四半期報告書-第19期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当第1四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
[財政状態]
当第1四半期連結会計期間末の要約四半期連結財政状態計算書の概要及び前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
総資産は2兆7,980億円 (前連結会計年度末比3,414億円増) となりました。
非流動資産は1兆4,805億円 (同739億円増) となりました。有形固定資産は2,908億円 (同43億円増) となりました。のれんは3,557億円 (同273億円増) 、無形資産は5,904億円 (同279億円増) となりました。
流動資産は1兆3,175億円 (同2,675億円増) となりました。現金及び現金同等物は5,615億円 (同1,846億円増) となりました。
資本合計は、1兆5,784億円 (同705億円増) となり、親会社所有者帰属持分比率は56.4%となりました。四半期利益331億円を計上した一方で、剰余金の配当539億円を実施しました。
負債の合計は、1兆2,195億円 (同2,710億円増) となりました。
非流動負債は、2,280億円 (同55億円増) となりました。その他の金融負債は929億円 (同29億円増) となりました。
流動負債は、9,915億円 (同2,655億円増) となりました。Iveric Bio社の買収資金に充当するため資金調達を行い、コマーシャル・ペーパーの残高は3,090億円 (同2,340億円増) となりました。その他の流動負債は4,102億円 (同275億円増) となりました。
[経営成績]
<連結業績 (コアベース) >当第1四半期連結累計期間の連結業績 (コアベース) は下表のとおりです。売上収益は減少した一方、コア営業利益及びコア四半期利益は増加しました。
当社は、会社の経常的な収益性を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定める非経常的な項目を調整項目として除外したものです。調整項目には、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、会社が除外すべきと判断する項目が含まれます。また、基本的1株当たりコア四半期利益は、コア四半期利益をその期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。
売上収益
・主要製品の前立腺がん治療剤XTANDI/イクスタンジ、尿路上皮がん治療剤パドセブ、急性骨髄性白血病治療剤ゾスパタの売上が拡大しました。
・一方で、米国にて発売している心機能検査補助剤レキスキャンの売上が後発品の影響で大きく減少し、減収要因となりました。
以上の結果、売上収益は、3,750億円 (前年同四半期連結累計期間比1.8%減) となりました。
コア営業利益/コア四半期利益
・売上総利益は、3,060億円 (同4.5%増) となりました。前年同四半期連結累計期間において、未実現利益消去に係る為替の影響 (128億円) を計上していたことで、売上原価率は前年同四半期連結累計期間に比べ4.9ポイント低下し、18.4%となりました。
・販売費及び一般管理費は、1,682億円 (同9.6%増) となりました。成熟製品における費用の削減 (同約10億円減) を進めた一方で、主に閉経に伴う血管運動神経症状治療剤VEOZAHに関連する費用の増加 (同約50億円増) や為替の影響 (同80億円増) により、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、1,236億円 (同12.1%増) となりました。
・研究開発費は、646億円 (同12.7%減) となりました。前年同四半期連結累計期間にVEOZAHの優先審査を目的にPriority Review Voucherを使用したことに伴う費用 (131億円) を計上していたことで、前年同四半期連結累計期間と比べ総額として減少しました。
・無形資産償却費は、91億円 (同15.6%減) となりました。
以上の結果、コア営業利益は649億円 (同17.4%増) 、コア四半期利益は518億円 (同13.0%増) となりました。
<連結業績 (フルベース) >当第1四半期連結累計期間の連結業績 (フルベース) は下表のとおりです。売上収益は減少した一方、営業利益及び四半期利益は増加しました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」、「その他の費用」等が含まれます。当第1四半期連結累計期間における「その他の収益」は39億円 (前年同四半期連結累計期間:163億円) 、「その他の費用」は231億円 (同:384億円) となりました。
「その他の費用」として、主に為替レートの変動による抗Claudin18.2モノクローナル抗体ゾルべツキシマブの条件付対価に係る公正価値の増加 (76億円) や、メッペル工場の事業譲渡合意に伴う減損損失 (73億円) を計上しました。
