半期報告書-第20期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
[財政状態]
当中間連結会計期間末の要約中間連結財政状態計算書の概要及び前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
総資産は、3兆4,622億円 (前連結会計年度末比1,074億円減) となりました。
非流動資産は、2兆2,592億円 (同1,156億円減) となりました。有形固定資産は3,153億円 (同216億円増) となりました。のれんは3,994億円 (同193億円減) 、無形資産は1兆3,216億円 (同1,322億円減) となりました。
流動資産は、1兆2,030億円 (同83億円増) となりました。現金及び現金同等物は、2,930億円 (同427億円減) となりました。
資本合計は、1兆5,298億円 (同661億円減) となり、親会社所有者帰属持分比率は44.2%となりました。中間利益735億円を計上した一方で、剰余金の配当628億円を実施しました。
負債合計は、1兆9,324億円 (同412億円減) となりました。
非流動負債は、8,390億円 (同1,512億円増) となりました。社債及び借入金は6,202億円 (同1,725億円増) となりました。そのうち、社債は3,500億円 (同1,000億円増) 、長期借入金2,702億円 (同725億円増) となりました。
流動負債は、1兆934億円 (同1,924億円減) となりました。社債及び借入金は3,073億円 (同1,650億円減) となりました。そのうち、短期借入金は918億円 (同436億円減) 、コマーシャル・ペーパーは1,648億円 (同1,202億円減) となりました。
[経営成績]
<連結業績 (コアベース) >当中間連結会計期間の連結業績 (コアベース) は下表のとおりです。売上収益、コア営業利益、コア中間利益はいずれも増加しました。
当中間連結会計期間からコアベースの業績の定義を変更し、フルベースの業績から新たに無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益を、当社が定める特定の重要な調整項目として除外しています。新定義によるコアベースの業績は、当社の収益力を示す指標として、フルベースの業績から当社が定めた特定の重要な調整項目を除外したものです。調整項目には、無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、当社が除外すべきと判断する項目が含まれます。
売上収益
・前立腺がん治療剤XTANDIや尿路上皮がん治療剤PADCEV、急性骨髄性白血病治療剤XOSPATAの売上が拡大しました。また、前期に発売となった閉経に伴う血管運動神経症状治療剤VEOZAHと地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAYも売上収益の拡大に貢献しました。
・これらによって、米国における過活動膀胱治療剤ミラベトリックの後発品の影響による売上の減少を補いました。
以上の結果、売上収益は、9,356億円 (前中間連結会計期間比22.0%増) となりました。
コア営業利益/コア中間利益
・売上総利益は、7,618億円 (同22.1%増) となりました。
・販売費及び一般管理費は、4,064億円 (同17.0%増) となりました。成熟製品における費用の見直し (同約60億円減) や前連結会計年度に実施したグローバル組織改革 (同約50億円減) などの削減効果があった一方で、為替の影響 (同259億円増) や重点戦略製品 (主にIZERVAY) の販促費用の増加 (同約190億円増) により、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、2,804億円 (同10.2%増) となりました。
・研究開発費は、1,723億円 (同21.4%増) となりました。為替の影響 (同85億円増) に加え、Primary Focus (標的タンパク質分解誘導、がん免疫など) や研究開発の機能強化への投資を拡充 (同約130億円増) したことなどにより、総額として増加しました。また、当中間連結会計期間に発生した一過性の共同開発費用の支払いも増加要因となりました。
以上の結果、コア営業利益は1,831億円 (同36.2%増) 、コア中間利益は1,408億円 (同28.8%増) となりました。
<連結業績 (フルベース) >当中間連結会計期間の連結業績 (フルベース) は下表のとおりです。営業利益及び中間利益は増加しました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」、「その他の費用」等に加えて、当中間連結会計期間から新たにコアベースの業績から除外される「無形資産償却費」や「無形資産譲渡益」、「持分法による投資損益」も含まれます。
当中間連結会計期間における「無形資産償却費」は692億円 (前中間連結会計期間:337億円) 、「その他の収益」は45億円 (同:71億円) 、「その他の費用」は269億円 (同:617億円) となりました。
