有価証券報告書-第105期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/28 9:12
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済活動が大幅に制限されたことにより、極めて厳しい状況が続きました。また、世界経済につきましても、各国政府による財政刺激策やワクチン接種が進んだことなどにより、米国や中国を中心に回復が見られたものの、不確実性の高い状況が続きました。
国内の住宅建設分野におきましては、第2四半期連結会計期間までの消費増税後の反動減の影響に、新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なり、新設住宅着工、リフォームともに低調に推移しました。公共・商業建築(非住宅建築)分野におきましても、インバウンド需要の急減や外出自粛に伴う商業施設・宿泊施設の工事の中断・延期により、厳しい環境が続きました。
海外におきましては、前連結会計年度からの米中貿易摩擦などによるアジアを中心としたMDFの市況悪化の影響で下落した販売価格の回復が遅れ、利益面で苦戦が続きました。一方、第1四半期連結会計期間に建設工事の中断による需要減の影響が大きかった米国では、第2四半期連結会計期間以降に住宅着工が回復するとともに、DIY需要が活況になるなど好調に推移しました。
このような経営環境の中、当社グループは、中期経営計画『GP25 2nd Stage』(2019-2021年度)の基本方針として掲げる「事業(市場)ポートフォリオの見直し」を着実に進めるべく、国内では、公共・商業建築分野に対しましては、2020年8月発売の新製品で拡充した不燃製品や抗ウイルス機能を付与した製品の拡販を進めました。住宅リフォーム市場に対しましては、テレワークが広がる中、在宅勤務時のワークスペースを快適にする製品や音環境を改善する製品などの拡販を進めました。また、当社が手掛ける機能性の高い製品が政府の後押し策である「グリーン住宅ポイント」に幅広く対象となることから、これらの提案強化にも努めました。
海外市場では、好調が続く米国におきまして、安定供給に努めるとともに、防腐LVLや高強度LVLといった付加価値の高い製品を拡販するなど、収益性を高めるための取り組みを着実に進めました。
この結果、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。
(連結業績) (単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額増減率
売上高202,481199,210△3,270△1.6%
営業利益8,3848,7793944.7%
経常利益9,1089,9358269.1%
親会社株主に帰属する当期純利益5,4475,6201723.2%

売上高につきましては、前第2四半期連結会計期間以降に連結損益に取り込んだ新規連結の子会社4社(北米のLVLに関する製造会社「CIPA Lumber Co.Ltd.」(以下、CIPA社)及び「PACIFIC WOODTECH CORPORATION」(以下、PWT社)、東京都内を中心にリフォーム事業を展開する「㈱リフォームキュー」、無垢床材の製造、販売、工事を手掛ける「㈱テーオーフローリング」)の業績を、当連結会計年度は期首から取り込んだことによる増加や、米国でのLVLの販売増はありましたものの、ニュージーランドにおけるロックダウンにより約1ヵ月にわたり操業停止の影響を受けたMDF、商業施設及び宿泊施設向けの畳、新築住宅及びリフォーム向けの床材、ドアなど、既存事業製品の販売減により、減収となりました。
一方、利益につきましては、既存事業製品の減収による利益減の影響はありましたものの、米国での売上増に加え、合理化・コストダウン、販管費の削減に努めたことにより、増益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(素材事業) (単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額増減率
売上高76,58980,6924,1035.4%
営業利益2,5033,7321,22849.1%

素材事業につきましては、売上高は、前連結会計年度からの米中貿易摩擦に起因する市況悪化に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による国内外の需要減に伴うMDFの販売減やインバウンド需要の急減に伴う畳の受注減などの影響がありましたものの、前第2四半期連結会計期間より連結損益に取り込んだCIPA社及びPWT社の業績を、当連結会計年度は期首から取り込んだことによる増加に加え、第2四半期連結会計期間以降に米国でのLVLの販売が好調に推移したことにより、増収となりました。
利益につきましては、既存事業製品の減収による利益減の影響に対して合理化・コストダウンを進めたこと、また、原木調達の安定化に努めるなど、第2四半期連結会計期間以降の米国住宅市場の回復によるCIPA社及びPWT社の収益性改善が寄与し、増益となりました。
(建材事業) (単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額増減率
売上高94,93888,697△6,241△6.6%
営業利益4,9554,076△878△17.7%

