有価証券報告書-第104期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度のわが国経済は、年度を通して個人消費は持ち直し、政府の各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調となっていたものの、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、年度末にかけて不確実性の高い状況が続きました。
住宅建設分野におきましては、新設住宅着工は、年度前半は持家及び分譲戸建が増加するなど、消費増税に伴う駆け込み需要が見られましたが、貸家が前年を下回る状況が続いたことに加え、年度後半にかけ、持家、分譲住宅についても前年比でマイナスに転じるなど、低調に推移しました。一方、公共・商業建築(非住宅建築)分野におきましては、建設業の人手不足が継続しましたが、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う関連工事などの増加もあり、底堅く推移しました。
このような経営環境のもと、当社グループは、2025年を見据えた長期ビジョン『GP25』の実現に向け、2019年度から中期経営計画『GP25 2nd Stage』をスタートさせ、「成長戦略の加速」と「経営基盤の強化」を軸に、事業活動を展開しております。その成長戦略として、海外市場における素材事業の拡大と、国内市場における公共・商業建築分野及び住宅リフォーム市場での事業拡大を推進しております。これら注力市場強化に向けた新たな取り組みとして、海外市場では、6月に北米のLVLに関する製造会社「CIPA Lumber Co.Ltd.」(以下、CIPA社)及び「PACIFIC WOODTECH CORPORATION」(以下、PWT社)を子会社化しました。この新規連結により、LVLという新たな“商材”を加え、北米市場という新たな“商圏”に進出いたしました。公共・商業建築分野では、11月に無垢床材の製造、販売、工事を手掛ける「㈱テーオーフローリング」の株式を取得し、子会社化しました。これにより、無垢床材を新たに製品ラインアップに加えるとともに、文教施設を中心とした同分野に向けた材料販売と工事両面での対応力を強化しました。住宅リフォーム市場では、7月に東京都内を中心に幅広くリフォーム事業を展開する「㈱リフォームキュー」を子会社化しました。首都圏での材工受注体制を強化するとともに、同社の工事ノウハウを活用し、省施工製品などの開発を推進しました。
この結果、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。
(連結業績) (単位:百万円)
売上につきましては、上記の新規連結効果に加え、年度前半の消費増税を控えた好調な需要に対して、アライアンス関係にあるTOTO㈱、YKK AP㈱と連携した提案を強化するとともに、新型コロナウイルスの感染拡大による原材料調達や生産面への影響が懸念される中におきましても、製品の安定供給に努めた結果、増収となりました。
利益につきましては、米中貿易摩擦に起因するアジアを中心としたMDFの市況悪化の影響や、物流費や原材料価格の上昇などによって利益を圧迫しましたが、合理化やコストダウン、一部製品の販売価格への転嫁を進めたことや注力市場強化に向けた子会社4社の新規連結などにより増益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(素材事業)
素材事業につきましては、ダイライトを基材とする深彫調不燃壁材「グラビオエッジ」の引き合いが増えていることから、5月に設備投資による生産能力の増強を実施しました。また、機械抄き和紙を原料とする当社畳おもての採用が拡大している宿泊施設や商業施設において、「和」をイメージした意匠性のニーズが高まっていることから、新デザインの積極投入により製品ラインアップの拡充を行い、提案力をさらに強化しました。
売上につきましては、アジアを中心とした海外需要の低迷によりMDFの販売に苦戦しましたが、上記畳おもての販売が好調に推移したことやCIPA社及びPWT社を連結の範囲に含めたことなどにより増収となりました。
利益につきましては、MDF市場の競争激化によって利益を圧迫しましたが、合理化やコストダウン、コスト上昇の一部を販売価格へ転嫁したことや上記の新規連結などにより増益となりました。
(素材事業の業績) (単位:百万円)
(建材事業)
建材事業につきましては、生産能力増強などにより製品の安定供給に努めました。また、国内住宅市場においては、当社独自の技術で意匠性を高めたシート化粧床材「トリニティ」など、他社と差別化できる製品の販売に注力し、公共・商業建築分野におきましても、子どもの安全性に配慮した幼稚園・保育施設向け製品「おもいやりキッズドア」など、施設別に求められる機能を付与したドアなどの提案を強化しました。
売上につきましては、上記の取り組みなどが、床材やドア、音響製品など内装建材全般の販売増につながったことや「㈱テーオーフローリング」を連結の範囲に含めたことなどにより、増収となりました。
利益につきましては、売上高の増加に加え、合理化やコストダウン、物流費上昇の一部を販売価格へ転嫁するなど、利益の確保に努めた結果、増益となりました。
(建材事業の業績) (単位:百万円)
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業につきましては、首都圏を中心としたビル・マンションの内装工事需要が好調のなか、工事領域の拡大を進めたことや「㈱リフォームキュー」及び「㈱テーオーフローリング」を連結の範囲に含めたことなどにより、増収となりました。
利益につきましては、上記の新規連結による利益増はあったものの、技能工不足等による労務費の高騰などにより利益率が低下し、減益となりました。
