有価証券報告書-第45期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 11:01
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の高まり、企業収益の改善等から景気の緩やかな回復基調が続きました。世界経済においては、米国は堅調に推移したものの、欧州・中国では減速の傾向が続きました。一方、今後の景気の先行きについては、全世界的に、イラン情勢の緊迫化・長期化による原油価格の高騰、原材料不足や物流の混乱、消費マインドの悪化等景気の下押し圧力が強まっております。加えて、米国トランプ政権の政策とその影響、高市政権の施策の国内経済への影響及び日中関係の悪化懸念等、国内及び各国経済においても景気減速の懸念が高まり、先行きに対する警戒感が強まる状況となっており、引き続き不透明な状況にあります。
当社グループと関係の深い建築・土木市場においては、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」のもと公共投資が底堅く推移するとともに、都市部の再開発や物流施設、データセンター等の民間設備投資も堅調に推移しました。一方で、エネルギー・原材料価格の上昇や資材の供給制約、建設労働者の不足・労働時間の制約により、コスト増加や施工面への影響が生じております。
このような経営環境のもと、当社グループでは2023年5月に公表した「中期経営計画2023-2025」に基づき、2030年度を見据え、既存事業の土台固めに向けた生産を含むサプライチェーンの効率化に取り組むとともに、未来に向けた種まきのための実行体制を整え、各施策を着実に推進しております。また、「中期経営計画2020-2022」において実施してきた戦略的資源投入については、エネルギー関連事業が次の研究ステージへと移行したほか、海外分野においても新たな事業展開に着手するなど、新規事業分野への基盤強化を目的とした先行投資を一層拡充してまいりました。さらに、足元における原材料価格の上昇に対しては、営業部門と生産部門の連携を強化し、調達の最適化および販売価格への適切な転嫁を進めることで、計画利益の確保に努めております。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べ9億9百万円減少し245億61百万円となりました。内訳は、流動資産が前連結会計年度末に比べ2億74百万円減少し158億20百万円、有形固定資産が前連結会計年度末に比べ2億53百万円減少し76億26百万円、無形固定資産が前連結会計年度末に比べ10百万円増加し1億62百万円、投資その他の資産が前連結会計年度末に比べ3億91百万円減少し9億52百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べ1億77百万円減少し140億71百万円となりました。内訳は、流動負債が前連結会計年度末に比べ1億39百万円減少し89億36百万円、固定負債が前連結会計年度末に比べ38百万円減少し51億34百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べ7億32百万円減少し104億89百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度は、案件の一時的な端境期による需要減に加え、現場の労働力不足等による工期の見直しにより、資材需要の減少が顕著になりました。これらの結果、売上高は254億1百万円(前期比1.9%減)と減収となりました。
利益面では、減収要因に加え、研究開発部門の人件費・経費の増加により、営業利益5億99百万円(前期比29.5%減)、経常利益は5億91百万円(前期比33.2%減)、繰延税金資産の取崩しにより、親会社株主に帰属する当期純損失は4億34百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益5億43百万円)となりました。
2025年3月期2026年3月期前期比公表期初予想実績と予想
の差異
売上高 (百万円)25,88725,401△48626,500△1,098
営業利益 (百万円)849599△250472+126
営業利益率 (%)3.3%2.4%△0.91.8%+0.6

