードル BIG」シリーズが売上に貢献しました。カップライス類は新製品が売上に大きく貢献し順調に推移しました。袋めん類では、主要ブランドである「チキンラーメン」、「出前一丁」、「日清焼そば」の売上が堅調に推移し、2026年3月発売の新ブランド「日清辛ミョン」シリーズが売上に貢献しました。利益面では、原材料価格や物流費の上昇等により減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比1.3%増の2,419億40百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比3.9%減の325億96百万円、営業利益は、前期比5.9%減の321億47百万円となりました。
(明星食品)
明星食品㈱の販売状況は、カップめん類、袋めん類とも、前期比で増収となりました。暑さの長期化を見据えた「汁なし麺」のマーケティング戦略が奏功したほか、「主食麺シリーズ」において麺へのこだわりを追求し、袋めんが主食となり得ることを示した価値提案が好調な売上につながりました。カップめん類では、「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズ、「明星 ぶぶか油そば」が引き続き好調に推移しました。袋めん類では、「明星 チャルメラ」シリーズが売上に貢献しました。
利益面では、原材料価格や物流費の上昇等がありましたが、増収効果等により、前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比6.5%増の483億2百万円、コア営業利益(注3)は、前期比9.6%増の33億68百万円、営業利益は、前期比9.9%増の34億43百万円となりました。
(低温・飲料事業)
チルド事業は、爆盛商品が話題となった「つけ麺の達人」、「まぜ麺の達人」、ラインナップを拡大した「麺の達人」、「スープの達人」等のラーメン群が好調に推移したほか、CVS(コンビニエンスストア)向け調理麺も貢献し、前期比で増収となりました。利益面では、原価率の上昇等によるコストアップがありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。
冷凍事業は、「冷凍 日清スパ王喫茶店」、「冷凍 日清中華」シリーズが好調に推移、CVS向け冷凍ラーメンも売上増加に貢献。また、価格改定効果も寄与したことで、前期比で増収となりました。利益面では、原材料価格等のコストアップがありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。
飲料事業は、睡眠ブームのピークアウトによる「ピルクルミラクルケア」シリーズの販売減に加え、CVS向け売上が低調に推移し、また、秋の新製品「ピルクル免疫スタイル」「ピルクルエイジングライフ」の発売及び「十勝のむヨーグルト」リニューアル実施の寄与も限定的にとどまり、前期比で減収となりました。利益面では、減収の影響に加え、関西工場増築に伴う減価償却費の増加及び広告宣伝費の増加等により、前期比で減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温・飲料事業の売上収益は、前期比2.8%増の1,041億67百万円、コア営業利益(注3)は、前期比9.6%減の77億69百万円、営業利益は、前期比10.2%減の77億21百万円となりました。
(菓子事業)
㈱湖池屋は、「ピュアポテト」のリニューアルやコーン系ブランドの好調に加え、ポテト主要ブランドの価格改定により増収となりました。一方、北海道産馬鈴薯の不作及び夏場の高温の影響により収量が減少し、これに伴う数量減や品質低下による歩留まり悪化、材料費の増加等により減益となりました。日清シスコ㈱は、積極的なマーケティング施策により、「ごろグラ」シリーズ等のシリアル及び「ココナッツサブレ」シリーズが堅調に推移し、増収増益となりました。ぼんち㈱は、価格改定及び規格変更の効果もあり、売上収益は前年並みを確保した一方、コメ価格上昇等によるコスト増加により、減益となりました。なお、2026年2月27日に㈱セリア・ロイルを連結子会社化しました。以上の結果、菓子事業全体では増収となった一方、減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける菓子事業の売上収益は、前期比3.8%増の959億42百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比1.2%減の56億95百万円、営業利益は、前期比2.1%減の52億77百万円となりました。
(米州地域)
米州地域全体では、引き続き新たな需要創造に向けた高付加価値商品の提案強化や導入推進に取り組んでいます。
ブラジルでは価格改定の効果に加え、「CUP NOODLES」の販売数量増加も寄与し、売上は堅調に推移しました。米国は、上期までの販売数量減少や拡販費の増加により減収となりましたが、当第4四半期では、プレミアム商品の販売数量が前期比で堅調に推移したことに加え、価格改定の浸透もあり、平均単価は上昇に転じました。上記より、セグメント全体で減収となりました。
利益については、ブラジルでは増益となったものの、米国での減収により、セグメント全体で減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比2.9%減の1,637億13百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比34.6%減の105億8百万円、営業利益は、前期比33.8%減の105億68百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比3.2%減の1,632億31百万円となり、コア営業利益は、前期比34.8%減の104億63百万円となりました。(注4)
(中国地域)