「その他の費用」として、主に外貨建貨幣性資産の評価において為替レートの変動に伴い発生した為替差損 (122億円) を計上しました。
〈主要製品の売上〉
(注) 1.VEOZAH:米国外ではVEOZAの製品名で承認取得
2.プログラフ:アドバグラフ、グラセプター、アスタグラフXLを含む
・特に米国が牽引し、グローバル売上は大きく拡大しました。
・米国において、生化学的再発のリスクが高いM0 CSPC (非転移性去勢感受性前立腺がん) (2023年11月追加適応) の浸透と他の適応症への波及効果に加えて、市場の拡大が売上伸長に貢献しました。
・米国とエスタブリッシュドマーケットを中心に、グローバル売上は大きく拡大しました。
・米国における局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象とした一次治療としてのペムブロリズマブ併用療法 (2023年12月追加適応) の浸透と、エスタブリッシュドマーケットにおける既存の適応症の処方拡大が大きく貢献しました。
・発売している米国において、想定を上回る新規患者シェアが売上伸長に大きく貢献しました。
・グローバル売上は着実に拡大しました。
・米国に加えて、2024年1月に発売したエスタブリッシュドマーケットも売上伸長に貢献しました。
・Claudin 18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌の治療剤として、2024年6月に発売した日本において、Claudin 18.2検査が想定を上回るスピードで市場に浸透し、売上は順調に拡大しました。
・全ての地域で売上が拡大しました。
・米国においてFLT3変異検査の浸透率が向上し、売上伸長に貢献しました。
<ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ>・主に米国における後発品参入の影響で、グローバル売上は減少しました。
<プログラフ>・地域ごとに増減はあったものの、ポジティブな為替の影響もあり、グローバル売上は増加しました。
〈地域別売上収益の状況〉
地域別の売上収益は下表のとおりです。日本は減少した一方で、その他の地域はいずれも増加しました。
(注) 当中間連結会計期間から、グレーターチャイナの名称をチャイナに変更しています。加えて、台湾のコマーシャル区分をチャイナからインターナショナルマーケットに変更し、前中間連結会計期間の金額は当該変更を反映しています。
エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ 等
チャイナ:中国、香港
インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、台湾、オーストラリア、輸出売上 等
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
② キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、774億円 (前中間連結会計期間比242億円増) となりました。法人所得税の支払額は、510億円 (同360億円増) となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、△557億円 (同7,317億円支出減) となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、△663億円 (前中間連結会計期間は6,702億円の収入) となりました。配当金の支払額は628億円 (同89億円増) となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、2,930億円 (前連結会計年度末比427億円減) となりました。
(2) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は1,723億円 (前中間連結会計期間比21.4%増) となりました。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
[財政状態]
当中間連結会計期間末の要約中間連結財政状態計算書の概要及び前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
総資産は、3兆4,622億円 (前連結会計年度末比1,074億円減) となりました。
非流動資産は、2兆2,592億円 (同1,156億円減) となりました。有形固定資産は3,153億円 (同216億円増) となりました。のれんは3,994億円 (同193億円減) 、無形資産は1兆3,216億円 (同1,322億円減) となりました。
流動資産は、1兆2,030億円 (同83億円増) となりました。現金及び現金同等物は、2,930億円 (同427億円減) となりました。
資本合計は、1兆5,298億円 (同661億円減) となり、親会社所有者帰属持分比率は44.2%となりました。中間利益735億円を計上した一方で、剰余金の配当628億円を実施しました。
負債合計は、1兆9,324億円 (同412億円減) となりました。
