有価証券報告書-第23期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、設備投資の底堅さにより緩やかな回復基調で推移していましたが、個人消費の減退等においては停滞感が強まりました。海外経済におきましても米中貿易摩擦等の影響により製造業を中心に景気の減速感が強まり、さらには期末にかけて発生した新型コロナウイルス感染症の拡大により経済活動が大きく抑制され厳しい状況にあります。引き続き、経済環境が大きく悪化する厳しい状況が見込まれます。
当社事業につきましては、売上高は、チタン事業、高機能材料事業合計で37,421百万円(前年同期比
7.6%増)となりました。(ポリシリコンも含めた全社合計の売上高は、38,189百万円(前年同期比
12.5%減))
損益につきましては、チタン事業における販売数量増やコスト改善の推進等に取り組んできたものの、チタン原材料の価格上昇が大きく影響し営業利益は1,142百万円(前年同期比50.5%減)、経常利益は1,312百万円(前年同期比45.8%減)、当期純利益は726百万円(前年同期は、ポリシリコン事業の撤退損失および大阪北部地震等の影響を特別損失に計上したことから1,322百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ
5,207百万円減少し、5,789百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費及び事業撤退損失の計上に加え、売上債権の減少による資金の増加があったため1,496百万円の収入となりました(前事業年度は20,172百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により3,734百万円の支出となりました(前事業年度は1,392百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の減少等により3,032百万円の支出となりました(前事業年度は12,547百万円の支出)。
③生産、受注及び販売の実績
a生産実績
当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b受注実績
当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c販売実績
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) その他欄に記載の販売高は前事業年度に撤退することを決定し、生産を終了したポリシリコン事業に関する残存在庫の売却によるものです。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当社の当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
チタン事業では、一般産業用途向け主体の国内向けにおいて前年同期比約2%の売上高の減少となりましたが、航空機用途向け主体の輸出向けの売上高が前年同期比約16%と大きな伸びとなったことから、売上高はチタン事業、高機能材料事業合計で37,421百万円(前年同期比7.6%増)となりました。(ポリシリコンも含めた全社合計の売上高は、38,189百万円(前年同期比12.5%減))
(営業利益)
チタン事業における販売数量増やコスト改善の推進等に取り組んできたものの、チタン原材料の価格上昇が大きく影響し営業利益は1,142百万円(前年同期比50.5%減)となりました。
(経常利益・当期純利益)
経常利益は1,312百万円(前年同期比45.8%減)、当期純利益は726百万円(前年同期は、ポリシリコン事業の撤退損失および大阪北部地震等の影響を特別損失に計上したことから1,322百万円の損失)となりました。
(財政状態)
(イ)資産
当事業年度末の総資産の残高は、76,417百万円と前事業年度末と比べ4,511百万円減少いたしました。これは、有形固定資産の増加があったものの、現金及び預金が減少したことが主な要因であります。
(ロ)負債
当事業年度末の負債の残高は、41,597百万円と前事業年度末と比べ5,026百万円減少いたしました。これは、借入金および事業撤退損失引当金が減少したことが主な要因であります。
(ハ)純資産
当事業年度末の純資産の残高は、34,820百万円と前事業年度末と比べ515百万円増加いたしました。これは、主に当期純利益により利益剰余金が増加したことが主な要因であります。
b セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
⦅チタン事業⦆
チタン事業では、一般産業用途向け主体の国内向けにおいて前年同期比約2%の売上高の減少となりましたが、航空機用途向け主体の輸出向けの売上高が前年同期比約16%と大きな伸びとなったことからチタン事業の売上高は35,453百万円(前年同期比8.4%増)となりました。また、製造工場の稼働率は9割強と高水準でありました。
セグメント利益は、販売数量増やコスト改善の推進等に取り組んできたものの、チタン原材料の価格上昇が大きく影響し、1,166百万円(前年同期比43.5%減)となりました。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として3,339百万円の設備投資を実施しております。
⦅高機能材料事業⦆
高機能材料事業では、半導体関連需要の減速によりスパッタリング用ターゲットの原料の高純度チタンの売上高が減少したこと等により、売上高は1,967百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
セグメント利益は、販売数量の減少により、30百万円(前年同期比91.7%減)となりました。
当事業年度において、球状チタン合金粉末(合金TILOP)の製造能力の増強を主な目的として1,012百万円の設備投資を実施しております。
※経営方針・経営戦略、経営上の目的を達成するための方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題 」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資金需要については、運転資金に加え製造設備の維持改善や研究開発等を目的とした設備投資等があります。これらの資金需要については、自己資金に加え、金融機関からの調達や、売上債権の流動化等により確保しております。
新型コロナウイルス感染症の拡大による経済環境の悪化に伴う、資金需要の増加につきましては、金融機関からの調達により確保してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要と判断したものは、繰延税金資産の回収可能性の検討に使用する将来の課税所得の見積りの基礎となる将来の事業計画及び、事業計画の策定に用いた仮定(売上の変動見込み・原料価格の変動見込み等)であります。
上記の見積り及び見積りに用いた仮定については、世界経済の変動等の経済環境の変化により常に影響を受けることから、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (10)繰延税金資産の取崩しによるリスク」に記載のとおり、その予測・仮定に変動が生じた場合、繰延税金資産の取崩しにより当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響に関する当社の仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国経済は、設備投資の底堅さにより緩やかな回復基調で推移していましたが、個人消費の減退等においては停滞感が強まりました。海外経済におきましても米中貿易摩擦等の影響により製造業を中心に景気の減速感が強まり、さらには期末にかけて発生した新型コロナウイルス感染症の拡大により経済活動が大きく抑制され厳しい状況にあります。引き続き、経済環境が大きく悪化する厳しい状況が見込まれます。
当社事業につきましては、売上高は、チタン事業、高機能材料事業合計で37,421百万円(前年同期比
7.6%増)となりました。(ポリシリコンも含めた全社合計の売上高は、38,189百万円(前年同期比
12.5%減))