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(建設用資機材の製造・販売事業)
この事業では、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」への対応が進められている中、橋梁更新 工事や豪雨災害などの対策工事が進められております。
当連結会計年度におきましては、全般的に、案件の一時的な端境期による需要減に加え、現場の労働力不足等による工期の見直しが見られました。年度後半にかけては、コンクリート分野の施工量が大きく落ち込む一方で、能登震災をはじめとする復興・災害関連案件に復調の兆しが見られ、高速道路リニューアル関連工事でも駆け込み需要の影響で若干持ち直しましたが、総じて、売上高は伸び悩みました。利益面では、減収の影響によって営業利益は減少しました。
この結果、この事業の売上高は120億19百万円(前期比3.8%減)、営業利益7億17百万円(前期比10.3%減)となりました。
(建築用資材の製造・販売事業)
この事業では、都市部を中心とした再開発や、大型物流施設、工事建設需要に下支えされる一方で、地方においては人口減少や既存ストックの有効活用志向から再開発、新築需要は限定的となっております。
当連結会計年度におきましては、建築金物分野では内装関連の需要が停滞しており、仮設建材関連は、労働時間短縮・働き方改革・人手不足等による工事現場の施工量減少の影響で出荷額も減少しました。鉄骨工事分野では工事進捗の遅れ等の影響で、案件の次期繰越が発生しました。
この結果、この事業の売上高は98億60百万円(前期比4.9%減)、営業利益4億14百万円(前期比23.6%減)となりました。
(建設コンサルタント事業)
この事業では、アフリカ諸国をはじめ、アジア圏・大洋州地域等の各国において、道路・橋梁建設や設備機材整備等のプロジェクトに関わるコンサルタント事業を展開しております。特にフランス語圏のアフリカ諸国では強みをもっており、数多くの実績を残してきております。また、新規分野として国内外におけるBIM/CIM関連技術を活用した業務への参画に取り組んでおります。
当連結会計年度におきましては、期初受注残の消化が下半期に持ち直し、受注金額の高い案件の消化が進む中、消化案件に利益率の高い案件が含まれたことから採算は改善いたしました。
この結果、この事業の売上高は6億87百万円(前期比8.0%増)、営業利益は36百万円(前期は営業損失1億円)となりました。
(補修・補強工事業)
この事業では、社会インフラ老朽化対策における橋梁、トンネルの補修・補強工事を推し進めております。国土強靱化対策等が進捗しており、受注環境は引き続き良好に推移しております。
当連結会計年度におきましては、期中受注案件の増加および案件消化の順調な進捗により増収となりました。増収効果により増益となる一方で、案件の小規模化や外部委託の増加により、利益率は低下しました。
この結果、この事業の売上高は28億34百万円(前期比19.1%増)、営業利益2億49百万円(前期比3.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、以下に記載したキャッシュ・フローにより48億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ12百万円減少いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、11億46百万円の収入(前連結会計年度は17億5百万円の収入)となりました。主な資金の増加は、税金等調整前当期純利益が5億86百万円、減価償却費及びのれん償却額が7億79百万円、主な資金の減少は、法人税等の支払額が3億56百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、7億93百万円の支出(前連結会計年度は8億97百万円の支出)となりました。主な資金の減少は、有形固定資産の取得による支出が7億40百万円などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3億67百万円の支出(前連結会計年度は10億39百万円の支出)となりました。主な資金の増加は、長期借入れによる収入が13億90百万円、主な資金の減少は、長期借入金の返済による支出14億27百万円、配当金の支払額3億91百万円などであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期増減(%)
建設用資機材の製造・販売事業 (千円)13,433,625△0.91
建築用資材の製造・販売事業 (千円)6,147,549△7.72
建設コンサルタント事業 (千円)--
補修・補強工事業 (千円)--
合計 (千円)19,581,174△3.15

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期増減(%)受注残高(千円)前年同期増減(%)
建設用資機材の製造・販売事業12,696,1275.382,414,70638.92
建築用資材の製造・販売事業9,984,476△17.112,422,7585.40
建設コンサルタント事業394,062△40.51617,394△32.19
補修・補強工事業2,938,16330.97607,05320.71
合計26,012,829△3.656,061,91111.23

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期増減(%)
建設用資機材の製造・販売事業 (千円)12,019,559△3.84
建築用資材の製造・販売事業 (千円)9,860,310△4.93
建設コンサルタント事業 (千円)687,1618.04
補修・補強工事業 (千円)2,834,00719.10
合計 (千円)25,401,038△1.88

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ9億9百万円減少しましたが、その内訳は、流動資産が2億74百万円の減少、固定資産が6億35百万円の減少となっております。
流動資産の減少は、売上高の減少等によって売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産・電子記録債権)が1億26百万円、原材料及び貯蔵品が1億20百万円減少したことによります。
固定資産の減少は、有形固定資産2億53百万円、繰延税金資産5億15百万円の減少によるものです。
資産の残高ベースのリスク許容度(リスク資産に対して十分なエコノミック・キャピタルを有しているか)については、有形固定資産と投資有価証券の合計額80億40百万円に対し、自己資本(純資産-非支配株主持分)が104億58百万円あることにより、リスク資産に対するバッファー(エコノミック・キャピタル)は十分にある状態になっていると考えております。また、有利子負債は、前連結会計年度末55億2百万円から92百万円増加し、自己資本比率は44.0%から1.4ポイント減少し42.6%となり、D/Eレシオは0.49から0.04上昇し0.53となりました。
(*)運転資本(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、49億43百万円から51億70百万円と2億27百万円増加しました。
(単位:百万円)
資産負債
2025年2026年増減2025年2026年増減
3月末3月末3月末3月末
25,47024,561(主な内訳)14,24814,071(主な内訳)
△515繰延税金資産△420仕入債務
△179建設仮勘定+112借入金
△126売上債権+90工事損失引当金
△120原材料及び貯蔵品
△177
純資産
2025年2026年増減
3月末3月末
11,22110,489(主な内訳)
△434親会社株主帰属
当期純損失
△392株主配当金支払い
△909△732