〈主要製品の売上〉
(注) プログラフ:アドバグラフ、グラセプター、アスタグラフXLを含む
・インターナショナルマーケットを除く全ての地域で売上が拡大しました。
・欧州において、M1 CSPC (転移性去勢感受性前立腺がん) での処方が引き続き拡大し、売上に貢献しました。
<パドセブ>・発売している全ての地域で売上が増加しました。
・米国において、2023年4月に承認された「局所進行性または転移性尿路上皮がんを対象とした一次治療としてのペムブロリズマブ併用療法」が想定を上回るスピードで市場に浸透し、売上に貢献しました。
<ゾスパタ>・全ての地域で売上が拡大しました。
・閉経に伴う中等度から重度の血管運動神経症状の治療剤として、2023年5月に米国で発売されました。
<ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ>・地域ごとに増減はあったものの、グローバルの売上は拡大しました。
<プログラフ>・グローバルの売上は通期予想に沿って推移したものの、前年同四半期連結累計期間と比べて売上が減少しました。
(注) インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、
オーストラリア、輸出売上 等
〈地域別売上収益の状況〉
地域別の売上収益は下表のとおりです。日本、エスタブリッシュドマーケット及びインターナショナルマーケットは増加した一方、米国及びグレーターチャイナは減少しました。
(注) 1.前第3四半期連結会計期間から、オーストラリアのコマーシャル区分をエスタブリッシュドマーケットからインターナショナルマーケットに変更しています。なお、前第1四半期連結累計期間の金額は当該変更を反映しています。
2.当第1四半期連結会計期間から、インターナショナルマーケットに含まれていた一部の国のコマーシャル区分をエスタブリッシュドマーケットに変更しています。なお、前第1四半期連結累計期間の金額は当該変更を反映しています。
エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ 等
グレーターチャイナ:中国、香港、台湾
インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、オーストラリア、輸出売上 等
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
② キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、122億円 (前年同四半期連結累計期間比366億円減) となりました。法人所得税の支払額は68億円 (同259億円減) となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、△123億円 (同68億円支出減) となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、1,650億円 (前年同四半期連結累計期間は466億円の支出) となりました。Iveric Bio社の買収に必要な資金を調達したことに伴い、コマーシャル・ペーパーの増加が2,340億円ありました。配当金の支払額は539億円 (同82億円増) となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、5,615億円 (前連結会計年度末比1,846億円増) となりました。
(2) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は646億円 (前年同四半期連結累計期間比12.7%減) となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
[財政状態]
当第1四半期連結会計期間末の要約四半期連結財政状態計算書の概要及び前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
総資産は2兆7,980億円 (前連結会計年度末比3,414億円増) となりました。
非流動資産は1兆4,805億円 (同739億円増) となりました。有形固定資産は2,908億円 (同43億円増) となりました。のれんは3,557億円 (同273億円増) 、無形資産は5,904億円 (同279億円増) となりました。
流動資産は1兆3,175億円 (同2,675億円増) となりました。現金及び現金同等物は5,615億円 (同1,846億円増) となりました。
資本合計は、1兆5,784億円 (同705億円増) となり、親会社所有者帰属持分比率は56.4%となりました。四半期利益331億円を計上した一方で、剰余金の配当539億円を実施しました。
負債の合計は、1兆2,195億円 (同2,710億円増) となりました。
非流動負債は、2,280億円 (同55億円増) となりました。その他の金融負債は929億円 (同29億円増) となりました。
