四半期報告書-第96期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/12 10:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
18項目
(1)経営成績の状況
当期の連結業績につきましては、連結売上収益は2兆2,419億円(前年同期は3兆0,471億円)、連結事業利益は△1,065億円(前年同期は731億円)、加えて、事業再編損の計上、繰延税金資産の一部取崩し等により、親会社の所有者に帰属する四半期利益は△1,911億円(前年同期は387億円)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。当社グループは、製鉄事業を中核として、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4つのセグメントで事業を推進しており、製鉄セグメントが連結売上収益の約9割を占めています。各セグメントとも、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な景気の減速により、業績に影響が出ております。
(単位:億円)
売上収益事業利益
当第2四半期連結累計期間前第2四半期連結累計期間当第2四半期連結累計期間前第2四半期連結累計期間
製鉄19,65827,041△1,167492
エンジニアリング1,5151,5797251
ケミカル&マテリアル7891,141△36113
システムソリューション1,2171,502106149
合計23,18031,265△1,025807
調整額△760△793△39△76
要約四半期連結損益計算書計上額22,41930,471△1,065731

<製鉄>鉄鋼需要については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な景気の減速の影響を受け、自動車をはじめとした製造業向けを中心に生産が落ち込むなど、国内外ともに急激に減少しました。このような事業環境のなか、当第2四半期の業績は、高炉の一時休止等の迅速な減産対応による経済合理性のある範囲での受注・生産体制への移行、変動費の改善と固定費の圧縮を進めてきたものの、鉄鋼需要の急減に伴う生産・出荷数量の大幅な減少やグループ会社の収益悪化、在庫評価差等により、前年同期に比べて減益となりました。製鉄セグメントとして、売上収益は1兆9,658億円(前年同期は2兆7,041億円)、事業利益は△1,167億円(前年同期は492億円)となりました。
<エンジニアリング>日鉄エンジニアリング㈱においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、一部の工事での工程遅延等はありましたが、環境・エネルギー分野のガス化溶融炉や都市インフラ分野の物流施設建設等で、過年度に受注した大規模案件を中心に着実なプロジェクト実行管理を行ったことや複数の案件が完工したこと等により、堅調な売上を計上することができました。一方、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、一部のプロジェクトにおける受注の遅れや、電力需要の縮小に伴う電力ビジネス事業の売上減少等が生じていることから、引き続き事業環境の変化を注視し、事業に取り組んでまいります。エンジニアリングセグメントとして、売上収益は1,515億円(前年同期は1,579億円)、事業利益は72億円(前年同期は51億円)となりました。
<ケミカル&マテリアル>日鉄ケミカル&マテリアル㈱においては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な景気の減速と製品市況の悪化が続くなか、極めて厳しい収益状況となりました。コールケミカル事業では主力の黒鉛電極向けニードルコークスの需要低迷が続き、化学品事業でもスチレンモノマーの価格低迷が継続しました。一方、機能材料事業では、スマートフォン向け材料については厳しい販売状況が続いていますが、旺盛なIT関連投資を背景に半導体関連材料であるボンディングワイヤの需要が回復し、加えて、タブレット端末やノートパソコン需要の増加を背景に液晶ディスプレイ用材料が堅調に推移しました。また、複合材料事業では、炭素繊維による土木・建築分野向け補強材料が順調に販売を伸ばしております。ケミカル&マテリアルセグメントとして、売上収益は789億円(前年同期は1,141億円)、事業利益は△36億円(前年同期は113億円)となりました。
<システムソリューション>日鉄ソリューションズ㈱においては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済活動水準が低い状況にあるなかで、遠隔・非接触を前提としたお客様の新しい働き方へのITニーズに対して、柔軟で情報セキュリティが高いテレワーク環境や契約・決裁業務等のデジタル化・ペーパレス化といったデジタルワークプレースプラットフォームの迅速な提供を行いました。また、ローカル5GソリューションやIoXソリューションの推進等、お客様のアフターコロナを見据えたデジタル変革「DX」の展開等に取り組みました。しかしながら、前年同期における大型基盤案件の反動減等の影響により、売上収益は減収となりました。事業利益につきましても、売上総利益が減少した結果、減益となりました。システムソリューションセグメントとして、売上収益は1,217億円(前年同期は1,502億円)、事業利益は106億円(前年同期は149億円)となりました。
(2)当第2四半期連結会計期間末の資産、負債、資本及び当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フロー
当第2四半期連結会計期間末の連結総資産は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響等を踏まえ、手元流動性確保のために現預金を積み増したことを主因とした現金及び現金同等物の増加(410億円)があった一方で、営業債権及びその他の債権の減少(1,778億円)、棚卸資産の減少(1,413億円)等により、前期末(7兆4,449億円)から2,624億円減少し7兆1,825億円となりました。
負債については、有利子負債が2兆7,692億円と前期末(2兆4,887億円)から2,805億円増加したことに加え、その他の非流動債務の増加(243億円)があった一方、営業債務及びその他の債務の減少(3,520億円)等があり、前期末(4兆4,483億円)から479億円減少し4兆4,003億円となりました。
資本については、親会社の所有者に帰属する四半期損失1,911億円による減少に加え、在外営業活動体の換算差額の減少を主因としたその他の資本の構成要素の減少(483億円)等により、前期末(2兆9,966億円)から2,144億円減少し2兆7,821億円となりました。なお、当期末の親会社の所有者に帰属する持分は2兆4,296億円となり、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は1.14倍となりました。
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期損失1,596億円に、減価償却費及び償却費(1,432億円)、事業再編損(422億円)の加算に加え、営業債権及びその他の債権の減少(1,251億円)、棚卸資産の減少(1,278億円)等による収入があった一方、営業債務及びその他の債務の減少(2,692億円)等による支出があり、201億円の収入(前年同期は1,937億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入(209億円)があった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(2,323億円)等があり、2,214億円の支出(前年同期は1,256億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは2,012億円の支出(前年同期は680億円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、有利子負債の増加(2,725億円)等により、2,442億円の収入(前年同期は1,360億円の収入)となりました。以上により、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は3,305億円となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書(第95期有価証券報告書)に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について見直しを行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4 重要な会計上の見積り及び判断」をご参照下さい。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社及び連結子会社全体の研究開発費は330億円です。
(6)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、当社は、当社の主要な連結子会社であった日鉄日新製鋼㈱と合併(本合併)しております。本合併等に伴い、2020年9月30日現在の当社の従業員数は30,232人となり、2020年3月31日現在に対し3,136人増加しております。なお、従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数であります。
(7)生産、受注及び販売の状況
当第2四半期連結累計期間において、生産及び販売の実績が著しく減少しております。なお、詳細については、本報告書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載しております。
(8)主要な設備の状況
重要な設備の新設、除却等の計画について、当第2四半期連結累計期間において、以下の計画が加わりました。
改修
会社名
事業所名
所在地セグメント
の名称
設備の内容投資予定金額
(百万円)
資金調達方法着手及び完了予定能力等
総額既支払額着手完了
当社
名古屋製鉄所
愛知県
東海市
製鉄第3高炉49,0000自己資金及び借入金等2020年
6月
2022年度
上半期
高炉容積は
4,425㎥