有価証券報告書-第80期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/08 10:17
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連結財務諸表規則等の改正(2009年12月11日 内閣府令第73号)に伴い、IFRSによる連結財務諸表の作成が認められることとなったため、第73期(自 2010年4月1日 至 2011年3月31日)よりIFRSに準拠した連結財務諸表を開示しております。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a. 財政状態
当連結会計年度末では、総資産は前連結会計年度末に比べて89億39百万円減少し、6,506億45百万円となりました。
非流動資産は、401億92百万円増加し、2,044億55百万円となりました。これは主として、のれんが173億2百万円、無形資産が104億51百万円、長期金融資産が82億38百万円増加したことによるものであります。なお、長期金融資産の増加は主にその他の短期金融資産の返済期日延長によるものであります。
流動資産は、491億31百万円減少し、4,461億90百万円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が510億16百万円、その他の短期金融資産が128億33百万円減少したことによるものであります。
資本合計は、152億72百万円増加し、5,306億77百万円となりました。これは主として、利益剰余金が234億51百万円増加したことによるものであります。
親会社の所有者に帰属する持分合計は153億6百万円増加し、5,261億93百万円となりました。
負債は、242億11百万円減少し、1,199億67百万円となりました。これは主に短期有利子負債が350億12百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は80.9%となり、前連結会計年度末の77.5%から3.4ポイント上昇しました。
b. 経営成績
当連結会計年度における世界経済は、米国の景気は着実に回復が続き、欧州の景気も緩やかに拡大し、中国では景気が安定的に推移するなど、全体として堅調に推移しております。日本経済についても、緩やかな回復が続いております。
そのような環境のもと、当社グループ(以下、「当社」)のライフケア事業については、ヘルスケア関連製品のメガネレンズ、コンタクトレンズともに増収、メディカル関連製品においても、眼内レンズ等において増収となり、ライフケア全体で、前連結会計年度と比べて増収となりました。
情報・通信事業においては、エレクトロニクス関連製品の半導体用マスクブランクス、液晶用フォトマスク及びハードディスク用ガラスサブストレートにおいて増収、映像関連製品も増収となり、情報・通信事業全体で、前連結会計年度と比べて増収となりました。
この結果、当連結会計年度の売上収益は5,356億12百万円と、前連結会計年度に比べて11.8%の増収となりました。
税引前当期利益は1,242億48百万円、前連結会計年度に比べて12.1%の増益となりました。
売上収益税引前当期利益率は23.2%となり、前連結会計年度並みとなりました。
当期利益は992億22百万円となり、前連結会計年度に比べて14.2%の増益となりました。
また、基本的1株当たり利益は258.46円となり、前連結会計年度に比べて36.53円増加いたしました。
資産合計親会社所有者帰属持分当期利益率(ROA)は15.2%と前連結会計年度に比べて1.8ポイント上がり、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は19.2%と前連結会計年度に比べて1.9ポイント上がりました。
なお、当連結会計年度、前連結会計年度ともに非継続事業はありませんので、表示の数値及び増減率はすべて継続事業によるもののみであります。
なお、IFRSに準拠した連結財務諸表は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載しております。
当社グループの継続事業セグメントごとの業績は次のとおりであります。(各セグメントの売上収益は、外部顧客に対するものであります。)
(ライフケア事業)
<ヘルスケア関連製品>メガネレンズについては、日本では、小売市場の縮小傾向が継続しておりますが、シェアの拡大により前年並みの売上を維持しました。海外市場においては、アジアの市場成長をしっかりと取り込んだことに加え、米州においては、既存事業の堅調な伸長に加え、3M社の度付き保護メガネレンズ事業及びPerformance Optics, LLCを買収した効果により大きく伸長し、全体でも前連結会計年度と比べて増収となりました。
コンタクトレンズにつきましては、専門小売店「アイシティ」の新規出店、既存店の強化による新規顧客の拡大を行ったことで、前連結会計年度と比べて増収となりました。
<メディカル関連製品>医療用内視鏡については、アジアを中心に海外市場における販売力の強化により、全体の売上は前連結会計年度と比べて増収となりました。
白内障用眼内レンズは、日本市場において2015年に発売した新製品の販売が、引き続き好調に推移しております。また、海外においても、直販及び代理店向けの販売がともに堅調に伸長しており、前連結会計年度と比べて増収となりました。
この結果、当セグメント(ライフケア事業)の売上収益は3,528億72百万円と、前連結会計年度に比べて12.2%の増収となりました。また、セグメント利益は、買収により獲得した無形資産の償却や固定資産の減損等により、564億48百万円となりましたが、前連結会計年度に比べて3.2%の増益を維持しました。
(情報・通信事業)
<エレクトロニクス関連製品>最終製品であるパソコンやタブレット市場の飽和状態が続き、スマートフォン市場は成長が鈍化しています。当社の半導体用マスクブランクスは、先端品における活発な研究開発需要を取り込んだことで、売上は前連結会計年度と比べて増収となりました。
液晶用フォトマスクについては、上期において熊本地震による当社生産能力減少の影響が残ったものの、下期は当社生産能力の回復が進んだこと、海外パネルメーカーによる研究開発需要の回復が進んだことで、売上は前連結会計年度と比べて増収となりました。
ハードディスク用ガラスサブストレートについては、NAND(Not AND)型フラッシュメモリの供給量不足によるHDD(Hard Disk Drive)総需要の改善に加え、当社の市場シェアが拡大したことで、売上は前連結会計年度と比べて増収となりました。
<映像関連製品>主要な最終製品であるデジタルカメラ市場の縮小が一段落していることに加え、監視カメラや車載カメラなど新しい用途向け製品の販売拡大が貢献し、全体で増収となりました。
この結果、当セグメント(情報・通信事業)の売上収益は1,784億80百万円と、前連結会計年度に比べて11.1%の増収となりました。また、セグメント利益は699億82百万円と、前連結会計年度に比べて28.4%の増益となりました。
(その他)
その他事業は主に、情報システムサービスを提供する事業及び新規事業等であります。
当セグメント(その他)の売上収益は42億60百万円と前連結会計年度に比べて10.2%の増収となりました。セグメント利益は8億64百万円と、前連結会計年度に比べて4.2%の減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、為替変動による影響額△6億49百万円を含め、前連結会計年度末に比べ510億16百万円減少し、2,458億35百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は1,354億99百万円(前連結会計年度比278億37百万円収入増)となりました。これは、税引前当期利益1,242億48百万円(前連結会計年度比134億53百万円収入増)、減価償却費及び償却費287億11百万円(前連結会計年度比10億65百万円収入減)、棚卸資産の減少高17億63百万円(前連結会計年度比10億34百万円収入増)、売上債権及びその他の債権の増加額65億62百万円(前連結会計年度比10億35百万円収入減)、仕入債務及びその他の債務の増加額40億52百万円(前連結会計年度比49億12百万円支出減)、支払法人所得税264億25百万円(前連結会計年度比1億89百万円支出減)などで資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は、685億33百万円(前連結会計年度比410億26百万円支出増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出179億74百万円(前連結会計年度比35億54百万円支出減)、子会社の取得による支出540億18百万円(前連結会計年度比476億58百万円支出増)などで資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は、1,173億33百万円(前連結会計年度比530億44百万円支出増)となりました。これは、支払配当金290億42百万円(前連結会計年度比4億6百万円支出減)、社債の償還による支出350億21百万円(前連結会計年度比350億円支出増)自己株式の取得による支出550億34百万円(前連結会計年度比200億27百万円支出増)などによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、消費税及び地方消費税に係る会計処理方法につき税抜方式を採用しているため、以下の記載金額に消費税及び地方消費税は含みません。
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績を報告セグメント(継続事業)ごとに示すと、次のとおりであります。
報告セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
ライフケア238,070118.8%
情報・通信178,970111.6%
合計417,040115.6%