リスクバッファーとしての自己資本が問題のない水準と考えられる一方で、資本の効率性の観点では、財務レバレッジを上げる余地についての分析も必要と考えております(後述「当連結会計年度の資本効率の状況」の項をご参照下さい)。当連結会計年度末での財務レバレッジは2.31であり、前連結会計年度末の2.33から0.02減少しております。今後実際に機動的な資金調達(大型の設備投資やM&A)を実施していくためには、平時には有利子負債による調達余地を残しておく必要があり、外部格付機関が発表している格付別財務指標を鑑みれば自己資本比率は望ましい水準の範囲内と考えております。従って、財務レバレッジを現時点で大きく引き上げることは優先度としては高くなく、当連結会計年度末の水準は妥当な水準と考えております。
2)経営成績
前連結会計年度との比較では下記のように分析しております。
連結売上高は4億86百万円減少しました。セグメント別の内訳は、補修・補強工事業のセグメントで4億54百万円増加しましたが、建築用資材の製造・販売事業のセグメントで5億11百万円、建設用資機材の製造・販売事業のセグメントにおいて4億80百万円と大きく減少しました。減少の主な要因は、建築用資材の製造・販売事業では、労働時間短縮・働き方改革・人手不足等による工事現場の施工量減少や工事進捗の遅れ等の影響があり、建設用資機材の製造・販売事業では、全般的に、案件の一時的な端境期による需要減に加え、現場の労働力不足等による工期の見直しが見られたことなどによるものです。
連結売上総利益は1億14百万円減少しましたが、売上高総利益率は0.1%増加しました。減少の主な要因は、減収分の減益効果や建築用資材の製造・販売事業の鉄骨工事分野における手戻りがあり追加原価が発生したことによるものです。
販売費及び一般管理費は、中期経営計画関連施策の推進を中心とした人件費・経費の増加などにより1億36百万円の増加となりました。
以上の結果、営業利益は2億50百万円の減少、経常利益は2億94百万円の減少、親会社株主に帰属する当期純損失は、更に繰延税金資産の取崩しにより、9億78百万円の減少となりました。
当連結会計年度は、「中期経営計画2023-2025」の最終年度に当たります。当連結会計年度の売上高は10億98百万円の計画未達で終わりました。セグメント別では、主要セグメントである建設用資機材の製造・販売事業が8億90百万円の未達となり、その主な要因は、案件の一時的な端境期による需要減に加え、現場の労働力不足等による工期見直しになどによるものです。
連結売上総利益は3億84百万円の未達、売上高総利益率は計画を0.3%下回りました。建設用資機材の製造・販売事業および建築用資材の製造・販売事業において施工量の減少や、工期見直し等により、売上高が減少したことが計画未達の主な要因です。
販売費及び一般管理費は、計画では戦略的な先行投資を大胆に実施していくことを織り込み、前連結会計年度比で5億27百万円増加する計画でしたが、物価上昇を考慮した計画ほど販売運賃が積み上がらなかったこと、人材の採用が予定通り進まなかったこと等により前連結会計年度比1億36百万円の増加に止まり、期初予想比では5億11百万円少なくなりました。その中には戦略的な先行投資の位置付けである報告セグメントに帰属しない研究開発部門の人件費・経費の未達3億円が含まれております。
以上の結果、連結営業利益は期初予想比1億26百万円の超過となりました。期初予想比増益とは言え、戦略的な先行投資の研究開発及び人材の調達が遅れるなど、将来を見据えた先行投資の面では課題を残す結果となりました。
(単位:百万円)
2026年3月期
(実績)2025年3月比期初予想(*)比
売上高25,401△486△1,098
建設用資機材12,019△480△890
上記以外13,381△5△208
売上総利益6,802△114△384
売上高総利益率26.8%0.1%△0.3%
先行投資(研究開発)799197△300
販売管理費6,203136△511
営業利益599△250126
売上高営業利益率2.4%△0.9%0.6%
経常利益591△294153
売上高経常利益率2.3%△1.1%0.7%
親会社株主に帰属する当期純損失△434△978△492
売上高当期純利益率△1.7%△3.8%△1.9%
建設用資機材の
製造・販売事業
売上高12,019△480△890
営業利益717△824
利益率6.0%△0.4%0.4%
建築用資材の
製造・販売事業
売上高9,860△511△644
営業利益414△127△185
利益率4.2%△1.0%△1.5%
建設コンサルタント事業売上高68751△67
営業利益3613714
利益率5.3%21.1%2.4%
補修・補強工事業売上高2,834454504
営業利益249931
利益率8.8%△1.3%△0.5%