建材事業につきましては、売上高は、公共・商業建築分野向けのドアや音響製品などの採用増に加え、前第3四半期連結会計期間より連結損益に取り込んだ「㈱テーオーフローリング」(製品)の業績を、当連結会計年度は期首から取り込んだことによる増加がありましたものの、第2四半期連結会計期間までの消費増税後の反動減に、新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なり、新築住宅及びリフォーム向けの床材、ドア等の販売が減少し、減収となりました。
利益につきましては、合理化・コストダウン等に努めましたが、減収による利益減の影響を吸収するには至らず、減益となりました。
(エンジニアリング事業) (単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額増減率
売上高21,71320,542△1,170△5.4%
営業利益613508△104△17.1%

エンジニアリング事業につきましては、売上高は、前第2四半期連結会計期間より連結損益に取り込んだ「㈱リフォームキュー」及び前第3四半期連結会計期間より連結損益に取り込んだ「㈱テーオーフローリング」(工事)の業績を、当連結会計年度は期首から取り込んだことによる増加に加え、首都圏でのマンションリノベーションが好調に推移したことによる増加はありましたものの、ビル、オフィスの内装工事の需要減などにより、減収となりました。
利益につきましては、マンションリノベーションの売上増及び収益性の改善がありましたものの、ビル、オフィスの内装工事の売上減による影響が大きく減益となりました。
b.財政状態
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりとなりました。
(連結財政状態) (単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減額
資産170,638172,5531,915
負債107,66295,781△11,881
有利子負債43,87635,508△8,367
純資産62,97576,77113,796

資産につきましては、原材料の安定調達に取組んだことによる原材料及び貯蔵品の増加等により、前連結会計年度末比19億15百万円増の1,725億53百万円となりました。
負債につきましては、社債の償還により有利子負債を圧縮したこと等により、前連結会計年度末比118億81百万円減の957億81百万円となりました。なお、有利子負債は、前連結会計年度末比83億67百万円減の355億8百万円となりました。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加、円安の進行による為替換算調整勘定の増加等により前連結会計年度末比137億96百万円増の767億71百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億94百万円増加し174億33百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(連結キャッシュ・フロー) (単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期増減率
営業活動によるキャッシュ・フロー16,80712,254△27.1%
投資活動によるキャッシュ・フロー△17,863△910△94.9%
財務活動によるキャッシュ・フロー1,468△11,369-%

営業活動の結果得られた資金は、122億54百万円(前年同期比27.1%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、9億10百万円(前年同期比94.9%減)となりました。これは、主に工場設備の維持更新及び生産性向上を中心とした設備投資を実施したことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、113億69百万円(前年同期は14億68百万円の収入)となりました。これは、主に社債の償還、借入金の返済等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
建材事業48,926△6.9
素材事業82,9528.1
エンジニアリング事業20,542△5.4
報告セグメント計152,4210.9
その他--
合計152,4210.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
3.エンジニアリング事業は当期完成工事高(工事進行基準を適用しているものを含む)を表示しております。
b.受注実績
建材事業及び素材については見込み生産を行っているため、該当事項はありません。また、エンジニアリング事業については、受注高及び受注残高に金額的重要性がないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
建材事業88,697△6.6
素材事業80,6925.4
エンジニアリング事業20,542△5.4
報告セグメント計189,933△1.7
その他9,2770.4
合計199,210△1.6