(エンジニアリング事業の業績) (単位:百万円)
b.財政状態
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりとなりました。
(連結財政状態) (単位:百万円)
資産につきましては、CIPA社、PWT社、㈱リフォームキュー㈱及びテーオーフローリングの4社を新規連結したことによる総資産の増加、前連結会計年度末休日要因解消による売上債権の減少、株式の時価が下落したことによる投資有価証券の減少等により前連結会計年度に比べ104億79百万円増加し、1,706億38百万円となりました。
負債につきましては、新規連結による負債の増加、子会社株式取得のための資金調達による社債及び借入金の増加、前連結会計年度末休日要因解消による仕入債務の減少等により前連結会計年度末に比べ92億46百万円増加し、1,076億62百万円となりました。なお、有利子負債は前連結会計年度比103億91百万円増の438億76百万円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、株価の下落によるその他有価証券評価差額金の減少、円高の進行による為替換算調整勘定の減少、新規連結による非支配株主持分の増加等により前連結会計年度末に比べ12億33百万円増加し、629億75百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ26百万円減少し168億39百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(連結キャッシュ・フロー) (単位:百万円)
営業活動の結果得られた資金は、168億7百万円(前年同期比67.2%増)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上による収入や、前連結会計年度末休日要因解消に伴う営業債務の減少による支出によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、178億63百万円(前年同期比18.5%増)となりました。これは、主に海外市場における素材事業の拡大と、国内市場における公共・商業建築分野及びリフォーム市場での事業拡大を目的として、CIPA社、PWT社、㈱リフォームキュー㈱及びテーオーフローリングの4社の株式を取得したことや、工場設備の維持更新及び生産性向上を中心とした設備投資を実施したことによるものであります。
財務活動の結果得られた資金は、14億68百万円(前年同期比86.8%減)となりました。これは、社債による資金調達や、配当金の支払いによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
3.エンジニアリング事業は当期完成工事高(工事進行基準を適用しているものを含む)を表示しております。
b.受注実績
建材事業及び素材については見込み生産を行っているため、該当事項はありません。また、エンジニアリング事業については、受注高及び受注残高に金額的重要性がないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績及び財政状態等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当連結会計年度の経営成績と経営上の目標の達成状況
2022年3月期を最終年度とする中期経営計画『GP25 2nd Stage』では、基本方針として、「Ⅰ.成長戦略の加速」及び「Ⅱ.経営基盤の強化」を掲げ、その達成度を計るための経営目標を設定しています。1年目にあたる2020年3月期の進捗状況として、売上高につきましては、2019年10月に実施された消費増税以降、新設住宅着工が低調に推移する中におきましても、ビルダー向けの建材の採用増等により、国内新築住宅市場で増収を確保するとともに、注力市場と位置付ける海外市場、公共・商業建築分野、住宅リフォーム市場の3つの市場で、M&Aによる新規連結効果が寄与する等、着実に拡大を図りました。
また、営業利益につきましても、M&Aによる新規連結効果に加え、原材料価格等のコストアップや物流費増に対して取り組んだ合理化・コストダウンや一部製品の販売価格への転嫁が奏功し、中期経営計画の経営目標達成に向けた第一歩となる水準に高めることができました。
中期経営計画『GP25 2nd Stage』経営目標に対する進捗及び営業利益増減要因の分析は、次のとおりであります。
注力3市場における売上高の状況及びセグメント別の増減内訳は、次のとおりであります。
(海外市場)
海外市場の売上につきましては、172億75百万円の増収となりました。セグメント別の内訳としては、素材事業では、MDFの市況悪化により、アジアを中心とした海外需要が低迷したことで、海外販売で苦戦しましたが、CIPA社及びPWT社の新規連結により、168億88百万円の増収となりました。一方、建材事業では、中国、インドネシアでのドアの受注が伸び悩み、1億86百万円の減収となりました。また、その他のセグメントで、販路開拓のために手掛けている各種素材の仕入販売の引き合いが増加したことにより、5億72百万円の増収となりました。

(公共・商業建築分野)
公共・商業建築分野の売上につきましては、51億34百万円の増収となりました。セグメント別の内訳としては、素材事業では、機械すき和紙を原料とする畳おもての採用が宿泊施設、商業施設で広がり、3億38百万円の増収となりました。建材事業では、高齢者施設や幼稚園、保育施設向けのドアや床材等の受注拡大により、24億62百万円の増収となりました。エンジニアリング事業でも、オフィスビル等の内装工事の受注拡大に加え、無垢床材事業を手掛ける㈱テーオーフローリングを子会社化したことにより、22億81百万円の増収となりました。

(住宅リフォーム市場)