中国地域においては、販売エリア拡大に加え、中国版カップヌードル「合味道」ブランドや高価格帯袋めんの販売拡大、冷凍食品や菓子へのマルチカテゴリー化、卸売ビジネスの強化を進めています。中国大陸では、既存販売網の活性化や内陸部への販売チャネル拡大が進み、「合味道」ブランド群や袋めんの「出前一丁」ブランドを中心に販売が伸長しました。香港では、大湾区における「北上消費」が進む中においても、即席めんの消費は高価格帯の新製品を中心に堅調に推移しました。加えて、インバウンド旅行客の増加によりケータリング向け販売が伸長し、袋めんの販売も引き続き好調を維持しました。また、2026年の年初以降、輸出販売も堅調に推移しています。その他地域においては、即席めんの販路拡大に加え、韓国の菓子事業会社が売上に貢献しました。こうした状況の下、売上収益は増収となりました。
利益については、増収により売上原価及び販促コストの増加を吸収したことに加え、前期に固定資産等の減損損失を計上していた影響もあり、前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比2.0%増の749億45百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比7.5%増の89億54百万円、営業利益は、前期比51.7%増の89億58百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比3.4%増の759億54百万円となり、コア営業利益は、前期比8.9%増の90億74百万円となりました。(注4)
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他事業並びに欧州地域、アジア地域、新規事業を含んだ「その他」の売上収益は、前期比4.4%増の591億18百万円となり、コア営業利益(注3)は、前期比32.2%減の80億84百万円、営業利益は、前期比37.3%減の75億74百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比1.1%増の572億7百万円となり、コア営業利益は、前期比36.8%減の75億41百万円となりました。(注4)
(注3)コア営業利益とは、営業利益から非経常損益としての「その他収支」を控除したものであります。
(注4)2026年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。
<報告セグメントの売上収益及びセグメント利益>
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、983億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ252億98百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は804億31百万円(前期比233億73百万円の資金の増加)となりました。これは主に法人所得税の支払額が130億67百万円、持分法による投資損益が129億49百万円となったことに対して、税引前利益が650億81百万円、減価償却費及び償却費が358億97百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は726億57百万円(前期比40億51百万円の資金の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が833億37百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は110億43百万円(前期比116億34百万円の資金の増加)となりました。これは主に自己株式の取得による支出が204億74百万円、配当金の支払額が203億31百万円、長期借入金の返済による支出が146億71百万円となったことに対して、長期借入れによる収入が442億90百万円、コマーシャル・ペーパーの純増減額が220億円となったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上収益は、前期比1.5%増の7,881億31百万円となりました。
国内即席めん事業においては、日清食品セグメントは主要ブランドが好調だったことに加えて、価格改定及び周年施策に向けた取り組みが奏功し、数量シェアの拡大に成功したことで増収となり、また明星食品セグメントも主要ブランドが好調だったことにより増収となりました。
国内非即席めん事業においては、低温・飲料事業セグメントの冷凍事業及び菓子事業セグメントの㈱湖池屋及び日清シスコ㈱が牽引したことにより増収となりました。
海外事業においては、米国事業の販売数量減少及び拡販費の増加等により減収となりました。
当連結会計年度の既存事業コア営業利益は、前期比15.5%減の706億2百万円となり、また当連結会計年度の営業利益は、前期比16.2%減の623億30百万円となりました。
国内即席めん事業及び国内非即席めん事業においては、資材価格上昇等によるコスト増により減益となりました。
海外事業においては、米国事業の減収及び持分法投資利益の減少等により減益となりました。
当連結会計年度の税引前利益は、前期比15.3%減の650億81百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比17.5%減の453億80百万円となりました。これらは主に、営業利益の減少によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要と調達)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資及び配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、不足資金については、資金需要に応じて、社債発行、金融機関からの調達、コマーシャル・ペーパー及び保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,327億33百万円増加し、9,811億95百万円となりました。これは主に有形固定資産が747億9百万円、現金及び現金同等物が252億98百万円、非流動資産のその他の金融資産が103億25百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ848億17百万円増加し、4,213億77百万円となりました。これは主に非流動負債の社債及び借入金が252億32百万円、コマーシャル・ペーパーが220億円、流動負債の借入金が127億43百万円増加したことによるものであります。