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績及び財政状態等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当連結会計年度の経営成績と経営上の目標の達成状況
2022年3月期を最終年度とする中期経営計画『GP25 2nd Stage』では、基本方針として、「Ⅰ.成長戦略の加速」及び「Ⅱ.経営基盤の強化」を掲げ、その達成度を計るための経営目標を設定しております。2年目を迎えた2021年3月期の進捗状況といたしまして、売上高につきましては、海外市場では、第2四半期連結会計期間以降、好調に推移した米国住宅市場向けを中心に想定どおり拡大を図ることができましたが、国内市場では、第2四半期連結会計期間までの消費増税の反動減の影響に、新型コロナウイルス感染拡大の影響が重なり需要が低迷した新築住宅市場、住宅リフォーム市場での減収に加え、インバウンド需要の急減や、延期になったものの東京五輪・パラリンピック開催年で建設工事が一時的に停滞したことによる公共・商業建築分野での減収をカバーするには至らず、全体としては減収となりました。
一方、営業利益につきましては、国内市場での減収による利益減の影響がありましたものの、米国を中心とした海外市場での売上増に加え、合理化・コストダウン、販管費の削減に努めたことにより、増益を確保いたしました。
これらの結果、海外市場での売上高構成比は、中期経営計画『GP25 2nd Stage』スタート前の2019年3月期の10.5%から約2倍超となる23.2%に高まりました。国内の新設住宅着工が減少する中でも、海外市場で拡大することにより、成長戦略の加速を目指す中期経営計画の基本方針に沿った事業(市場)ポートフォリオの見直しを着実に進めることができました。
中期経営計画『GP25 2nd Stage』経営目標に対する進捗及び営業利益増減要因の分析は、次のとおりであります。
中期経営計画『GP25 2nd Stage』経営目標に対する進捗
Ⅰ.成長戦略の加速(単位:百万円)
2020年3月期
実績
2021年3月期
実績
増減2022年3月期
目標
売上高202,481199,210△3,270225,000
国内市場165,965152,956△13,009173,000
公共・商業建築分野26,29223,709△2,58331,200
住宅リフォーム市場31,77731,266△51137,600
海外市場36,51646,2549,73852,000
営業利益8,3848,77939412,000
営業利益率4.1%4.4%0.3pt5.3%
親会社株主に帰属する当期純利益5,4475,6201727,000

Ⅱ.経営基盤の強化
2020年3月期
実績
2021年3月期
実績
増減2022年3月期
目標
効率性ROE9.5%9.1%△0.4pt10%
ROA5.5%5.8%0.3pt7%
健全性自己資本比率32.7%39.4%6.7pt40%
株主還元配当性向33.4%32.4%△1.0pt30%以上


営業利益増減要因の分析(単位:百万円)

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注力3市場における売上高の状況及びセグメント別の増減内訳は、次のとおりであります。
(海外市場)
海外市場の売上高につきましては、97億38百万円の増収となりました。セグメント別の内訳といたしましては、素材事業では、前第2四半期連結会計期間より連結損益に取り込んだCIPA社及びPWT社の業績を、当連結会計年度は、期首より取り込んだことによる増加に加え、第2四半期連結会計期間以降、両社が手掛ける米国でのLVLの販売が好調に推移したこと等により、90億73百万円の増収となりました。一方、建材事業では、中国、インドネシアでのドア等の販売が伸び悩み、86百万円の減収となりました。また、その他のセグメントで、販路開拓のために手掛けている各種素材の仕入販売の引き合いが増加したことにより、7億50百万円の増収となりました。
海外市場 売上高 セグメント別増減内訳(単位:百万円)

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(公共・商業建築分野)
公共・商業建築分野の売上高につきましては、25億83百万円の減収となりました。セグメント別の内訳といたしましては、素材事業では、宿泊施設・商業施設向けの畳の需要減などにより、8億53百万円の減収となりました。建材事業では、高齢者施設・医療施設向けのドアや音響製品等の受注拡大により、4億13百万円の増収となりました。エンジニアリング事業では、延期されたものの東京五輪・パラリンピック開催年にあたり、首都圏を中心にオフィスビル等の内装工事の需要が減少し、21億39百万円の減収となりました。
公共・商業建築分野 売上高 セグメント別増減内訳(単位:百万円)

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(住宅リフォーム市場)
住宅リフォーム市場の売上高につきましては、5億11百万円の減収となりました。セグメント別の内訳といたしましては、素材事業では、畳のリニューアル需要の減少等により、2億18百万円の減収となりました。建材事業では、特に第2四半期連結会計期間までの新型コロナウイルス感染拡大による影響が大きく、床材、ドアなどの内装建材全般で売上が減少し、11億6百万円の減収となりました。エンジニアリング事業では、第3四半期連結会計期間以降のリフォーム工事需要の回復や首都圏で手掛けるマンションリノベーションが順調に拡大したことにより、7億69百万円の増収となりました。
住宅リフォーム市場 売上高 セグメント別増減内訳(単位:百万円)

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中期経営計画『GP25 2nd Stage』の最終年度における経営目標と2021年5月14日に開示いたしました2022年3月期の業績予想との差は以下のとおりであります。
中期経営計画『GP25 2nd Stage』経営目標と業績予想との差
Ⅰ.成長戦略の加速(単位:百万円)
2022年3月期
予想
2022年3月期
目標
売上高204,000225,000△21,000
国内市場153,800173,000△19,200
公共・商業建築分野26,40031,200△4,800
住宅リフォーム市場33,20037,600△4,400
海外市場50,20052,000△1,800
営業利益10,00012,000△2,000
営業利益率4.9%5.3%△0.4pt
親会社株主に帰属する当期純利益6,0007,000△1,000

