四半期報告書-第95期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)
当社グループは前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前第2四半期連結累計期間の数値をIFRSに組替えて比較分析を行っております。
(1)業績の概況
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、米国においては個人消費の回復が継続しているものの、中国においては米中貿易摩擦を背景に個人消費を中心に景気が減速傾向にあり、同国政府がインフラ投資の促進等景気の下支え策を継続している状況にあります。日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景として緩やかに回復しているものの、輸出を中心に弱さが継続しており、足元では景気に停滞感が見られています。
(当第2四半期連結累計期間のセグメント別の業績概況)
こうしたなか、当社グループは、各セグメントにおいて、各社がそれぞれの事業環境変化に対応しながら、収益改善に努めてまいりました。 当第2四半期連結累計期間における各セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。
(単位:億円)
(*)2018年10月、新日鉄住金化学㈱と新日鉄住金マテリアルズ㈱が統合し日鉄ケミカル&マテリアル㈱が発足したことにより、化学セグメントと新素材セグメントを統合し、ケミカル&マテリアルセグメントとした。前期のケミカル&マテリアルセグメントの数値は化学セグメントと新素材セグメントの合計値としている。
<製鉄>国内鉄鋼需要については、アジアにおける消費減退の影響から、間接輸出向け国内需要が減少しており、海外鉄鋼需要については、中国の景気悪化懸念による消費財の生産減もあり、鋼板系品種を中心に需要の伸びは力強さを欠いています。また、国内市況については、全体としては底堅く推移しているものの、海外市況については、昨年後半に下落し、以降低迷しています。
このような事業環境のなか、当第2四半期の業績は、前年度の豪雨・台風・地震影響からの戻りがあるなか、コスト改善と紐付き分野の価格改善を進めてきたものの、原料価格の上昇、海外鋼材市況の悪化、本年度に発生した災害の影響(千葉県で発生した落雷による君津製鉄所の停電影響、日鉄日新製鋼㈱呉製鉄所第1製鋼工場の火災影響、台風15号による君津製鉄所等への影響)、在庫評価差等により、前年同期に比べて減益となりました。
製鉄セグメントとして、売上収益は2兆7,041億円(前年同期は2兆5,941億円)、事業利益は492億円(前年同期は1,321億円)となりました。
<エンジニアリング>日鉄エンジニアリング㈱においては、製鉄・環境・エネルギー関連のプラント分野に関する建設・施設運営から、大型鋼構造建築・超高層建築・パイプライン建設等の多様な領域で、総合エンジニアリング技術を活かしたサービスをグローバルに提供しております。当期は、各分野における着実な実行管理によりプロジェクトが順調に進捗し、複数の国内案件が完成し売上が堅調であったことに加え、関連会社の収益改善等もありました。
エンジニアリングセグメントとして、売上収益は1,579億円(前年同期は1,613億円)、事業利益は51億円(前年同期は31億円)となりました。
<ケミカル&マテリアル>日鉄ケミカル&マテリアル㈱においては、黒鉛電極向けニードルコークスの需要が堅調に推移し、炭素繊維複合材料も土木・建築分野向けに好調な販売を維持しました。一方、ベンゼンやスチレンモノマーの市況が低迷するとともに、スマートフォン向けや大型TV向け材料の販売が、米中貿易摩擦等の影響もあり伸び悩むなど、厳しい事業環境が継続しましたが、ボンディングワイヤ等の半導体関連製品の一部では回復の兆しが見えてきました。
ケミカル&マテリアルセグメントとして、売上収益は1,141億円(前年同期は1,259億円)、事業利益は113億円(前年同期は127億円)となりました。
<システムソリューション>日鉄ソリューションズ㈱においては、幅広い業種の顧客に対し、システムの企画、構築、運用・保守を一貫して提供するとともに、顧客の事業環境変化に対応した先進的なソリューション・サービスを展開しております。当期は、顧客におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進によるIT投資等を背景として、堅調な事業環境が継続するなか、IoTを活用したソリューションの販売拡大を積極的に進めてまいりました。
システムソリューションセグメントとして、売上収益は1,502億円(前年同期は1,266億円)、事業利益は149億円(前年同期は120億円)となりました。
(売上・損益)
