四半期報告書-第124期第1四半期(2023/01/01-2023/03/31)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 財政状態および経営成績の状況
(注) 1 コア営業利益は、営業利益から構造改革に伴う費用・減損損失等、非経常的な要因により発生した損益(非経常項目)を除いて算出しています。
2 EBITDAは、コア営業利益に、減価償却費(使用権資産の減価償却費を除く)を加算しています。
3 売上高における実質増減率は、為替影響、当第1四半期連結累計期間・前第1四半期連結累計期間におけるすべての事業譲渡影響および譲渡に係る移行期間中のサービス提供に関わる影響(以下「事業譲渡影響」という。)を除いて計算しています。
当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年3月31日)は、ウクライナ情勢の長期化や物価上昇等に伴う先行き不透明感が継続した一方で、全体としてウィズコロナへの移行と経済活動の正常化が進み、個人消費にも持ち直しの動きが見られました。
国内化粧品市場は、生活費の高騰に伴う節約志向が高まる一方で、外出機会の増加、マスク着用を個人の判断に委ねることを含む新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の変更等を受け、着実に回復しました。海外化粧品市場は、中国ではゼロコロナ政策解除後の感染再拡大等の影響を受け、厳しい市場環境となりましたが、1月を底に2月以降回復基調に転じました。欧米においては、消費の回復が継続し、化粧品市場も全カテゴリーで力強く成長しました。
当社グループは、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、環境問題やダイバーシティ&インクルージョンの実現といった社会課題の解決に向けたイノベーションに積極的に取り組み、2030年のビジョン「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を目指しています。
当社は2021年にコロナ禍の難局に対応する中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」を策定し、スキンビューティー領域への注力や事業ポートフォリオの再構築、欧米事業を中心とした収益性改善など、より収益性とキャッシュ・フローを重視した経営を目指した抜本的な改革を進めてきました。
そして、本格的な市場回復が期待される2023年度より、新たな中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」をスタートさせました。ブランド、イノベーション、人財という重点領域への投資強化やコスト構造転換による収益性改善を通じ、2025年までにコア営業利益率12%、2027年までに15%の達成を目指します。高い品質・安全性を有するブランド、イノベーション、サービスといった当社の無形資産をより先鋭化し、他に類を見ないユニークな価値を提供する付加価値型経営モデルを確立します。新中期経営戦略の1年目となる当連結会計年度は、各地域でシェア拡大・市場伸長を上回る売上成長を実現すべく、戦略的マーケティング投資によるブランド力の強化に取り組んでいます。
当第1四半期連結累計期間の売上高は前年比2.6%増の2,400億円、現地通貨ベースでは前年比3.6%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは6.6%増となりました。実質ベースの売上高は、特に1月に感染者数再拡大の影響を受けた中国事業、流通在庫調整の影響を受けたトラベルリテール事業では前年を下回りました。一方、市場の回復を捉えた新製品の展開強化等によって日本事業は着実な成長を果たしたほか、米州事業、欧州事業、アジアパシフィック事業においても、力強い成長を実現しました。
コア営業利益は、増収および機動的なコストマネジメントの継続等により、前年に対し82億円増益の125億円となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、非経常項目においてパーソナルケア製品の生産事業譲渡の契約締結に伴う減損損失および構造改革費用を計上した一方で、コア営業利益が増加したことなどから、前年に対し43億円増益の87億円となりました。
なお、EBITDAマージンは、10.4%となりました。
当第1四半期連結累計期間における連結財務諸表項目(収益および費用)の主な為替換算レートは、1ドル=132.4円、1ユーロ=142.0円、1中国元=19.3円です。
各報告セグメントの経営成績は次のとおりです。なお、報告セグメントの区分方法の変更については「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記」の「5. 事業セグメント」をご参照ください。
(単位:百万円)
(注) 1 当第1四半期連結累計期間より、当社グループ内の業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「プロフェッショナル事業」に計上していた業績を「その他」に計上しています。なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しています。
2 当第1四半期連結累計期間より、グループ内部取引をより適切に管理するため、米州事業の「セグメント間の内部売上高又は振替高」の一部を純額表示から総額表示に変更して集計しています。なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の集計方法により作成したものを記載しています。