Ⅱ.経営基盤の強化
2022年3月期
予想
2022年3月期
目標
効率性ROE8.6%10%△1.4pt
ROA6.0%7%△1.0pt
健全性自己資本比率41.0%40%1.0pt
株主還元配当性向34.7%30%以上4.7pt

中期経営計画『GP25 2nd Stage』の経営目標に対して、2022年3月期の業績予想における売上高及び利益の見通しが未達となる主な要因といたしまして、次のとおり分析しております。
中期経営計画『GP25 2nd Stage』における市場別売上高目標と業績予想との差及び主な要因
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中期経営計画『GP25 2nd Stage』策定当初に想定していなかった新型コロナウイルス感染拡大の影響、米中貿易摩擦の影響といった外部環境の変化に加えまして、MDFの取引見直しにより、2021年5月14日に開示いたしました2022年3月期の通期業績予想におきましては、経営目標に対しまして、売上高で210億円、営業利益で20億円、届かない予想となっております。
主な要因といたしましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響によるインバウンド需要の急減により、商業施設・宿泊施設などの新設や改装工事が中止・延期となりましたこと、建設需要の不確実性の高まりから、当初想定していた工事会社のM&Aを見送りましたこと、これらは特に公共・商業建築分野に影響しております。米中貿易摩擦の影響によるMDFの市況悪化で下落した販売価格の回復が遅れた点につきましては、海外市場での売上の伸び悩みとして影響しております。さらに、2021年3月期末に実施いたしました国内MDF販売子会社の売却やMDFのグループ内使用比率の増加といったMDFの取引見直しにつきましては、産業資材分野に影響しております。また、住宅市場の構造の変化もあり、中小工務店向けの落ち込みが想定以上に進んだことにより、住宅リフォーム市場でマイナスとなる見通しとしておりますが、国内新築住宅市場では、新設住宅着工の落ち込み幅が想定より縮小する中、市場での存在感を高めるパワービルダー向けの提案強化にいち早く取り組んだことにより、シェアアップが進み、当初目標を上回る見通しであります。
なお、営業利益につきましては、合理化・コストダウンや販管費の削減に加え、原材料価格や物流費増に対する販売価格への転嫁も進め、収益性改善に努めておりますが、上記のとおり売上高が目標に対して未達となることから、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、いずれも目標に対して未達となる見通しとしております。
これらの状況に対しまして、2025年度を見据えた長期ビジョン『GP25』実現に向けた中期経営計画『GP25 2nd Stage』における基本戦略は維持するとともに、コロナ禍で新たに顕在化したニーズを捉えた提案を強化するなど、当初の想定からの変化に対応してまいります。MDFにつきましては、2022年3月期初から収益性改善に向けた工場での構造改革と売価アップのアクションを進めております。また、2021年3月期に抑えていた投資につきましては、経営基盤強化につながる基幹システム、物流効率化、デジタル対応の営業ツールの拡充などDX対応投資を積極化するとともに、海外でのさらなる拡大を目指し、北米におけるLVLの次の展開や、MDFの存在感を高めるM&Aの検討も引き続き進めるなど、中長期の競争力を高める投資を積極的に行ってまいります。
したがいまして、中期経営計画『GP25 2nd Stage』の経営目標はストレッチ目標として維持し、2021年5月14日に開示いたしました業績予想は、その中で現状の経営環境を踏まえた株主・投資家の皆様への責任ある数字という位置付けであります。
b.当連結会計年度の財政状態と目指すバランスシート
中期経営計画『GP25 2nd Stage』で掲げる経営目標・財務目標の達成のためには、成長投資と財務の健全性の両立を図る必要があります。特に、戦略投資を含む総額550億円の投資を実行しながら、効率性と健全性を高めるには資産効率化の追求は不可欠であり、そのためにはバランスシート及びキャッシユ・フローの強化、並びに政策保有株式の縮減等の資産圧縮を確実に実行し、かつ有利子負債の削減を行ってまいります。
そのような中、当該計画2年目である当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比19億15百万円増の1,725億53百万円となりました。この主な増加要因は原材料の安定調達に取組んだことによる原材料及び貯蔵品の増加等によるものであります。また、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比118億81百万円減の957億81百万円となりました。この主な減少要因は社債の償還により有利子負債を圧縮したこと等によるものであります。なお、当連結会計年度での政策保有株式の売却(一部売却も含む)は7銘柄となり、資産圧縮に寄与しております。
有利子負債につきましては、前連結会計年度末比83億67百万円減の355億8百万円となりました。この主な減少要因は新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、前連結会計年度末に手元流動性を確保するために追加借入などの対応を行っておりましたが、当初の想定よりも資金繰りへの影響は無く、一方で設備投資を厳選し抑制したことによるものであります。これらの結果、ROEは9.1%、ROAは5.8%、自己資本比率は39.4%、D/Eレシオは0.52(ネットD/Eレシオは0.27)となりました。
当該計画の最終年度である2022年3月期において目指すバランスシートでは、総資産1,800億円、有利子負債370億円、自己資本730億円としております。当該計画で掲げる業績目標の達成は元より、資産圧縮等の施策をより一層確実に実行することでROE10%、ROA7%、自己資本比率40%、D/Eレシオ0.5の達成を目指してまいります。
中期経営計画で目指すバランスシート(単位:億円)