流動負債は、9,915億円 (同2,655億円増) となりました。Iveric Bio社の買収資金に充当するため資金調達を行い、コマーシャル・ペーパーの残高は3,090億円 (同2,340億円増) となりました。その他の流動負債は4,102億円 (同275億円増) となりました。
[経営成績]
<連結業績 (コアベース) >当第1四半期連結累計期間の連結業績 (コアベース) は下表のとおりです。売上収益は減少した一方、コア営業利益及びコア四半期利益は増加しました。
[連結業績 (コアベース) ] | (単位:百万円) | ||
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減額 (増減率) | |
売上収益 | 381,791 | 374,990 | △6,800 (△1.8%) |
売上原価 | 88,870 | 68,947 | △19,923 (△22.4%) |
販売費及び一般管理費 | 153,396 | 168,182 | 14,787 (9.6%) |
研究開発費 | 74,007 | 64,592 | △9,415 (△12.7%) |
無形資産償却費 | 10,745 | 9,068 | △1,677 (△15.6%) |
持分法による投資損益 | 350 | 686 | 336 (96.2%) |
コア営業利益 | 55,292 | 64,940 | 9,648 (17.4%) |
コア四半期利益 | 45,843 | 51,815 | 5,972 (13.0%) |
基本的1株当たりコア四半期利益 (円) | 25.12 | 28.88 | 3.76 (15.0%) |
当社は、会社の経常的な収益性を示す指標としてコアベースの業績を開示しています。当該コアベースの業績は、フルベースの業績から当社が定める非経常的な項目を調整項目として除外したものです。調整項目には、減損損失、有形固定資産売却損益、リストラクチャリング費用、災害による損失、訴訟等による多額の賠償又は和解費用等のほか、会社が除外すべきと判断する項目が含まれます。また、基本的1株当たりコア四半期利益は、コア四半期利益をその期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。
売上収益
・主要製品の前立腺がん治療剤XTANDI/イクスタンジ、尿路上皮がん治療剤パドセブ、急性骨髄性白血病治療剤ゾスパタの売上が拡大しました。
・一方で、米国にて発売している心機能検査補助剤レキスキャンの売上が後発品の影響で大きく減少し、減収要因となりました。
以上の結果、売上収益は、3,750億円 (前年同四半期連結累計期間比1.8%減) となりました。
コア営業利益/コア四半期利益
・売上総利益は、3,060億円 (同4.5%増) となりました。前年同四半期連結累計期間において、未実現利益消去に係る為替の影響 (128億円) を計上していたことで、売上原価率は前年同四半期連結累計期間に比べ4.9ポイント低下し、18.4%となりました。
・販売費及び一般管理費は、1,682億円 (同9.6%増) となりました。成熟製品における費用の削減 (同約10億円減) を進めた一方で、主に閉経に伴う血管運動神経症状治療剤VEOZAHに関連する費用の増加 (同約50億円増) や為替の影響 (同80億円増) により、総額として増加しました。なお、XTANDIの米国での共同販促費用を除いた販売費及び一般管理費は、1,236億円 (同12.1%増) となりました。
・研究開発費は、646億円 (同12.7%減) となりました。前年同四半期連結累計期間にVEOZAHの優先審査を目的にPriority Review Voucherを使用したことに伴う費用 (131億円) を計上していたことで、前年同四半期連結累計期間と比べ総額として減少しました。
・無形資産償却費は、91億円 (同15.6%減) となりました。
以上の結果、コア営業利益は649億円 (同17.4%増) 、コア四半期利益は518億円 (同13.0%増) となりました。
<連結業績 (フルベース) >当第1四半期連結累計期間の連結業績 (フルベース) は下表のとおりです。売上収益は減少した一方、営業利益及び四半期利益は増加しました。
フルベースの業績には、コアベースの業績で除外される「その他の収益」、「その他の費用」等が含まれます。当第1四半期連結累計期間における「その他の収益」は39億円 (前年同四半期連結累計期間:163億円) 、「その他の費用」は231億円 (同:384億円) となりました。
「その他の費用」として、主に為替レートの変動による抗Claudin18.2モノクローナル抗体ゾルべツキシマブの条件付対価に係る公正価値の増加 (76億円) や、メッペル工場の事業譲渡合意に伴う減損損失 (73億円) を計上しました。
[連結業績 (フルベース) ] | (単位:百万円) | ||
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減額 (増減率) | |
売上収益 | 381,791 | 374,990 | △6,800 (△1.8%) |
営業利益 | 33,147 | 45,794 | 12,647 (38.2%) |
税引前四半期利益 | 31,679 | 46,850 | 15,171 (47.9%) |