住宅リフォーム市場の売上につきましては、33億48百万円の増収となりました。セグメント別の内訳としては、素材事業では、畳おもての受注増等により、1億62百万円の増収となりました。建材事業では、リフォーム専業会社向けの拡販により、床材やドアなどの内装建材全般で売上が伸び、13億6百万円の増収となりました。エンジニアリング事業では、マンションリノベーションでの拡大に加え、㈱リフォームキューを子会社化し、首都圏での材工受注体制を強化したこと等により、19億14百万円の増収となりました。
b.当連結会計年度の財政状態と目指すバランスシート
中期経営計画『GP25 2nd Stage』で掲げる経営目標・財務目標の達成の為には、成長投資と財務の健全性の両立を図る必要があります。特に、戦略投資を含む総額550億円の投資を実行しながら、効率性と健全性を高めるには資産効率化の追求は不可欠であり、その為にはバランスシート及びキャッシユ・フローの強化、並びに政策保有株式の縮減等の資産圧縮を確実に実行し、かつ有利子負債の削減を行ってまいります。
そのような中、当該計画1年目である当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比104億79百万円増の1,706億38百万円となりました。また、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末比92億46百万円増の1,076億62百万円となりました。これらの主な増加要因は当該計画にある海外及び国内の戦略投資によるものであり、特にCIPA社及びPWT社への投資による新規連結効果は当社の海外市場における売上拡大に大きく寄与しております。また、当連結会計年度での政策保有株式の売却は6銘柄となり、資産圧縮に寄与しております。
有利子負債につきましては、前連結会計年度末比103億91百万円増の438億76百万円となりました。この増加要因は大きく二つあり、一つはCIPA社及びPWT社の買収時に引き継いだ借入金であり、今後両社の業績を踏まえ削減に向けて適切に管理してまいります。もう一つは新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、期末に手元流動性を確保する為に行った追加借入によるものであり、今後の感染状況を慎重に見極めながら適切に管理してまいります。これらの結果、ROEは9.5%、ROAは5.5%、自己資本比率は32.7%、D/Eレシオは0.79(ネットD/Eレシオは0.48)となりました。
当該計画の最終年度である2021年度末において目指すバランスシートでは、総資産1,800億円、有利子負債370億円、自己資本730億円としております。当該計画で掲げる業績目標の達成は元より、資産圧縮等の施策を確実に実行することでROE10%、ROA7%、自己資本比率40%、D/Eレシオ0.5の達成を目指してまいります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループは、2015年に策定した長期ビジョン『GP25』及び中期経営計画『GP25 2nd Stage』の中で基本方針として「成長戦略の加速」と「経営基盤の強化」を掲げ、事業活動を展開しております。長期ビジョン『GP25』実現に向けた成長投資を最優先に実施し、その投資決定にあたっては、リスクとリターン及び資本コストを考慮した上で投資を行い、収益力を高め、かつキャッシュの創出力も高めてまいります。
当該計画では3年間累計で営業キャッシュ・フロー450億円を目標としており、これに手元資金及び金融機関等からの外部資金を活用し、戦略投資として400億円(海外/300億円、国内/100億円)、通常投資として維持更新等に年間50億円を投資してまいります。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
なお、当該計画の1年目である当連結会計年度の進捗及び主な内容は以下のとおりであります。
営業キャッシュ・フロー 168億円 : 税金等調整前当期純利益、減価償却費等
社債・借入 130億円 : 普通社債、M&Aに伴う借入金等
投資有価証券売却 11億円 : 政策保有株式の売却等
戦略投資/海外 225億円 : 北米木質素材事業M&A及びMDF事業の生産性向上等
戦略投資/国内 25億円 : 無垢床材事業及びリフォーム事業M&A、建材事業の生産性向上、ITシステム等
通常投資 41億円 : 既存設備の維持更新等
株主還元 18億円 : 配当
次年度以降につきましても、当該計画に沿った成長投資の実施と健全な財務基盤の両立を目指し、財務基盤の最適化を図ってまいります。
b.資金の流動性に係る情報及び資金調達
手元資金につきましては、通常は連結売上高の1ヵ月分相当を念頭にコミットメントラインと併せ、手元流動性を確保する方針でおりますが、当連結会計年度末においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により不確実性が高まり及び金融市場の逼迫に備える為、現金及び預金残高を168億円とし、コミットメントライン50億円と併せ手元流動性には万全を期すと共に、必要に応じ更なる積み増しを行います。