3 売上高における実質増減率は、為替影響および事業譲渡影響を除いて計算しています。
4 「その他」は、本社機能部門、㈱イプサ、生産事業および飲食業等を含んでいます。
5 コア営業利益又は損失における売上比は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高に対する比率です。
6 コア営業利益又は損失の調整額は、主にセグメント間の取引消去の金額です。
① 日本事業
日本事業では、外出機会の増加・マスク着用の緩和に伴う需要回復に合わせ、スキンケアだけでなくメイクアップカテゴリーでも革新的な新製品を展開しました。それらが奏功し、「クレ・ド・ポー ボーテ」や「SHISEIDO」では愛用者数の着実な増加と共に力強い成長を実現しました。また、「エリクシール」では昨年9月の化粧水・乳液の大型リニューアルに続いて、当年2月にブライトニングシリーズも刷新し、好調に推移しています。加えて、昨年導入した新会員サービス「Beauty Key」の会員数およびダウンロード数は、得意先との協働により着実に増加しており、CRM強化も継続的に進めました。
以上のことから、売上高は617億円となりました。前年比は8.0%増、事業譲渡影響を除く実質ベースでは8.4%増となりました。コア営業損失は15億円、売上増による差益増や費用効率化などにより、前年に対し26億円改善しました。
② 中国事業
中国事業では、大型プロモーションを中心とした成長から、より消費者のニーズを踏まえたブランド・商品の価値伝達による持続的成長への転換を進めています。ゼロコロナ政策解除後の新型コロナウイルス感染者数再拡大等の影響を受け、1月は厳しい市場環境となりましたが、その後、2-3月には市場回復を捉えたマーケティング活動を展開し、「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」等が力強い成長を実現、第1四半期のオフライン売上は6四半期ぶりに成長に転じました。一方、婦人節が市場全体として縮小したことなどから、Eコマース売上は、前年を下回りました。
以上のことから、売上高は532億円となりました。前年比は2.6%増、現地通貨ベースでは前年比3.9%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比2.9%減となりました。コア営業損失は21億円、売上減による差益減の一方でコストマネジメントの推進等により、前年に対し7億円改善しました。
③ アジアパシフィック事業
アジアパシフィック事業の国・地域では、台湾では市場回復に遅れが見られた一方で、韓国や東南アジア等が力強く成長しました。その中で、昨年から好調に推移している「NARS」や限定品を発売した「アネッサ」が力強く伸長し、成長をけん引しました。
以上のことから、売上高は154億円となりました。前年比は0.2%減、現地通貨ベースでは前年比8.0%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比15.7%増となりました。コア営業利益は4億円、売上増に伴う差益増の一方、マーケティング投資等の増加により、前年に対し9億円の減益となりました。
④ 米州事業
米州事業では、戦略的マーケティング活動や革新的な新商品の展開を通じて、市場の継続的な拡大を確実に捉えました。SNSマーケティングを強化した「Drunk Elephant」が前年比2倍超の成長を実現したほか、「NARS」も力強く成長し、全体でシェアを拡大しました。
以上のことから、売上高は260億円となりました。前年比は3.2%増、現地通貨ベースでは前年比8.9%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比29.9%増となりました。コア営業利益は15億円、売上増に伴う差益増などにより、前年に対し4億円の増益となりました。
⑤ 欧州事業
欧州事業では、市場伸長を捉えたプロモーション、デジタルマーケティングの強化により、スキンケア機能を搭載した「NARS ライトリフレクティングファンデーション」や先進ヒアルロン酸研究技術を搭載した美容液「SHISEIDOビオパフォーマンス スキンフィラー」等が成長をけん引しました。加えて、「Drunk Elephant」の店舗数拡大も着実に進め、売上を拡大しました。
以上のことから、売上高は278億円となりました。前年比は2.5%減、現地通貨ベースでは前年比10.5%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比22.1%増となりました。コア営業利益は26億円、売上増に伴う差益増等により、前年に対し6億円の増益となりました。
⑥ トラベルリテール事業
トラベルリテール事業(空港・市中免税店などでの化粧品・フレグランスの販売)では、新型コロナウイルス感染症による影響の緩和に伴う旅行客数の増加により、欧州や日本で力強い成長を実現しました。一方アジアについては、店頭でのブランド・顧客体験強化等を通じ、お客さま購買ベースでは成長を継続したものの、韓国を中心とした流通在庫調整の影響が大きく、出荷ベースでは前年を下回りました。