(※)2025年5月公表
各セグメント別の課題解決状況を踏まえた分析は以下のとおりです。
(建設用資機材の製造・販売事業)
国土強靭化、高速道路耐震化、インフラ老朽化対応に伴う需要拡大を背景に、営業活動を推進しましたが、案件の一時的な案件の端境期、現場の労働力不足等による工期の見直し、コンクリート分野の施工量の大幅な減少等により、売上高および営業利益は伸び悩み、当連結会計年度の売上高は前期比4億80百万円の減収、営業利益は前期比82百万円の減益となりました。また、能登震災復興案件は、見込以上に工事が進捗した一方で、ESCON事業の収益化の遅延やコンクリート製品分野の需要の落ち込みにより、期初予想比では売上高は8億90百万円の減収となりました。営業利益は予想されていた配送運賃上昇の遅れ、採用計画の未達等による販売管理費の圧縮等により期初予想比4百万円の増益となりました。
翌連結会計年度においては、鉄鋼製品分野やコンクリート製品分野等では、当連結会計年度と同様に施工量が伸び悩む見込みですが、ケーブル製品分野につきましては良好な事業環境のもと順調に推移することを想定し、当連結会計年度と同水準の売上高を見込んでおります。また、費用面では物価上昇に伴うコストアップや人材採用をはじめとした戦略的資源投入を継続していくことを踏まえ減益を想定しております。
(建築用資材の製造・販売事業)
建築金物分野において内装関連の需要が停滞しており、仮設建材関連は、労働時間短縮・働き方改革・人手不足等による工事現場の施工量減少の影響で出荷額も減少しました。鉄骨工事分野では工事進捗の遅れ等の影響で案件の次期繰越が発生しました。その結果、売上高は前期比5億11百万円の減収、期初予想比6億44百万円の減収、鉄骨事業分野で一部案件における手戻りが発生し追加原価が発生したことにより、営業利益は前期比1億27百万円の減益、期初予想比1億85百万円の減益となりました。
翌連結会計年度は、需要の回復が課題であり、価格転嫁や販路の拡張、大型案件の受注拡大に取り組むことで、売上高は若干の減収、営業利益は増益を想定しております。
(建設コンサルタント事業)
当連結会計年度につきましては、受注残高は低調であるものの、期初受注残の消化が下半期に持ち直し、合わせて受注金額の高い案件の消化が進んだことにより、売上高は前期比では51百万円の増収、一方で計画していた新規分野の開拓に遅れが生じたことにより、期初予想比67百万円の減収となりました。利益面では、高粗利率案件の消化により採算性が改善し、営業利益は前期比1億37百万円、期初予想比14百万円の増益となりました。
翌連結会計年度は、独立行政法人国際協力機構(JICA)からの案件の深化と安定基盤の構築、海外ドナー案件の挑戦、政府機関および民間案件への戦略的展開を進めてまいります。
(補修・補強工事業)
この事業では、社会インフラ老朽化対策における橋梁、トンネルの補修・補強工事を推し進めております。国土強靱化対策等が進捗しており、受注環境は引き続き良好に推移しております。当連結会計年度は、期中受注案件が増加し、順調に消化が進んだことにより、増収増益となった一方で、案件の小規模化や外部委託の増加により利益率が低下いたしました。この結果、売上高は前期比4億54百万円の増収、営業利益は前期比9百万円の増益となりました。期初予想比も同様の理由により、売上高は5億4百万円の増収となり、営業利益は31百万円の増益となりました。
本事業の規模の拡大は保有する現場管理者の人数による制約を受けるため、採用活動と工事職員のスキルアップを強化することにより、案件消化体制の強化を図ります。また、地場企業への営業強化と元請受注の拡充を図ってまいります。
以上の4つの報告セグメントのセグメント利益の合計額は、連結財務諸表上の営業利益と一致しません。差異は調整額となりますが、調整額のうち特に大きな金額となっているのが、報告セグメントに帰属しない研究開発部門の人件費・経費です。公共投資の予算規模に大きな影響を受ける建設用資機材の製造・販売事業に代わる収益事業を創造していくため、当社グループは、研究開発に特に注力しております。当連結会計年度の実績は7億99百万円、売上高の3.1%となっております。
2022年
3月期
2023年
3月期
2024年
3月期
2025年
3月期
2026年
3月期
増減増減率
報告セグメントに帰属しない
研究開発部門の人件費・経費(百万円)
35339453160179919732.9%
売上高比率 (%)1.51.52.02.33.1--