損益につきましては、チタン事業における販売数量増やコスト改善の推進等に取り組んできたものの、チタン原材料の価格上昇が大きく影響し営業利益は1,142百万円(前年同期比50.5%減)、経常利益は1,312百万円(前年同期比45.8%減)、当期純利益は726百万円(前年同期は、ポリシリコン事業の撤退損失および大阪北部地震等の影響を特別損失に計上したことから1,322百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ
5,207百万円減少し、5,789百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費及び事業撤退損失の計上に加え、売上債権の減少による資金の増加があったため1,496百万円の収入となりました(前事業年度は20,172百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により3,734百万円の支出となりました(前事業年度は1,392百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の減少等により3,032百万円の支出となりました(前事業年度は12,547百万円の支出)。
③生産、受注及び販売の実績
a生産実績
当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
チタン事業 | 34,302 | 23.0 |
高機能材料事業 | 2,158 | △19.2 |
合計 | 36,461 | 19.3 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b受注実績
当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
チタン事業 | 33,982 | △6.2 | 7,324 | △16.7 |
高機能材料事業 | 2,046 | △0.8 | 639 | 14.2 |
合計 | 36,029 | △5.9 | 7,964 | △14.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c販売実績
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
チタン事業 | 35,453 | 8.4 |
高機能材料事業 | 1,967 | △4.5 |
その他 | 768 | - |
合計 | 38,189 | △12.5 |
(注) その他欄に記載の販売高は前事業年度に撤退することを決定し、生産を終了したポリシリコン事業に関する残存在庫の売却によるものです。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 第22期 | 第23期 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
住商メタレックス㈱ | 11,725 | 26.9 | 24,560 | 64.1 |
住友商事㈱ | 10,552 | 24.2 | - | - |
神鋼商事㈱ | 7,654 | 17.5 | 7,828 | 20.4 |
㈱SUMCO | 7,570 | 17.3 | - | - |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当社の当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
チタン事業では、一般産業用途向け主体の国内向けにおいて前年同期比約2%の売上高の減少となりましたが、航空機用途向け主体の輸出向けの売上高が前年同期比約16%と大きな伸びとなったことから、売上高はチタン事業、高機能材料事業合計で37,421百万円(前年同期比7.6%増)となりました。(ポリシリコンも含めた全社合計の売上高は、38,189百万円(前年同期比12.5%減))
(営業利益)
チタン事業における販売数量増やコスト改善の推進等に取り組んできたものの、チタン原材料の価格上昇が大きく影響し営業利益は1,142百万円(前年同期比50.5%減)となりました。
(経常利益・当期純利益)
経常利益は1,312百万円(前年同期比45.8%減)、当期純利益は726百万円(前年同期は、ポリシリコン事業の撤退損失および大阪北部地震等の影響を特別損失に計上したことから1,322百万円の損失)となりました。
(財政状態)
(イ)資産
当事業年度末の総資産の残高は、76,417百万円と前事業年度末と比べ4,511百万円減少いたしました。これは、有形固定資産の増加があったものの、現金及び預金が減少したことが主な要因であります。
(ロ)負債
当事業年度末の負債の残高は、41,597百万円と前事業年度末と比べ5,026百万円減少いたしました。これは、借入金および事業撤退損失引当金が減少したことが主な要因であります。
(ハ)純資産
当事業年度末の純資産の残高は、34,820百万円と前事業年度末と比べ515百万円増加いたしました。これは、主に当期純利益により利益剰余金が増加したことが主な要因であります。
b セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
⦅チタン事業⦆
チタン事業では、一般産業用途向け主体の国内向けにおいて前年同期比約2%の売上高の減少となりましたが、航空機用途向け主体の輸出向けの売上高が前年同期比約16%と大きな伸びとなったことからチタン事業の売上高は35,453百万円(前年同期比8.4%増)となりました。また、製造工場の稼働率は9割強と高水準でありました。
セグメント利益は、販売数量増やコスト改善の推進等に取り組んできたものの、チタン原材料の価格上昇が大きく影響し、1,166百万円(前年同期比43.5%減)となりました。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として3,339百万円の設備投資を実施しております。
⦅高機能材料事業⦆
高機能材料事業では、半導体関連需要の減速によりスパッタリング用ターゲットの原料の高純度チタンの売上高が減少したこと等により、売上高は1,967百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
セグメント利益は、販売数量の減少により、30百万円(前年同期比91.7%減)となりました。
当事業年度において、球状チタン合金粉末(合金TILOP)の製造能力の増強を主な目的として1,012百万円の設備投資を実施しております。
※経営方針・経営戦略、経営上の目的を達成するための方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題 」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資金需要については、運転資金に加え製造設備の維持改善や研究開発等を目的とした設備投資等があります。これらの資金需要については、自己資金に加え、金融機関からの調達や、売上債権の流動化等により確保しております。
新型コロナウイルス感染症の拡大による経済環境の悪化に伴う、資金需要の増加につきましては、金融機関からの調達により確保してまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要と判断したものは、繰延税金資産の回収可能性の検討に使用する将来の課税所得の見積りの基礎となる将来の事業計画及び、事業計画の策定に用いた仮定(売上の変動見込み・原料価格の変動見込み等)であります。
上記の見積り及び見積りに用いた仮定については、世界経済の変動等の経済環境の変化により常に影響を受けることから、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (10)繰延税金資産の取崩しによるリスク」に記載のとおり、その予測・仮定に変動が生じた場合、繰延税金資産の取崩しにより当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響に関する当社の仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。