以上のことから、売上高は386億円となりました。前年比は3.8%増、現地通貨ベースでは前年比8.3%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比3.7%減となりました。コア営業利益は75億円、売上減に伴う差益減などにより、前年に対し6億円の減益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、当連結会計年度期首残高1,190億円に比べ198億円減少し、993億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債務の減少(116億円)、固定資産処分損益(19億円)などがあった一方、減価償却費及び償却費(180億円)などの非資金費用により、前年同期に比べ377億円増加の29億円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出(77億円)、有形固定資産の取得による支出(47億円)、定期預金の預入による支出(36億円)などがあった一方、関連会社株式の売却による収入(85億円)、有形固定資産及び無形資産の売却による収入(58億円)、定期預金の払戻による収入(21億円)などにより、前年同期に比べ103億円支出は減少し、11億円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金およびコマーシャル・ペーパーの増加(199億円)があった一方、配当金の支払(289億円)、リース負債の返済による支出(69億円)などにより、前年同期に比べ310億円支出は増加し、159億円の支出となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題
有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、62億円(売上高比2.6%)です。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
(7) 生産、受注および販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注および販売の実績について著しい変動はありません。
(8) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の重要な異動または前連結会計年度末において計画中であったものに著しい変更はありません。
(9) 経営成績に重要な影響を与える要因および経営戦略の現状と見通し
有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。
(10) 資本の財源および資金の流動性についての分析
① 資金調達と流動性マネジメント
資金調達と流動性マネジメントの基本方針は、有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から変更ありません。当第1四半期連結会計期間末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は引き続き高いと考えています。
② 格付け
ムーディーズ・ジャパン株式会社より取得している2023年4月30日現在の発行体格付けはA3(見通し:安定的)となっています。
③ 資産及び負債・純資産
総資産は、配当金の支払いなどによる現金及び現金同等物の減少、営業債権及びその他の債権の減少、未収消費税の還付によるその他の流動資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ419億円減の1兆2,657億円となりました。負債は、短期借入金が増加した一方で、営業債務及びその他の債務の減少などにより243億円減の6,576億円となりました。資本は、配当金の支払いによる利益剰余金の減少などにより176億円減の6,081億円となりました。
また、親会社の所有者に帰属する持分に対する現預金を除いた有利子負債(リース負債除く)の割合を示すネットデット・エクイティ・レシオは0.12倍となりました。
(1) 財政状態および経営成績の状況
売上高 (百万円) | コア営業利益 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 税引前 四半期利益 (百万円) | 親会社の 所有者に 帰属する 四半期利益 (百万円) | EBITDA (百万円) | |
2023年12月期第1四半期 | 240,009 | 12,532 | 10,525 | 10,319 | 8,680 | 24,859 |
2022年12月期第1四半期 | 234,023 | 4,378 | 4,376 | 8,155 | 4,399 | 17,109 |
増減率 | 2.6% | 186.3% | 140.5% | 26.5% | 97.3% | 45.3% |
外貨増減率 | △3.6% |
実質増減率 | 6.6% |
(注) 1 コア営業利益は、営業利益から構造改革に伴う費用・減損損失等、非経常的な要因により発生した損益(非経常項目)を除いて算出しています。
2 EBITDAは、コア営業利益に、減価償却費(使用権資産の減価償却費を除く)を加算しています。
3 売上高における実質増減率は、為替影響、当第1四半期連結累計期間・前第1四半期連結累計期間におけるすべての事業譲渡影響および譲渡に係る移行期間中のサービス提供に関わる影響(以下「事業譲渡影響」という。)を除いて計算しています。
当第1四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年3月31日)は、ウクライナ情勢の長期化や物価上昇等に伴う先行き不透明感が継続した一方で、全体としてウィズコロナへの移行と経済活動の正常化が進み、個人消費にも持ち直しの動きが見られました。
国内化粧品市場は、生活費の高騰に伴う節約志向が高まる一方で、外出機会の増加、マスク着用を個人の判断に委ねることを含む新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針の変更等を受け、着実に回復しました。海外化粧品市場は、中国ではゼロコロナ政策解除後の感染再拡大等の影響を受け、厳しい市場環境となりましたが、1月を底に2月以降回復基調に転じました。欧米においては、消費の回復が継続し、化粧品市場も全カテゴリーで力強く成長しました。
