有価証券報告書-第128期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(経営成績等の状況)
(1) 当期の経営成績の状況
当期の世界経済は、米国では個人消費や設備投資が増加し景気回復が続きましたが、欧州では輸出の停滞などから低成長となり、中国では金融引き締めや米中貿易摩擦の影響で減速傾向となりました。日本経済は緩やかな回復が続いていましたが、外需の下振れを受けて弱含みの状況です。
当社グループを取り巻く経営環境については、半導体においては市場が拡大してきましたが、夏場以降、スマートフォン向けの伸び悩みや米中貿易摩擦に伴う景気不透明感から需要の減速が顕著となりました。自動車においては、日本や米国では堅調でしたが、欧州では9月の新しい燃費試験導入以降に販売台数が減少し、中国でも景気減速や買い控えのため落ち込みました。国内の住宅着工件数は横ばいでした。
当社グループはこのような経営環境のなか、次の3つの基本戦略を掲げ、事業規模の拡大と収益構造の改善を進めてまいりました。
①新製品の早期立ち上げ、創生
②成長分野の収益力強化、規模拡大
③既存事業の再生、事業転換
上記の遂行に当たっては、CS(顧客満足)最優先を基本とし、積極的な社内外の連携や協業を行うとともに、「One Sumibe」の全社活動を実践することで顧客の深耕に継続して取り組んでおります。この結果、当期の売上収益は2,129億52百万円と、前期比で0.5%、11億33百万円の増収となりました。利益につきましては、事業利益は、原料価格の上昇などがあり前期比10.2%減の172億93百万円となり、営業利益は、減損損失の計上などのため前期比で26.9%減の135億87百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、負ののれん発生益を持分法による投資利益に含めて計上したことなどにより前期なみの150億84百万円となりました。
(セグメント別販売状況)
① 半導体関連材料
[売上収益 48,860百万円(前期比 5.4%減)、事業利益 7,997百万円(同 16.3%減)]
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、当期の前半までは販売数量が増加していましたが、秋口以降に顧客で在庫調整の動きがあり、売上収益は減少しました。半導体用液状樹脂も減少しましたが、感光性ウェハーコート用液状樹脂は、新規顧客の獲得もあり売上収益が増加しました。
② 高機能プラスチック
[売上収益 93,792百万円(前期比 1.3%増)、事業利益 6,664百万円(同 12.2%減)]
フェノール樹脂成形材料は、中国の自動車部品向けのほか、北米で長繊維材料がシェール油井採掘部品向けに販売数量が増え、売上収益が増加しました。工業用フェノール樹脂は、北米の自動車部品向けが堅調で原料高に伴う売価是正もありましたが、欧州の建材向けの数量減少があり、売上収益は横ばいでした。
航空機内装部品や自動車部品用成形品では、新規の受注により売上収益が増加しました。
銅張積層板は、売価是正を行いましたが、販売数量が減少し売上収益は減少しました。
一方、セグメント全体では売価是正を超える原料価格の上昇などのため、事業利益は減少しました。
③ クオリティオブライフ関連製品
[売上収益 69,541百万円(前期比 4.0%増)、事業利益 5,420百万円(同 6.1%増)]
医療機器製品では、血管内治療や内視鏡治療の分野で品揃えを強化し、海外での販売も貢献して売上収益は増加しました。
ビニル樹脂シートおよび複合シートでは、産業用用途のカバーテープやダイシングフィルムで顧客の在庫調整があり減少しましたが、医薬品包装用途で需要が戻って伸長し、売上収益は増加しました。鮮度保持フィルム「P-プラス®」は、キノコ向けなどで採用が増えましたが売上収益は横ばいでした。
ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板では、サンレンズ用の偏光板や災害復旧のための建装材で販売数量が増加し、売価是正も寄与して売上収益は増加しました。
防水関連製品では、マンションや蓄熱槽など建築物向けでの受注が拡大しましたが、新築住宅向けが減少し、売上収益は横ばいでした。
(2) 当期の財政状態の状況
①資産の部
資産合計は、前連結会計年度末に比べ126億51百万円増加し、2,848億98百万円となりました。
これは主に、「持分法で会計処理されている投資」が84億17百万円、「棚卸資産」が38億82百万円、「現金及び現金同等物」が30億81百万円増加したことによるものであります。
②負債の部
負債合計は、前連結会計年度末に比べ22億78百万円増加し、1,042億63百万円となりました。
これは主に、「借入金」が17億7百万円、「引当金」が8億94百万円増加したことによるものであります。
③資本の部
資本合計は、前連結会計年度末に比べ103億73百万円増加し、1,806億35百万円となりました。
これは主に、「親会社の所有者に帰属する当期利益」を150億84百万円計上した一方で、配当金の支払31億77百万円があったことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ30億81百万円増加し、596億40百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は201億91百万円となりました。
これは主に、税引前利益および減価償却費の計上による収入と、持分法による投資利益の計上、法人税等の支払による支出の結果であります。前期と比べると18億63百万円の収入の減少となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動に用いた資金は156億16百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得および持分法で会計処理されている投資の取得による支出の結果であります。前期と比べると38億71百万円の支出の増加となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動に用いた資金は22億24百万円となりました。
これは主に、コマーシャル・ペーパーの増加および配当金の支払による支出の結果であります。前期と比べると2億29百万円の支出の減少となりました。
