有価証券報告書-第163期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 15:11
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【項目】
161項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によりこれらの見積りと異なる場合があります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当社グループは、当連結会計年度よりスタートさせた新中期事業計画“KAYAKU Next Stage”の重点テーマと中長期重点課題に取り組み、研究開発の強化、重点事業への経営資源の最適配分、海外事業の拡大に加え、収益体質の強化を目指し、一層のコストダウンを推進しました。
当連結会計年度では、2020年1月以降、中国での新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴うロックダウン(都市封鎖) や 外出制限等による経済活動の抑制により、中国国内の販売及び中国向けの輸出が影響を受けました。この結果、当連結会計年度の連結売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたセイフティシステムズ事業が前連結会計年度を下回ったものの、機能化学品事業と医薬事業が前連結会計年度を上回ったことにより1,751億2千3百万円となり、前連結会計年度に比べ24億8千4百万円(1.4%)増加しました。当社の業績と比べると、当連結会計年度の連結売上高は当社の1.64倍となりました。
連結売上総利益は、機能化学品事業の中国の環境規制による原料高及び医薬事業の薬価改定の影響等により580億7千3百万円となり、前連結会計年度に比べ51億4百万円(8.1%)減少しました。
販売費及び一般管理費は405億8千7百万円となり、前連結会計年度に比べ26億5千万円(6.1%)減少しました。
連結営業利益は、医薬事業が前連結会計年度を上回ったものの、機能化学品事業とセイフティシステムズ事業が前連結会計年度を下回ったことにより174億8千5百万円となり、前連結会計年度に比べ24億5千4百万円(12.3%)減少しました。営業利益率は、前連結会計年度に比べ1.6ポイント低下し、10.0%となりました。
営業外損益は、前連結会計年度に比べ11億2千7百万円減少し、5億4千万円の利益となりました。主な営業外損益の減少は為替差損益8億3千5百万円であります。連結経常利益は、180億2千6百万円と前連結会計年度に比べ35億8千1百万円(16.6%)減少しました。
特別利益は、前連結会計年度に比べ7億8百万円増加し、10億6千9百万円となりました。 主な増加は投資有価証券売却益6億7千6百万円であります。特別損失は、前連結会計年度に比べ2億6千8百万円増加し、9億5千4百万円となりました。 主な増加は減損損失2億7千3百万円であります。税金等調整前当期純利益は、181億4千1百万円と前連結会計年度と比べ31億4千2百万円(14.8%)減少しました。
法人税等は、前連結会計年度に比べ3億4千万円減少し、52億6千2百万円となりました。法人税等の負担率は、前連結会計年度の26.32%から29.01%に増加しました。
非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ7億6千6百万円減少し、6千3百万円となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は128億1千5百万円となり、前連結会計年度と比べ20億3千5百万円(13.7%)減少しました。 当社の業績と比べると、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は当社の1.20倍となりました。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①機能化学品事業
売上高は715億4千万円となり、前連結会計年度に比べ18億5千1百万円(2.7%)増加しました。
機能性材料事業は、高速通信(5G)デバイスやIoTの普及、自動車の高度電装化により半導体封止用エポキシ樹脂が好調に推移し、その他の製品が前連結会計年度を下回ったものの、機能性材料事業全体では前連結会計年度を上回りました。
色素材料事業は、コンシューマ用インクジェットプリンタ用色素が前連結会計年度を下回ったものの、デジタル印刷の伸展により産業用インクジェットプリンタ用色素が大きく伸長し、前連結会計年度を上回りました。
触媒事業は国内、輸出ともに好調に推移し前連結会計年度を上回りました。
ポラテクノグループは、X線分析装置用部材が好調に推移したものの、染料系偏光フィルムが低調に推移したことにより、ポラテクノグループ全体では前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益は色素材料事業の中国市場の低迷及びポラテクノグループの売上高の減少により、62億2百万円となり、前連結会計年度に比べ15億2千5百万円(19.7%)減少しました。
②医薬事業
売上高は477億7千4百万円となり、前連結会計年度に比べ15億4千3百万円(3.3%)増加しました。
国内向け製剤は、消費税増税に伴う薬価改定の影響を受けたものの、バイオシミラー、ジェネリック医薬品への切り替えが進み、特に抗体バイオシミラーの「トラスツズマブBS」、「インフリキシマブBS」が伸長し、前連結会計年度を上回りました。
国内向け原薬、受託事業は前連結会計年度を下回ったものの、輸出と診断薬は前連結会計年度を上回りました。
セグメント利益は、薬価改定の影響を受けたものの、バイオシミラー等の伸長により41億3千5百万円となり、前連結会計年度に比べ7千4百万円(1.8%)増加しました。
③セイフティシステムズ事業
売上高は469億9千万円となり、前連結会計年度に比べ2億2千8百万円(0.5%)減少しました。
国内事業は、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータが前連結会計年度を下回ったものの、エアバッグ用インフレータが堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。
海外事業は、自動車市場の低迷を受け、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、スクイブともに前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益は海外事業の売上高の減少により、61億9千1百万円となり、前連結会計年度に比べ8億9千9百万円(12.7%)減少しました。
④その他
売上高は88億1千7百万円となり、前連結会計年度に比べ6億8千2百万円(7.2%)減少しました。
アグロ事業は国内、輸出ともに前連結会計年度を下回りました。
不動産事業他は、前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益は15億4千3百万円となり、前連結会計年度に比べ4千5百万円(2.9%)減少しました。
(生産、受注及び販売の状況)
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
機能化学品事業54,33298.4
医薬事業39,243115.8
セイフティシステムズ事業46,13591.0
その他5,773102.9
合計145,484100.0