当社グループの資金調達につきましては、円滑な事業活動に必要な水準の流動性の確保と財務の健全性及び安定性維持を資金調達の方針としており、主に国内金融機関との間で、資金調達手段の多様化と資本効率の向上を企図し、借入や社債及びコマーシャルペーパーの発行等により資金調達を行っております。また、財務の健全性を高める為、当該計画では自己資本比率40%及びD/Eレシオ0.5の目標を掲げ、総資産の圧縮及び適切な有利子負債の活用を行っております。そして、安定的な外部資金調達能力の維持向上の為、当社は国内1社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、日本格付研究所の長期発行体格付は、BBBプラス(安定的)です。加えて、主要な取引金融機関とは良好な関係を構築しており、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金の調達に関しては、問題ないと認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、過去の実績や合理的な方法等で処理しておりますが、引当金や資産の陳腐化等による評価減等につきましては、財政状態及び経営成績に影響を与える見積り額にて計上しており、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とこれらの見積り額が異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の広がりは、経済、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予測することは困難であるため、会計上の見積りを行う上で、将来の利益やキャッシュ・フローの予測を行うことが極めて困難ではありますが、当社グループにおける事業は、2023年3月期までに新型コロナウイルス感染症拡大前の業績まで段階的に回復するという一定の仮定のもと、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性などの会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんの減損にあたり、のれんを含む、より大きな事業単位で資産のグルーピングを行い、当該グルーピング単位において営業活動から生ずる損益等をもとに減損の兆候を識別しております。減損の兆候があるグルーピング単位について、入手可能な情報に基づき割引前将来キャッシュ・フローを見積り、当該グルーピング単位から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業計画や市場環境の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業計画や市場環境の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(工事進行基準)
当社グループは、進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準を適用しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、契約ごとの実行予算を使用して見積りを行っておりますが、工事契約等の実行予算の策定にあたっては、工事等の完成のために必要となる作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度のわが国経済は、年度を通して個人消費は持ち直し、政府の各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復基調となっていたものの、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、年度末にかけて不確実性の高い状況が続きました。
住宅建設分野におきましては、新設住宅着工は、年度前半は持家及び分譲戸建が増加するなど、消費増税に伴う駆け込み需要が見られましたが、貸家が前年を下回る状況が続いたことに加え、年度後半にかけ、持家、分譲住宅についても前年比でマイナスに転じるなど、低調に推移しました。一方、公共・商業建築(非住宅建築)分野におきましては、建設業の人手不足が継続しましたが、東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う関連工事などの増加もあり、底堅く推移しました。
このような経営環境のもと、当社グループは、2025年を見据えた長期ビジョン『GP25』の実現に向け、2019年度から中期経営計画『GP25 2nd Stage』をスタートさせ、「成長戦略の加速」と「経営基盤の強化」を軸に、事業活動を展開しております。その成長戦略として、海外市場における素材事業の拡大と、国内市場における公共・商業建築分野及び住宅リフォーム市場での事業拡大を推進しております。これら注力市場強化に向けた新たな取り組みとして、海外市場では、6月に北米のLVLに関する製造会社「CIPA Lumber Co.Ltd.」(以下、CIPA社)及び「PACIFIC WOODTECH CORPORATION」(以下、PWT社)を子会社化しました。この新規連結により、LVLという新たな“商材”を加え、北米市場という新たな“商圏”に進出いたしました。公共・商業建築分野では、11月に無垢床材の製造、販売、工事を手掛ける「㈱テーオーフローリング」の株式を取得し、子会社化しました。これにより、無垢床材を新たに製品ラインアップに加えるとともに、文教施設を中心とした同分野に向けた材料販売と工事両面での対応力を強化しました。住宅リフォーム市場では、7月に東京都内を中心に幅広くリフォーム事業を展開する「㈱リフォームキュー」を子会社化しました。首都圏での材工受注体制を強化するとともに、同社の工事ノウハウを活用し、省施工製品などの開発を推進しました。
この結果、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。
(連結業績) (単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 182,962 | 202,481 | 19,518 | 10.7% |
| 営業利益 | 5,733 | 8,384 | 2,651 | 46.3% |
