四半期報告書-第14期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/02/08 14:16
【資料】
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【項目】
14項目
(1)経営成績等の状況の概要
当第3四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
[財政状態]
総資産は1兆9,283億円(対前連結会計年度末比701億円増)となりました。
非流動資産は1兆381億円(同255億円増)となりました。のれんは2,266億円(同136億円増)、その他の無形資産は4,329億円(同160億円増)となりました。
流動資産は8,903億円(同466億円増)となりました。現金及び現金同等物は3,313億円(同4億円減)となりました。
資本合計は、1兆2,922億円(同239億円増)、親会社所有者帰属持分比率は67.0%となりました。四半期純利益1,915億円を計上した一方で、剰余金の配当721億円に加え、自己株式の取得1,004億円を実施しました。なお、2018年5月31日に自己株式の消却1,304億円(8,900万株)を実施しました。
負債の合計は、6,361億円(同462億円増)となりました。
非流動負債は1,396億円(同287億円減)、流動負債は4,965億円(同749億円増)となりました。
[経営成績]
<連結業績(コアベース)>当第3四半期連結累計期間の連結業績(コアベース)は下表のとおりです。売上高、コア営業利益、コア四半期純利益はいずれも増加しました。
[連結業績(コアベース)](単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減額
(増減率)
売上高999,4431,005,0285,585
(0.6%)
売上原価238,925227,711△11,214
(△4.7%)
販売費及び一般管理費350,015355,7845,769
(1.6%)
研究開発費161,623149,959△11,664
(△7.2%)
無形資産償却費26,99526,487△508
(△1.9%)
持分法による損益△1,427△1,103323
(-)
コア営業利益220,459243,98423,526
(10.7%)
コア四半期純利益167,877217,87750,000
(29.8%)
基本的1株当たり
コア四半期純利益(円)
82.22112.2029.98
(36.5%)

当社は、会社の経常的な収益性を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定める非経常的な項目を調整項目として除外したものです。調整項目には、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、会社が除外すべきと判断する項目が含まれます。
売上高
連結売上高は1兆50億円(対前年同四半期連結累計期間比0.6%増)となりました。
・前立腺がん治療剤XTANDI/イクスタンジのほか、ベシケアとベタニス/ミラベトリック/ベットミガを合わせた過活動膀胱(OAB)治療剤の売上が拡大しました。また、免疫抑制剤プログラフの売上は前年同四半期連結累計期間並みでした。
コア営業利益/コア四半期純利益
・売上総利益は7,773億円(同2.2%増)となりました。売上原価率は、製品構成の変化等により前年同四半期連結累計期間に比べ1.2ポイント低下し、22.7%となりました。
・販売費及び一般管理費は、引き続き、経費の効率的な使用やリソース配分の最適化を推進しましたが、XTANDIに係る米国での共同販促費用が増加した結果、3,558億円(同1.6%増)となりました。
・研究開発費は、重点後期開発品や新たな領域・技術への投資拡充に伴う費用が増加した一方、2018年3月までにアジェンシス Inc. の研究活動を終了したことなどから、1,500億円(同7.2%減)となりました。売上高研究開発費比率は、前年同四半期連結累計期間に比べ1.3ポイント減少し、14.9%となりました。
・無形資産償却費は、265億円(同1.9%減)となりました。
以上の結果、コア営業利益は2,440億円(同10.7%増)となりました。また、一時的な要因で法人税等の負担率が低下したことから、コア四半期純利益は2,179億円(同29.8%増)となりました。
<連結業績(フルベース)>当第3四半期連結累計期間の連結業績(フルベース)は下表のとおりです。売上高、営業利益、税引前四半期利益、四半期純利益はいずれも増加しました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」、「その他の費用」(減損損失、為替差損等)等が含まれます。
「その他の収益」として、アジェンシス Inc. 保有資産の譲渡に伴う有形固定資産売却益に加え、ポテンザ社の買収に伴い、買収前から保有していた同社株式を再評価した結果、評価益を計上しました。また、「その他の費用」として、国内事業再編等に伴うリストラクチャリング費用のほか、訴訟関係費用、開発プロジェクトの中止及び西根工場の事業譲渡に伴う減損損失等を計上しました。
これらの結果、「その他の収益」は131億円(前年同四半期連結累計期間:104億円)、「その他の費用」は478億円(前年同四半期連結累計期間:512億円)となりました。
[連結業績(フルベース)](単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減額
(増減率)
売上高999,4431,005,0285,585
(0.6%)
営業利益179,751209,37129,619
(16.5%)
税引前四半期利益184,605212,82828,223
(15.3%)
四半期純利益142,614191,53548,921
(34.3%)
基本的1株当たり
四半期純利益(円)
69.8498.6328.79
(41.2%)
四半期包括利益237,115196,167△40,948
(△17.3%)

