四半期報告書-第96期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績の状況
当期の連結業績につきましては、連結売上収益は3兆4,498億円(前年同期は4兆4,760億円)、連結事業利益は△331億円(前年同期は△2,793億円)、加えて、事業再編損の計上、繰延税金資産の一部取崩し等により、親会社の所有者に帰属する四半期利益は△1,238億円(前年同期は△3,573億円)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。当社グループは、製鉄事業を中核として、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4つのセグメントで事業を推進しており、製鉄セグメントが連結売上収益の約9割を占めています。各セグメントとも、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な景気の減速により、業績に影響が出ております。
(単位:億円)
<製鉄>鉄鋼需要については、当上半期は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な景気の減速の影響を受け、国内外ともに急激に減少しましたが、当下半期は自動車をはじめとした製造業向けを中心に回復基調にあります。このような事業環境のなか、当第3四半期の業績は、鉄鋼需要の変化に迅速かつ適切に対応した生産、変動費の改善と固定費の圧縮等を進めてきたことに加え、当下半期は鉄鋼需要の回復が見られるものの、当上半期を中心とした鉄鋼需要の減少に伴う生産・出荷数量の減少やグループ会社の収益悪化、在庫評価差等により、減損等前事業利益は前年同期に比べて減少しました。一方で、前年同期に減損損失等を計上していた影響により、事業利益は増加しました。製鉄セグメントとして、売上収益は3兆169億円(前年同期は3兆9,888億円)、事業利益は△605億円(前年同期は△3,153億円)となりました。
<エンジニアリング>日鉄エンジニアリング㈱においては、製鉄プラント分野の設備改修工事、環境・エネルギー分野のガス化溶融炉や都市インフラ分野の物流施設建設等で、過年度に受注した大規模案件を中心に着実なプロジェクト実行管理を行ったことや複数の案件が完工したこと等により、売上は堅調に推移しました。一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、受注の遅れや工程遅延の影響が一部プロジェクトで生じていること等から、事業環境の変化にきめ細やかに対応しながら事業に取り組んできました。エンジニアリングセグメントとして、売上収益は2,425億円(前年同期は2,394億円)、事業利益は144億円(前年同期は83億円)となりました。
<ケミカル&マテリアル>日鉄ケミカル&マテリアル㈱においては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で世界的に景気が低迷するなか、依然として厳しい収益状況にありますが、一部の事業では回復の兆しが見られました。コールケミカル事業につきましては、主力の黒鉛電極向けニードルコークスの需要低迷が継続しましたが、化学品事業では、2020年初めから低迷が続いていたスチレンモノマーやビスフェノールAの市況が当第3四半期には回復し、収益が改善しました。また、機能材料事業では、半導体関連材料や液晶ディスプレイ用材料の販売が堅調に推移し、複合材料事業では、炭素繊維による土木・建築分野向け補強材料に加え、車載及び半導体パッケージ基板向けエポキシ樹脂の販売が伸長しました。ケミカル&マテリアルセグメントとして、売上収益は1,275億円(前年同期は1,693億円)、事業利益は△4億円(前年同期は173億円)となりました。
<システムソリューション>日鉄ソリューションズ㈱においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済活動水準が厳しい状況にあるなかで、お客様の新しい働き方へのITニーズに対するコンサルティングサービスの提供を開始し、柔軟で情報セキュリティが高いテレワーク環境や契約・決裁業務等のデジタル化・ペーパレス化といったデジタルワークプレースプラットフォームの提供を行いました。また、お客様のデジタル変革「DX」の推進を支援するデジタルイノベーション共創プログラム「Angraecum™」(アングレカム)の提供を開始するとともに、ローカル5GソリューションやIoXソリューションの推進等に取り組みました。しかしながら、前年同期における大型基盤案件の反動減等の影響により、売上収益は減収となりました。事業利益につきましても、売上総利益が減少した結果、減益となりました。システムソリューションセグメントとして、売上収益は1,837億円(前年同期は1,989億円)、事業利益は166億円(前年同期は202億円)となりました。
(2)当第3四半期連結会計期間末の資産、負債、資本及び当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フロー
当第3四半期連結会計期間末の連結総資産は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響等を踏まえ、手元流動性確保のために現預金を積み増したことを主因とした現金及び現金同等物の増加(400億円)、有形固定資産の増加(907億円)があった一方、営業債権及びその他の債権の減少(1,423億円)、棚卸資産の減少(1,589億円)等により、前期末(7兆4,449億円)から1,721億円減少し7兆2,727億円となりました。
負債については、有利子負債が2兆6,899億円と前期末(2兆4,887億円)から2,012億円増加した一方、営業債務及びその他の債務の減少(2,991億円)等があり、前期末(4兆4,483億円)から925億円減少し4兆3,558億円となりました。
資本については、親会社の所有者に帰属する四半期損失1,238億円による減少があった一方、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の増加(660億円)等により、前期末(2兆9,966億円)から796億円減少し2兆9,169億円となりました。なお、当期末の親会社の所有者に帰属する持分は2兆5,602億円となり、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は1.05倍(劣後ローン・劣後債資本性調整後0.79倍)となりました。