当社グループは、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」のもと、環境問題やダイバーシティ&インクルージョンの実現といった社会課題の解決に向けたイノベーションに積極的に取り組み、2030年のビジョン「美の力を通じて“人々が幸福を実感できる”サステナブルな社会の実現」を目指しています。
当社は2021年にコロナ禍の難局に対応する中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」を策定し、スキンビューティー領域への注力や事業ポートフォリオの再構築、欧米事業を中心とした収益性改善など、より収益性とキャッシュ・フローを重視した経営を目指した抜本的な改革を進めてきました。
そして、本格的な市場回復が期待される2023年度より、新たな中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」をスタートさせました。ブランド、イノベーション、人財という重点領域への投資強化やコスト構造転換による収益性改善を通じ、2025年までにコア営業利益率12%、2027年までに15%の達成を目指します。高い品質・安全性を有するブランド、イノベーション、サービスといった当社の無形資産をより先鋭化し、他に類を見ないユニークな価値を提供する付加価値型経営モデルを確立します。新中期経営戦略の1年目となる当連結会計年度は、各地域でシェア拡大・市場伸長を上回る売上成長を実現すべく、戦略的マーケティング投資によるブランド力の強化に取り組んでいます。
当第1四半期連結累計期間の売上高は前年比2.6%増の2,400億円、現地通貨ベースでは前年比3.6%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは6.6%増となりました。実質ベースの売上高は、特に1月に感染者数再拡大の影響を受けた中国事業、流通在庫調整の影響を受けたトラベルリテール事業では前年を下回りました。一方、市場の回復を捉えた新製品の展開強化等によって日本事業は着実な成長を果たしたほか、米州事業、欧州事業、アジアパシフィック事業においても、力強い成長を実現しました。
コア営業利益は、増収および機動的なコストマネジメントの継続等により、前年に対し82億円増益の125億円となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は、非経常項目においてパーソナルケア製品の生産事業譲渡の契約締結に伴う減損損失および構造改革費用を計上した一方で、コア営業利益が増加したことなどから、前年に対し43億円増益の87億円となりました。
なお、EBITDAマージンは、10.4%となりました。
当第1四半期連結累計期間における連結財務諸表項目(収益および費用)の主な為替換算レートは、1ドル=132.4円、1ユーロ=142.0円、1中国元=19.3円です。
各報告セグメントの経営成績は次のとおりです。なお、報告セグメントの区分方法の変更については「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記」の「5. 事業セグメント」をご参照ください。
(単位:百万円)
区 分 | 当第1四半期 | 構成比 | 前第1四半期 | 構成比 | 増 減 | 増減率 | 外貨 増減率 | 実質 増減率 | |
売 上 高 | 日本事業 | 61,676 | 25.7% | 57,109 | 24.4% | 4,566 | 8.0% | 8.0% | 8.4% |
中国事業 | 53,244 | 22.2% | 51,910 | 22.2% | 1,334 | 2.6% | △3.9% | △2.9% | |
アジアパシフィック事業 | 15,386 | 6.4% | 15,409 | 6.6% | △23 | △0.2% | △8.0% | 15.7% | |
米州事業 | 25,991 | 10.8% | 25,188 | 10.7% | 803 | 3.2% | △8.9% | 29.9% | |
欧州事業 | 27,763 | 11.6% | 28,485 | 12.2% | △722 | △2.5% | △10.5% | 22.1% | |
トラベルリテール事業 | 38,590 | 16.1% | 37,195 | 15.9% | 1,394 | 3.8% | △8.3% | △3.7% | |
その他 | 17,355 | 7.2% | 18,723 | 8.0% | △1,367 | △7.3% | △7.8% | △1.3% | |
合 計 | 240,009 | 100.0% | 234,023 | 100.0% | 5,985 | 2.6% | △3.6% | 6.6% |
区 分 | 当第1四半期 | 売上比 | 前第1四半期 | 売上比 | 増 減 | 増減率 | セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高 | |||
当第1四半期 | 前第1四半期 | |||||||||
コア営業利益又は損失 | 日本事業 | △1,481 | △2.3% | △4,106 | △7.0% | 2,625 | ― | 63,111 | 58,944 | |
中国事業 | △2,141 | △4.0% | △2,828 | △5.4% | 687 | ― | 53,918 | 52,027 | ||