資本は、前連結会計年度末に比べ479億15百万円増加し、5,598億17百万円となりました。これは主にその他の資本の構成要素が404億13百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の56.0%から52.7%となり、3.3ポイント減少しております。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」を策定しております。
ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。
「中長期成長戦略2030」では、持続的な利益成長に加え、効率的な資本活用、安全性ある負債活用、そして安定的な株主還元の4つをCSV経営上の中長期的経済価値ターゲットとして掲げ、非財務目標との同時実現を追求してまいります。「中長期成長戦略2030」の進捗状況は下表のとおりであります。
(注)1 IFRS会計基準上の営業利益から、積極的な先行投資を予定する「新規事業に係る損益」及び非経常損益としてのその他収支」を控除したNon-GAAPの重要経営管理指標
2 2023年3月期より既存事業コア営業利益成長率の計算方法を実績の為替レートに基づく方法に修正
3 2024年5月に中長期的目標を上方修正
既存事業コア営業利益成長率:「Mid-single Digit」→「Mid-single Digit(オーガニック)」
ROE: 「長期的に10%」→「2030年度までを目途に15%」
4 2026年5月に下方修正(ROE:「2030年度までを目途に15%」→「長期的に15%、2030年度までに10%以上」)
5 2025年3月期より純有利子負債の計算方法を変更
6 相対TSR(TOPIX食料品対比)は、以下の算定式に基づき算出
A:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均
B:当事業年度の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均
C:当事業年度を含む過去3事業年度における1株当たり配当額の累計
D:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均
E:当事業年度の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均
7 非財務目標については、2030年度の目標値
8 外部認証の活用及び独自アセスメントによる
9 2023年5月にCO₂排出削減の目標値を上方修正
Scope 1+2: △30%(2018年対比)→△42%(2020年対比)、Scope 3: △15%(2018年対比)→△25%(2020年対比)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、世界秩序が大きな転換点を迎える中、地政学リスクのさらなる高まりに伴うマクロ環境の変化やエネルギー価格の高騰により、不安定な状況が継続しました。国内においては、雇用・所得環境の改善や設備投資の拡大を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、円安・金利上昇の進行等に伴う物価上昇や先行きへの不安感から、個人消費は低調に推移しました。
かかる環境下、即席めん業界においては、引き続き相対的な価格の手頃感や利便性が評価され、付加価値の高いカップめんを中心にグローバルで需要が伸長し、世界総需要は過去最高となりました。
こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,327億33百万円増加し、9,811億95百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ848億17百万円増加し、4,213億77百万円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ479億15百万円増加し、5,598億17百万円となりました。
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比1.5%増の7,881億31百万円となりました。利益面では、既存事業コア営業利益(注1)は前期比15.5%減の706億2百万円、営業利益は前期比16.2%減の623億30百万円、税引前利益は前期比15.3%減の650億81百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比17.5%減の453億80百万円となりました。
また、為替変動による影響を除くと、売上収益では前期比1.3%増の7,867億47百万円、既存事業コア営業利益は前期比16.1%減の701億30百万円となりました。(注2)
なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
(注1)既存事業コア営業利益とは、営業利益から新規事業にかかる損益及び非経常損益としての「その他収支」
を控除したものであり、中長期成長戦略上、2022年3月期以降、積極的かつ継続的な先行投資を予定する新規
事業にかかる損益を分離し、その成長投資の基盤となる既存事業の実質的な成長を測定することを目的に採用
している指標であります。
(注2)2026年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。
<連結業績>
| (単位:百万円) | ||||