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、基礎営業キャッシュ・フロー(営業キャッシュ・フローから運転資本の増減を除いたもの)と資産売却により合計12億34百万円のインフローに対し、投資(ほとんどが製造設備等に対する固定資産投資)8億14百万円と株主還元(配当金)3億91百万円に配分しました。余剰額28百万円、運転資本の増加により生じた67百万円及び有利子負債の増加による23百万円により、現金及び現金同等物等は14百万円減少しました。
中期経営計画の最終年度において、企業価値向上のための設備投資等に重点的に投資した後においても、フリーキャッシュ・フロー(ここでは、運転資本と定期預金の増減を含まず、株主還元への配分後)はプラスになりました。翌連結会計年度においても、キャッシュのインフローを成長投資に重点的に配分していく方針であります。
(百万円)
2025年3月期2026年3月期
基礎営業キャッシュ・フロー1,3131,213
資産処分等820
①インフロー1,3221,234
投資固定資産△886△760
有価証券他△17△53
△903△814
株主還元△391△391
②アウトフロー△1,294△1,205
③ネット資金(①+②)2728
④運転資本392△67
⑤有利子負債△64823
⑥現金及び現金同等物、定期預金等からの調達△229△14

b.財務戦略
資本コストや株価を意識した経営が求められるなか、2024年3月期に財務戦略を見直し、財務フレームワークを刷新しました。
経営資本の適正配分により、将来キャッシュ・フローの創出力と資本効率を高め、持続的な成長と企業価値の向上に資する財務運営を目指します。
当社グループの企業価値の持続的な向上を図っていく財務運営の基本方針は、以下のとおりです。
・資本コストを上回るキャッシュ・リターンの確保
・財務の健全性と成長投資を両立させる投下資本のコントロール(最適資本構成)
・キャピタル・アロケーション
(資本コストを上回るキャッシュ・リターンの確保)
・企業価値を真に向上させるには、会計上の利益を積み上げるだけでなく、フリーキャッシュ・フローの創出力を高める必要があり、利益の質の向上を意識していきます。
・具体的には、キャッシュ・フローの源泉となる利益については、既存事業の資産収益性による評価を実施し、成長投資を除いたベースで資本コストを上回るリターンを得ているかを見ていきます。
・事業利益による営業キャッシュ・フローの創出だけではなく、運転資本の効率化等も意識し、キャッシュ・フローの最大化を目指します。
・現預金は、資本コストがかかっている投下資本の運用先でもあり、資産効率性に大きな影響を与えます。適正な現預金の水準についても一定の目線を設定しております。
(適正な現預金の水準)
・現預金の保有目的は、「定常的資金」と「突発的資金」とに分けて考えております。更に「突発的資金」は「突発的な大規模投資資金(突然の大型投資資金需要にも対応しうる資金)」と「突発的な危機対応資金(突然の不測の事態にも困らないだけの安全資金)」に分けられます。
・「定常的資金」は、日々の運転資金として保有すべき現預金と定めており、連結売上高の月商をもとに決めております。この部分については、グループ企業間でのキャッシュ・マネジメント・システムの運用を開始しており、資金の効率性は向上していると考えております。
・「突発的資金」は、「突発的な大規模投資資金」と「突発的な危機対応資金」を合わせて定額を設定しております。「危機対応」と「大規模な投資」は同時に発生することは稀有であること、別々に金額を設定すると多額の現預金が必要となることにより、オールタナティブな資金として設定しました。
・この目線を運用しながら、適正な現預金の水準の実現を図っていきたいと考えております。
(運転資本)
・営業キャッシュ・フローの水準は、毎年運転資本の増減に大きく左右される状況となっております。より適切な管理を目指し、方向性を見出していきたいと考えております。
(財務の健全性と成長投資を両立させる投下資本のコントロール(最適資本構成))