| 経常利益 | 6,838 | 9,108 | 2,270 | 33.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,402 | 5,447 | 1,045 | 23.7% |
売上につきましては、上記の新規連結効果に加え、年度前半の消費増税を控えた好調な需要に対して、アライアンス関係にあるTOTO㈱、YKK AP㈱と連携した提案を強化するとともに、新型コロナウイルスの感染拡大による原材料調達や生産面への影響が懸念される中におきましても、製品の安定供給に努めた結果、増収となりました。
利益につきましては、米中貿易摩擦に起因するアジアを中心としたMDFの市況悪化の影響や、物流費や原材料価格の上昇などによって利益を圧迫しましたが、合理化やコストダウン、一部製品の販売価格への転嫁を進めたことや注力市場強化に向けた子会社4社の新規連結などにより増益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(素材事業)
素材事業につきましては、ダイライトを基材とする深彫調不燃壁材「グラビオエッジ」の引き合いが増えていることから、5月に設備投資による生産能力の増強を実施しました。また、機械抄き和紙を原料とする当社畳おもての採用が拡大している宿泊施設や商業施設において、「和」をイメージした意匠性のニーズが高まっていることから、新デザインの積極投入により製品ラインアップの拡充を行い、提案力をさらに強化しました。
売上につきましては、アジアを中心とした海外需要の低迷によりMDFの販売に苦戦しましたが、上記畳おもての販売が好調に推移したことやCIPA社及びPWT社を連結の範囲に含めたことなどにより増収となりました。
利益につきましては、MDF市場の競争激化によって利益を圧迫しましたが、合理化やコストダウン、コスト上昇の一部を販売価格へ転嫁したことや上記の新規連結などにより増益となりました。
(素材事業の業績) (単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 61,843 | 76,589 | 14,745 | 23.8% |
| 営業利益 | 1,132 | 2,503 | 1,371 | 121.1% |
(建材事業)
建材事業につきましては、生産能力増強などにより製品の安定供給に努めました。また、国内住宅市場においては、当社独自の技術で意匠性を高めたシート化粧床材「トリニティ」など、他社と差別化できる製品の販売に注力し、公共・商業建築分野におきましても、子どもの安全性に配慮した幼稚園・保育施設向け製品「おもいやりキッズドア」など、施設別に求められる機能を付与したドアなどの提案を強化しました。
売上につきましては、上記の取り組みなどが、床材やドア、音響製品など内装建材全般の販売増につながったことや「㈱テーオーフローリング」を連結の範囲に含めたことなどにより、増収となりました。
利益につきましては、売上高の増加に加え、合理化やコストダウン、物流費上昇の一部を販売価格へ転嫁するなど、利益の確保に努めた結果、増益となりました。
(建材事業の業績) (単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 89,485 | 94,938 | 5,453 | 6.1% |
| 営業利益 | 3,189 | 4,955 | 1,766 | 55.4% |
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業につきましては、首都圏を中心としたビル・マンションの内装工事需要が好調のなか、工事領域の拡大を進めたことや「㈱リフォームキュー」及び「㈱テーオーフローリング」を連結の範囲に含めたことなどにより、増収となりました。
利益につきましては、上記の新規連結による利益増はあったものの、技能工不足等による労務費の高騰などにより利益率が低下し、減益となりました。
(エンジニアリング事業の業績) (単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 18,063 | 21,713 | 3,649 | 20.2% |
| 営業利益 | 1,015 | 613 | △402 | △39.7% |
b.財政状態
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりとなりました。
(連結財政状態) (単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減額 | ||
| 資産 | 160,158 | 170,638 | 10,479 | |
| 負債 | 98,416 | 107,662 | 9,246 | |
| 有利子負債 | 30,784 | 43,876 | 13,091 | |
| 純資産 | 61,741 | 62,975 | 1,233 | |
資産につきましては、CIPA社、PWT社、㈱リフォームキュー㈱及びテーオーフローリングの4社を新規連結したことによる総資産の増加、前連結会計年度末休日要因解消による売上債権の減少、株式の時価が下落したことによる投資有価証券の減少等により前連結会計年度に比べ104億79百万円増加し、1,706億38百万円となりました。