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②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資金の流動性に係る情報
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a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当社グループは、2015年に策定した長期ビジョン『GP25』及び中期経営計画『GP25 2nd Stage』の中で基本方針として「成長戦略の加速」と「経営基盤の強化」を掲げ、事業活動を展開しております。長期ビジョン『GP25』実現に向けた成長投資を最優先に実施し、その投資決定にあたっては、リスクとリターン及び資本コストを考慮した上で投資を行い、収益力を高め、かつキャッシュの創出力も高めてまいります。
『GP25 2nd Stage』では3年間累計で営業キャッシュ・フロー450億円を目標としており、これに手元資金及び金融機関等からの外部資金を活用し、戦略投資として400億円(海外/300億円、国内/100億円)、通常投資として維持更新等に150億円(年間50億円)の計画となっております。
株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
当該計画の進捗及び累計は、以下のとおりであります。
(単位:億円)
2020年
3月期
2021年
3月期
累計主な内容
営業キャッシュ・フロー168122290税金等調整前当期純利益、減価償却費
社債・借入130△8842[2020年3月期] 普通社債、M&Aに伴う借入金等
[2021年3月期] 私募債償還、借入金返済等
投資有価証券売却112435政策保有株式の売却等
戦略投資/海外△225△11△236[2020年3月期] 北米木質素材事業M&A、MDF事業の生産性向上等
[2021年3月期] 北米事業グループ間連携強化等、
MDF事業の生産性向上等
戦略投資/国内△25△10△35[2020年3月期] 無垢床材事業及びリフォーム事業
M&A、建材事業の生産性向上、ITシステム等
[2021年3月期] リフォーム事業子会社株式追加
取得及び建材事業の生産性向上、ITシステム等
維持更新等△41△21△62既存設備の維持更新等
株主還元△18△16△34配当

当該計画の最終年度である2022年3月期につきましても、依然コロナ禍の環境の中引き続き不確実性への備えにも配慮しつつ、当該計画に沿った成長投資の実施と健全な財務基盤の両立を目指し、財務基盤の最適化を図ってまいります。
b.資金の流動性に係る情報及び資金調達
手元資金につきましては、通常は連結売上高の1か月分相当を念頭にコミットメントラインと併せ、手元流動性を確保する方針でおりますが、当連結会計年度末においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響で不確実性が高まることによる金融市場の逼迫に備えるため、現金及び預金残高を174億円とし、コミットメントライン50億円と併せ手元流動性には万全を期しております。
当社グループの資金調達につきましては、円滑な事業活動に必要な水準の流動性の確保と財務の健全性及び安定性維持を資金調達の方針としており、主に国内金融機関との間で、資金調達手段の多様化と資本効率の向上を企図し、借入や社債及びコマーシャルペーパーの発行等により資金調達を行っております。また、財務の健全性を高めるため、当該計画では自己資本比率40%及びD/Eレシオ0.5の目標を掲げ、総資産の圧縮及び適切な有利子負債の活用を行っております。そして、安定的な外部資金調達能力の維持向上のため、当社は国内1社の格付機関から格付を取得しており、本報告書提出時点における日本格付研究所の長期発行体格付は、BBBプラス(安定的)であります。加えて、主要な取引金融機関とは良好な関係を構築しており、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金の調達に関しては、問題ないと認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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