有価証券報告書-第21期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/25 10:00
【資料】
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【項目】
92項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢に改善が見られるなど緩やかな回復基調で推移しましたが、原油価格をはじめとした資源価格の上昇も生じており先行き不透明な状況が継続いたしました。
当社事業につきましては、当事業年度の売上高は43,431百万円(前年同期比10.8%増)と増収となりました。一方、利益につきましては、チタン事業における販売数量の増加や全社的なコスト改善の進展に加え、前事業年度は岸和田製造所の突発停電による損益の悪化があったこともあり営業利益は、前事業年度の2,050百万円に対し3,322百万円(前年同期比62.0%増)となりました。また、外貨建売掛債権の為替差損減少等により経常利益は2,809百万円(前年同期比129.1%増)、当期純利益は1,857百万円(前年同期比
220.3%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ2,437百万円増加し、4,619百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益や減価償却費の計上に加え、たな卸資産の減少等による資金の増加があったため7,332百万円の収入となりました(前事業年度は1,905百万円の支出)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により1,157百万円の支出となりました(前事業年度は1,909百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の減少等により3,483百万円の支出となりました(前事業年度は4,048百万円の収入)。
③生産、受注及び販売の実績
a生産実績
当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
チタン事業27,265△16.0
ポリシリコン事業11,479△2.9
高機能材料事業1,628△34.3
合計40,373△13.6

(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b受注実績
当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
チタン事業29,14414.35,273△20.2
ポリシリコン事業10,213△6.21,293△24.2
高機能材料事業2,321△1.4558△0.4
合計41,6797.67,125△19.7

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c販売実績
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
チタン事業30,48021.7
ポリシリコン事業10,626△9.6
高機能材料事業2,324△2.5
合計43,43110.8

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先第20期第21期
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
住友商事㈱17,61645.020,72547.7
㈱SUMCO9,94725.48,37919.3
神鋼商事㈱4,17110.66,86415.8

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当社の当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
チタン事業において、輸出向け航空機用需要が拡大基調で推移したことに加え、機体用を主体とした拡販取り組みの効果等により売上高は43,431百万円(前年同期比10.8%増)となりました。
(営業利益)
チタン事業における販売数量の増加や全社的なコスト改善の進展に加え、前事業年度は岸和田製造所の突発停電による損益の悪化があったこともあり営業利益は3,322百万円(前年同期比62.0%増)となりました。
(経常利益・当期純利益)
外貨建売掛債権の為替差損減少等により経常利益は2,809百万円(前年同期比129.1%増)、当期純利益は1,857百万円(前年同期比220.3%増)となりました。
(財政状態)
(イ)資産
当事業年度末の総資産の残高は、92,662百万円と前事業年度末と比べ603百万円減少いたしました。これは、売掛金の増加があったものの、棚卸資産及び有形固定資産が減少したことが主な要因であります。
(ロ)負債
当事業年度末の負債の残高は、56,448百万円と前事業年度末と比べ2,319百万円減少いたしました。これは、借入金が減少したことが主な要因であります。
(ハ)純資産
当事業年度末の純資産の残高は、36,213百万円と前事業年度末と比べ1,716百万円増加いたしました。これは、主に当期純利益により利益剰余金が増加したことが主な要因であります。
(キャッシュ・フロー)
当事業年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、翌事業年度に大規模な設備投資等を予定していないため、当事業年度においては、借入金を圧縮しつつ、必要な運転資金を金融機関からの調達や、売上債権の流動化等により確保しております。
※経営方針・経営戦略、経営上の目的の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題 」に記載のとおりであります。
b セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
⦅チタン事業⦆
引き続き輸出向けで航空機用需要が拡大基調で推移したことに加え、機体用を主体とした拡販取り組みの効果等により売上高が増加しました。また、国内向けも、プレート式熱交換器、発電プラント向け等の一般産業用展伸材の需要回復により売上高が増加し、チタン事業の売上高は30,480百万円(前年同期比21.7%増)となりました。また、スポンジチタンの稼働率は、在庫圧縮の取り組みも含め7割台前半となりました。
セグメント利益は、チタン原料やエネルギー価格の上昇があったものの、販売数量の増加やコスト改善の推進により、2,645百万円(前年同期比29.7%増)となりました。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として1,086百万円の設備投資を実施しております。
⦅ポリシリコン事業⦆
半導体用ポリシリコンの需給調整が継続したことから、ポリシリコン事業の売上高は10,626百万円(前年同期比9.6%減)となりました。
セグメント利益は、前事業年度における岸和田製造所の突発停電影響の解消やコスト改善の推進により、84百万円(前年同期比799百万円増)となりました。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として287百万円の設備投資を実施しております。
⦅高機能材料事業⦆
半導体需要の増加に伴い高純度チタンの販売数量は増加したものの、液晶パネル用途のTILOP(タイロップ)の需要の調整により粉末チタンの販売数量が減少したため、高機能材料事業の売上高は2,324百万円(前年同期比2.5%減)となりました。
セグメント利益は、販売数量の減少により、593百万円(前年同期比18.3%減)となりました。
当事業年度において、研究開発設備の取得を主な目的として54百万円の設備投資を実施しております。