④資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの資本管理は、経営の健全性・効率性を維持し、持続的な成長を実現するため、事業のリスクとリターンに見合った適正な資本水準を維持することを基本方針としております。
当社および連結子会社は、新たな成長へ向けた取り組みとして「新製品の早期立ち上げ、創生」、「成長分野の収益力強化、規模拡大」および「既存事業の再生、事業転換」の基本戦略のもと、当連結会計年度において113億46百万円の設備投資を実施しました。設備投資額には、有形固定資産の他、無形資産への投資が含まれており、その所要金額については、主として自己資金を充当しております。
(4) 生産、受注および販売の実績
①生産実績および受注実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産を行わないため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産の実績については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (セグメント別販売状況)」に関連付けて示しております。
②販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「中期経営計画2016-2018」の最終年度に当たる当期において、売上収益2,500億円、営業利益(日本基準)200億円、ROE8%の達成を数値目標として掲げ取り組んでまいりました。
その結果、車載向け製品の拡販、不採算・低採算事業の縮小や撤廃などの成果を挙げた一方、新製品の戦力化遅延や中期経営計画策定時の想定を超える外部環境の変化があり、ROEは8.7%と中期経営計画で掲げた目標を達成したものの、売上収益が2,129億52百万円、事業利益(IFRS)は172億93百万円と、売上収益および事業利益については目標を下回りました。
2019年度以降につきましては、さらなる事業の拡大および持続的成長に向けて、新たな「中期経営計画2019-2021」を策定し、事業活動に取り組んでまいります。「中期経営計画2019-2021」に関しては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は次のとおりであります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(のれんの償却停止)
日本基準では当社グループは、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ、販売費及び一般管理費が1,499百万円減少しております。
(退職給付に係る調整)
日本基準では数理計算上の差異について、主として発生した年度に一括で損益処理しておりましたが、IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振替えるものとしております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ、売上原価が170百万円、販売費及び一般管理費が364百万円減少しております。
(1) 当期の経営成績の状況
当期の世界経済は、米国では個人消費や設備投資が増加し景気回復が続きましたが、欧州では輸出の停滞などから低成長となり、中国では金融引き締めや米中貿易摩擦の影響で減速傾向となりました。日本経済は緩やかな回復が続いていましたが、外需の下振れを受けて弱含みの状況です。
当社グループを取り巻く経営環境については、半導体においては市場が拡大してきましたが、夏場以降、スマートフォン向けの伸び悩みや米中貿易摩擦に伴う景気不透明感から需要の減速が顕著となりました。自動車においては、日本や米国では堅調でしたが、欧州では9月の新しい燃費試験導入以降に販売台数が減少し、中国でも景気減速や買い控えのため落ち込みました。国内の住宅着工件数は横ばいでした。
当社グループはこのような経営環境のなか、次の3つの基本戦略を掲げ、事業規模の拡大と収益構造の改善を進めてまいりました。
①新製品の早期立ち上げ、創生
②成長分野の収益力強化、規模拡大
③既存事業の再生、事業転換
上記の遂行に当たっては、CS(顧客満足)最優先を基本とし、積極的な社内外の連携や協業を行うとともに、「One Sumibe」の全社活動を実践することで顧客の深耕に継続して取り組んでおります。この結果、当期の売上収益は2,129億52百万円と、前期比で0.5%、11億33百万円の増収となりました。利益につきましては、事業利益は、原料価格の上昇などがあり前期比10.2%減の172億93百万円となり、営業利益は、減損損失の計上などのため前期比で26.9%減の135億87百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、負ののれん発生益を持分法による投資利益に含めて計上したことなどにより前期なみの150億84百万円となりました。
(セグメント別販売状況)
① 半導体関連材料
[売上収益 48,860百万円(前期比 5.4%減)、事業利益 7,997百万円(同 16.3%減)]
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、当期の前半までは販売数量が増加していましたが、秋口以降に顧客で在庫調整の動きがあり、売上収益は減少しました。半導体用液状樹脂も減少しましたが、感光性ウェハーコート用液状樹脂は、新規顧客の獲得もあり売上収益が増加しました。
② 高機能プラスチック
[売上収益 93,792百万円(前期比 1.3%増)、事業利益 6,664百万円(同 12.2%減)]
フェノール樹脂成形材料は、中国の自動車部品向けのほか、北米で長繊維材料がシェール油井採掘部品向けに販売数量が増え、売上収益が増加しました。工業用フェノール樹脂は、北米の自動車部品向けが堅調で原料高に伴う売価是正もありましたが、欧州の建材向けの数量減少があり、売上収益は横ばいでした。
航空機内装部品や自動車部品用成形品では、新規の受注により売上収益が増加しました。
銅張積層板は、売価是正を行いましたが、販売数量が減少し売上収益は減少しました。
一方、セグメント全体では売価是正を超える原料価格の上昇などのため、事業利益は減少しました。
③ クオリティオブライフ関連製品
[売上収益 69,541百万円(前期比 4.0%増)、事業利益 5,420百万円(同 6.1%増)]
医療機器製品では、血管内治療や内視鏡治療の分野で品揃えを強化し、海外での販売も貢献して売上収益は増加しました。