アジアパシフィック事業 | 366 | 2.3% | 1,237 | 7.1% | △870 | △70.4% | 16,140 | 17,456 | ||
米州事業 | 1,491 | 5.5% | 1,095 | 4.2% | 396 | 36.2% | 27,132 | 26,293 | ||
欧州事業 | 2,581 | 8.8% | 1,952 | 6.2% | 628 | 32.2% | 29,272 | 31,671 | ||
トラベルリテール事業 | 7,492 | 19.4% | 8,118 | 21.8% | △625 | △7.7% | 38,674 | 37,235 | ||
その他 | 3,424 | 4.3% | △1,842 | △2.5% | 5,266 | ― | 79,238 | 74,944 | ||
小 計 | 11,733 | 3.8% | 3,625 | 1.2% | 8,107 | 223.7% | 307,489 | 298,573 | ||
調整額 | 799 | ― | 752 | ― | 46 | ― | △67,480 | △64,550 | ||
合 計 | 12,532 | 5.2% | 4,378 | 1.9% | 8,154 | 186.3% | 240,009 | 234,023 |
(注) 1 当第1四半期連結累計期間より、当社グループ内の業績管理区分の一部見直しに伴い、従来「プロフェッショナル事業」に計上していた業績を「その他」に計上しています。なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の区分方法により作成したものを記載しています。
2 当第1四半期連結累計期間より、グループ内部取引をより適切に管理するため、米州事業の「セグメント間の内部売上高又は振替高」の一部を純額表示から総額表示に変更して集計しています。なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の集計方法により作成したものを記載しています。
3 売上高における実質増減率は、為替影響および事業譲渡影響を除いて計算しています。
4 「その他」は、本社機能部門、㈱イプサ、生産事業および飲食業等を含んでいます。
5 コア営業利益又は損失における売上比は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高に対する比率です。
6 コア営業利益又は損失の調整額は、主にセグメント間の取引消去の金額です。
① 日本事業
日本事業では、外出機会の増加・マスク着用の緩和に伴う需要回復に合わせ、スキンケアだけでなくメイクアップカテゴリーでも革新的な新製品を展開しました。それらが奏功し、「クレ・ド・ポー ボーテ」や「SHISEIDO」では愛用者数の着実な増加と共に力強い成長を実現しました。また、「エリクシール」では昨年9月の化粧水・乳液の大型リニューアルに続いて、当年2月にブライトニングシリーズも刷新し、好調に推移しています。加えて、昨年導入した新会員サービス「Beauty Key」の会員数およびダウンロード数は、得意先との協働により着実に増加しており、CRM強化も継続的に進めました。
以上のことから、売上高は617億円となりました。前年比は8.0%増、事業譲渡影響を除く実質ベースでは8.4%増となりました。コア営業損失は15億円、売上増による差益増や費用効率化などにより、前年に対し26億円改善しました。
② 中国事業
中国事業では、大型プロモーションを中心とした成長から、より消費者のニーズを踏まえたブランド・商品の価値伝達による持続的成長への転換を進めています。ゼロコロナ政策解除後の新型コロナウイルス感染者数再拡大等の影響を受け、1月は厳しい市場環境となりましたが、その後、2-3月には市場回復を捉えたマーケティング活動を展開し、「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」等が力強い成長を実現、第1四半期のオフライン売上は6四半期ぶりに成長に転じました。一方、婦人節が市場全体として縮小したことなどから、Eコマース売上は、前年を下回りました。
以上のことから、売上高は532億円となりました。前年比は2.6%増、現地通貨ベースでは前年比3.9%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比2.9%減となりました。コア営業損失は21億円、売上減による差益減の一方でコストマネジメントの推進等により、前年に対し7億円改善しました。
③ アジアパシフィック事業
アジアパシフィック事業の国・地域では、台湾では市場回復に遅れが見られた一方で、韓国や東南アジア等が力強く成長しました。その中で、昨年から好調に推移している「NARS」や限定品を発売した「アネッサ」が力強く伸長し、成長をけん引しました。
以上のことから、売上高は154億円となりました。前年比は0.2%減、現地通貨ベースでは前年比8.0%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比15.7%増となりました。コア営業利益は4億円、売上増に伴う差益増の一方、マーケティング投資等の増加により、前年に対し9億円の減益となりました。
④ 米州事業
米州事業では、戦略的マーケティング活動や革新的な新商品の展開を通じて、市場の継続的な拡大を確実に捉えました。SNSマーケティングを強化した「Drunk Elephant」が前年比2倍超の成長を実現したほか、「NARS」も力強く成長し、全体でシェアを拡大しました。