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期損失814億円に、減価償却費及び償却費(2,166億円)、事業再編損(342億円)の加算に加え、営業債権及びその他の債権の減少(809億円)、棚卸資産の減少(1,426億円)等による収入があった一方、営業債務及びその他の債務の減少(2,214億円)等による支出があり、1,705億円の収入(前年同期は2,983億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入(311億円)、関係会社株式の売却による収入(185億円)があった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(3,312億円)等があり、2,790億円の支出(前年同期は4,514億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは1,084億円の支出(前年同期は1,531億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の増加(1,907億円)等により、1,516億円の収入(前年同期は2,580億円の収入)となりました。以上により、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は3,294億円となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書(第95期有価証券報告書)に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について見直しを行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4 重要な会計上の見積り及び判断」をご参照下さい。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社及び連結子会社全体の研究開発費は477億円です。
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社は、当社の主要な連結子会社であった日鉄日新製鋼㈱と合併(本合併)しております。本合併等に伴い、2020年12月31日現在の当社の従業員数は29,941人となり、2020年3月31日現在に対し2,845人増加しております。なお、従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
(7)生産、受注及び販売の状況
当第3四半期連結累計期間において、生産及び販売の実績が著しく減少しております。なお、詳細については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載しております。
(8)主要な設備の状況
重要な設備の新設、除却等の計画について、当第3四半期連結累計期間において、以下の計画が加わりました。
改修
当期の連結業績につきましては、連結売上収益は3兆4,498億円(前年同期は4兆4,760億円)、連結事業利益は△331億円(前年同期は△2,793億円)、加えて、事業再編損の計上、繰延税金資産の一部取崩し等により、親会社の所有者に帰属する四半期利益は△1,238億円(前年同期は△3,573億円)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。当社グループは、製鉄事業を中核として、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4つのセグメントで事業を推進しており、製鉄セグメントが連結売上収益の約9割を占めています。各セグメントとも、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な景気の減速により、業績に影響が出ております。
(単位:億円)
売上収益 | 事業利益 | |||
当第3四半期連結累計期間 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 前第3四半期連結累計期間 | |
製鉄 | 30,169 | 39,888 | △605 | △3,153 |
エンジニアリング | 2,425 | 2,394 | 144 | 83 |
ケミカル&マテリアル | 1,275 | 1,693 | △4 | 173 |
システムソリューション | 1,837 | 1,989 | 166 | 202 |
合計 | 35,707 | 45,965 | △299 | △2,694 |
調整額 | △1,209 | △1,205 | △32 | △98 |
要約四半期連結損益計算書計上額 | 34,498 | 44,760 | △331 | △2,793 |
<製鉄>鉄鋼需要については、当上半期は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な景気の減速の影響を受け、国内外ともに急激に減少しましたが、当下半期は自動車をはじめとした製造業向けを中心に回復基調にあります。このような事業環境のなか、当第3四半期の業績は、鉄鋼需要の変化に迅速かつ適切に対応した生産、変動費の改善と固定費の圧縮等を進めてきたことに加え、当下半期は鉄鋼需要の回復が見られるものの、当上半期を中心とした鉄鋼需要の減少に伴う生産・出荷数量の減少やグループ会社の収益悪化、在庫評価差等により、減損等前事業利益は前年同期に比べて減少しました。一方で、前年同期に減損損失等を計上していた影響により、事業利益は増加しました。製鉄セグメントとして、売上収益は3兆169億円(前年同期は3兆9,888億円)、事業利益は△605億円(前年同期は△3,153億円)となりました。
<エンジニアリング>日鉄エンジニアリング㈱においては、製鉄プラント分野の設備改修工事、環境・エネルギー分野のガス化溶融炉や都市インフラ分野の物流施設建設等で、過年度に受注した大規模案件を中心に着実なプロジェクト実行管理を行ったことや複数の案件が完工したこと等により、売上は堅調に推移しました。一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、受注の遅れや工程遅延の影響が一部プロジェクトで生じていること等から、事業環境の変化にきめ細やかに対応しながら事業に取り組んできました。エンジニアリングセグメントとして、売上収益は2,425億円(前年同期は2,394億円)、事業利益は144億円(前年同期は83億円)となりました。
