四半期報告書-第18期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当第1四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
[財政状態]
当第1四半期連結会計期間末の要約四半期連結財政状態計算書の概要及び前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
総資産は2兆4,818億円 (前連結会計年度末比1,494億円増) となりました。
非流動資産は1兆4,926億円 (同835億円増) となりました。有形固定資産は2,802億円 (同111億円増) となりました。のれんは3,343億円 (同312億円増) 、無形資産は6,398億円 (同164億円増) となりました。
流動資産は9,893億円 (同659億円増) となりました。現金及び現金同等物は3,130億円 (同30億円減) となりました。
資本合計は、1兆5,391億円 (同787億円増) となり、親会社所有者帰属持分比率は62.0%となりました。四半期利益248億円を計上した一方で、剰余金の配当457億円を実施しました。
負債合計は、9,428億円 (同707億円増) となりました。
非流動負債は、2,023億円 (同176億円増) となりました。その他の金融負債は1,116億円 (同157億円増) となりました。
流動負債は、7,405億円 (同531億円増) となりました。その他の金融負債は2,065億円 (同215億円増) となりました。そのうち、当第1四半期連結会計期間末の1年以内返済予定の長期借入金及び社債の残高は1,550億円 (同150億円増) となりました。
[経営成績]
<連結業績 (コアベース) >当第1四半期連結累計期間の連結業績 (コアベース) は下表のとおりです。売上収益は増加した一方、コア営業利益及びコア四半期利益は減少しました。
当社は、会社の経常的な収益性を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定める非経常的な項目を調整項目として除外したものです。調整項目には、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、会社が除外すべきと判断する項目が含まれます。また、基本的1株当たりコア四半期利益は、コア四半期利益をその期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。
売上収益
・前立腺がん治療剤XTANDI/イクスタンジ及び急性骨髄性白血病治療剤ゾスパタの売上が引き続き拡大しました。
・尿路上皮がん治療剤パドセブは米国と日本で大きく伸長したことに加え、欧州において発売国が増加したことで売上が拡大し、増収に寄与しました。
・加えて、過活動膀胱(OAB)治療剤ベタニス/ミラベトリック/ベットミガや免疫抑制剤プログラフの売上が拡大したほか、日本における骨粗鬆症治療剤イベニティの売上が伸長し、売上収益に貢献しました。
以上の結果、売上収益は、3,818億円 (前年同四半期連結累計期間比17.1%増) となりました。
コア営業利益/コア四半期利益
・売上総利益は、2,929億円 (同11.0%増) となりました。売上原価率は、グループ間取引における未実現利益消去に伴う為替の影響 (同123億円増) が主な要因となり、前年同四半期連結累計期間に比べ4.2ポイント増加し、23.3%となりました。
・販売費及び一般管理費は、1,534億円 (同11.9%増) となりました。製品ポートフォリオの変化に伴うグローバルでの要員最適化による費用の減少 (同約30億円減) 、成熟製品における費用の削減 (同約20億円減) があった一方で、為替の影響 (同167億円増) 、新製品の立ち上げ及び発売準備費用の増加 (同約20億円増) などにより、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、1,103億円 (同7.4%増) となりました。
・研究開発費は、740億円 (同26.9%増) となりました。為替の影響(同75億円増)に加え、通期予想に織り込み済みの一時的な費用を計上したことにより、総額として増加しました。
・無形資産償却費は、107億円 (同80.2%増) となりました。
以上の結果、コア営業利益は553億円 (同12.0%減) 、コア四半期利益は458億円 (同6.9%減) となりました。
<連結業績 (フルベース) >当第1四半期連結累計期間の連結業績 (フルベース) は下表のとおりです。売上収益は増加した一方、営業利益及び四半期利益は減少しました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」、「その他の費用」等が含まれます。当第1四半期連結累計期間における「その他の収益」は163億円 (前年同四半期連結累計期間:4億円) 、「その他の費用」は384億円 (同:271億円) となりました。
「その他の収益」として、為替差益を141億円 (同:3億円) 計上しました。「その他の費用」として、遺伝子治療プログラムAT702、AT751、AT753の研究開発中止に伴う無形資産の減損損失 (220億円) を計上したことに加え、fezolinetantの米国承認申請に伴い条件付対価に係る公正価値が増加したため、その増加分 (136億円) も計上しました。
〈主要製品の売上〉
(注) プログラフ:アドバグラフ、グラセプター、アスタグラフXLを含む
・販売している全ての地域で売上が増加しました。特に、米国において前年同四半期連結累計期間と比べて大きく伸長しました。また、欧州において、転移性ホルモン感受性前立腺がん (M1 HSPC) (2021年4月適応追加) での処方が拡大したことに加え、新たに保険償還が開始された国が増加し売上に貢献しました。
<パドセブ>・米国での共同販促収入が伸長しました。2021年11月に発売した日本においては、想定以上にマーケットシェアが拡大し、大きく売上が増加しました。2022年4月に承認を取得した欧州においても、発売国が増加し、想定を上回る立ち上がりを示しました。
<ゾスパタ>・中国では売上が減少しましたが、それ以外の全ての地域において売上が増加しました。
<エベレンゾ>・前連結会計年度に引き続き、日本においては市場での競合激化の影響を受け、欧州においては既存の標準治療薬との差別化が十分に浸透しておらず、売上は想定を下回りました。
<ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ>・日本では売上が減少しましたが、それ以外の全ての地域では売上が増加しました。