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上収益は3兆471億円(前年同期は2兆9,415億円)、事業利益は731億円(前年同期は1,579億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は387億円(前年同期は1,167億円)となりました。
(2)当第2四半期連結会計期間末の資産、負債、資本及び当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フロー
当第2四半期連結会計期間末の連結総資産は、公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)(以下、劣後債)の
発行による調達資金の一時留保を主因とした現金及び現金同等物の増加(1,972億円)、棚卸資産の増加(341億
円)、IFRS第16号適用開始に伴うオペレーティング・リースのオンバランスの影響等による有形固定資産及び使用権
資産の増加(246億円)があった一方、売掛金を主体とした営業債権及びその他の債権の減少(1,845億円)、投資有
価証券の売却や公正価値の減少を主因とした非流動資産のその他の金融資産及び繰延税金資産の減少(1,039億円)等
により、前期末(8兆495億円)から231億円減少し8兆263億円となりました。
負債については、劣後債の発行等により有利子負債が2兆5,751億円と前期末(2兆3,692億円)から2,059億円増加
したほか、その他の流動負債の増加(90億円)があった一方、営業債務及びその他の債務の減少(1,734億円)やその
他の非流動債務の減少(173億円)、未払法人所得税等の減少(133億円)があり、前期末(4兆4,421億円)から89億
円増加し4兆4,511億円となりました。
資本については、親会社の所有者に帰属する四半期利益387億円による増加があった一方、配当金の支払いによる減少(368億円)に加え、在外営業活動体の換算差額を主因としたその他の資本の構成要素の減少(343億円)等により、前期末(3兆6,073億円)から320億円減少し3兆5,752億円となりました。なお、当第2四半期連結会計期間末の親会社の所有者に帰属する持分は3兆1,973億円となり、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は0.81倍となりました。
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益644億円に、減価償却費及び償却費(2,118億円)の加算のほか、営業債権及びその他の債権の減少(1,868億円)による収入があった一方、棚卸資産の増加(366億円)や営業債務及びその他の債務の減少(1,590億円)、法人所得税の支払い(524億円)等による支出があり、1,937億円の収入(前年同期は1,287億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(2,258億円)があった一方、投資有価証券の売却による収入(735億円)、関係会社株式の売却による収入(126億円)等もあり、1,256億円の支出(前年同期は2,090億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは680億円の収入(前年同期は803億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、オペレーティング・リースのオンバランスによる増加等を控除した有利子負債について、劣後債の発行を主因とする実質的な増加による収入(1,712億円)があった一方、前期末配当金の支払(368億円)等により、1,360億円の収入(前年同期は973億円の収入)となりました。以上により、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は3,604億円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
世界経済は、米中貿易摩擦の長期化等を背景に、景気減速の傾向が継続するものと見込まれます。日本経済についても、世界経済の動向による影響から、先行きの不透明感が強い状態が継続するものと見込まれます。
国内の鉄鋼需要及び市況については、先行きが不透明ななか、各分野において下振れリスクが高まっております。海外の鉄鋼需要及び市況についても、米中貿易摩擦の長期化等によるさらなる下振れのリスクがあることから、今後の動向を引き続き注視していく必要があります。
2019年度については、前年度の豪雨・台風・地震影響からの戻りがあるなか、全社をあげた設備・操業安定化対策の推進やコスト改善の着実な実行に加え、紐付き分野の価格改善を確実に進めてまいります。一方、足元における原料市況高・鋼材市況安という状況が継続するとの前提に立った輸出市況分野を中心とする大幅なマージン悪化、間接輸出需要の減少に伴う品種構成の悪化及び本年度に発生した災害の影響等の想定を上回る変化、並びに在庫評価益の減少等もあることから、通期の連結事業利益は1,000億円にとどまるものと見込んでおります。