非流動負債は、8,390億円 (同1,512億円増) となりました。社債及び借入金は6,202億円 (同1,725億円増) となりました。そのうち、社債は3,500億円 (同1,000億円増) 、長期借入金2,702億円 (同725億円増) となりました。
流動負債は、1兆934億円 (同1,924億円減) となりました。社債及び借入金は3,073億円 (同1,650億円減) となりました。そのうち、短期借入金は918億円 (同436億円減) 、コマーシャル・ペーパーは1,648億円 (同1,202億円減) となりました。
[経営成績]
<連結業績 (コアベース) >当中間連結会計期間の連結業績 (コアベース) は下表のとおりです。売上収益、コア営業利益、コア中間利益はいずれも増加しました。
[連結業績 (コアベース) ] | (単位:百万円) | ||
前中間連結会計期間 | 当中間連結会計期間 | 増減額 (増減率) | |
売上収益 | 767,138 | 935,621 | 168,483 (22.0%) |
売上原価 | 143,359 | 173,825 | 30,467 (21.3%) |
販売費及び一般管理費 | 347,462 | 406,411 | 58,949 (17.0%) |
研究開発費 | 141,947 | 172,330 | 30,382 (21.4%) |
コア営業利益 | 134,370 | 183,054 | 48,684 (36.2%) |
コア中間利益 | 109,274 | 140,757 | 31,483 (28.8%) |
基本的1株当たりコア中間利益 (円) | 60.93 | 78.62 | 17.70 (29.0%) |
当中間連結会計期間からコアベースの業績の定義を変更し、フルベースの業績から新たに無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益を、当社が定める特定の重要な調整項目として除外しています。新定義によるコアベースの業績は、当社の収益力を示す指標として、フルベースの業績から当社が定めた特定の重要な調整項目を除外したものです。調整項目には、無形資産償却費、無形資産譲渡益、持分法による投資損益、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、当社が除外すべきと判断する項目が含まれます。
売上収益
・前立腺がん治療剤XTANDIや尿路上皮がん治療剤PADCEV、急性骨髄性白血病治療剤XOSPATAの売上が拡大しました。また、前期に発売となった閉経に伴う血管運動神経症状治療剤VEOZAHと地図状萎縮を伴う加齢黄斑変性治療剤IZERVAYも売上収益の拡大に貢献しました。
・これらによって、米国における過活動膀胱治療剤ミラベトリックの後発品の影響による売上の減少を補いました。
以上の結果、売上収益は、9,356億円 (前中間連結会計期間比22.0%増) となりました。
コア営業利益/コア中間利益
・売上総利益は、7,618億円 (同22.1%増) となりました。
・販売費及び一般管理費は、4,064億円 (同17.0%増) となりました。成熟製品における費用の見直し (同約60億円減) や前連結会計年度に実施したグローバル組織改革 (同約50億円減) などの削減効果があった一方で、為替の影響 (同259億円増) や重点戦略製品 (主にIZERVAY) の販促費用の増加 (同約190億円増) により、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、2,804億円 (同10.2%増) となりました。
・研究開発費は、1,723億円 (同21.4%増) となりました。為替の影響 (同85億円増) に加え、Primary Focus (標的タンパク質分解誘導、がん免疫など) や研究開発の機能強化への投資を拡充 (同約130億円増) したことなどにより、総額として増加しました。また、当中間連結会計期間に発生した一過性の共同開発費用の支払いも増加要因となりました。
以上の結果、コア営業利益は1,831億円 (同36.2%増) 、コア中間利益は1,408億円 (同28.8%増) となりました。
<連結業績 (フルベース) >当中間連結会計期間の連結業績 (フルベース) は下表のとおりです。営業利益及び中間利益は増加しました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」、「その他の費用」等に加えて、当中間連結会計期間から新たにコアベースの業績から除外される「無形資産償却費」や「無形資産譲渡益」、「持分法による投資損益」も含まれます。
当中間連結会計期間における「無形資産償却費」は692億円 (前中間連結会計期間:337億円) 、「その他の収益」は45億円 (同:71億円) 、「その他の費用」は269億円 (同:617億円) となりました。
「その他の費用」として、主に外貨建貨幣性資産の評価において為替レートの変動に伴い発生した為替差損 (122億円) を計上しました。
[連結業績 (フルベース) ] | (単位:百万円) | ||
前中間連結会計期間 | 当中間連結会計期間 | 増減額 (増減率) | |
