半期報告書-第100期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/12 15:03
【資料】
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【項目】
39項目
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間の業績については、売上収益は4兆3,797億円(前年同期は4兆4,124億円)、事業利益は3,757億円(前年同期は4,942億円)、親会社の所有者に帰属する中間利益は2,433億円(前年同期は3,002億円)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。当社グループは、製鉄事業を中核として、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4つのセグメントで事業を推進しており、製鉄セグメントが連結売上収益の約9割を占めています。
(当期のセグメント別の業績の概況) (単位:億円)
売上収益事業利益
当中間
連結会計期間
前中間
連結会計期間
当中間
連結会計期間
前中間
連結会計期間
製鉄39,90540,5323,5384,767
エンジニアリング1,8331,754△12△54
ケミカル&マテリアル1,4041,328122108
システムソリューション1,5701,450183151
合計44,71345,0653,8324,972
調整額△916△941△74△30
要約中間連結損益計算書計上額43,79744,1243,7574,942

<製鉄>鉄鋼需要については、国内・海外ともに、製造業や建設業が低迷し、下期にかけて一層厳しさを増す危機的な状況です。加えて、中国の低迷は、政府による景気刺激策はあるものの未だ不透明であり、過剰生産・輸出増加に伴って、各国・地域で通商措置が発動され、日本国内への輸入材圧力も高くなっています。こうした環境のもと、内外の実需及びスプレッド(原料と鋼材の市況価格差)の改善は見込めない状況です。このように、極めて厳しい事業環境が継続するなかにおいても、当社は、足元の収益改善や中長期的な成長に向けた取組みを推進してきました。当中間連結会計期間の業績は、在庫評価差等による増益要因はあったものの、生産出荷やマージン(為替影響を含む)の悪化、外貨建資産・負債の為替換算差額、前中間連結会計期間における一過性影響の戻り(段階取得に係る差益ほか)等の影響により、前年同期比で減収・減益となりました。
製鉄セグメントとして、売上収益は3兆9,905億円(前年同期は4兆532億円)、事業利益は3,538億円(前年同期は4,767億円)となりました。
<エンジニアリング>日鉄エンジニアリング㈱においては、廃棄物発電プラント事業、海外石油・天然ガス開発施設事業や建築工事事業等で大型案件の工事が進捗し、売上収益は前年同期比で増収となりました。事業利益については、保有海洋作業船の総点検を実施し、クレーン故障箇所以外の健全性も担保するための修繕を行った結果として損失を計上することとなりましたが、故障が発生した前年同期比では改善しました。なお、当該作業船は当中間連結会計期間に修繕を完了し、現在現場にて工事に従事しています。
エンジニアリングセグメントとして、売上収益は1,833億円(前年同期は1,754億円)、事業利益は△12億円(前年同期は△54億円)となりました。
<ケミカル&マテリアル>日鉄ケミカル&マテリアル㈱においては、世界的な原燃料価格の高騰や半導体等の在庫調整により需要低迷が続く厳しい事業環境下、コスト削減や販売価格改善に最大限努め、事業利益は前年同期比で増益となりました。コールケミカル事業は、主力の黒鉛電極用ニードルコークスの需要低迷が継続し、タイヤ向けカーボンブラック販売は自動車生産停滞等により弱基調で推移しました。化学品事業では、ベンゼン市況は概ね安定的に推移しましたが、スチレンモノマーは国内誘導品需要の回復遅れによる販売減に加え、中国での生産設備の新増設継続による市況低迷が継続しました。機能材料事業では、半導体等の最終製品の需要増の動きがあるなか、機能樹脂は高速通信向けの需要が伸長し、基板材料はスマートフォン向け需要が堅調に推移しました。
ケミカル&マテリアルセグメントとして、売上収益は1,404億円(前年同期は1,328億円)、事業利益は122億円(前年同期は108億円)となりました。
<システムソリューション>日鉄ソリューションズ㈱においては、企業のDXへの取組みの加速を受け、お客様との関係性を深化させながら、全社を挙げてDXニーズを最大限に捕捉し、事業拡大に取り組んでいます。当社に導入した生産管理システムをアセット化した新生産管理パッケージ「PPMP」の他製造業への展開や、同社が有するITアセットをメニュー化して提供する伴走型プロフェッショナルサービス「xSource(クロスソース)」によるIT戦略策定支援等、お客様のDX推進を強力に牽引しました。また、AIプラットフォーム「Databricks」、「Alli LLM App Market」、デジタルヒューマンサービスの取扱いを開始するなど、AI領域の対応力強化も図っています。
システムソリューションセグメントとして、売上収益は1,570億円(前年同期は1,450億円)、事業利益は183億円(前年同期は151億円)となりました。
(2)当中間連結会計期間末の資産、負債、資本及び当中間連結会計期間のキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間末の連結総資産は、現金及び現金同等物の増加(1,916億円)、営業債権及びその他の債権の増加(522億円)、棚卸資産の増加(590億円)、有形固定資産の増加(1,097億円)、持分法で会計処理されている投資の増加(1,734億円)等があった一方で、非流動資産のその他の金融資産の減少(1,577億円)等があり、前期末(10兆7,146億円)から4,864億円増加し11兆2,010億円となりました。
負債については、有利子負債が2兆7,957億円と前期末(2兆7,116億円)から841億円増加したことや、未払法人所得税等の増加(427億円)等があった一方、営業債務及びその他の債務の減少(2,886億円)等により、前期末(5兆3,587億円)から1,570億円減少し5兆2,016億円となりました。
資本については、親会社の所有者に帰属する中間利益2,433億円による増加、配当金の支払いによる減少(783億円)に対し、在外営業活動体の換算差額の増加(1,793億円)、転換社債型新株予約権付社債の新株予約権の行使による資本金及び資本剰余金の増加(2,973億円)等により、前期末(5兆3,558億円)から6,434億円増加し5兆9,993億円となりました。なお、当中間連結会計期間末の親会社の所有者に帰属する持分は5兆4,038億円となり、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は0.52倍(劣後ローン・劣後債資本性調整後0.40倍)となりました。
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間利益3,642億円に、減価償却費及び償却費(1,888億円)の加算、営業債権及びその他の債権の減少(403億円)等の収入があった一方、持分法による投資損益(839億円)の控除の調整に加え、営業債務及びその他の債務の減少(1,639億円)、法人所得税の支払(1,020億円)による支出等があり、2,132億円の収入(前年同期は4,625億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入(802億円)等があった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(2,734億円)等により、1,950億円の支出(前年同期は3,019億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは182億円の収入(前年同期は1,606億円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、劣後特約付シンジケートローンや公募劣後特約付社債の発行等による資金調達を通じた有利子負債の実質的な増加を伴う収入(3,718億円)に対し、前期末の配当(783億円)等により、1,509億円の収入(前年同期は2,065億円の支出)となりました。以上により、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は6,405億円となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書(第99期有価証券報告書)に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等について、重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について、重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(7)研究開発活動
当中間連結会計期間における当社及び連結子会社全体の研究開発費は395億円です。
なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況について、重要な変更はありません。
(8)従業員数
当中間連結会計期間において、従業員数について、著しい変動はありません。
(9)生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売の実績について、著しい変動はありません。
(10)主要な設備
当中間連結会計期間において、主要な設備について、著しい変動はありません。