負債につきましては、新規連結による負債の増加、子会社株式取得のための資金調達による社債及び借入金の増加、前連結会計年度末休日要因解消による仕入債務の減少等により前連結会計年度末に比べ92億46百万円増加し、1,076億62百万円となりました。なお、有利子負債は前連結会計年度比103億91百万円増の438億76百万円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、株価の下落によるその他有価証券評価差額金の減少、円高の進行による為替換算調整勘定の減少、新規連結による非支配株主持分の増加等により前連結会計年度末に比べ12億33百万円増加し、629億75百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ26百万円減少し168億39百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(連結キャッシュ・フロー) (単位:百万円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 増減率 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 10,052 | 16,807 | 67.2% |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △15,079 | △17,863 | 18.5% |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 11,165 | 1,468 | △86.8% |
営業活動の結果得られた資金は、168億7百万円(前年同期比67.2%増)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上による収入や、前連結会計年度末休日要因解消に伴う営業債務の減少による支出によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、178億63百万円(前年同期比18.5%増)となりました。これは、主に海外市場における素材事業の拡大と、国内市場における公共・商業建築分野及びリフォーム市場での事業拡大を目的として、CIPA社、PWT社、㈱リフォームキュー㈱及びテーオーフローリングの4社の株式を取得したことや、工場設備の維持更新及び生産性向上を中心とした設備投資を実施したことによるものであります。
財務活動の結果得られた資金は、14億68百万円(前年同期比86.8%減)となりました。これは、社債による資金調達や、配当金の支払いによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 建材事業 | 52,573 | 3.9 |
| 素材事業 | 76,746 | 36.0 |
| エンジニアリング事業 | 21,713 | 20.2 |
| 報告セグメント計 | 151,032 | 20.8 |
| その他 | - | - |
| 合計 | 151,032 | 20.8 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
3.エンジニアリング事業は当期完成工事高(工事進行基準を適用しているものを含む)を表示しております。
b.受注実績
建材事業及び素材については見込み生産を行っているため、該当事項はありません。また、エンジニアリング事業については、受注高及び受注残高に金額的重要性がないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 建材事業 | 94,938 | 6.1 |
| 素材事業 | 76,589 | 23.8 |
| エンジニアリング事業 | 21,713 | 20.2 |
| 報告セグメント計 | 193,240 | 14.1 |
| その他 | 9,240 | △31.9 |
| 合計 | 202,481 | 10.7 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績及び財政状態等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当連結会計年度の経営成績と経営上の目標の達成状況
2022年3月期を最終年度とする中期経営計画『GP25 2nd Stage』では、基本方針として、「Ⅰ.成長戦略の加速」及び「Ⅱ.経営基盤の強化」を掲げ、その達成度を計るための経営目標を設定しています。1年目にあたる2020年3月期の進捗状況として、売上高につきましては、2019年10月に実施された消費増税以降、新設住宅着工が低調に推移する中におきましても、ビルダー向けの建材の採用増等により、国内新築住宅市場で増収を確保するとともに、注力市場と位置付ける海外市場、公共・商業建築分野、住宅リフォーム市場の3つの市場で、M&Aによる新規連結効果が寄与する等、着実に拡大を図りました。
また、営業利益につきましても、M&Aによる新規連結効果に加え、原材料価格等のコストアップや物流費増に対して取り組んだ合理化・コストダウンや一部製品の販売価格への転嫁が奏功し、中期経営計画の経営目標達成に向けた第一歩となる水準に高めることができました。
中期経営計画『GP25 2nd Stage』経営目標に対する進捗及び営業利益増減要因の分析は、次のとおりであります。
| 中期経営計画『GP25 2nd Stage』経営目標に対する進捗 | |||||
| Ⅰ.成長戦略の加速 | (単位:百万円) | ||||
| 2019年3月期 実績 | 2020年3月期 実績 | 増減 | 2022年3月期 目標 | ||
| 売上高 | 182,962 | 202,481 | 19,518 | 225,000 | |
| 国内市場 | 163,721 | 165,965 | 2,244 | 173,000 | |
| 公共・商業建築分野 | 21,158 | 26,292 | 5,134 | 31,200 | |
| 住宅リフォーム市場 | 28,429 | 31,777 | 3,348 | 37,600 | |
| 海外市場 | 19,241 | 36,516 | 17,275 | 52,000 | |
| 営業利益 | 5,733 | 8,384 | 2,651 | 12,000 | |