こうしたなか、当社は、「つくる力」の再構築を図るとともに、最適な生産・出荷規模を追求する経済生産へのシフトチェンジや紐付き分野の価格改善といった足元の収益改善に向けた取組みを進めてまいります。また、中長期的成長に向けた施策にも注力してまいります。具体的には、日鉄日新製鋼㈱との合併や特殊鋼事業(山陽特殊製鋼㈱・オバコ社)の再編による統合シナジーを最大限発揮するとともに、電磁鋼板の供給能力・品質向上対策投資や広畑製鉄所の冷鉄源溶解プロセスの刷新、インドのエッサールスチール社の買収等、今後も需要が伸長し、当社の優位性が発揮できる分野・地域への投資を推進してまいります。また、財務規律を重視したキャッシュマネジメント(資産圧縮、設備投資効率化、劣後債による大規模資金調達)にも取り組んでおります。加えて、将来を見据えた事業基盤の強化に向けた抜本的対策も検討しており、UO鋼管事業やブリキ事業の体質強化策等、最適生産体制の構築を図るとともに、製造現場の自律性・効率性を高めて「つくる力」の再構築を確実に実現するための組織・業務運営の見直しの一環として、製鉄所組織の統合・再編成を行うことと致しました。今後も成案を得たものから順次公表してまいります。
(注)上記の見通しには、2019年11月1日の2019年度第2四半期決算発表時点の将来見通し・計画に基づく予測が含まれております。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
(利益配分に関する基本方針及び当第2四半期末の剰余金配当)
当社は、業績に応じた利益の配分を基本として、企業価値向上に向けた投資等に必要な資金所要、先行きの業績見通し、連結及び単独の財務体質等を勘案しつつ、第2四半期末及び期末の剰余金の配当を実施する方針と致しております。「業績に応じた利益の配分」の指標としては、連結配当性向年間30%程度を目安と致します。なお、第2四半期末の剰余金の配当は、中間期業績及び年度業績見通し等を踏まえて判断することとしております。
当第2四半期末の剰余金の配当については、上記方針に従い、第1四半期決算発表時(2019年8月1日)に公表致しましたとおり、誠に遺憾ではありますが、1株につき10円(連結配当性向23.8%)とさせていただきます。
当期末の配当については、第3四半期決算発表時に、年度業績見通し等を踏まえて判断し、公表する予定です。
(財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に関する事項)
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次のとおり定めております。
<当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容>当社グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、この理念に基づき経営戦略を立案・遂行し、競争力・収益力を向上させることにより、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指しております。
当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(以下、「買収提案」といいます。)がなされた場合、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。他方で、買収提案の中には、当社の企業価値や株主共同の利益に対し明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要することとなるおそれのあるもの等が含まれる可能性があると考えております。
従って、当社は、第三者から買収提案がなされた場合に株主の皆様にこのような不利益が生じることがないよう、当社株式の取引状況や株主の異動状況等を注視するとともに、実際に買収提案がなされた場合には、株主の皆様が必要な情報と相当な検討期間をもって適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)を行うことができるように努めます。仮に、買収提案が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあると合理的に判断される場合には、その時点における関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を速やかに講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保を図って参ります。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社及び連結子会社全体の研究開発費は395億円です。
(1)業績の概況