・最適資本構成は、事業リスクに見合う有利子負債/自己資本の構成比であり、成長戦略をバランスシートでどう支えるか、成長投資を財務の観点からどう規律付けるか、デット・キャパシティをどのようにコントロールするかは、最適資本構成の水準によって決まってくると考えております。
・今回の財務フレームワークでは、想定格付、事業リスクを踏まえた必要自己資本の水準より、最適資本構成としてのD/Eレシオの目線を設定しました。
・当連結会計年度のD/Eレシオは0.53となっており、目線に沿った運用がなされていると評価しております。
(キャピタル・アロケーション)
・当社グループは、「中期経営計画2030」の期間を、「2030ビジョン」のありたい姿実現に向けて、国内外の防災、インフラの整備・維持管理に向けた幅広い貢献を担う企業を実現する期間と位置づけており、中期経営計画期間中に獲得したキャッシュ・フローは重点的に成長投資に配分していきます。
・また、「中期経営計画2030」では新たに3事業を立ち上げたため、今後の成長投資に備えた資金調達余力の確保が重要であると考えております。そのため、一定のデット・キャパシティを維持していくことを考えており、今回設定したD/Eレシオ、自己資本比率の目線に沿うかたちで財務の健全性を向上させていく予定です。
・ただし、M&A等により突発的に資金が必要になった場合や新規事業が予定より早く立ち上がる場合等には、その後のキャッシュ・フローを慎重に精査した上で、D/Eレシオの一時的な大幅悪化を許容する場合もあります。
・キャピタルのアロケーションとしての株主還元につきましては、安定配当を重視してまいります。
(株主還元)
・株主還元・配当政策は経営の最重要課題の一つと認識しております。直接的な利益還元(配当)と成長投資による中長期的な株価上昇によるトータルリターンの向上を基本としています。「中期経営計画2030」においても、これまでの中期経営計画の方針は変わらず、中長期の成長に向けた投資を優先し、長期に亘る成長を確実に配当還元する方針としております。配当につきましては、短期の業績に左右されず、株主資本の成長に合わせ配当金額が増加する株主資本配当率(*)を配当の水準を決定する際の指標としていきます。具体的には、株主資本配当率3.5%を目安としていきます。
(*)株主資本配当率=配当金総額÷期末株主資本(新株式払込金を除く)×100
2024年3月期2025年3月期2026年3月期
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(百万円)969543△434
株主資本(百万円)10,89711,04910,221
1株当たり配当金(円)131313
配当金総額(百万円)392392392
配当性向(連結)(%)40.572.2-
株主資本配当率(%)3.603.553.84

(当連結会計年度の資本効率の状況)
・中長期的な企業価値向上を実現するために、資本効率の向上が不可欠だと考えておりますが、当連結会計年度末のROEは△4.0%と前連結会計年度の4.9%より大幅に減少しました。売上高当期純利益率(ROS)の減少が要因です。ROEの改善のためにはROSの向上が必要と考えており、財務運営としては、投資を急ぐあまり総資産回転率が悪化したり、有利子負債が平時に極端に増えることのないよう設定した目線に基づいて運営していく必要がある(財務レバレッジを大きく上げる段階にはない)と考えております。
(%、倍)
2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期
自己資本当期純利益率(ROE)純利益/自己資本8.69.14.9△4.0
売上高当期純利益率(ROS)純利益/売上高3.43.72.1△1.7
総資産回転率(分母平均)売上高/総資産1.041.021.001.02
財務レバレッジ総資産/自己資本2.422.432.332.31

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績や入手可能な情報に基づいておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

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