| 営業利益率 | 3.1% | 4.1% | 1.0pt | 5.3% | |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,402 | 5,447 | 1,045 | 7,000 | |
| Ⅱ.経営基盤の強化 | |||||
| 2019年3月期 実績 | 2020年3月期 実績 | 増減 | 2022年3月期 目標 | ||
| 効率性 | ROE | 7.8% | 9.5% | 1.7pt | 10% |
| ROA | 4.5% | 5.5% | 1.0pt | 7% | |
| 健全性 | 自己資本比率 | 36.8% | 32.7% | △4.1pt | 40% |
| 株主還元 | 配当性向 | 42.4% | 33.4% | △9.0pt | 30%以上 |
| 営業利益増減要因の分析 | (単位:百万円) | |||
注力3市場における売上高の状況及びセグメント別の増減内訳は、次のとおりであります。(海外市場)
海外市場の売上につきましては、172億75百万円の増収となりました。セグメント別の内訳としては、素材事業では、MDFの市況悪化により、アジアを中心とした海外需要が低迷したことで、海外販売で苦戦しましたが、CIPA社及びPWT社の新規連結により、168億88百万円の増収となりました。一方、建材事業では、中国、インドネシアでのドアの受注が伸び悩み、1億86百万円の減収となりました。また、その他のセグメントで、販路開拓のために手掛けている各種素材の仕入販売の引き合いが増加したことにより、5億72百万円の増収となりました。
| 海外市場 売上高 セグメント別増減内訳 | (単位:百万円) | |||

(公共・商業建築分野)
公共・商業建築分野の売上につきましては、51億34百万円の増収となりました。セグメント別の内訳としては、素材事業では、機械すき和紙を原料とする畳おもての採用が宿泊施設、商業施設で広がり、3億38百万円の増収となりました。建材事業では、高齢者施設や幼稚園、保育施設向けのドアや床材等の受注拡大により、24億62百万円の増収となりました。エンジニアリング事業でも、オフィスビル等の内装工事の受注拡大に加え、無垢床材事業を手掛ける㈱テーオーフローリングを子会社化したことにより、22億81百万円の増収となりました。
| 公共・商業建築分野 売上高 セグメント別増減内訳 | (単位:百万円) | |||

(住宅リフォーム市場)
住宅リフォーム市場の売上につきましては、33億48百万円の増収となりました。セグメント別の内訳としては、素材事業では、畳おもての受注増等により、1億62百万円の増収となりました。建材事業では、リフォーム専業会社向けの拡販により、床材やドアなどの内装建材全般で売上が伸び、13億6百万円の増収となりました。エンジニアリング事業では、マンションリノベーションでの拡大に加え、㈱リフォームキューを子会社化し、首都圏での材工受注体制を強化したこと等により、19億14百万円の増収となりました。
| 住宅リフォーム市場 売上高 セグメント別増減内訳 | (単位:百万円) | |||
b.当連結会計年度の財政状態と目指すバランスシート中期経営計画『GP25 2nd Stage』で掲げる経営目標・財務目標の達成の為には、成長投資と財務の健全性の両立を図る必要があります。特に、戦略投資を含む総額550億円の投資を実行しながら、効率性と健全性を高めるには資産効率化の追求は不可欠であり、その為にはバランスシート及びキャッシユ・フローの強化、並びに政策保有株式の縮減等の資産圧縮を確実に実行し、かつ有利子負債の削減を行ってまいります。
そのような中、当該計画1年目である当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比104億79百万円増の1,706億38百万円となりました。また、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末比92億46百万円増の1,076億62百万円となりました。これらの主な増加要因は当該計画にある海外及び国内の戦略投資によるものであり、特にCIPA社及びPWT社への投資による新規連結効果は当社の海外市場における売上拡大に大きく寄与しております。また、当連結会計年度での政策保有株式の売却は6銘柄となり、資産圧縮に寄与しております。
有利子負債につきましては、前連結会計年度末比103億91百万円増の438億76百万円となりました。この増加要因は大きく二つあり、一つはCIPA社及びPWT社の買収時に引き継いだ借入金であり、今後両社の業績を踏まえ削減に向けて適切に管理してまいります。もう一つは新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、期末に手元流動性を確保する為に行った追加借入によるものであり、今後の感染状況を慎重に見極めながら適切に管理してまいります。これらの結果、ROEは9.5%、ROAは5.5%、自己資本比率は32.7%、D/Eレシオは0.79(ネットD/Eレシオは0.48)となりました。
当該計画の最終年度である2021年度末において目指すバランスシートでは、総資産1,800億円、有利子負債370億円、自己資本730億円としております。当該計画で掲げる業績目標の達成は元より、資産圧縮等の施策を確実に実行することでROE10%、ROA7%、自己資本比率40%、D/Eレシオ0.5の達成を目指してまいります。
| 中期経営計画で目指すバランスシート | (単位:億円) | |||