<ケミカル&マテリアル>日鉄ケミカル&マテリアル㈱においては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で世界的に景気が低迷するなか、依然として厳しい収益状況にありますが、一部の事業では回復の兆しが見られました。コールケミカル事業につきましては、主力の黒鉛電極向けニードルコークスの需要低迷が継続しましたが、化学品事業では、2020年初めから低迷が続いていたスチレンモノマーやビスフェノールAの市況が当第3四半期には回復し、収益が改善しました。また、機能材料事業では、半導体関連材料や液晶ディスプレイ用材料の販売が堅調に推移し、複合材料事業では、炭素繊維による土木・建築分野向け補強材料に加え、車載及び半導体パッケージ基板向けエポキシ樹脂の販売が伸長しました。ケミカル&マテリアルセグメントとして、売上収益は1,275億円(前年同期は1,693億円)、事業利益は△4億円(前年同期は173億円)となりました。
<システムソリューション>日鉄ソリューションズ㈱においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済活動水準が厳しい状況にあるなかで、お客様の新しい働き方へのITニーズに対するコンサルティングサービスの提供を開始し、柔軟で情報セキュリティが高いテレワーク環境や契約・決裁業務等のデジタル化・ペーパレス化といったデジタルワークプレースプラットフォームの提供を行いました。また、お客様のデジタル変革「DX」の推進を支援するデジタルイノベーション共創プログラム「Angraecum™」(アングレカム)の提供を開始するとともに、ローカル5GソリューションやIoXソリューションの推進等に取り組みました。しかしながら、前年同期における大型基盤案件の反動減等の影響により、売上収益は減収となりました。事業利益につきましても、売上総利益が減少した結果、減益となりました。システムソリューションセグメントとして、売上収益は1,837億円(前年同期は1,989億円)、事業利益は166億円(前年同期は202億円)となりました。
(2)当第3四半期連結会計期間末の資産、負債、資本及び当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フロー
当第3四半期連結会計期間末の連結総資産は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響等を踏まえ、手元流動性確保のために現預金を積み増したことを主因とした現金及び現金同等物の増加(400億円)、有形固定資産の増加(907億円)があった一方、営業債権及びその他の債権の減少(1,423億円)、棚卸資産の減少(1,589億円)等により、前期末(7兆4,449億円)から1,721億円減少し7兆2,727億円となりました。
負債については、有利子負債が2兆6,899億円と前期末(2兆4,887億円)から2,012億円増加した一方、営業債務及びその他の債務の減少(2,991億円)等があり、前期末(4兆4,483億円)から925億円減少し4兆3,558億円となりました。
資本については、親会社の所有者に帰属する四半期損失1,238億円による減少があった一方、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の公正価値の増加(660億円)等により、前期末(2兆9,966億円)から796億円減少し2兆9,169億円となりました。なお、当期末の親会社の所有者に帰属する持分は2兆5,602億円となり、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は1.05倍(劣後ローン・劣後債資本性調整後0.79倍)となりました。
当第3四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期損失814億円に、減価償却費及び償却費(2,166億円)、事業再編損(342億円)の加算に加え、営業債権及びその他の債権の減少(809億円)、棚卸資産の減少(1,426億円)等による収入があった一方、営業債務及びその他の債務の減少(2,214億円)等による支出があり、1,705億円の収入(前年同期は2,983億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入(311億円)、関係会社株式の売却による収入(185億円)があった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(3,312億円)等があり、2,790億円の支出(前年同期は4,514億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは1,084億円の支出(前年同期は1,531億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の増加(1,907億円)等により、1,516億円の収入(前年同期は2,580億円の収入)となりました。以上により、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は3,294億円となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書(第95期有価証券報告書)に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について見直しを行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4 重要な会計上の見積り及び判断」をご参照下さい。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社及び連結子会社全体の研究開発費は477億円です。
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社は、当社の主要な連結子会社であった日鉄日新製鋼㈱と合併(本合併)しております。本合併等に伴い、2020年12月31日現在の当社の従業員数は29,941人となり、2020年3月31日現在に対し2,845人増加しております。なお、従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
(7)生産、受注及び販売の状況
当第3四半期連結累計期間において、生産及び販売の実績が著しく減少しております。なお、詳細については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載しております。
(8)主要な設備の状況
重要な設備の新設、除却等の計画について、当第3四半期連結累計期間において、以下の計画が加わりました。
改修
会社名 事業所名 | 所在地 | セグメント の名称 | 設備の内容 | 投資予定金額 (百万円) | 資金調達方法 | 着手及び完了予定 | 能力等 | ||
総額 | 既支払額 | 着手 | 完了 | ||||||
当社 名古屋製鉄所 | 愛知県 東海市 | 製鉄 | 第3高炉 | 49,000 | 100 | 自己資金及び借入金等 | 2020年 6月 | 2022年度 上半期 | 高炉容積は 4,425㎥ |