売上収益 | 767,138 | 935,621 | 168,483 (22.0%) |
営業利益 | 55,156 | 93,710 | 38,554 (69.9%) |
税引前中間利益 | 56,318 | 89,042 | 32,724 (58.1%) |
中間利益 | 35,810 | 73,511 | 37,701 (105.3%) |
基本的1株当たり中間利益 (円) | 19.97 | 41.06 | 21.10 (105.7%) |
中間包括利益 | 192,674 | 1,393 | △191,281 (△99.3%) |
〈主要製品の売上〉
(単位:億円) | |||
前中間連結会計期間 | 当中間連結会計期間 | 増減率 | |
XTANDI | 3,609 | 4,517 | 25.1% |
PADCEV | 327 | 754 | 130.5% |
IZERVAY | 12 | 281 | - |
VEOZAH (注)1 | 13 | 148 | - |
VYLOY | - | 12 | - |
XOSPATA | 263 | 348 | 32.3% |
ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ | 958 | 775 | △19.1% |
プログラフ (注)2 | 1,000 | 1,039 | 3.9% |
(注) 1.VEOZAH:米国外ではVEOZAの製品名で承認取得
2.プログラフ:アドバグラフ、グラセプター、アスタグラフXLを含む
・米国において、生化学的再発のリスクが高いM0 CSPC (非転移性去勢感受性前立腺がん) (2023年11月追加適応) の浸透と他の適応症への波及効果に加えて、市場の拡大が売上伸長に貢献しました。
・米国における局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象とした一次治療としてのペムブロリズマブ併用療法 (2023年12月追加適応) の浸透と、エスタブリッシュドマーケットにおける既存の適応症の処方拡大が大きく貢献しました。
・米国に加えて、2024年1月に発売したエスタブリッシュドマーケットも売上伸長に貢献しました。
・米国においてFLT3変異検査の浸透率が向上し、売上伸長に貢献しました。
<ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ>・主に米国における後発品参入の影響で、グローバル売上は減少しました。
<プログラフ>・地域ごとに増減はあったものの、ポジティブな為替の影響もあり、グローバル売上は増加しました。
〈地域別売上収益の状況〉
地域別の売上収益は下表のとおりです。日本は減少した一方で、その他の地域はいずれも増加しました。
(単位:億円) | |||
前中間連結会計期間 | 当中間連結会計期間 | 増減率 | |
日本 | 1,376 | 1,335 | △3.0% |
米国 | 3,067 | 4,193 | 36.7% |
エスタブリッシュドマーケット | 1,991 | 2,400 | 20.5% |
チャイナ | 364 | 377 | 3.6% |
インターナショナルマーケット | 832 | 1,000 | 20.2% |
(注) 当中間連結会計期間から、グレーターチャイナの名称をチャイナに変更しています。加えて、台湾のコマーシャル区分をチャイナからインターナショナルマーケットに変更し、前中間連結会計期間の金額は当該変更を反映しています。
エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ 等
チャイナ:中国、香港
インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、台湾、オーストラリア、輸出売上 等
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
② キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、774億円 (前中間連結会計期間比242億円増) となりました。法人所得税の支払額は、510億円 (同360億円増) となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、△557億円 (同7,317億円支出減) となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、△663億円 (前中間連結会計期間は6,702億円の収入) となりました。配当金の支払額は628億円 (同89億円増) となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、2,930億円 (前連結会計年度末比427億円減) となりました。
(2) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は1,723億円 (前中間連結会計期間比21.4%増) となりました。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。