<プログラフ>・日本以外の地域で売上が伸長し、グローバルの売上は通期予想に沿って推移しました。
〈地域別売上収益の状況〉
地域別の売上収益は下表のとおりです。米国、エスタブリッシュドマーケット、グレーターチャイナ及びインターナショナルマーケットは増加した一方、日本は減少しました。
(注) エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ、オーストラリア
グレーターチャイナ:中国、香港、台湾
インターナショナルマーケット:ロシア、中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、韓国、輸出売上等
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
② キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、488億円 (前年同四半期連結累計期間比87億円増) となりました。
・法人所得税の支払額は327億円 (同224億円増) となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、△191億円 (同19億円支出減) となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、△466億円 (同19億円支出増) となりました。
・配当金の支払額は457億円 (同68億円増) となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、3,130億円 (前連結会計年度末比30億円減) となりました。
(2) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は740億円 (前年同四半期連結累計期間比26.9%増) となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
[財政状態]
当第1四半期連結会計期間末の要約四半期連結財政状態計算書の概要及び前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
総資産は2兆4,818億円 (前連結会計年度末比1,494億円増) となりました。
非流動資産は1兆4,926億円 (同835億円増) となりました。有形固定資産は2,802億円 (同111億円増) となりました。のれんは3,343億円 (同312億円増) 、無形資産は6,398億円 (同164億円増) となりました。
流動資産は9,893億円 (同659億円増) となりました。現金及び現金同等物は3,130億円 (同30億円減) となりました。
資本合計は、1兆5,391億円 (同787億円増) となり、親会社所有者帰属持分比率は62.0%となりました。四半期利益248億円を計上した一方で、剰余金の配当457億円を実施しました。
負債合計は、9,428億円 (同707億円増) となりました。
非流動負債は、2,023億円 (同176億円増) となりました。その他の金融負債は1,116億円 (同157億円増) となりました。
流動負債は、7,405億円 (同531億円増) となりました。その他の金融負債は2,065億円 (同215億円増) となりました。そのうち、当第1四半期連結会計期間末の1年以内返済予定の長期借入金及び社債の残高は1,550億円 (同150億円増) となりました。
[経営成績]
<連結業績 (コアベース) >当第1四半期連結累計期間の連結業績 (コアベース) は下表のとおりです。売上収益は増加した一方、コア営業利益及びコア四半期利益は減少しました。
[連結業績 (コアベース) ] | (単位:百万円) | ||
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減額 (増減率) | |
売上収益 | 326,143 | 381,791 | 55,647 (17.1%) |
売上原価 | 62,231 | 88,870 | 26,639 (42.8%) |
販売費及び一般管理費 | 137,109 | 153,396 | 16,287 (11.9%) |
研究開発費 | 58,313 | 74,007 | 15,695 (26.9%) |
無形資産償却費 | 5,963 | 10,745 | 4,782 (80.2%) |
持分法による投資損益 | 292 | 350 | 58 (19.8%) |
コア営業利益 | 62,820 | 55,292 | △7,527 (△12.0%) |
コア四半期利益 | 49,241 | 45,843 | △3,399 (△6.9%) |
基本的1株当たりコア四半期利益 (円) | 26.58 | 25.12 | △1.46 (△5.5%) |
当社は、会社の経常的な収益性を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定める非経常的な項目を調整項目として除外したものです。調整項目には、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、会社が除外すべきと判断する項目が含まれます。また、基本的1株当たりコア四半期利益は、コア四半期利益をその期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。
売上収益
・前立腺がん治療剤XTANDI/イクスタンジ及び急性骨髄性白血病治療剤ゾスパタの売上が引き続き拡大しました。
・尿路上皮がん治療剤パドセブは米国と日本で大きく伸長したことに加え、欧州において発売国が増加したことで売上が拡大し、増収に寄与しました。
・加えて、過活動膀胱(OAB)治療剤ベタニス/ミラベトリック/ベットミガや免疫抑制剤プログラフの売上が拡大したほか、日本における骨粗鬆症治療剤イベニティの売上が伸長し、売上収益に貢献しました。
以上の結果、売上収益は、3,818億円 (前年同四半期連結累計期間比17.1%増) となりました。
コア営業利益/コア四半期利益
・売上総利益は、2,929億円 (同11.0%増) となりました。売上原価率は、グループ間取引における未実現利益消去に伴う為替の影響 (同123億円増) が主な要因となり、前年同四半期連結累計期間に比べ4.2ポイント増加し、23.3%となりました。
