有価証券報告書-第79期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 15:14
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【項目】
231項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、前連結会計年度から継続して緩やかに回復しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、製造業やサービス業などで影響が出始めており、厳しい状況となりました。
当社グループの関連するICT市場は、当社の主力製品であるビジネスホン関連の設備投資においてリプレイス需要が中心であるため減少傾向にありますが、第5世代移動通信システム(5G)の開始に向け関連設備などの増加が期待でき、成長の拡大が見込まれております。今後は、新型コロナウイルス感染症の拡大による国内の経済活動の冷え込みから様々な産業への影響が続く一方で、感染拡大を予防する新たな生活様式に向けてICTへの投資が活性化されることが予想されます。
このような状況下で、当社グループは2018年4月からスタートした「第四次中期経営計画」において『お客様のビジネスの発展をサポートする会社』を目指し、重点課題である「事業規模の拡大」と「経営体質の強化」に取り組んでおります。
「事業規模の拡大」に向けては、NYC-Siシリーズの介護・IoT連携等による新たな機能強化に加え、教育関係では、教職員向けの業務負荷低減のアプリケーション「アンケートクラウド」を開発しクラウドでのサービス提供を開始するとともに、ホテルの客室やオフィスの受付など多様なインテリアと調和するデザイン電話機「Simor neo[シモールネオ]」を発売いたしました。また、スマート工場化を総合的にサポートする「ファクトリーNYC」の技術を応用した「データ無線センシング」によってIoTソリューションの適用範囲を拡大してまいりました。事業規模の拡大を支える「経営体質の強化」においては、スマート工場化や製造革新活動、管理部門によるRPAツールの導入などにより生産性の向上に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ741百万円減少し、22,580百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ252百万円減少し、4,848百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ488百万円減少し、17,731百万円となりました。
(b) 経営成績
当連結会計年度の業績につきましては、台風19号により、主要取引先が被災された影響と新型コロナウイルス感染症によりサプライチェーンが寸断され売上高が減少し、17,735百万円(前期比1.8%減)となりました。利益面は、売上減少に加え、Windows10への切り替え費用および開発費の増加等により、営業利益は357百万円(前期比51.5%減)、経常利益は449百万円(前期比46.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は253百万円(前期比58.4%減)となりました。
なお、当社グループは通信機器事業の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ810百万円増加し、6,543百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ199百万円増加し、1,798百万円(前期比12.5%増)となりました。これは主に、売上債権の減少額480百万円、税金等調整前当期純利益449百万円、たな卸資産の減少額447百万円、減価償却費385百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用されたキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ139百万円減少し、700百万円(前期比16.6%減)となりました。これは主に、ソフトウエアの取得による支出389百万円、有形固定資産の取得による支出273百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用されたキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ0百万円増加し、287百万円(前期比0.2%増)となりました。これは主に、配当金の支払額286百万円があったこと等によるものであります。
③(生産、受注及び販売の状況)
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
通信機器事業12,904△6.5
合計12,904△6.5

(注) 1 金額は、販売標準価額で表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
通信機器事業18,143△0.287986.6
合計18,143△0.287986.6

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
通信機器事業17,735△1.8
合計17,735△1.8

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
株式会社日立情報通信エンジニアリング5,02127.84,66326.3
東日本電信電話株式会社1,5058.31,5048.5
西日本電信電話株式会社1,3677.61,3007.3
株式会社日立製作所1,0225.71,0525.9