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループは、2015年に策定した長期ビジョン『GP25』及び中期経営計画『GP25 2nd Stage』の中で基本方針として「成長戦略の加速」と「経営基盤の強化」を掲げ、事業活動を展開しております。長期ビジョン『GP25』実現に向けた成長投資を最優先に実施し、その投資決定にあたっては、リスクとリターン及び資本コストを考慮した上で投資を行い、収益力を高め、かつキャッシュの創出力も高めてまいります。
当該計画では3年間累計で営業キャッシュ・フロー450億円を目標としており、これに手元資金及び金融機関等からの外部資金を活用し、戦略投資として400億円(海外/300億円、国内/100億円)、通常投資として維持更新等に年間50億円を投資してまいります。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
なお、当該計画の1年目である当連結会計年度の進捗及び主な内容は以下のとおりであります。
営業キャッシュ・フロー 168億円 : 税金等調整前当期純利益、減価償却費等
社債・借入 130億円 : 普通社債、M&Aに伴う借入金等
投資有価証券売却 11億円 : 政策保有株式の売却等
戦略投資/海外 225億円 : 北米木質素材事業M&A及びMDF事業の生産性向上等
戦略投資/国内 25億円 : 無垢床材事業及びリフォーム事業M&A、建材事業の生産性向上、ITシステム等
通常投資 41億円 : 既存設備の維持更新等
株主還元 18億円 : 配当
次年度以降につきましても、当該計画に沿った成長投資の実施と健全な財務基盤の両立を目指し、財務基盤の最適化を図ってまいります。
b.資金の流動性に係る情報及び資金調達
手元資金につきましては、通常は連結売上高の1ヵ月分相当を念頭にコミットメントラインと併せ、手元流動性を確保する方針でおりますが、当連結会計年度末においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により不確実性が高まり及び金融市場の逼迫に備える為、現金及び預金残高を168億円とし、コミットメントライン50億円と併せ手元流動性には万全を期すと共に、必要に応じ更なる積み増しを行います。
当社グループの資金調達につきましては、円滑な事業活動に必要な水準の流動性の確保と財務の健全性及び安定性維持を資金調達の方針としており、主に国内金融機関との間で、資金調達手段の多様化と資本効率の向上を企図し、借入や社債及びコマーシャルペーパーの発行等により資金調達を行っております。また、財務の健全性を高める為、当該計画では自己資本比率40%及びD/Eレシオ0.5の目標を掲げ、総資産の圧縮及び適切な有利子負債の活用を行っております。そして、安定的な外部資金調達能力の維持向上の為、当社は国内1社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点において、日本格付研究所の長期発行体格付は、BBBプラス(安定的)です。加えて、主要な取引金融機関とは良好な関係を構築しており、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金の調達に関しては、問題ないと認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、過去の実績や合理的な方法等で処理しておりますが、引当金や資産の陳腐化等による評価減等につきましては、財政状態及び経営成績に影響を与える見積り額にて計上しており、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果とこれらの見積り額が異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の広がりは、経済、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予測することは困難であるため、会計上の見積りを行う上で、将来の利益やキャッシュ・フローの予測を行うことが極めて困難ではありますが、当社グループにおける事業は、2023年3月期までに新型コロナウイルス感染症拡大前の業績まで段階的に回復するという一定の仮定のもと、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性などの会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(のれんの減損)
当社グループは、のれんの減損にあたり、のれんを含む、より大きな事業単位で資産のグルーピングを行い、当該グルーピング単位において営業活動から生ずる損益等をもとに減損の兆候を識別しております。減損の兆候があるグルーピング単位について、入手可能な情報に基づき割引前将来キャッシュ・フローを見積り、当該グルーピング単位から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業計画や市場環境の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業計画や市場環境の変化により、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(工事進行基準)
当社グループは、進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約については、工事進行基準を適用しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要があります。工事進行基準による収益の計上の基礎となる工事原価総額は、契約ごとの実行予算を使用して見積りを行っておりますが、工事契約等の実行予算の策定にあたっては、工事等の完成のために必要となる作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社グループの業績を変動させる可能性があります。