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、米国においては個人消費の回復が継続しているものの、中国においては米中貿易摩擦を背景に個人消費を中心に景気が減速傾向にあり、同国政府がインフラ投資の促進等景気の下支え策を継続している状況にあります。日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景として緩やかに回復しているものの、輸出を中心に弱さが継続しており、足元では景気に停滞感が見られています。
(当第2四半期連結累計期間のセグメント別の業績概況)
こうしたなか、当社グループは、各セグメントにおいて、各社がそれぞれの事業環境変化に対応しながら、収益改善に努めてまいりました。 当第2四半期連結累計期間における各セグメント別の業績の概況は以下のとおりです。
(単位:億円)
売上収益 | 事業利益 | |||
当第2四半期連結累計期間 | 前第2四半期連結累計期間 | 当第2四半期連結累計期間 | 前第2四半期連結累計期間 | |
製鉄 | 27,041 | 25,941 | 492 | 1,321 |
エンジニアリング | 1,579 | 1,613 | 51 | 31 |
ケミカル&マテリアル(*) | 1,141 | 1,259 | 113 | 127 |
システムソリューション | 1,502 | 1,266 | 149 | 120 |
合計 | 31,265 | 30,080 | 807 | 1,601 |
調整額 | △793 | △664 | △76 | △21 |
要約四半期連結損益計算書計上額 | 30,471 | 29,415 | 731 | 1,579 |
(*)2018年10月、新日鉄住金化学㈱と新日鉄住金マテリアルズ㈱が統合し日鉄ケミカル&マテリアル㈱が発足したことにより、化学セグメントと新素材セグメントを統合し、ケミカル&マテリアルセグメントとした。前期のケミカル&マテリアルセグメントの数値は化学セグメントと新素材セグメントの合計値としている。
<製鉄>国内鉄鋼需要については、アジアにおける消費減退の影響から、間接輸出向け国内需要が減少しており、海外鉄鋼需要については、中国の景気悪化懸念による消費財の生産減もあり、鋼板系品種を中心に需要の伸びは力強さを欠いています。また、国内市況については、全体としては底堅く推移しているものの、海外市況については、昨年後半に下落し、以降低迷しています。
このような事業環境のなか、当第2四半期の業績は、前年度の豪雨・台風・地震影響からの戻りがあるなか、コスト改善と紐付き分野の価格改善を進めてきたものの、原料価格の上昇、海外鋼材市況の悪化、本年度に発生した災害の影響(千葉県で発生した落雷による君津製鉄所の停電影響、日鉄日新製鋼㈱呉製鉄所第1製鋼工場の火災影響、台風15号による君津製鉄所等への影響)、在庫評価差等により、前年同期に比べて減益となりました。
製鉄セグメントとして、売上収益は2兆7,041億円(前年同期は2兆5,941億円)、事業利益は492億円(前年同期は1,321億円)となりました。
<エンジニアリング>日鉄エンジニアリング㈱においては、製鉄・環境・エネルギー関連のプラント分野に関する建設・施設運営から、大型鋼構造建築・超高層建築・パイプライン建設等の多様な領域で、総合エンジニアリング技術を活かしたサービスをグローバルに提供しております。当期は、各分野における着実な実行管理によりプロジェクトが順調に進捗し、複数の国内案件が完成し売上が堅調であったことに加え、関連会社の収益改善等もありました。
エンジニアリングセグメントとして、売上収益は1,579億円(前年同期は1,613億円)、事業利益は51億円(前年同期は31億円)となりました。
<ケミカル&マテリアル>日鉄ケミカル&マテリアル㈱においては、黒鉛電極向けニードルコークスの需要が堅調に推移し、炭素繊維複合材料も土木・建築分野向けに好調な販売を維持しました。一方、ベンゼンやスチレンモノマーの市況が低迷するとともに、スマートフォン向けや大型TV向け材料の販売が、米中貿易摩擦等の影響もあり伸び悩むなど、厳しい事業環境が継続しましたが、ボンディングワイヤ等の半導体関連製品の一部では回復の兆しが見えてきました。
ケミカル&マテリアルセグメントとして、売上収益は1,141億円(前年同期は1,259億円)、事業利益は113億円(前年同期は127億円)となりました。
<システムソリューション>日鉄ソリューションズ㈱においては、幅広い業種の顧客に対し、システムの企画、構築、運用・保守を一貫して提供するとともに、顧客の事業環境変化に対応した先進的なソリューション・サービスを展開しております。当期は、顧客におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進によるIT投資等を背景として、堅調な事業環境が継続するなか、IoTを活用したソリューションの販売拡大を積極的に進めてまいりました。
システムソリューションセグメントとして、売上収益は1,502億円(前年同期は1,266億円)、事業利益は149億円(前年同期は120億円)となりました。