四半期利益 | 24,812 | 33,129 | 8,317 (33.5%) |
基本的1株当たり四半期利益 (円) | 13.59 | 18.46 | 4.87 (35.8%) |
四半期包括利益 | 134,396 | 134,507 | 111 (0.1%) |
〈主要製品の売上〉
(単位:億円) | |||
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | |
XTANDI/イクスタンジ | 1,624 | 1,741 | 7.2% |
パドセブ | 106 | 152 | 44.2% |
ゾスパタ | 105 | 130 | 24.2% |
VEOZAH | - | 6 | - |
ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ | 479 | 492 | 2.7% |
プログラフ (注) | 518 | 491 | △5.3% |
(注) プログラフ:アドバグラフ、グラセプター、アスタグラフXLを含む
・欧州において、M1 CSPC (転移性去勢感受性前立腺がん) での処方が引き続き拡大し、売上に貢献しました。
<パドセブ>・発売している全ての地域で売上が増加しました。
・米国において、2023年4月に承認された「局所進行性または転移性尿路上皮がんを対象とした一次治療としてのペムブロリズマブ併用療法」が想定を上回るスピードで市場に浸透し、売上に貢献しました。
<ゾスパタ>・全ての地域で売上が拡大しました。
<ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ>・地域ごとに増減はあったものの、グローバルの売上は拡大しました。
<プログラフ>・グローバルの売上は通期予想に沿って推移したものの、前年同四半期連結累計期間と比べて売上が減少しました。
(注) インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、
オーストラリア、輸出売上 等
〈地域別売上収益の状況〉
地域別の売上収益は下表のとおりです。日本、エスタブリッシュドマーケット及びインターナショナルマーケットは増加した一方、米国及びグレーターチャイナは減少しました。
(単位:億円) | |||
前第1四半期 連結累計期間 | 当第1四半期 連結累計期間 | 増減率 | |
日本 | 668 | 683 | 2.2% |
米国 | 1,609 | 1,500 | △6.8% |
エスタブリッシュドマーケット | 866 | 968 | 11.8% |
グレーターチャイナ | 232 | 225 | △2.7% |
インターナショナルマーケット | 339 | 347 | 2.4% |
(注) 1.前第3四半期連結会計期間から、オーストラリアのコマーシャル区分をエスタブリッシュドマーケットからインターナショナルマーケットに変更しています。なお、前第1四半期連結累計期間の金額は当該変更を反映しています。
2.当第1四半期連結会計期間から、インターナショナルマーケットに含まれていた一部の国のコマーシャル区分をエスタブリッシュドマーケットに変更しています。なお、前第1四半期連結累計期間の金額は当該変更を反映しています。
エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ 等
グレーターチャイナ:中国、香港、台湾
インターナショナルマーケット:中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、ロシア、韓国、オーストラリア、輸出売上 等
[セグメント情報]
当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しています。
② キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、122億円 (前年同四半期連結累計期間比366億円減) となりました。法人所得税の支払額は68億円 (同259億円減) となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、△123億円 (同68億円支出減) となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、1,650億円 (前年同四半期連結累計期間は466億円の支出) となりました。Iveric Bio社の買収に必要な資金を調達したことに伴い、コマーシャル・ペーパーの増加が2,340億円ありました。配当金の支払額は539億円 (同82億円増) となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、5,615億円 (前連結会計年度末比1,846億円増) となりました。
(2) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は646億円 (前年同四半期連結累計期間比12.7%減) となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。