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | |
| 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 | 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 | 金額 | % | |
| 売上収益 | 776,594 | 788,131 | 11,537 | 1.5 |
| 既存事業コア営業利益 | 83,539 | 70,602 | △12,937 | △15.5 |
| 営業利益 | 74,369 | 62,330 | △12,038 | △16.2 |
| 税引前利益 | 76,798 | 65,081 | △11,716 | △15.3 |
| 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 55,019 | 45,380 | △9,639 | △17.5 |
報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、グループ関連費用の配賦方法を変更しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の算定方法により作成したものを開示しております。
(日清食品)
日清食品㈱の販売状況は、カップめん類、カップライス類が売上を伸ばし、前期比で増収となりました。カップめん類では、「カップヌードル」群が順調に推移し、特に2025年9月にリニューアルした「カップヌードル BIG」シリーズが売上に貢献しました。カップライス類は新製品が売上に大きく貢献し順調に推移しました。袋めん類では、主要ブランドである「チキンラーメン」、「出前一丁」、「日清焼そば」の売上が堅調に推移し、2026年3月発売の新ブランド「日清辛ミョン」シリーズが売上に貢献しました。利益面では、原材料価格や物流費の上昇等により減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比1.3%増の2,419億40百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比3.9%減の325億96百万円、営業利益は、前期比5.9%減の321億47百万円となりました。
(明星食品)
明星食品㈱の販売状況は、カップめん類、袋めん類とも、前期比で増収となりました。暑さの長期化を見据えた「汁なし麺」のマーケティング戦略が奏功したほか、「主食麺シリーズ」において麺へのこだわりを追求し、袋めんが主食となり得ることを示した価値提案が好調な売上につながりました。カップめん類では、「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズ、「明星 ぶぶか油そば」が引き続き好調に推移しました。袋めん類では、「明星 チャルメラ」シリーズが売上に貢献しました。
利益面では、原材料価格や物流費の上昇等がありましたが、増収効果等により、前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比6.5%増の483億2百万円、コア営業利益(注3)は、前期比9.6%増の33億68百万円、営業利益は、前期比9.9%増の34億43百万円となりました。
(低温・飲料事業)
チルド事業は、爆盛商品が話題となった「つけ麺の達人」、「まぜ麺の達人」、ラインナップを拡大した「麺の達人」、「スープの達人」等のラーメン群が好調に推移したほか、CVS(コンビニエンスストア)向け調理麺も貢献し、前期比で増収となりました。利益面では、原価率の上昇等によるコストアップがありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。
冷凍事業は、「冷凍 日清スパ王喫茶店」、「冷凍 日清中華」シリーズが好調に推移、CVS向け冷凍ラーメンも売上増加に貢献。また、価格改定効果も寄与したことで、前期比で増収となりました。利益面では、原材料価格等のコストアップがありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。
飲料事業は、睡眠ブームのピークアウトによる「ピルクルミラクルケア」シリーズの販売減に加え、CVS向け売上が低調に推移し、また、秋の新製品「ピルクル免疫スタイル」「ピルクルエイジングライフ」の発売及び「十勝のむヨーグルト」リニューアル実施の寄与も限定的にとどまり、前期比で減収となりました。利益面では、減収の影響に加え、関西工場増築に伴う減価償却費の増加及び広告宣伝費の増加等により、前期比で減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける低温・飲料事業の売上収益は、前期比2.8%増の1,041億67百万円、コア営業利益(注3)は、前期比9.6%減の77億69百万円、営業利益は、前期比10.2%減の77億21百万円となりました。
(菓子事業)
㈱湖池屋は、「ピュアポテト」のリニューアルやコーン系ブランドの好調に加え、ポテト主要ブランドの価格改定により増収となりました。一方、北海道産馬鈴薯の不作及び夏場の高温の影響により収量が減少し、これに伴う数量減や品質低下による歩留まり悪化、材料費の増加等により減益となりました。日清シスコ㈱は、積極的なマーケティング施策により、「ごろグラ」シリーズ等のシリアル及び「ココナッツサブレ」シリーズが堅調に推移し、増収増益となりました。ぼんち㈱は、価格改定及び規格変更の効果もあり、売上収益は前年並みを確保した一方、コメ価格上昇等によるコスト増加により、減益となりました。なお、2026年2月27日に㈱セリア・ロイルを連結子会社化しました。以上の結果、菓子事業全体では増収となった一方、減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける菓子事業の売上収益は、前期比3.8%増の959億42百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比1.2%減の56億95百万円、営業利益は、前期比2.1%減の52億77百万円となりました。
