有価証券報告書-第26期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国及び海外経済は、新型コロナウィルス感染症に対する活動制限が緩和される中、経済活動も正常化に向かいつつあり、緩やかな景気回復基調となりました。しかしながら、ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの長期化やこれに伴う資源エネルギー価格の高騰、世界規模でのインフレの進行、為替金融動向等、先行きは依然として不透明な状況にあります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社チタン事業におきましては、航空機需要の回復およびチタンのサプライチェーン再編によって、スポンジチタンの需要は急速に強まっております。このような事業環境の中、航空機用途向けが主体である輸出スポンジチタンの売上高は前年同期比で59.9%増となりました。また、一般産業用途向け主体の国内スポンジチタン需要も回復し、前年同期比51.9%増となりました。結果、チタン事業の売上高は39,273百万円(前年同期比57.0%増)となりました。
高機能材料事業では、足下の世界半導体需要は急速に悪化し、先行きは注視が必要な状況となっておりますが、当事業年度においては、スパッタリングターゲット用高純度チタン及び球状チタン合金粉末(合金TILOP)の販売量は引き続き増加、売上高は3,801百万円(前年同期比18.1%増)となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、43,074百万円(前年同期比50.9%増)となりました。
損益につきましては、チタン鉱石や電力価格の上昇といった悪化要因はありましたが、チタン事業における販売量の増加、価格是正、稼働率の向上等により、営業利益は4,780百万円(前年同期は1,914百万円の損失)、経常利益は4,723百万円(前年同期は1,719百万円の損失)、当期純利益は4,388百万円(前年同期は3,112百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ
3,694百万円減少し、6,971百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益等により741百万円の収入となりました(前事業年度は6,304百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により2,693百万円の支出となりました(前事業年度は1,452百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により369百万円の支出となりました(前事業年度は559百万円の支出)。
③生産、受注及び販売の実績
a生産実績
当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
b受注実績
当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
c販売実績
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当社の当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当社チタン事業における航空機需要の回復およびチタンのサプライチェーン再編に起因する、スポンジチタンの需要の急速な強まりや、高機能材料事業における、スパッタリングターゲット用高純度チタン及び球状チタン合金粉末(合金TILOP)の販売量の引き続きの増加等により当事業年度の売上高は、43,074百万円(前年同期比50.9%増)となりました。
(営業利益・経常利益)
チタン鉱石や電力価格の上昇といった悪化要因はありましたが、チタン事業における販売量の増加、価格是正、稼働率の向上等により、営業利益は4,780百万円(前年同期は1,914百万円の損失)、経常利益は4,723百万円(前年同期は1,719百万円の損失)となりました。
(当期純利益)
当期純利益につきましては、上記要因に加え、繰延税金資産を計上したことに伴い法人税等調整額△515百万円(△は益)を計上したことにより4,388百万円(前年同期は3,112百万円の損失)となりました。
(財政状態)
(イ)資産
当事業年度末の総資産の残高は、81,544百万円と前事業年度末と比べ4,957百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が減少したものの、売掛金、原材料及び貯蔵品が増加したことが主な要因であります。
(ロ)負債
当事業年度末の負債の残高は、51,070百万円と前事業年度末と比べ992百万円増加いたしました。これは、未払消費税等が減少したものの、買掛金が増加したことが主な要因であります。
(ハ)純資産
当事業年度末の純資産の残高は、30,474百万円と前事業年度末と比べ3,964百万円増加いたしました。これは、当期純利益により利益剰余金が増加したことが主な要因であります。
b セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
⦅チタン事業⦆
当社チタン事業におきましては、航空機需要の回復およびチタンのサプライチェーン再編によって、スポンジチタンの需要は急速に強まっております。このような事業環境の中、航空機用途向けが主体である輸出スポンジチタンの売上高は前年同期比で59.9%増となりました。また、一般産業用途向け主体の国内スポンジチタン需要も回復し、前年同期比51.9%増となりました。結果、チタン事業の売上高は39,273百万円(前年同期比57.0%増)となりました。
チタン鉱石や電力価格の上昇といった悪化要因はありましたが、チタン事業における販売量の増加、価格是正、稼働率の向上等により、4,424百万円の利益(前年同期は1,196百万円の損失)となりました。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として2,876百万円の設備投資を実施しております。
⦅高機能材料事業⦆
高機能材料事業では、足下の世界半導体需要は急速に悪化し、先行きは注視が必要な状況となっておりますが、当事業年度においては、スパッタリングターゲット用高純度チタン及び球状チタン合金粉末(合金TILOP)の販売量は引き続き増加、売上高は3,801百万円(前年同期比18.1%増)となりました。
セグメント利益は、販売数量の増加等により356百万円の利益(前年同期は939百万円の損失)となりました。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として106百万円の設備投資を実施しております。
※経営方針・経営戦略、経営上の目的を達成するための方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資金需要については、運転資金に加え製造設備の維持改善や研究開発等を目的とした設備投資等があります。これらの資金需要については、自己資金に加え、金融機関からの調達や、売上債権の流動化等により確保しております。
長期借入金の借り換えも実施しながら、安定資金の確保と財務体質の健全化に向けた取り組みを進めております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要と判断したもの及び、ロシアによるウクライナ侵攻の影響並びに、新型コロナウィルス感染症の影響に関する当社の仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国及び海外経済は、新型コロナウィルス感染症に対する活動制限が緩和される中、経済活動も正常化に向かいつつあり、緩やかな景気回復基調となりました。しかしながら、ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの長期化やこれに伴う資源エネルギー価格の高騰、世界規模でのインフレの進行、為替金融動向等、先行きは依然として不透明な状況にあります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社チタン事業におきましては、航空機需要の回復およびチタンのサプライチェーン再編によって、スポンジチタンの需要は急速に強まっております。このような事業環境の中、航空機用途向けが主体である輸出スポンジチタンの売上高は前年同期比で59.9%増となりました。また、一般産業用途向け主体の国内スポンジチタン需要も回復し、前年同期比51.9%増となりました。結果、チタン事業の売上高は39,273百万円(前年同期比57.0%増)となりました。