ビニル樹脂シートおよび複合シートでは、産業用用途のカバーテープやダイシングフィルムで顧客の在庫調整があり減少しましたが、医薬品包装用途で需要が戻って伸長し、売上収益は増加しました。鮮度保持フィルム「P-プラス®」は、キノコ向けなどで採用が増えましたが売上収益は横ばいでした。
ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板では、サンレンズ用の偏光板や災害復旧のための建装材で販売数量が増加し、売価是正も寄与して売上収益は増加しました。
防水関連製品では、マンションや蓄熱槽など建築物向けでの受注が拡大しましたが、新築住宅向けが減少し、売上収益は横ばいでした。
(2) 当期の財政状態の状況
①資産の部
資産合計は、前連結会計年度末に比べ126億51百万円増加し、2,848億98百万円となりました。
これは主に、「持分法で会計処理されている投資」が84億17百万円、「棚卸資産」が38億82百万円、「現金及び現金同等物」が30億81百万円増加したことによるものであります。
②負債の部
負債合計は、前連結会計年度末に比べ22億78百万円増加し、1,042億63百万円となりました。
これは主に、「借入金」が17億7百万円、「引当金」が8億94百万円増加したことによるものであります。
③資本の部
資本合計は、前連結会計年度末に比べ103億73百万円増加し、1,806億35百万円となりました。
これは主に、「親会社の所有者に帰属する当期利益」を150億84百万円計上した一方で、配当金の支払31億77百万円があったことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ30億81百万円増加し、596億40百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は201億91百万円となりました。
これは主に、税引前利益および減価償却費の計上による収入と、持分法による投資利益の計上、法人税等の支払による支出の結果であります。前期と比べると18億63百万円の収入の減少となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動に用いた資金は156億16百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得および持分法で会計処理されている投資の取得による支出の結果であります。前期と比べると38億71百万円の支出の増加となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動に用いた資金は22億24百万円となりました。
これは主に、コマーシャル・ペーパーの増加および配当金の支払による支出の結果であります。前期と比べると2億29百万円の支出の減少となりました。
④資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの資本管理は、経営の健全性・効率性を維持し、持続的な成長を実現するため、事業のリスクとリターンに見合った適正な資本水準を維持することを基本方針としております。
当社および連結子会社は、新たな成長へ向けた取り組みとして「新製品の早期立ち上げ、創生」、「成長分野の収益力強化、規模拡大」および「既存事業の再生、事業転換」の基本戦略のもと、当連結会計年度において113億46百万円の設備投資を実施しました。設備投資額には、有形固定資産の他、無形資産への投資が含まれており、その所要金額については、主として自己資金を充当しております。
(4) 生産、受注および販売の実績
①生産実績および受注実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産を行わないため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産の実績については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (セグメント別販売状況)」に関連付けて示しております。
②販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体関連材料 | 48,860 | △5.4 |
| 高機能プラスチック | 93,792 | 1.3 |
| クオリティオブライフ関連製品 | 69,541 | 4.0 |
| その他 | 759 | 8.6 |
| 合計 | 212,952 | 0.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「中期経営計画2016-2018」の最終年度に当たる当期において、売上収益2,500億円、営業利益(日本基準)200億円、ROE8%の達成を数値目標として掲げ取り組んでまいりました。
その結果、車載向け製品の拡販、不採算・低採算事業の縮小や撤廃などの成果を挙げた一方、新製品の戦力化遅延や中期経営計画策定時の想定を超える外部環境の変化があり、ROEは8.7%と中期経営計画で掲げた目標を達成したものの、売上収益が2,129億52百万円、事業利益(IFRS)は172億93百万円と、売上収益および事業利益については目標を下回りました。
2019年度以降につきましては、さらなる事業の拡大および持続的成長に向けて、新たな「中期経営計画2019-2021」を策定し、事業活動に取り組んでまいります。「中期経営計画2019-2021」に関しては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は次のとおりであります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(のれんの償却停止)
日本基準では当社グループは、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ、販売費及び一般管理費が1,499百万円減少しております。
(退職給付に係る調整)
日本基準では数理計算上の差異について、主として発生した年度に一括で損益処理しておりましたが、IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振替えるものとしております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ、売上原価が170百万円、販売費及び一般管理費が364百万円減少しております。