以上のことから、売上高は260億円となりました。前年比は3.2%増、現地通貨ベースでは前年比8.9%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比29.9%増となりました。コア営業利益は15億円、売上増に伴う差益増などにより、前年に対し4億円の増益となりました。
⑤ 欧州事業
欧州事業では、市場伸長を捉えたプロモーション、デジタルマーケティングの強化により、スキンケア機能を搭載した「NARS ライトリフレクティングファンデーション」や先進ヒアルロン酸研究技術を搭載した美容液「SHISEIDOビオパフォーマンス スキンフィラー」等が成長をけん引しました。加えて、「Drunk Elephant」の店舗数拡大も着実に進め、売上を拡大しました。
以上のことから、売上高は278億円となりました。前年比は2.5%減、現地通貨ベースでは前年比10.5%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比22.1%増となりました。コア営業利益は26億円、売上増に伴う差益増等により、前年に対し6億円の増益となりました。
⑥ トラベルリテール事業
トラベルリテール事業(空港・市中免税店などでの化粧品・フレグランスの販売)では、新型コロナウイルス感染症による影響の緩和に伴う旅行客数の増加により、欧州や日本で力強い成長を実現しました。一方アジアについては、店頭でのブランド・顧客体験強化等を通じ、お客さま購買ベースでは成長を継続したものの、韓国を中心とした流通在庫調整の影響が大きく、出荷ベースでは前年を下回りました。
以上のことから、売上高は386億円となりました。前年比は3.8%増、現地通貨ベースでは前年比8.3%減、為替影響および事業譲渡影響を除く実質ベースでは前年比3.7%減となりました。コア営業利益は75億円、売上減に伴う差益減などにより、前年に対し6億円の減益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、当連結会計年度期首残高1,190億円に比べ198億円減少し、993億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債務の減少(116億円)、固定資産処分損益(19億円)などがあった一方、減価償却費及び償却費(180億円)などの非資金費用により、前年同期に比べ377億円増加の29億円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出(77億円)、有形固定資産の取得による支出(47億円)、定期預金の預入による支出(36億円)などがあった一方、関連会社株式の売却による収入(85億円)、有形固定資産及び無形資産の売却による収入(58億円)、定期預金の払戻による収入(21億円)などにより、前年同期に比べ103億円支出は減少し、11億円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金およびコマーシャル・ペーパーの増加(199億円)があった一方、配当金の支払(289億円)、リース負債の返済による支出(69億円)などにより、前年同期に比べ310億円支出は増加し、159億円の支出となりました。
(3) 経営方針・経営戦略等
有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題
有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、62億円(売上高比2.6%)です。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、従業員数に著しい増減はありません。
(7) 生産、受注および販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、生産、受注および販売の実績について著しい変動はありません。
(8) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の重要な異動または前連結会計年度末において計画中であったものに著しい変更はありません。
(9) 経営成績に重要な影響を与える要因および経営戦略の現状と見通し
有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から重要な変更または新たな発生はありません。
(10) 資本の財源および資金の流動性についての分析
① 資金調達と流動性マネジメント
資金調達と流動性マネジメントの基本方針は、有価証券報告書(2023年3月24日提出)の記載から変更ありません。当第1四半期連結会計期間末現在において、当社グループの流動性は十分な水準にあり、資金調達手段は分散されていることから、財務の柔軟性は引き続き高いと考えています。
② 格付け
ムーディーズ・ジャパン株式会社より取得している2023年4月30日現在の発行体格付けはA3(見通し:安定的)となっています。
③ 資産及び負債・純資産
総資産は、配当金の支払いなどによる現金及び現金同等物の減少、営業債権及びその他の債権の減少、未収消費税の還付によるその他の流動資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ419億円減の1兆2,657億円となりました。負債は、短期借入金が増加した一方で、営業債務及びその他の債務の減少などにより243億円減の6,576億円となりました。資本は、配当金の支払いによる利益剰余金の減少などにより176億円減の6,081億円となりました。
また、親会社の所有者に帰属する持分に対する現預金を除いた有利子負債(リース負債除く)の割合を示すネットデット・エクイティ・レシオは0.12倍となりました。