高機能材料事業では、足下の世界半導体需要は急速に悪化し、先行きは注視が必要な状況となっておりますが、当事業年度においては、スパッタリングターゲット用高純度チタン及び球状チタン合金粉末(合金TILOP)の販売量は引き続き増加、売上高は3,801百万円(前年同期比18.1%増)となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、43,074百万円(前年同期比50.9%増)となりました。
損益につきましては、チタン鉱石や電力価格の上昇といった悪化要因はありましたが、チタン事業における販売量の増加、価格是正、稼働率の向上等により、営業利益は4,780百万円(前年同期は1,914百万円の損失)、経常利益は4,723百万円(前年同期は1,719百万円の損失)、当期純利益は4,388百万円(前年同期は3,112百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ
3,694百万円減少し、6,971百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益等により741百万円の収入となりました(前事業年度は6,304百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により2,693百万円の支出となりました(前事業年度は1,452百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により369百万円の支出となりました(前事業年度は559百万円の支出)。
③生産、受注及び販売の実績
a生産実績
当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
チタン事業 | 35,521 | 77.5 |
高機能材料事業 | 3,853 | 21.9 |
合計 | 39,374 | 69.9 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
b受注実績
当事業年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
チタン事業 | 44,489 | 65.7 | 12,793 | 68.9 |
高機能材料事業 | 3,628 | 5.3 | 788 | △17.9 |
合計 | 48,118 | 58.9 | 13,582 | 59.1 |
c販売実績
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
チタン事業 | 39,273 | 57.0 |
高機能材料事業 | 3,801 | 18.1 |
その他 | - | △100.0 |
合計 | 43,074 | 50.9 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 第25期 | 第26期 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
住商メタレックス㈱ | 16,057 | 56.2 | 24,884 | 57.8 |
神鋼商事㈱ | 4,429 | 15.5 | 8,554 | 19.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 当社の当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当社チタン事業における航空機需要の回復およびチタンのサプライチェーン再編に起因する、スポンジチタンの需要の急速な強まりや、高機能材料事業における、スパッタリングターゲット用高純度チタン及び球状チタン合金粉末(合金TILOP)の販売量の引き続きの増加等により当事業年度の売上高は、43,074百万円(前年同期比50.9%増)となりました。
(営業利益・経常利益)
チタン鉱石や電力価格の上昇といった悪化要因はありましたが、チタン事業における販売量の増加、価格是正、稼働率の向上等により、営業利益は4,780百万円(前年同期は1,914百万円の損失)、経常利益は4,723百万円(前年同期は1,719百万円の損失)となりました。
(当期純利益)
当期純利益につきましては、上記要因に加え、繰延税金資産を計上したことに伴い法人税等調整額△515百万円(△は益)を計上したことにより4,388百万円(前年同期は3,112百万円の損失)となりました。
(財政状態)
(イ)資産
当事業年度末の総資産の残高は、81,544百万円と前事業年度末と比べ4,957百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が減少したものの、売掛金、原材料及び貯蔵品が増加したことが主な要因であります。
(ロ)負債
当事業年度末の負債の残高は、51,070百万円と前事業年度末と比べ992百万円増加いたしました。これは、未払消費税等が減少したものの、買掛金が増加したことが主な要因であります。
(ハ)純資産
当事業年度末の純資産の残高は、30,474百万円と前事業年度末と比べ3,964百万円増加いたしました。これは、当期純利益により利益剰余金が増加したことが主な要因であります。
b セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
⦅チタン事業⦆
当社チタン事業におきましては、航空機需要の回復およびチタンのサプライチェーン再編によって、スポンジチタンの需要は急速に強まっております。このような事業環境の中、航空機用途向けが主体である輸出スポンジチタンの売上高は前年同期比で59.9%増となりました。また、一般産業用途向け主体の国内スポンジチタン需要も回復し、前年同期比51.9%増となりました。結果、チタン事業の売上高は39,273百万円(前年同期比57.0%増)となりました。
チタン鉱石や電力価格の上昇といった悪化要因はありましたが、チタン事業における販売量の増加、価格是正、稼働率の向上等により、4,424百万円の利益(前年同期は1,196百万円の損失)となりました。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として2,876百万円の設備投資を実施しております。
⦅高機能材料事業⦆
高機能材料事業では、足下の世界半導体需要は急速に悪化し、先行きは注視が必要な状況となっておりますが、当事業年度においては、スパッタリングターゲット用高純度チタン及び球状チタン合金粉末(合金TILOP)の販売量は引き続き増加、売上高は3,801百万円(前年同期比18.1%増)となりました。
セグメント利益は、販売数量の増加等により356百万円の利益(前年同期は939百万円の損失)となりました。
当事業年度において、製造能力の維持更新を主な目的として106百万円の設備投資を実施しております。
※経営方針・経営戦略、経営上の目的を達成するための方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資金需要については、運転資金に加え製造設備の維持改善や研究開発等を目的とした設備投資等があります。これらの資金需要については、自己資金に加え、金融機関からの調達や、売上債権の流動化等により確保しております。
長期借入金の借り換えも実施しながら、安定資金の確保と財務体質の健全化に向けた取り組みを進めております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要と判断したもの及び、ロシアによるウクライナ侵攻の影響並びに、新型コロナウィルス感染症の影響に関する当社の仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
また、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。