(米州地域)
米州地域全体では、引き続き新たな需要創造に向けた高付加価値商品の提案強化や導入推進に取り組んでいます。
ブラジルでは価格改定の効果に加え、「CUP NOODLES」の販売数量増加も寄与し、売上は堅調に推移しました。米国は、上期までの販売数量減少や拡販費の増加により減収となりましたが、当第4四半期では、プレミアム商品の販売数量が前期比で堅調に推移したことに加え、価格改定の浸透もあり、平均単価は上昇に転じました。上記より、セグメント全体で減収となりました。
利益については、ブラジルでは増益となったものの、米国での減収により、セグメント全体で減益となりました。
この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比2.9%減の1,637億13百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比34.6%減の105億8百万円、営業利益は、前期比33.8%減の105億68百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比3.2%減の1,632億31百万円となり、コア営業利益は、前期比34.8%減の104億63百万円となりました。(注4)
(中国地域)
中国地域においては、販売エリア拡大に加え、中国版カップヌードル「合味道」ブランドや高価格帯袋めんの販売拡大、冷凍食品や菓子へのマルチカテゴリー化、卸売ビジネスの強化を進めています。中国大陸では、既存販売網の活性化や内陸部への販売チャネル拡大が進み、「合味道」ブランド群や袋めんの「出前一丁」ブランドを中心に販売が伸長しました。香港では、大湾区における「北上消費」が進む中においても、即席めんの消費は高価格帯の新製品を中心に堅調に推移しました。加えて、インバウンド旅行客の増加によりケータリング向け販売が伸長し、袋めんの販売も引き続き好調を維持しました。また、2026年の年初以降、輸出販売も堅調に推移しています。その他地域においては、即席めんの販路拡大に加え、韓国の菓子事業会社が売上に貢献しました。こうした状況の下、売上収益は増収となりました。
利益については、増収により売上原価及び販促コストの増加を吸収したことに加え、前期に固定資産等の減損損失を計上していた影響もあり、前期比で増益となりました。
この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比2.0%増の749億45百万円、コア営業利益
(注3)は、前期比7.5%増の89億54百万円、営業利益は、前期比51.7%増の89億58百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比3.4%増の759億54百万円となり、コア営業利益は、前期比8.9%増の90億74百万円となりました。(注4)
また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他事業並びに欧州地域、アジア地域、新規事業を含んだ「その他」の売上収益は、前期比4.4%増の591億18百万円となり、コア営業利益(注3)は、前期比32.2%減の80億84百万円、営業利益は、前期比37.3%減の75億74百万円となりました。
なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比1.1%増の572億7百万円となり、コア営業利益は、前期比36.8%減の75億41百万円となりました。(注4)
(注3)コア営業利益とは、営業利益から非経常損益としての「その他収支」を控除したものであります。
(注4)2026年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。
<報告セグメントの売上収益及びセグメント利益>
| (単位:百万円) | ||||||
| 報告セグメント | 売上収益 | 前期比 | セグメント利益 | 前期比 | ||
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |||
| 日清食品 | 238,781 | 241,940 | 3,159 | 34,168 | 32,147 | △2,020 |
| 明星食品 | 45,374 | 48,302 | 2,927 | 3,134 | 3,443 | 309 |
| 低温・飲料事業 | 101,349 | 104,167 | 2,817 | 8,602 | 7,721 | △880 |
| 菓子事業 | 92,443 | 95,942 | 3,498 | 5,389 | 5,277 | △111 |
| 米州地域 | 168,565 | 163,713 | △4,851 | 15,952 | 10,568 | △5,384 |
| 中国地域 | 73,474 | 74,945 | 1,471 | 5,906 | 8,958 | 3,051 |
| そ の 他 | 56,604 | 59,118 | 2,514 | 12,084 | 7,574 | △4,510 |
| 小 計 | 776,594 | 788,131 | 11,537 | 85,239 | 75,692 | △9,547 |
| 調 整 額 | - | - | - | △10,870 | △13,362 | △2,491 |
| 合 計 | 776,594 | 788,131 | 11,537 | 74,369 | 62,330 | △12,038 |
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、983億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ252億98百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
| (単位:百万円) | |||
