有価証券報告書-第22期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/24 10:16
【資料】
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【項目】
127項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、地震や台風などの自然災害の影響はあったものの、企業収益や雇用環境の改善などを背景として緩やかな回復基調で推移いたしました。
一方、世界経済につきましては貿易摩擦の拡大や海外主要国における経済情勢の不透明感などの懸念があり、先行きには注視が必要な状態が続いています。
当社事業につきましては、当事業年度の売上高は43,666百万円(前年同期比0.5%増)と増収となりました。損益につきましては、チタン事業における販売数量増やコスト改善の推進等に取り組んできたものの、チタン原料等の価格上昇や補修費用の増加により営業利益は2,308百万円(前年同期比30.5%減)、経常利益は2,422百万円(前年同期比13.8%減)、一方、ポリシリコン事業の撤退損失および大阪北部地震等の影響を特別損失に計上したことから、当期純損失は1,322百万円(前年同期は1,857百万円の利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ6,377百万円増加し、10,997百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、事業撤退損失及び減価償却費の計上に加え、たな卸資産の減少、解約金等による資金の増加があったため20,172百万円の収入となりました(前事業年度は7,332百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により1,392百万円の支出となりました(前事業年度は1,157百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の減少等により12,547百万円の支出となりました(前事業年度は3,483百万円の支出)。
③生産、受注及び販売の実績
a生産実績
当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
チタン事業27,8922.3
ポリシリコン事業7,067△38.4
高機能材料事業2,67064.0
合計37,630△6.8

(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b受注実績
当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
チタン事業36,23524.38,79566.8
ポリシリコン事業7,542△26.2229△82.3
高機能材料事業2,062△11.25600.3
合計45,84010.09,58534.5

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c販売実績
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
チタン事業32,7137.3
ポリシリコン事業8,892△16.3
高機能材料事業2,060△11.3
合計43,6660.5

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先第21期第22期
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
住商メタレックス㈱--11,72526.9
住友商事㈱20,72547.710,55224.2
神鋼商事㈱6,86415.87,65417.5
㈱SUMCO8,37919.37,57017.3

(注)第21期の住商メタレックス㈱に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当社の当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
チタン事業において、引き続き輸出向けで航空機用需要が拡大基調で推移したことに加え、国内向けも、一般産業用のプレート式熱交換器、発電プラント向け等の需要が堅調であったことから、売上高は43,666百万円(前年同期比0.5%増)となりました。
(営業利益)
チタン事業における販売数量増やコスト改善の推進等に取り組んできたものの、チタン原料等の価格上昇や補修費用の増加により営業利益は2,308百万円(前年同期比30.5%減)となりました。
(経常利益・当期純利益)
経常利益は2,422百万円(前年同期比13.8%減)、一方、ポリシリコン事業の撤退損失および大阪北部地震等の影響を特別損失に計上したことから、当期純損失は1,322百万円(前年同期は1,857百万円の利益)となりました。
(財政状態)
(イ)資産
当事業年度末の総資産の残高は、80,928百万円と前事業年度末と比べ11,733百万円減少いたしました。これは、現金及び預金の増加があったものの、棚卸資産及び有形固定資産が減少したことが主な要因であります。
(ロ)負債
当事業年度末の負債の残高は、46,623百万円と前事業年度末と比べ9,824百万円減少いたしました。これは、事業撤退損失引当金が増加したものの、借入金が減少したことが主な要因であります。
(ハ)純資産
当事業年度末の純資産の残高は、34,305百万円と前事業年度末と比べ1,908百万円減少いたしました。これは、主に当期純損失により利益剰余金が減少したことが主な要因であります。
(キャッシュ・フロー)
当事業年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社は、翌事業年度に大規模な設備投資等を予定していないため、当事業年度においては、借入金を圧縮しつつ、必要な運転資金を金融機関からの調達や、売上債権の流動化等により確保しております。
※経営方針・経営戦略、経営上の目的の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題 」に記載のとおりであります。
b セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
⦅チタン事業⦆
引き続き輸出向けで航空機用需要が拡大基調で推移したことに加え、国内向けも、一般産業用のプレート式熱交換器、発電プラント向け等の需要が堅調であったことから、チタン事業の売上高は32,713百万円(前年同期比7.3%増)となりました。また、スポンジチタンの稼働率は7割台半ばとなりました。
セグメント利益は、販売数量の増加やコスト改善の推進があったものの、チタン原料やエネルギー価格の上昇により、2,064百万円(前年同期比22.0%減)となりました。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として1,746百万円の設備投資を実施しております。
⦅ポリシリコン事業⦆
当事業年度で事業撤退を行ったことから、売上高は8,892百万円(前年同期比16.3%減)となりました。
セグメント利益は、116百万円の損失(前年同期は84百万円の利益)となりました。
なお、当社は2018年11月28日開催の取締役会で、ポリシリコン事業において株式会社SUMCOとの長期売買契約を中途にて合意解約した上で同事業から撤退する事を決議いたしました。
これに伴う事業撤退損失12,862百万円を特別損失に計上、また、長期売買契約の解約に伴う解約金
10,000百万円を特別利益に計上しております。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として186百万円の設備投資を実施しております。
⦅高機能材料事業⦆
高純度球状チタン粉末(高純度TILOP)および球状チタン合金粉末(合金TILOP)の需要は増加したものの、高純度チタンの販売数量が減少したため、売上高は2,060百万円(前年同期比11.3%減)となりました。
セグメント利益は、販売数量の減少により、360百万円(前年同期比39.3%減)となりました。
当事業年度において、研究開発設備の取得を主な目的として57百万円の設備投資を実施しております。