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績の分析
2020年3月期第2四半期連結累計期間までについては、前第2四半期連結累計期間と比べ当社の主力製品であるビジネスホン関連を主として売上高及び利益ともに好調であったものの、2019年10月に発生した台風19号により、主要取引先が被災された影響で、売上高が620百万円程度減少しました。また、新型コロナウイルス感染症によりサプライチェーンが寸断され、売上高がさらに210百万円程度減少しました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べ331百万円減少し、17,735百万円となりました。新規事業として注力しているインターホン事業及びIoT事業の売上高は、前連結会計年度と比べ緩やかに増加したものの、事業の柱になるにはまだまだ足りない状況であります。売上減少に加え、Windows10への切り替え費用及び開発費の増加等により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても前連結会計年度と比べ大幅な減少となりました。
主力製品であるビジネスホン関連については、基本機能の強化と顧客ニーズに応える商品開発を行い、民需商品の更なるシェア拡大を目指してまいります。また、インターホン事業とIoTをビジネスホンに次ぐ事業の柱とするために、インターホンにネットワーク通信技術という異なる分野の技術を融合させたシステムを実現したインターホン事業の製品販売に注力し、さらに無線方式のラインナップ強化とともに、「ファクトリーNYC(ナイス)製造IoTシステム」の機能強化を図るなど、顧客ニーズの取り込みを図り、事業規模を拡大してまいります。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響に注視しつつ、引き続きスマート工場化や製造革新活動、管理部門によるRPAツールの導入などにより生産性の向上に注力して経営体質の強化を行い、売上増加及び利益増加を目指し、従業員をはじめ株主の皆様にも還元できるよう努めてまいります。
当社が中期経営計画で策定した目標とする経営指標と実績の比較は下記のとおりであり、全ての項目で遺憾ながら未達となりました。主な要因としては、台風19号や新型コロナウイルス感染症による売上減少に加え、中期経営計画に対するビジネスホン関連、IoT事業、インターホン事業等に関する販売及び開発の進捗率が想定を下回り、売上高の確保ができなかったためであります。売上減少に伴い、営業利益、自己資本利益率(ROE)も未達の状況であります。今後とも、「顧客満足」を第一に考え、オフィスに限らず様々な分野の市場を考慮した商品開発、事業開拓を進めると共に、働き方改革に向け、全社的な業務の効率化も継続してまいります。
中期経営計画で策定した目標値と実績の比較
2019年度目標2019年度実績2019年度比較
売上高20,400百万円17,735百万円2,665百万円減
営業利益1,300百万円357百万円943百万円減
自己資本利益率
(ROE)
4.4%1.4%3.0ポイント減

(b) 財政状態の分析
(資産)
総資産は前連結会計年度末に比べ741百万円減少し、22,580百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ102百万円減少し、14,803百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加816百万円があったものの、受取手形及び売掛金の減少480百万円、原材料及び貯蔵品の減少290百万円、商品及び製品の減少143百万円があったこと等によるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ639百万円減少し、7,776百万円となりました。これは主に、投資有価証券の減少453百万円、退職給付に係る資産の減少165百万円があったこと等によるものであります。
(負債)
負債は前連結会計年度末に比べ252百万円減少し、4,848百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ100百万円減少し、3,913百万円となりました。これは主に、未払金の増加149百万円があったものの、支払手形及び買掛金の減少151百万円、電子記録債務の減少121百万円があったこと等によるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ151百万円減少し、934百万円となりました。これは主に、繰延税金負債の減少155百万円があったこと等によるものであります。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ488百万円減少し、17,731百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金の減少311百万円、退職給付に係る調整累計額の減少161百万円があったこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、部品や製品の仕入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要は、設備投資、開発投資であります。また、株主還元については、株主の皆様に対する利益還元を充実していくことが経営上の重要課題であることを認識しており、業績に応じた配当の実現と市場競争力の維持や収益の向上に不可欠な設備投資、研究開発等を実行するための内部資金の確保を念頭に、財政状態、利益水準及び配当性向等を総合的に勘案し、安定的に実施する様努めてまいります。運転資金、投資資金及び株主還元等につきましては、主として内部資金を基本としております。また、大規模災害や新規開発投資の増加あるいは新規設備投資の増加、配当金の増加等によって、キャッシュ・フローが一時的に悪化した場合に備え、主要取引金融機関との間でコミットメントラインの契約を締結しており、流動性リスクを回避する体制をとっております。
当社グループは、健全な財務体質及び継続的な営業活動により、資金調達は可能であると考えております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,543百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。
(a) 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。該当判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックスプランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性にあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は第四次中期経営計画の数値をベースに、経営環境等の外部要因に関する情報と当社グループが用いている過去の実績や予算等を総合的に勘案し見積をおこなっております。当該見積りには、利益に影響を及ぼす売上高に対して、各分野への成長見込みや経済環境等を予測した仮定をおこなっております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動により見直しが必要となった場合は、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(b) 退職給付債務の算定
当社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付年金制度(キャッシュバランスプラン)及び確定拠出年金制度を採用しております。確定給付年金制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
退職給付債務の算定において、主要な仮定の変化が当連結会計年度末の退職給付債務に与える感応度は以下のとおりであります。マイナス(△)は退職給付債務の減少を、プラスは退職給付債務の増加を表しております。感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。
当連結会計年度末 (2020年3月31日)
数理計算上の仮定の変化退職給付債務に与える影響(百万円)
割引率0.5%の上昇△130
0.5%の低下141

なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係)(9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。

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