| 区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 |
| 自 2024年4月1日 至 2025年3月31日 | 自 2025年4月1日 至 2026年3月31日 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 57,058 | 80,431 | 23,373 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △76,708 | △72,657 | 4,051 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △591 | 11,043 | 11,634 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | △3,381 | 6,481 | 9,862 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | △23,623 | 25,298 | 48,922 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 96,659 | 73,036 | △23,623 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 73,036 | 98,334 | 25,298 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は804億31百万円(前期比233億73百万円の資金の増加)となりました。これは主に法人所得税の支払額が130億67百万円、持分法による投資損益が129億49百万円となったことに対して、税引前利益が650億81百万円、減価償却費及び償却費が358億97百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は726億57百万円(前期比40億51百万円の資金の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が833億37百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は110億43百万円(前期比116億34百万円の資金の増加)となりました。これは主に自己株式の取得による支出が204億74百万円、配当金の支払額が203億31百万円、長期借入金の返済による支出が146億71百万円となったことに対して、長期借入れによる収入が442億90百万円、コマーシャル・ペーパーの純増減額が220億円となったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比(%) | |
| 日清食品 | 187,391 | 12.0 | |
| 明星食品 | 35,719 | 21.9 | |
| 低温・飲料事業 | 59,301 | 3.3 | |
| 菓子事業 | 92,690 | △4.4 | |
| 米州地域 | 116,183 | 1.5 | |
| 中国地域 | 48,385 | 2.6 | |
| 報告セグメント計 | 539,672 | 5.3 | |
| その他 | 31,375 | △2.3 | |
| 合計 | 571,047 | 4.8 | |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比(%) | |
| 日清食品 | 241,940 | 1.3 | |
| 明星食品 | 48,302 | 6.5 | |
| 低温・飲料事業 | 104,167 | 2.8 | |
| 菓子事業 | 95,942 | 3.8 | |
| 米州地域 | 163,713 | △2.9 | |
| 中国地域 | 74,945 | 2.0 | |
| 報告セグメント計 | 729,012 | 1.3 | |
| その他 | 59,118 | 4.4 | |
| 合計 | 788,131 | 1.5 | |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額 | 割合(%) | 金額 | 割合(%) | |
| 三菱食品㈱ | 91,400 | 11.8 | 90,768 | 11.5 |
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要性がある会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上収益は、前期比1.5%増の7,881億31百万円となりました。
国内即席めん事業においては、日清食品セグメントは主要ブランドが好調だったことに加えて、価格改定及び周年施策に向けた取り組みが奏功し、数量シェアの拡大に成功したことで増収となり、また明星食品セグメントも主要ブランドが好調だったことにより増収となりました。
国内非即席めん事業においては、低温・飲料事業セグメントの冷凍事業及び菓子事業セグメントの㈱湖池屋及び日清シスコ㈱が牽引したことにより増収となりました。
海外事業においては、米国事業の販売数量減少及び拡販費の増加等により減収となりました。
当連結会計年度の既存事業コア営業利益は、前期比15.5%減の706億2百万円となり、また当連結会計年度の営業利益は、前期比16.2%減の623億30百万円となりました。
国内即席めん事業及び国内非即席めん事業においては、資材価格上昇等によるコスト増により減益となりました。
海外事業においては、米国事業の減収及び持分法投資利益の減少等により減益となりました。
当連結会計年度の税引前利益は、前期比15.3%減の650億81百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比17.5%減の453億80百万円となりました。これらは主に、営業利益の減少によるものであります。
なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資金の需要と調達)
営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資及び配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、不足資金については、資金需要に応じて、社債発行、金融機関からの調達、コマーシャル・ペーパー及び保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。
(資金の流動性)
当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。
c. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,327億33百万円増加し、9,811億95百万円となりました。これは主に有形固定資産が747億9百万円、現金及び現金同等物が252億98百万円、非流動資産のその他の金融資産が103億25百万円増加したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ848億17百万円増加し、4,213億77百万円となりました。これは主に非流動負債の社債及び借入金が252億32百万円、コマーシャル・ペーパーが220億円、流動負債の借入金が127億43百万円増加したことによるものであります。
資本は、前連結会計年度末に比べ479億15百万円増加し、5,598億17百万円となりました。これは主にその他の資本の構成要素が404億13百万円増加したことによるものであります。
これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の56.0%から52.7%となり、3.3ポイント減少しております。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」を策定しております。
ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。
「中長期成長戦略2030」では、持続的な利益成長に加え、効率的な資本活用、安全性ある負債活用、そして安定的な株主還元の4つをCSV経営上の中長期的経済価値ターゲットとして掲げ、非財務目標との同時実現を追求してまいります。「中長期成長戦略2030」の進捗状況は下表のとおりであります。
| 項目 | 区分 | 項目 | 目標値 | 進捗レビュー |
| 財務 | 成長性 | 既存事業コア営業利益成長率 (注1,2、3) | Mid-single Digit (オーガニック) | 2020-2025年度 11.0% 2024-2025年度 △15.5% |
| 効率性 | ROE(注3) | 長期的に15%、2030年度までに10%以上(注4) | 2025年度 9.1% | |
| 安全性 | Net Debt/EBITDA(注5) | 2倍以下 | 2025年度 0.9x | |
| 安定的株主還元 | 累進的配当 | 配当性向:約40% | 2025年度 44.5% 累進的配当継続 | |
| 自己株式の取得 | 機動的な 自己株式取得 | 2021年度 約120億円 2022年度 約120億円 2024年度 約400億円 2025年度 約200億円 | ||
| 相対TSR(TOPIX食料品対比)(注6) | 1倍超 | 2022年度 1.1倍 2023年度 1.1倍 2024年度 0.9倍 2025年度 0.6倍 | ||
| 非財務 (注7) | 有限資源の 有効活用 | 持続可能なパーム油の調達比率(注8) | 100% | 2025年 52.3% |
| 水使用量(IFRS売上100万円あたり) | 12.3㎥以下 | 2025年 8.9㎥ | ||
| 流通廃棄物削減率 (2015年度対比/日本国内) | △50% | 2025年 △65.4% | ||
| 気候変動 インパクトの 軽減 | CO₂排出削減(Scope 1+2) (2020年対比) (注9) | △42% | 2025年 △20.6% | |
| CO₂排出削減(Scope 3)(2020年対比) (注9) | △25% | 2025年 △6.0% |
(注)1 IFRS会計基準上の営業利益から、積極的な先行投資を予定する「新規事業に係る損益」及び非経常損益としてのその他収支」を控除したNon-GAAPの重要経営管理指標
2 2023年3月期より既存事業コア営業利益成長率の計算方法を実績の為替レートに基づく方法に修正
3 2024年5月に中長期的目標を上方修正
既存事業コア営業利益成長率:「Mid-single Digit」→「Mid-single Digit(オーガニック)」
ROE: 「長期的に10%」→「2030年度までを目途に15%」
4 2026年5月に下方修正(ROE:「2030年度までを目途に15%」→「長期的に15%、2030年度までに10%以上」)
5 2025年3月期より純有利子負債の計算方法を変更
6 相対TSR(TOPIX食料品対比)は、以下の算定式に基づき算出
A:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均B:当事業年度の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均
C:当事業年度を含む過去3事業年度における1株当たり配当額の累計
D:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均
E:当事業年度の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均
7 非財務目標については、2030年度の目標値
8 外部認証の活用及び独自アセスメントによる
9 2023年5月にCO₂排出削減の目標値を上方修正
Scope 1+2: △30%(2018年対比)→△42%(2020年対比)、Scope 3: △15%(2018年対比)→△25%(2020年対比)