〈主要製品の売上高〉
(単位:億円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減率
XTANDI/イクスタンジ2,1992,53415.2%
泌尿器OAB製品1,7161,8437.4%
ベシケア785744△5.2%
ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ9311,09918.0%
プログラフ(注)1,5021,500△0.1%

(注)プログラフ:アドバグラフ、グラセプター、アスタグラフXLを含む
◇XTANDI/イクスタンジ
・売上高は2,534億円(対前年同四半期連結累計期間比15.2%増)となりました。日本、米州、EMEA(欧州、中東及びアフリカ)及びアジア・オセアニアの全ての地域で売上が拡大しました。
◇泌尿器OAB製品
・ベタニス/ミラベトリック/ベットミガの売上高は1,099億円(同18.0%増)となりました。日本、米州、EMEA及びアジア・オセアニアの全ての地域で売上が増加しました。また、ベシケアの売上高は744億円(同5.2%減)となりました。
◇プログラフ
・売上高は1,500億円(同0.1%減)となりました。主に、アジア・オセアニアで伸長した一方で、日本の売上が減少しました。
◇その他の新製品・主要製品の状況
・日本では、2型糖尿病治療剤スーグラが2018年5月に発売したスージャヌ配合錠と合わせて売上が増加しました。このほか、新製品である高コレステロール血症治療剤レパーサ、慢性便秘症治療剤リンゼスなどが引き続き伸長しました。
・米州では、アゾール系抗真菌剤クレセンバの売上が拡大しました。
・2018年12月に日本と米国において、再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病治療薬としてFLT3阻害剤ゾスパタを発売しました。
〈地域別売上高の状況〉
地域別の売上高は下表のとおりです。日本は減少、米州、EMEA、アジア・オセアニアは増加しました。
このうち日本は、2018年4月に実施された薬価改定の影響に加え、高血圧治療剤ミカルディス等の長期収載品が後発医薬品の影響を受けたことなどにより減収となりました。
(単位:億円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減率
日本3,3733,127△7.3%
米州3,2683,5207.7%
EMEA2,6002,6180.7%
アジア・オセアニア7537854.3%

※地域別売上高については売上元会社の所在地に基づき集計しています。
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
②キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、2,037億円(対前年同四半期連結累計期間比117億円減)となりました。
・法人所得税の支払額が551億円となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、△285億円(同654億円支出減)となりました。
・有形固定資産や無形資産の取得による支出に加え、ポテンザ社買収に伴う子会社株式の取得による支出等があった一方で、アジェンシス Inc. 保有資産の譲渡等に伴い、有形固定資産の売却による収入等がありました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,733億円(同302億円支出増)となりました。
・配当金の支払額は721億円(同4億円増)となりました。また、自己株式の取得による支出1,004億円(同297億円増)等がありました。
以上の結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、3,313億円(対前連結会計年度末比4億円減)となりました。
(2)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は1,500億円(対前年同四半期連結累計期間比7.2%減)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。