(注)1 生産金額は販売価格をもって算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額に消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)では、受注生産によらず見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
機能化学品事業71,540102.7
医薬事業47,774103.3
セイフティシステムズ事業46,99099.5
その他8,81792.8
合計175,123101.4

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額に消費税等は含まれておりません。
(中期事業計画の成果)
3ヵ年中期事業計画 KAYAKU Next Stage の初年度は、売上高は過去最高の1,751億円となったものの、営業利益は174億円と当初計画に対し未達となりました。一方、145億円の設備投資、110億円の研究開発投資を実施するとともに、株式会社ポラテクノの完全子会社化、液晶・半導体用クリーナー事業の買収等の施策を実施いたしました。
2年目である次連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、世界的な経済活動の抑制による需要の減速が2020年4月から6月を底に徐々に回復に向かうと想定しております。当社は機能化学品事業、医薬事業、セイフティシステムズ事業、アグロ事業と幅広い領域で事業を展開しており、新型コロナウイルス感染症の流行拡大による影響は事業領域によって異なります。当社製品の需要も、経済活動の抑制及び回復のサイクルの中で、特に機能化学品事業、セイフティシステムズ事業は影響を受けることが考えられます。このような中、当社グループは、「新しい生活様式」を実践しながら、コストの削減を進め、事業を支える経営基盤を強固にし、事業環境の変化に適合しつつ、持続的な企業価値の向上に取り組んでまいります。今後とも、外部環境の変化へ対応しながら、将来の成長のための投資を積極的に推進し、持続的に成長してまいります。
3ヵ年中期事業計画 KAYAKU Next Stage の成果は以下のとおりであります。
(単位:億円)
当連結会計年度
(1年目)
次々連結会計年度
(3年目)
計画実績計画比計画(%)計画実績
連結売上高1,8601,751△10994.12,100-
連結営業利益180174△697.2225-

(2) 財政状態
総資産は2,784億9千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ150億7千4百万円減少しました。主な減少は有価証券66億4千1百万円、原材料及び貯蔵品56億9千1百万円、投資有価証券47億6千4百万円であり、主な増加は商品及び製品37億3千5百万円であります。
負債は684億7千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ39億4千8百万円増加しました。主な増加は社債120億円であり、主な減少は長期借入金25億9千6百万円、繰延税金負債24億8千8百万円であります。
純資産は2,100億1千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ190億2千3百万円減少しました。主な減少は非支配株主持分123億2千7百万円、為替換算調整勘定52億1千7百万円、その他有価証券評価差額金35億1千8百万円であり、主な増加は自己株式26億1千9百万円であります。
セグメントの財政状態は次のとおりであります。
①機能化学品事業
セグメント資産は、棚卸資産の増加により1,023億3千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億7千9百万円増加しました。
②医薬事業
セグメント資産は、棚卸資産の減少により517億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ49億1千1百万円減少しました。
③セイフティシステムズ事業
セグメント資産は、現金及び預金の減少により632億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億5千3百万円減少しました。
④その他
セグメント資産は、有価証券の減少により194億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億4千1百万円減少しました。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、272億8千1百万円の収入(前連結会計年度は268億3百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額が61億4千万円、投資有価証券売却益が6億7千6百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が181億4千1百万円、減価償却費が123億8千4百万円あったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、175億4千3百万円の支出(前連結会計年度は176億9千4百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が152億7千6百万円、無形固定資産の取得による支出が8億1千3百万円あったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、138億9千4百万円の支出(前連結会計年度は64億3千7百万円の支出)となりました。これは主に社債の発行による収入が120億円あったものの、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が138億8百万円、配当金の支払額が51億8千1百万円、長期借入金の返済による支出が43億1千5百万円、自己株式の取得による支出が29億8千7百万円あったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ60億3千4百万円減少し、466億6千3百万円となりました。
(資本の財源および資金の流動性)
当社グループの財務戦略は、経営目標・事業戦略に基づいて策定しています。昨今の米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症の世界的拡大にみられる市況・事業環境の変化にも対応可能なよう、事業が将来にわたり持続的に成長できる強い財務基盤を構築しております。資本コストを考慮しながら投資に必要な資金調達を行い、安定的な自己資本比率となる最適な財政状態を常に意識した財務活動を行います。事業ビジョンを実現するため、市場ニーズを的確にとらえ、経営資本を投入する事業・製品領域を明確化し、グローバルな成長市場で既存ビジネスの拡大と新事業・新製品の展開を加速させ、企業価値の向上を図ってまいります。また、CSR経営の観点から特定した重要課題(マテリアリティ)のもと、持続可能な開発目標(SDGs)を意識した運営を行い、全てのステークホルダーの満足を高め信頼される会社を目指します。
なお、今後の資本的支出の内容は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却の計画」に記載のとおりであります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。課税所得は、中期事業計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報と整合的に修正し、見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。将来キャッシュ・フローは、中期事業計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

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