有価証券報告書-第32期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、国内外における政治情勢の変動による影響が残るものの、底堅い内外需を背景に雇用・所得情勢が改善するなど回復基調で推移しました。また欧米経済は、政治不安を抱えつつも堅調な景気回復が持続しました。
当社グループに関係するデジタル家電業界は、スマートフォン市場において法人向けの導入が進み始めたことや格安モデルの販売好調などを背景に堅調に推移しました。また、タブレット市場は個人向けを中心に伸長し、パソコン市場は個人向けが減少したものの、パソコン用基本ソフトのサポート保守終了需要により法人向けが増加したことで底打ち感が見られました。一方、薄型テレビ市場は4K及び有機ELテレビが伸長したものの、中小型テレビが伸び悩み低迷しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,358百万円減少し、65,822百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,193百万円減少し、20,630百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,835百万円増加し、45,191百万円となりました。
b.経営成績
当社グループは、売上伸長に頼らずとも利益を生み出せる経営を推し進めました。国内個人向け市場においては収益力強化を図り、法人向け市場においては文教及び観光関連に強いパートナー様との関係強化に努めました。さらに、賃貸集合住宅向けWi-Fi※インターネットサービス「アパートWi-Fi」の導入数拡大やハードディスクなどのメディアからデータを復旧する「バッファロー正規データ復旧サービス」の受注数拡大に努めました。
しかし周辺機器事業の売上減少などが影響し、当連結会計年度の業績は、売上高723億19百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益53億19百万円(同4.6%減)、経常利益63億59百万円(同2.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益51億64百万円(同17.6%増)となりました。
※:Wi-Fiは、Wi-Fi Allianceの登録商標です。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は43億44百万円となりました。キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は40億90百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益63億52百万円、仕入債務の減少による資金減少26億59百万円、たな卸資産の減少による資金増加9億6百万円、法人税等の支払い23億19百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は7億33百万円となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得による支出330億1百万円、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入330億円、関係会社株式の取得による支出3億98百万円、有形・無形固定資産の取得による支出3億27百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は35億79百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出26億6百万円、配当金の支払9億18百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
生産高(百万円) | 前期比(%) | ||
周辺機器 | 62,612 | 88.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
b.受注状況
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
販売高(百万円) | 前期比(%) | ||
周辺機器 | 70,210 | 96.2 | |
金 融 | 2,107 | 136.2 | |
その他 | 1 | 100.5 | |
合計 | 72,319 | 97.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分方法を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
ダイワボウ情報システム 株式会社 | 11,955 | 16.0 | 12,837 | 17.8 |
Amazon.com Int'l Sales, Inc. | 11,388 | 15.3 | 11,389 | 15.7 |
ヤマダ電機株式会社 | 8,619 | 11.6 | 6,995 | 9.7 |
(注)本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社経営陣は決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収入・費用に影響を与える見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
[流動資産]
当連結会計年度末の流動資産の残高は、570億96百万円となり、16億15百万円減少しました。これは主に、現金及び預金の減少2億50百万円、受取手形及び売掛金の減少6億31百万円、商品及び製品の減少8億92百万円によるものです。
[固定資産]
当連結会計年度末の固定資産の残高は、87億25百万円となり、2億57百万円増加しました。これは主に、無形固定資産の減少4億10百万円、投資有価証券の増加6億29百万円によるものです。
[流動負債]
当連結会計年度末の流動負債の残高は、185億3百万円となり、28億8百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少26億78百万円によるものです。
[固定負債]
当連結会計年度末における固定負債の残高は、21億27百万円となり、3億85百万円減少しました。
[純資産]
当連結会計年度末における純資産の残高は、451億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億35百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益51億64百万円の獲得と、配当金の支払9億18百万円、自己株式の取得26億6百万円によるものです。
2)経営成績
周辺機器事業
周辺機器事業では、国内個人向け市場において市場内のポジションは概ね堅持したものの、周辺機器市場の縮小や販売価格の適正化の影響などにより販売台数が減少しました。一方、法人向け市場においてはパートナー様との関係強化に注力した結果、前年に比べ売上が伸長しました。さらに「アパートWi-Fi」は累計導入戸数が3万5千戸を超え、平成29年5月に開始した「バッファロー正規データ復旧サービス」においてはサービス対象を他社製品にまで拡大したことも奏効し、受付件数が累計6千件を超えるなど多くの反響をいただきました。
しかしながら販売台数減少の影響が大きく、売上高702億10百万円(前年同期比3.8%減)、セグメント利益43億14百万円(同7.7%減)となりました。
金融事業
金融事業では、良好な市況を背景に堅調に推移し、売上高21億7百万円(前年同期比36.2%増)、セグメント利益10億91百万円(同35.3%増)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
主な経営指標
平成27年3月期 | 平成28年3月期 | 平成29年3月期 | 平成30年3月期 | ||
流動比率 | (%) | 308.2 | 323.9 | 275.5 | 308.6 |
固定比率 | (%) | 7.6 | 10.3 | 19.5 | 19.3 |
自己資本比率 | (%) | 65.7 | 67.4 | 64.5 | 68.7 |
売上高営業利益率 | (%) | 4.3 | 5.4 | 7.5 | 7.4 |
売上高経常利益率 | (%) | 5.4 | 6.6 | 8.7 | 8.8 |
売上高当期純利益率 (注) | (%) | 3.8 | 4.7 | 5.9 | 7.1 |
自己資本当期純利益率 (ROE)(注) | (%) | 7.2 | 8.4 | 10.1 | 11.7 |
総資本経常利益率 (ROA) | (%) | 6.6 | 7.9 | 9.9 | 9.6 |
従業員1人当たり売上高 | (百万円) | 103 | 108 | 96 | 84 |
従業員1人当たり当期純利益(注) | (百万円) | 3 | 5 | 5 | 6 |
(注)「当期純利益」は「親会社株主に帰属する当期純利益」を使用しております。