(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績
当社グループは、主として需要と現有設備を勘案した見込生産のため、記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を報告セグメント(継続事業)ごとに示すと、次のとおりであります。なお、セグメント間の取引については相殺消去しております。
報告セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
ライフケア352,872112.2%
情報・通信178,480111.1%
その他4,260110.1%
合計535,612111.8%

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針の要約」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。
a. 経営成績等の状況
当社グループでは、ポートフォリオ経営の考え方に基づき、光学製品で培った技術を軸として、ライフケア事業及び情報・通信事業をグローバルに展開しています。
当社グループは、世界的な高齢化の進展、新興国での経済成長による医療へのアクセス機会の改善により、市場の拡大が見込まれているライフケア事業を成長エリアとして捉え、経営資源を集中的に投入しています。
当事業においては事業体制の強化や、M&Aを通して新しい技術や顧客を獲得することにより、市場シェアを拡大させることで、各製品の成長を図っております。この方針のもと、当期において、米国のメガネレンズメーカーのM&Aを行い、当社が保有していなかった製品技術及び顧客網を獲得いたしました。また、眼内レンズ製品において、当社製品に対する旺盛な需要に応えるためにタイに工場を新設し、稼働を開始いたしました。
情報・通信事業においては高い市場シェアを持つ製品が多いものの、最終製品市場の成熟化が見込まれております。一方で成長分野もあり、ここに注力することで事業全体として、安定化を図ってまいります。
この方針のもと、当期において、データセンターのサーバーに使われるHDD用ガラスディスク基板の販売を開始いたしました。また、次世代の半導体製造技術であるEUV(Extreme Ultraviolet:極端紫外線)露光向けのマスクブランクス製品、監視カメラ向けのレンズ製品の売上収益を大きく伸ばすことができました。
以上の状況から当期において、全体として過去最高の売上収益を更新することができました。
今後、ライフケア事業での買収企業とのシナジーの早期実現、新工場の貢献などにより利益の伴った成長の実現、情報通信事業での成長分野への注力により当社グループ全体の成長を図ってまいります。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は23億53百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,458億35百万円となっております。
将来の成長のための内部留保については、成長分野における、シェア拡大、未開拓市場への参入、新技術の育成・獲得のための投資に資源を優先的に充当してまいります。既存事業の成長に加え、事業ポートフォリオのさらなる充実のためのM&Aも積極的に可能性を追求してまいります。一方、安定収益事業と位置付けております「情報・通信」分野においては、競争力の源泉となる技術力のさらなる強化のための設備投資並びに次世代技術・新製品の開発に向けた開発投資を継続してまいります。
当連結会計年度においては、米国のメガネレンズメーカーのM&A等を行った結果、子会社取得による支出は540億18百万円となりました。また、当連結会計年度における設備投資については、ライフケア事業で、主にメガネレンズにおいて、生産工場における能力増強と最適化を目的とした製造設備への投資を行いました。白内障用眼内レンズにおいて、当社製品の需要増加に対応するための生産能力増強を目的とした製造設備への投資を行いました。情報・通信事業においては、主に半導体、液晶関連製品における高付加価値品の製造設備への投資、映像関連製品における製造設備の最適化投資を行いました。この結果、当連結会計年度における有形固定資産の取得による支出は179億74百万円となりました。
これらの投資のための所要資金は、自己資金にて賄っております。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
差異の主な内容及び概算額は以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準においては、のれんを償却しますが、IFRSにおいては、のれんを償却しないため、日本基準に比べ償却費が26億52百万円減少しており、減損損失が26億95百万円増加しております。

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