(売上・損益)
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上収益は3兆471億円(前年同期は2兆9,415億円)、事業利益は731億円(前年同期は1,579億円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は387億円(前年同期は1,167億円)となりました。
(2)当第2四半期連結会計期間末の資産、負債、資本及び当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フロー
当第2四半期連結会計期間末の連結総資産は、公募ハイブリッド社債(公募劣後特約付社債)(以下、劣後債)の
発行による調達資金の一時留保を主因とした現金及び現金同等物の増加(1,972億円)、棚卸資産の増加(341億
円)、IFRS第16号適用開始に伴うオペレーティング・リースのオンバランスの影響等による有形固定資産及び使用権
資産の増加(246億円)があった一方、売掛金を主体とした営業債権及びその他の債権の減少(1,845億円)、投資有
価証券の売却や公正価値の減少を主因とした非流動資産のその他の金融資産及び繰延税金資産の減少(1,039億円)等
により、前期末(8兆495億円)から231億円減少し8兆263億円となりました。
負債については、劣後債の発行等により有利子負債が2兆5,751億円と前期末(2兆3,692億円)から2,059億円増加
したほか、その他の流動負債の増加(90億円)があった一方、営業債務及びその他の債務の減少(1,734億円)やその
他の非流動債務の減少(173億円)、未払法人所得税等の減少(133億円)があり、前期末(4兆4,421億円)から89億
円増加し4兆4,511億円となりました。
資本については、親会社の所有者に帰属する四半期利益387億円による増加があった一方、配当金の支払いによる減少(368億円)に加え、在外営業活動体の換算差額を主因としたその他の資本の構成要素の減少(343億円)等により、前期末(3兆6,073億円)から320億円減少し3兆5,752億円となりました。なお、当第2四半期連結会計期間末の親会社の所有者に帰属する持分は3兆1,973億円となり、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は0.81倍となりました。
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益644億円に、減価償却費及び償却費(2,118億円)の加算のほか、営業債権及びその他の債権の減少(1,868億円)による収入があった一方、棚卸資産の増加(366億円)や営業債務及びその他の債務の減少(1,590億円)、法人所得税の支払い(524億円)等による支出があり、1,937億円の収入(前年同期は1,287億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(2,258億円)があった一方、投資有価証券の売却による収入(735億円)、関係会社株式の売却による収入(126億円)等もあり、1,256億円の支出(前年同期は2,090億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは680億円の収入(前年同期は803億円の支出)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、オペレーティング・リースのオンバランスによる増加等を控除した有利子負債について、劣後債の発行を主因とする実質的な増加による収入(1,712億円)があった一方、前期末配当金の支払(368億円)等により、1,360億円の収入(前年同期は973億円の収入)となりました。以上により、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は3,604億円となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
世界経済は、米中貿易摩擦の長期化等を背景に、景気減速の傾向が継続するものと見込まれます。日本経済についても、世界経済の動向による影響から、先行きの不透明感が強い状態が継続するものと見込まれます。
国内の鉄鋼需要及び市況については、先行きが不透明ななか、各分野において下振れリスクが高まっております。海外の鉄鋼需要及び市況についても、米中貿易摩擦の長期化等によるさらなる下振れのリスクがあることから、今後の動向を引き続き注視していく必要があります。
2019年度については、前年度の豪雨・台風・地震影響からの戻りがあるなか、全社をあげた設備・操業安定化対策の推進やコスト改善の着実な実行に加え、紐付き分野の価格改善を確実に進めてまいります。一方、足元における原料市況高・鋼材市況安という状況が継続するとの前提に立った輸出市況分野を中心とする大幅なマージン悪化、間接輸出需要の減少に伴う品種構成の悪化及び本年度に発生した災害の影響等の想定を上回る変化、並びに在庫評価益の減少等もあることから、通期の連結事業利益は1,000億円にとどまるものと見込んでおります。