・販売費及び一般管理費は、1,534億円 (同11.9%増) となりました。製品ポートフォリオの変化に伴うグローバルでの要員最適化による費用の減少 (同約30億円減) 、成熟製品における費用の削減 (同約20億円減) があった一方で、為替の影響 (同167億円増) 、新製品の立ち上げ及び発売準備費用の増加 (同約20億円増) などにより、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、1,103億円 (同7.4%増) となりました。
・研究開発費は、740億円 (同26.9%増) となりました。為替の影響(同75億円増)に加え、通期予想に織り込み済みの一時的な費用を計上したことにより、総額として増加しました。
・無形資産償却費は、107億円 (同80.2%増) となりました。
以上の結果、コア営業利益は553億円 (同12.0%減) 、コア四半期利益は458億円 (同6.9%減) となりました。
<連結業績 (フルベース) >当第1四半期連結累計期間の連結業績 (フルベース) は下表のとおりです。売上収益は増加した一方、営業利益及び四半期利益は減少しました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」、「その他の費用」等が含まれます。当第1四半期連結累計期間における「その他の収益」は163億円 (前年同四半期連結累計期間:4億円) 、「その他の費用」は384億円 (同:271億円) となりました。
「その他の収益」として、為替差益を141億円 (同:3億円) 計上しました。「その他の費用」として、遺伝子治療プログラムAT702、AT751、AT753の研究開発中止に伴う無形資産の減損損失 (220億円) を計上したことに加え、fezolinetantの米国承認申請に伴い条件付対価に係る公正価値が増加したため、その増加分 (136億円) も計上しました。
[連結業績 (フルベース) ] | (単位:百万円) | ||
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減額 (増減率) | |
売上収益 | 326,143 | 381,791 | 55,647 (17.1%) |
営業利益 | 36,090 | 33,147 | △2,943 (△8.2%) |
税引前四半期利益 | 35,830 | 31,679 | △4,152 (△11.6%) |
四半期利益 | 30,687 | 24,812 | △5,875 (△19.1%) |
基本的1株当たり四半期利益 (円) | 16.56 | 13.59 | △2.97 (△17.9%) |
四半期包括利益 | 36,206 | 134,396 | 98,190 (271.2%) |
〈主要製品の売上〉
(単位:億円) | |||
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | |
XTANDI/イクスタンジ | 1,329 | 1,624 | 22.2% |
パドセブ | 42 | 106 | 151.6% |
ゾスパタ | 83 | 105 | 26.3% |
エベレンゾ | 6 | 7 | 19.3% |
ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ | 440 | 479 | 9.0% |
プログラフ (注) | 452 | 518 | 14.6% |
(注) プログラフ:アドバグラフ、グラセプター、アスタグラフXLを含む
<パドセブ>・米国での共同販促収入が伸長しました。2021年11月に発売した日本においては、想定以上にマーケットシェアが拡大し、大きく売上が増加しました。2022年4月に承認を取得した欧州においても、発売国が増加し、想定を上回る立ち上がりを示しました。
<ゾスパタ>・中国では売上が減少しましたが、それ以外の全ての地域において売上が増加しました。
<エベレンゾ>・前連結会計年度に引き続き、日本においては市場での競合激化の影響を受け、欧州においては既存の標準治療薬との差別化が十分に浸透しておらず、売上は想定を下回りました。
<ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ>・日本では売上が減少しましたが、それ以外の全ての地域では売上が増加しました。
<プログラフ>・日本以外の地域で売上が伸長し、グローバルの売上は通期予想に沿って推移しました。
〈地域別売上収益の状況〉
地域別の売上収益は下表のとおりです。米国、エスタブリッシュドマーケット、グレーターチャイナ及びインターナショナルマーケットは増加した一方、日本は減少しました。
(単位:億円) | |||
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | |
日本 | 675 | 668 | △1.0% |
米国 | 1,336 | 1,609 | 20.4% |
エスタブリッシュドマーケット | 780 | 887 | 13.7% |
グレーターチャイナ | 164 | 232 | 41.0% |
インターナショナルマーケット | 278 | 318 | 14.5% |
(注) エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ、オーストラリア
グレーターチャイナ:中国、香港、台湾
インターナショナルマーケット:ロシア、中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、韓国、輸出売上等
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
② キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、488億円 (前年同四半期連結累計期間比87億円増) となりました。
・法人所得税の支払額は327億円 (同224億円増) となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、△191億円 (同19億円支出減) となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、△466億円 (同19億円支出増) となりました。
・配当金の支払額は457億円 (同68億円増) となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、3,130億円 (前連結会計年度末比30億円減) となりました。
(2) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は740億円 (前年同四半期連結累計期間比26.9%増) となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。