こうしたなか、当社は、「つくる力」の再構築を図るとともに、最適な生産・出荷規模を追求する経済生産へのシフトチェンジや紐付き分野の価格改善といった足元の収益改善に向けた取組みを進めてまいります。また、中長期的成長に向けた施策にも注力してまいります。具体的には、日鉄日新製鋼㈱との合併や特殊鋼事業(山陽特殊製鋼㈱・オバコ社)の再編による統合シナジーを最大限発揮するとともに、電磁鋼板の供給能力・品質向上対策投資や広畑製鉄所の冷鉄源溶解プロセスの刷新、インドのエッサールスチール社の買収等、今後も需要が伸長し、当社の優位性が発揮できる分野・地域への投資を推進してまいります。また、財務規律を重視したキャッシュマネジメント(資産圧縮、設備投資効率化、劣後債による大規模資金調達)にも取り組んでおります。加えて、将来を見据えた事業基盤の強化に向けた抜本的対策も検討しており、UO鋼管事業やブリキ事業の体質強化策等、最適生産体制の構築を図るとともに、製造現場の自律性・効率性を高めて「つくる力」の再構築を確実に実現するための組織・業務運営の見直しの一環として、製鉄所組織の統合・再編成を行うことと致しました。今後も成案を得たものから順次公表してまいります。
(注)上記の見通しには、2019年11月1日の2019年度第2四半期決算発表時点の将来見通し・計画に基づく予測が含まれております。実際の業績は、今後様々な要因によって大きく異なる結果となる可能性があります。
(利益配分に関する基本方針及び当第2四半期末の剰余金配当)
当社は、業績に応じた利益の配分を基本として、企業価値向上に向けた投資等に必要な資金所要、先行きの業績見通し、連結及び単独の財務体質等を勘案しつつ、第2四半期末及び期末の剰余金の配当を実施する方針と致しております。「業績に応じた利益の配分」の指標としては、連結配当性向年間30%程度を目安と致します。なお、第2四半期末の剰余金の配当は、中間期業績及び年度業績見通し等を踏まえて判断することとしております。
当第2四半期末の剰余金の配当については、上記方針に従い、第1四半期決算発表時(2019年8月1日)に公表致しましたとおり、誠に遺憾ではありますが、1株につき10円(連結配当性向23.8%)とさせていただきます。
当期末の配当については、第3四半期決算発表時に、年度業績見通し等を踏まえて判断し、公表する予定です。
(財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針に関する事項)
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次のとおり定めております。
<当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容>当社グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて社会の発展に貢献することを企業理念に掲げ、この理念に基づき経営戦略を立案・遂行し、競争力・収益力を向上させることにより、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指しております。
当社は、第三者から当社株式の大量買付け行為等の提案(以下、「買収提案」といいます。)がなされた場合、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。他方で、買収提案の中には、当社の企業価値や株主共同の利益に対し明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要することとなるおそれのあるもの等が含まれる可能性があると考えております。
従って、当社は、第三者から買収提案がなされた場合に株主の皆様にこのような不利益が生じることがないよう、当社株式の取引状況や株主の異動状況等を注視するとともに、実際に買収提案がなされた場合には、株主の皆様が必要な情報と相当な検討期間をもって適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)を行うことができるように努めます。仮に、買収提案が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがあると合理的に判断される場合には、その時点における関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を速やかに講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保を図って参ります。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社及び連結子会社全体の研究開発費は395億円です。